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論文

J-PARC MRにおける大強度ビーム取り出し時の空胴電圧変動

田村 文彦; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.808 - 810, 2016/11

J-PARC MRは現在、ニュートリノ実験に約390kWの大強度陽子ビームを供給している。ビームはキッカー電磁石を用いた速い取り出しにより取り出されるが、ビームの取り出し直後に20マイクロ秒程度の短時間空胴電圧が跳ね上がることがわかった。これは、RFフィードフォワード法によるビームローディング補償信号が、ビーム取り出し後も系の遅延時間だけ出続けることが原因である。MRの金属磁性体空胴は、Q値が22と低いために、ビーム負荷の急激な変動に対して10マイクロ秒程度の応答時間で反応してしまう。ビーム強度の増加につれ、電圧の跳ね上がりが増加傾向にあり、この電圧の跳ね上がりは共振用の真空コンデンサの寿命に関連があると考えられるため、対策が必要である。本発表では、跳ね上がりの抑止の結果およびビームローディングの解析について示す。この電圧変化はRCSではより影響が大きいが、RCSへの応用も期待できる。

論文

J-PARC運転データアーカイバにおけるHBase/Hadoopのバージョンアップ対応及びZooKeeperを使ったデータ収集ツールの冗長化

池田 浩; 菊澤 信宏; 吉位 明伸*; 加藤 裕子

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.637 - 640, 2016/11

J-PARCのLINAC, RCSから得られる制御に必要な大量なデータは、現在PostgreSQLに格納しているが、これをHBaseに格納する計画を進めている。HBaseはいわゆるNoSQLと呼ばれるデータストアで、大量のデータをスケーラブルに扱うことが可能である。HBaseはHadoop上で構築され、両者ともZooKeeperを利用した冗長性の管理が行われている。本格的な運用に先立って、我々のクラスタのHBase/Hadoopのバージョンアップを再度行った。これは、旧バージョンが既にサポート外であること、HBaseのAPIに関する後方互換性の明示的表明、運用開始後はバージョンアップが困難になることが理由として挙げられる。これに伴い、キックスタートや監視スクリプトの修正、これまで作成したツールのアップデートを行った。一方、HBase/Hadoopはデータを堅固に保護するが、そもそもデータを格納できなければこの堅固性は意味を失う。このため、HBase等と同様にZooKeeperを用いてデータ収集ツールを冗長化し、複数ノードに配備することで障害発生時に自動的に対応できるようにした。本発表では、バージョンアップの対応の内容、及び、データ収集ツールの冗長化とその過程で判明した問題について報告する。

論文

J-PARC 3GeV RCSキッカー電磁石電源の現状

富樫 智人; 高柳 智弘; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.725 - 728, 2016/11

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3-GeV RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では、3GeVに加速した大強度陽子ビームの取り出しにサイラトロンスイッチを採用したキッカー電磁石電源システムを利用している。本システムの電源は、使用開始からおよそ10年が経過しているが、定期的な保守点検や消耗品の交換を実施することにより現在も順調な稼働を継続している。また、サイラトロンの取り扱いについては、長年の経験をもとにした維持管理手法の確立により高い稼働率を維持するとともに、寿命については平均で10,000時間を超える利用が可能な状況にまで改善されている。一方、消耗品については、経年的に製造中止品が増加しており、代替え品の選定が懸案となっている。また、高圧機器の絶縁と冷却に使用しているシリコン油についても耐電圧性能の劣化が進んでいる傾向があり性能の回復方法や入れ替え手順などの検討が必要となってきている。本報告では、これまでの運転状況並びに保守点検結果を交えながらキッカー電磁石電源の現状について報告する。

論文

J-PARCクライストロン電源の高圧整流器の改修

千代 悦司; 佐川 隆*; 鳥山 稔*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.400 - 402, 2016/11

J-PARCリニアックのクライストロン電源は、12相の600Vの交流電圧を位相制御されたサイリスタにてチョップし、変圧器にて110kVまで昇圧し、整流器にて直流化し、直流高電圧を発生している。本電源では、昇圧変圧器、整流器および平滑用リアクトルが一体化し、変圧整流器を構成しているが、この変圧整流器の整流器が、稼働時間が30,000時間以上経過すると故障が発生し、しばしば加速器を長期間停止させてきた。整流器は、ダイオードと分圧用のコンデンサーを並列に接続し、多段にスタックすることで耐電圧を得ている。故障した整流器を調査したところ、セラミックコンデンサーのモールド内のセラミック沿面で絶縁破壊しており、耐圧以上の電圧がコンデンサーに印加されていた。高電圧がコンデンサーに印加される原因を調査し、その対策を整流器に施した。現在、改修された整流器を装着した変圧整流器を長時間運転し、対策の妥当性を評価している。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1413 - 1417, 2016/11

原子力機構-東海タンデム加速器施設における2015年度の加速器の運転日数は141日であった。最高運転電圧は18MVで、10日間の利用があった。11月に加速器の放電により一部の加速管に不調が生じ、運転電圧を低く抑えて運転を継続せざるを得なくなり、年度末には最高運転電圧は13MVまで下がった。利用されたイオン種は15元素(18核種、22のイオン種)である。利用分野は核物理36%、核化学26%、原子物理・材料照射33%となっている。主な整備事項として、加速管の高エネルギー側にあるビームアパーチャーおよびファラデーカップ位置の再アライメントを行った。また、年度途中から不調となった加速管8本の交換作業を実施した。2015年度の加速器の運転・開発状況およびビーム利用開発について報告する。

論文

J-PARC 3MeVリニアック用制御システム開発

澤邊 祐希*; 石山 達也; 高橋 大輔; 加藤 裕子; 鈴木 隆洋*; 平野 耕一郎; 武井 早憲; 明午 伸一郎; 菊澤 信宏; 林 直樹

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.647 - 651, 2016/11

J-PARCでは実機の安定運転に必要なビームスクレーパ照射試験およびレーザ荷電変換試験を実施するために3MeVリニアックを再構築した。3MeVリニアックは、セシウム添加高周波駆動負水素イオン源(RFイオン源)から負水素イオンビームを取り出し、高周波四重極型リニアック(RFQ)で3MeVまでビームを加速する。3MeVリニアックを制御するには、加速器およびレーザから人への安全を確保する人的保護システム(PPS)、加速器構成機器を保護するための機器保護システム(MPS)、各機器の同期をとるタイミングステム、およびEPICSを用いた遠隔制御システムが重要となる。本発表では、これらの3MeVリニアック用制御システムについて報告する。

論文

Beam instability suppression in the 3-GeV RCS of J-PARC

Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 發知 英明; 原田 寛之

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.125 - 129, 2016/11

The transverse impedance of the extraction kicker magnets is a significant beam instability source in the 3-GeV RCS of J-PARC. The ORBIT code was successfully updated for space charge and beam instability simulations by introducing all realistic time dependent machine parameters. The simulation results showed very critical beam instability situation, especially for the designed 1 MW beam power. Systematic simulation and measurement studies were performed in order to determine a realistic strategy to accomplish 1 MW beam power. The simulation results were well reproduced in the measurements, while an acceleration of 1 MW beam power has also been successfully accomplished. Recently, further suppression of the beam instability for a flexible choice on the parameter space in order to improve the extraction beam quality is also studied.

論文

J-PARCリニアックにおける中間パルス形状に対応したビーム負荷補償試験

二ツ川 健太*; 小林 鉄也*; 佐藤 福克; 篠崎 信一; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 溝端 仁志; 道園 真一郎*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.327 - 331, 2016/11

J-PARCリニアックは、RFQ下流のビーム輸送路(MEBT1)に設置されているRFチョッパ空洞で不必要なビームを蹴ることにより、中間パルスと呼ばれる櫛形構造のビームを生成している。RFQ下流の空洞では中間パルス形状を持つビームが通過すると、必然的にこのビーム形状の負荷がある。現在までは、ビーム電流を設計値で運転していないこともあり、中間パルス形状に対応した負荷補償ではなく、平均的なビーム電流を仮定した矩形の負荷補償を行ってきた。しかし、ビーム電流の増加でビーム負荷が大きくなるに伴い、RFの要求精度を満たすことが難しくなってきた。そこで、中間パルス形状に対応したビーム負荷補償の試験を実施した。Q値が高いSDTL及びDTLに対する中間パルス形状に対応したビーム負荷補償システムは、良好な結果を得られた。一方で、972MHzのACSに対するビーム負荷補償システムは隣接するモードを励振してしまうということが明らかになり、システムの改良が求められる。

論文

J-PARCリニアッククライストロンパービアンス&ゲインモニタの開発状況

堀 利彦*; 篠崎 信一; 佐藤 福克; 溝端 仁志; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.429 - 432, 2016/11

本研究会において、324MHzクライストロン電子銃部の変調アノード電位の放電に起因する高圧電源停止頻度を改善した報告を過去3年間行った。放電は25Hz、0.7ms変調パルス以外の充電時間帯に生じており、変調アノードの耐圧劣化が主原因のクライストロン交換数は4本となった。2015年11月以降は、クライストロン印加電圧を従来の2$$sim$$3kV低い値での運転を始め、放電回数の増減を継続して調査している。印加電圧を下がったデメリットとして、利用運転時におけるクライストロンパワーのマージンの低下並びに高電流ビーム加速(~50mA)時には印加電圧を再設定し直すことなどが考えられ、各クライストロンの現在の動作点(入出力曲線の肩特性に対するマージンなど)を正確に把握する必要があった。そこで2016年より、クライストロンのカソード電圧、電流から算出されるパービアンス値並びに3種類の加速ビーム幅、ビームローディングの有無に対応したクライストロンゲイン値を測定するためのクライストロン特性用モニタを開発中である。本発表では、パービアンス&ゲインモニタの概要、初号機の試験結果など詳細を報告する。

論文

J-PARC3MeVリニアックを用いたビームスクレーパの開発

平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11

単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67$$^{circ}$$のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67$$^{circ}$$ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のH$$^{-}$$ビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百$$mu$$mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。

論文

J-PARCリニアックMEBT1部垂直コリメーターの開発

杉村 高志*; 丸田 朋史*; 平野 耕一郎

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.307 - 309, 2016/11

J-PARCリニアックでは、ビーム強度の増強が計画されており、現在運転しているパラメーター40mA, 25Hz, 500$$mu$$sを50mA, 50Hz, 500$$mu$$sに変更することを目指している。加速器で大強度ビームを得るためには、ビームロスを出来得る限り軽減しておくことが必須である。J-PARCリニアックでは、イオン源、RFQ(高周波四重極型リニアック)で加速されたビームをMEBT1(Medium Energy Beam Transport 1)でマッチング及びパルス成形を行いDTL(ドリフトチューブ型リニアック)に入射している。現在の運転において、DTLにおける局所的放射化が観測されたため、増強においては更なる対策が必須である。ビームシミュレーションの結果から、DTLにおけるビームロスは、MEBT1に新たに垂直方向のコリメーターを設置することで、軽減できることが分かった。本発表では、上記目的のため、MEBT1に設置する垂直方向コリメーターの製作設計の状況について報告する。

論文

J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM精密測定実験のためのミューオンリニアック

近藤 恭弘; 長谷川 和男; 伊藤 崇; Artikova, S.; 大谷 将士*; 三部 勉*; 内藤 富士雄*; 吉田 光宏*; 北村 遼*; 岩下 芳久*; et al.

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.66 - 69, 2016/11

ミューオン加速のための加速器を開発中である。この加速器により、ミューオンの異常磁気モーメントを0.1ppmの精度で、また電気双極子モーメントを10E-21e cmの精度で測定することが可能となり、素粒子の標準理論をこえる物理の探索ができるようになる。このミューオンリニアックは、超低速ミューオン源,高周波四重極リニアック,交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック,ディスクアンドワッシャ型結合空洞リニアック,円盤装荷型進行波リニアックからなる。本論文では、このミューオンリニアックの開発状況、特にビーム力学設計について述べる。

論文

リニアック加速空洞用冷却水設備の現状

菅沼 和明; 廣木 文雄; 伊藤 崇; 山崎 良雄

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.304 - 306, 2016/11

加速空洞用冷却水設備は、以前より流量が減少する事象が見受けられ冷却水の流量低下によって警報が発報し、加速器全体の運転を停止させることがある。警報発報から復旧までに時間を費やすため早急な対策が望まれており、J-PARC加速器全体で取り組む課題となっている。われわれは、リニアック空洞のRFQからSDTLまでの冷却水設備である設備名称RI4系について、以前から現象が確認されている冷却水設備のバッファタンクの水位変動と、冷却水全体流量の変動の関連について再度注目してみた。同時に、冷却水設備の運転データから新たな情報の有無を調べた。冷却水の全体流量の減少原因について、運転データと関連づけながら仮説を立ててみる。

論文

J-PARC 3GeV陽子シンクロトロンにおける1MW運転時のビーム損失とその低減

發知 英明; 原田 寛之; 加藤 新一; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 谷 教夫; 渡辺 泰広; et al.

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.61 - 65, 2016/11

J-PARC 3-GeV RCSでは、2015年の夏季作業期間にRF電源の増強を行い、その直後の10月より1MWのビーム調整を再開した。10月のビーム試験では、RFフィードフォワード調整やペイント入射の導入により、縦方向のビーム損失や空間電荷由来の横方向のビーム損失を最小化させると共に、色収差や加速過程のチューンをコントロールすることでビームの不安定化を抑制することに成功した。また、その後のビーム試験では、新規導入した補正四極電磁石と共にAnti-correlatedペイント入射を併用することでペイント入射範囲の拡幅を実現し、その結果、入射中の荷電変換フォイル上での散乱現象に起因したビーム損失を大幅低減させることに成功した。2015年10月以降に行った一連のビーム調整により、1MW運転時のビーム損失は、十分に許容範囲内といえるレベルにまで低減された。本発表では、ビーム増強過程で実際に我々が直面したビーム損失の発生機構やその低減に向けた取り組みなどを中心に、RCSビームコミッショニングの進捗状況を報告する。

論文

J-PARC RCSリングコリメータ故障によるビーム損失局所化への影響

吉本 政弘; 竹田 修; 原田 寛之; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1097 - 1101, 2016/11

J-PARC 3GeV RCSでは世界最高レベルの1MW大強度ビームを実現するために、ビーム損失を局所化して他機器の放射化を抑制するリングコリメータシステムを設置している。RCSのリングコリメータシステムは散乱体1台と吸収体5台で構成されており、これまでのビーム調整の成果と合わせて、コリメータ部以外に大きな放射化を機器に生じさることなく500kWビーム出力までの利用運転の実績を持つことができた。しかし、2016年4月にリングコリメータの吸収体5で駆動部破損に伴う真空リークが発生し、取り外しての加速器運転を余儀なくされた。そこで、まず粒子トラッキング計算によりコリメータ下流部で新たなビーム損失が発生しても現状での利用運転の強度では許容可能であることを事前に確認した。次にリング全周におけるビーム損失の変化をビーム損失モニタの測定結果から問題ないことを確認して、加速器運転を再開した。今回からRCS全周にわたる残留線量の詳細分布測定を実施し、合わせて短期メンテナンスに伴うビーム停止毎に継続的に測定することで加速器運転状況に伴う線量分布の推移も調査した。この結果からより詳細なビーム損失の構造を把握することができた。本発表では、リングコリメータ吸収体5を取り外したことによるビーム損失局所化への影響を報告する。また詳細な残留線量分布測定の結果からリングコリメータの調整方法に対する課題についても議論する。

論文

J-PARC RCS水平シフトバンプ電磁石の現状

堀野 光喜; 高柳 智弘; 植野 智晶; 飛田 教光*; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.703 - 707, 2016/11

J-PARC 3-GeVシンクロトロン(RCS)の水平シフトバンプ電磁石は、RCSで採用されている多重入射方式の荷電変換入射を行うため、周回ビームの軌道にバンプ軌道を生成し、入射ビームと周回ビームを合流させる重要な機器の一つである。2014年2月に、LINACからの400MeV入射ビームによるユーザー利用運転がスタートした。その約1年後の2015年2月と3月に、水平シフトバンプ電磁石の銅帯コイルを固定しているコイルサポートボルトの脱落と、4台の電磁石を直列に接続している銅バーの水冷配管からの漏水のトラブルが発生した。トラブルの発生直後は、暫定対策で加速器の利用運転に対応し、2015年の夏期メンテナンス期間に、恒久対策を実施した。恒久対策の実施後は、トラブル無く安定した運転を継続している。本発表では、水平シフトバンプ電磁石に発生したトラブルと恒久対策の内容、及び、その効果について報告する。

論文

J-PARC RCSペイントバンプ電源の現状報告

植野 智晶; 高柳 智弘; 堀野 光喜; 飛田 教光*; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.720 - 724, 2016/11

J-PARCの3-GeVシンクロトン加速器の入射バンプシステムのうち、水平・垂直のペイントバンプ電磁石は、Linacからの入射ビーム(H$$^{-}$$)とRCSの周回ビーム(H$$^{+}$$)を合流させ、大強度の陽子ビームを生成する重要な機器の一つである。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)スイッチのアセンブリを多段多重の並列回路で構成し、スイッチング周波数648kHzで運転する。そして、出力電圧が定格の1.2kV以下であれば、出力電流の波形パターン形状を定格の$$pm$$1%以下の精度で任意に形成して出力することを実現している。しかし、出力電流値のパルスショットごとの変化(フラツキ)が、$$pm$$1%以上になる場合がある。出力電流値の変動1%は、ビーム軌道の変位量約1mmに相当するため、RCSの所期性能である1MW大強度ビーム運転時には、ビームロス増加の要因となる。そこで、電源の入力パターンである電流・電圧の指令値の生成クロックと、電源を構成するIGBTスイッチ全ての動作クロックを同期化する基板を製作し、ショット毎のフラツキに関する入力パターンのタイミングのズレと同期化の効果について調査試験を行った。本発表では、同期化システムの詳細、試験結果、その他、実機で生じている現在の問題について報告する。

論文

J-PARC RCS入射バンプシステムの現状と将来計画

高柳 智弘; 植野 智晶; 堀野 光喜; 富樫 智人; 飛田 教光*; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.699 - 702, 2016/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の入射バンプシステムは、2012年と2013年に、LINACの181MeVから400MeVへのアップグレードに合わせた電源の交換及び電源容量の増強を行った。水平シフトバンプ電源と水平ペイントバンプ電源1は新電源に変更し、水平ペイントバンプ電源2, 3, 4は、定格の電流を1.6倍、電圧を2倍に電源容量を増強するため、既設電源に対してチョッパ盤の追加及びアセンブリ間の配線変更を実施した。そして、2015年1月には、RCS所期性能である1MW相当のビーム加速に成功した。しかし、その後、RCSの加速器が安定したユーザー利用運転を継続していく中で、水平ペイントバンプ電源では、パルスショット毎の電流値の変動(定格の$$pm$$1%以上)がビーム調整時に問題になることが判明した。また、入射部の電磁石周辺では、荷電変換入射による残留線量の増加が散見されるようになった。そのため、電流値の変動については、旧水平ペイントバンプ電源を用いたオフラインでの調査・対策を実施し、残留線量については、入射用水平シフトバンプ電磁石の形状変更による入射部遮蔽体の追加を計画している。本発表では、入射バンプシステムの現状と将来計画について報告する。

論文

J-PARC RCSエネルギー増強のための主電磁石の検討

谷 教夫; 渡辺 泰広; 發知 英明; 原田 寛之; 山本 昌亘; 金正 倫計; 五十嵐 進*; 佐藤 洋一*; 白形 政司*; 小関 忠*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.708 - 711, 2016/11

J-PARC加速器の大強度化を進めるために、3GeV RCSの加速エネルギーを現在の3GeVから3.4GeVに増強する案が検討されている。そのため、3.4GeVを目指したRCS電磁石の検討が行われた。空間電荷効果の影響でRCSからの3GeV 1MWビームでは、MRの入射部でのビームロスが5%と大きい。入射ビームを3.4GeVにすると、ビームロスが1%程度となり、MRで1MWビームの受け入れが可能となる。四極電磁石の検討では、磁場測定データを基に評価が行われた。四極電磁石は、3.4GeVでも電源の最大定格値を超えないことから、電磁石・電源共に対応可能であることがわかった。しかし、偏向電磁石は、3次元磁場解析データから、3.4GeVでは飽和特性が5%以上悪くなった。電源についても、直流及び交流電源の最大定格が現電源と比べて15%及び6.2%超えており、現システムでは難しいことがわかった。このため、偏向電磁石については、既存の建屋に収まることを前提として、電磁石の再設計を行った。その結果、電源は直流電源の改造と交流電源の交換で実現可能となることがわかった。本論文では、RCS電磁石の出射エネルギー増強における検討内容及びその結果見えてきた課題について報告する。

論文

J-PARC 3MeVリニアックにおけるレーザ荷電変換試験の結果(速報)

武井 早憲; 平野 耕一郎; 堤 和昌; 千代 悦司; 三浦 昭彦; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 小栗 英知; 明午 伸一郎

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.987 - 991, 2016/11

加速器駆動システム(ADS)は、原子炉で発生するマイナーアクチノイド(MA)などの長寿命放射性核種を核変換する一つの候補である。このMAを効率よく核変換するためには、ADS炉心における中性子分布を精度よく予想することが必要不可欠である。ADS用の中性子データを収集するために、J-PARCでは核変換物理実験施設(TEF-P)の建設を計画している。TEF-Pは、未臨界炉の熱出力が500W以上にならないように、安定な陽子ビーム(最大10W)を必要とする。このため、大強度負水素イオン(H$$^{-}$$)ビーム(エネルギー400MeV、出力250kW)から微弱なビームを安定かつ精度よく切り出す方法を開発しなければならない。この要求を満たすために、レーザー荷電変換技術(LCE)を開発している。開発しているLCE装置は、1パルス当たり1.6J、繰り返し数25HzのYAGレーザー、及びレーザー光の位置を精度良く制御する制御系から構成されている。そして、陽子ビーム輸送系の偏向電磁石中で、レーザー光によってH$$^{-}$$ビームの電子を剥ぎ取り、H$$^{0}$$を分離している。現在、レーザー光を用いてH$$^{-}$$ビームの荷電を変換することを確認するため、J-PARCのRFQテストスタンドでエネルギー3MeVのH$$^{-}$$ビームを用いてLCE試験を実施している。本論文では、LCE試験の現状について報告する。

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