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迫田 晃弘; 野村 直希*; 黒田 佑次郎*; 河野 恭彦; 内藤 航*; 吉田 浩子*
Journal of Radiological Protection, 41(4), p.1258 - 1287, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.27(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所の事故後、多くの放射線専門家は、リスクコミュニケーションを含む公衆理解(PU)に関する事故前の認識と実態との間に大きなギャップがあることを経験した。そこで本研究では、放射線や放射線リスクに関する日本の6つの学会(社会的に中立的な専門家コミュニティ)のPU活動について、事故前後の情報を収集・分析した。これらの学会が一般市民に提供している活動について、以下の観点から考察した。(1)リソース、モチベーション、公衆の関心・懸念による双方向のコミュニケーションの難しさ、(2)学術研究とPU活動のバランス、(3)会員専門家の中立性と独立性を確保した、学会の一般市民との信頼関係の構築、(4)一般市民へのエンゲージメントに向けた学会間の議論。放射線防護の専門家や学会が公衆コミュニケーションやアウトリーチにおける役割について、本論文をきっかけに国内外の議論が一層高まることを期待している。
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*; 加藤 伸之*; 松井 康人*; 米田 稔*
Journal of Radiological Protection, 41(3), p.S139 - S149, 2021/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)屋内退避は原子力事故時の放射線被ばくに対する防護対策の一つである。屋内退避の効果は低減係数によって表される。本研究では、低減係数を屋内外の積算放射能濃度比または線量比で定義した。屋内濃度は主に空気交換率,浸透率及び室内沈着率によって支配される。浸透率と室内沈着率は表面材質と隙間材質に依存する。Iと粒子のこれらのパラメータについて実験的に調査した。実験は2軒のアパート及び3軒の戸建て住宅に加えて、実験室のチャンバーで実施した。浸透率は、0.3
1
mの粒子で0.3
1、I
で0.15
0.7であり、いずれも空気交換率に依存していた。室内沈着率は、0.3
1
mの粒子で0.007
0.2h
、I
で0.2
1.5h
であり、いずれも床面材質に依存していた。
大森 康孝*; 細田 正洋*; 高橋 史明; 真田 哲也*; 平尾 茂一*; 小野 孝二*; 古川 雅英*
Journal of Radiological Protection, 40(3), p.R99 - R140, 2020/09
被引用回数:10 パーセンタイル:70.85(Environmental Sciences)国連原子放射線の影響に関する科学委員会(UNSCEAR)及び原子力安全研究協会では、宇宙線,地殻放射線,ラドン吸入,食物摂取等の自然放射線源による年間線量を報告している。本研究では、主要な自然放射線源からの国内の放射線量を最新の知見に基づいてレビューした。宇宙線による年間線量は、0.29mSvと評価され、地殻放射線に起因する外部被ばくによる年間線量平均値は、放射線医学総合研究所が進めた全国調査のデータより0.33mSvと評価された。また、日本分析センターでは、屋内,屋外及び職場でのラドン濃度を統一された測定方法により調査した。この調査に基づいて、現在の線量換算係数を使用した場合、ラドンの吸入による年間線量は0.50mSvと推定された。トロンからの年間実効線量は、UNSCEARによって0.09mSvと報告されており、ラドンとトロンの吸入による年間線量は0.59mSvとなった。また、日本分析センターによる食品の大規模調査により、食事摂取による主要放射性核種からの年間線量は0.99mSvと評価されている。以上より、日本人の自然放射線による全年間線量は2.2mSvと評価され、世界平均値2.4mSvに近い値となった。
古田 琢哉; El Basha, D.*; Iyer, S. S. R.*; Correa Alfonso, C. M.*; Bolch, W. E.*
Journal of Radiological Protection, 39(3), p.825 - 837, 2019/09
被引用回数:2 パーセンタイル:32.52(Environmental Sciences)人の眼球には多様性があるにもかかわらず、これまでの眼球に対する線量計算シミュレーションでは、ほぼ全ての研究で標準的な一つのモデルが採用されてきた。そこで、本研究では新たに開発した大きさ及び変形が可能な数値眼球モデルを利用し、モンテカルロ放射線輸送計算コードPHITSを用いて、標準的な照射場(AP, PA, RLAT, ROT等)での電子線,光子線および中性子線による眼球内組織の線量を計算した。ここでは、5種類(標準,大型,小型,近視形状型および遠視形状型)の極端な眼球モデルの計算結果の比較に基づき、組織の吸収線量への眼球の大きさや変形が与える影響を解析した。電子線では線量の集中性が高く、吸収線量は眼球表面からの組織の深さに大きく依存して変化する。このため、眼球の大きさや変形に伴い、組織全体の深さ位置が変化することによる吸収線量への顕著な影響が見られた。これに対し、光子線や中性子線では電子線に比べて線量の集中性が弱いため、眼球の大きさや変形による影響が小さいことがわかった。
石川 徹夫*; 松本 雅紀*; 佐藤 達彦; 山口 一郎*; 甲斐 倫明*
Journal of Radiological Protection, 38(4), p.1253 - 1268, 2018/12
被引用回数:7 パーセンタイル:64.21(Environmental Sciences)本稿では、内部被ばく線量評価とそれに伴う健康影響研究の現状について解説する。その主な目的は、線量係数の不確定性について議論すること、外部被ばくと内部被ばくの放射線影響の違いについて比較すること、近年の疫学研究の結果をレビューすることである。その際、主に扱う放射性核種は、福島第一原子力発電所の事故による内部被ばく線量を評価する上で重要となるCs,
Cs,
Iとした。本解説により、現状の科学的知見に基づく場合、内部被ばくによるリスクは同じ実効線量の外部被ばくによるリスクと比較してほぼ同等かやや低いと考えるのが妥当であると結論づけられた。
杉山 大輔*; 木村 英雄; 立川 博一*; 飯本 武志*; 河田 陽介*; 荻野 治行*; 大越 実*
Journal of Radiological Protection, 38(1), p.456 - 462, 2018/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故後の経験から、現存被ばく状況において環境修復に関する放射性廃棄物管理の放射線防護規準を確立することが必要である。本報ではそのために段階的なアプローチを提案し、放射性廃棄物管理に伴う年間線量の参考レベルとして第一段階1-10mSv/yを設定すべきであると考える。その後、最終的な線量目標1mSv/yを達成するため、段階的にその参考レベルは引き下げられる。その各段階における線量基準は、ステークホルダーの関与の下で決定される。本報ではその段階的アプローチの具体的な例を示す。
横山 須美*; 浜田 信行*; 林田 敏幸*; 辻村 憲雄; 立崎 英夫*; 黒澤 忠弘*; 青天目 州晶*; 大口 裕之*; 大野 和子*; 川浦 稚代*; et al.
Journal of Radiological Protection, 37(3), p.659 - 683, 2017/09
被引用回数:13 パーセンタイル:80.67(Environmental Sciences)国際放射線防護委員会が2011年に水晶体の職業等価線量限度を下げることを勧告して以来、多くの議論が様々な国々でなされてきた。この論文は、日本における水晶体の放射線防護の現状と新しい水晶体線量限度の潜在的なインパクトに関する議論をとりまとめる。トピックは水晶体線量限度の歴史的変遷、水晶体の職業被ばくの現状(例えば、医療労働者, 原子力労働者、および福島原子力発電所労働者)と測定、生物学的研究および放射線白内障に関する疫学研究の現状を含んでいる。焦点は日本の状況に置かれているが、そのような情報の共有は他の多くの国々にとって有用になると思われる。
嶋田 和真; 甲斐 倫明*
Journal of Radiological Protection, 35(4), p.763 - 775, 2015/12
被引用回数:10 パーセンタイル:66.41(Environmental Sciences)本論文は、Disability-Adjusted Life Year (DALY)を放射線のリスク指標として用いることを提案するものである。DALYは余命損失Years of Life Lost(YLL)と損なわれた健康的な生活の年数Years Lived with Disability(YLD)を合計することにより計算される。この概念は現状のICRPの手法による放射線デトリメント(ICRPデトリメント)の誤用を避けるために確率的な測定値ではないリスク指標として表現される。日本人集団のデータを用いてYLLとYLDを計算した結果、日本人1人あたりの1Gyの被ばくによる全がんのDALYは、男性は0.84年、女性は1.34年と評価された。同様のデータとICRPデトリメントを算出し、DALYと比較した。その結果、白血病、乳がん及ぶ甲状腺がんを除いたがん部位について両者の傾向が一致することがわかった。DALYがICRPデトリメントより有利な点は、死亡データを用いないため非致死疾病に対するリスクを計算可能な点である。この研究により、DALYが放射線のリスクと公衆の健康における様々な種類の疾病とを比較することが可能な実践的な道具であることが示された。
Burda, O.*; 佐藤 達彦; Wissman, F.*
Journal of Radiological Protection, 33(2), p.339 - 348, 2013/06
被引用回数:11 パーセンタイル:68.43(Environmental Sciences)航空機高度における宇宙線環境は、吸収線量とその線質係数で特徴づけることができ、両者を同時に測定可能な組織等価ガス比例計数管(TEPC)は、その調査に理想的なツールである。本研究では、TEPCを用いて測定したさまざまな航路における線質係数を再評価し、その系統性を解析した。その結果、測定した線質係数は、航空機高度においてはほとんど高度に依存しないが、地磁気強度の指標であるカットオフリジディティには大きく依存することがわかった。また、著者が開発した大気圏内宇宙線スペクトル計算ソフトウェアEXPACSを用いた解析により、線質係数は航空機の構造にも依存することがわかった。