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土井 教史*; 吉越 章隆
Surface and Interface Analysis, 52(12), p.1117 - 1121, 2020/12
被引用回数:1 パーセンタイル:1.81(Chemistry, Physical)高強度で耐酸化性に優れたNi基合金は、化学プラントに広く使用されている。特に、Niベース合金にSnとSbを添加すると、耐メタルダスティング性が向上する。メタルダスティング環境下では、SnとSbが合金表面に偏析していることが指摘されているが、その詳細は明らかにされていない。高温酸化環境下におけるNi-Sn合金およびNi-Sb合金の挙動を、X線光電子分光法を用いてその場で調べた。その結果、低酸素ポテンシャル環境下での酸化により、SnとSbが合金表面に偏析していることが確認された。これらの結果は、SnとSbの偏析が耐メタルダスティング性を向上させることを示唆している。
大谷 恭平; Islam, M. S.*; 坂入 正敏*; 兼子 彬*
Surface and Interface Analysis, 51(12), p.1207 - 1213, 2019/12
被引用回数:1 パーセンタイル:1.66(Chemistry, Physical)異なる亜鉛イオン濃度の模擬淡水中でA3003アルミニウム合金に形成した腐食生成物の形態および組成をオージェ電子分光分析装置(AES)により明らかにした。試料断面の観察より、浸漬した模擬淡水の亜鉛イオン濃度が増加するほどA3003に形成した腐食生成物の厚さは減少することがわかった。試料断面の分析より、溶液中の亜鉛イオン濃度が0.1mMを超えると腐食生成物は多層構造になり、内側の亜鉛の豊富な層は高耐食性を有することが示唆された。
江坂 文孝; 野島 健大; 鵜殿 治彦*; 間柄 正明; 山本 博之
Surface and Interface Analysis, 48(7), p.432 - 435, 2016/07
被引用回数:16 パーセンタイル:38.54(Chemistry, Physical)X線光電子分光法(XPS)は、固体試料の非破壊化学状態分析に広く用いられている。この方法では、イオンビームスパッタリングを併用することにより深さ方向分析が可能である。しかし、スパッタリングはしばしば偏析や選択的な原子の放出を引き起こし、正確な情報が得らえない場合がある。一方、放射光からのエネルギー可変X線の利用は、スパッタリングなしでの深さ方向分析を可能とする。本研究では、放射光X線を励起源としたXPSおよびX線吸収分光法(XAS)による深さ方向分析法について、MgSi単結晶の表面酸化層の分析を例に、検討を行った。その結果、本法により非破壊での深さ方向分析が可能であり、Mg
Si単結晶の表面酸化層としてSi-OあるいはSi-O-Mg層が形成されることがわかった。
土井 教史*; 西山 佳孝*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
Surface and Interface Analysis, 48(7), p.685 - 688, 2016/07
被引用回数:5 パーセンタイル:11.08(Chemistry, Physical)Ni基合金は、強度および優れた酸化耐性から広く使われている。特に、Cuを混ぜることによって著しくメタルダスティング耐性を改善する。メタルダスティング環境中の合金表面にCuが偏析することが示されているが、詳細は未だ不明である。高温酸化環境下におけるNi-2Cu合金の振る舞いをその場X線光電子分光を使って調べた。酸化中Ni-2Cu表面にCuが偏析することを確認した。Cu偏析がメタルダスティング耐性を改善することを提唱する。
Tang, J.*; 西本 究*; 小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 渡辺 大輝*; 寺岡 有殿; 高桑 雄二*
Surface and Interface Analysis, 46(12-13), p.1147 - 1150, 2014/12
被引用回数:1 パーセンタイル:1.57(Chemistry, Physical)Long-time oxidation on Si(111)77 surfaces at room temperature has been investigated by real-time photoelectron spectroscopy to clarify the mechanism of the interface oxidation. It is found that the oxidation mode gradually transformed from oxygen adsorption on the Si(111)7
7 surface in the initial stage to SiO
amorphous-like oxidation on the Si(001)2
1 surface in the interface oxidation. The self-accelerating oxidation with a significant increase of oxidation rate occurred during the interface oxidation on the Si(111)7
7 surface, where the strained Si atoms were obviously generated at the SiO
/Si interface. The strains generated at interface layers induce the emission of Si atoms from the interface when strain is over a critical value, which contributes to the interface oxidation due to the reaction activities of both the vacancy sites and emitted Si atoms.
関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; 本田 充紀; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; Deng, J.*
Surface and Interface Analysis, 42(6-7), p.863 - 868, 2010/06
被引用回数:1 パーセンタイル:1.69(Chemistry, Physical)有機半導体は豊富な資源,印刷技術が使える、電子物性が多様などが期待される次世代デバイスである。良質な有機半導体はよく分子配向した「核」として薄膜上に生じ始める。発表者は直線偏光の放射光と光電子顕微鏡を組合せた新しい装置を開発中である。その方法ではX線吸収スペクトルに現れる共鳴ピークを解釈する必要がでてくる。そのため大きな有機半導体分子の内殻電子励起状態を求めるため等価内殻近似に基づいて分子軌道法による理論計算を行った。計算結果をもとにグラファイト上に吸着したSiフタロシアニン分子の配向構造を決定した。分子軌道計算により電子励起状態の対称性を帰属することが配向角度を決めるうえで重要であることを示した。
池浦 広美*; 関口 哲弘
Surface and Interface Analysis, 42(6-7), p.1085 - 1088, 2010/06
被引用回数:5 パーセンタイル:10.59(Chemistry, Physical)デオキシリボ核酸(DNA)の電子輸送過程における理解を深めるために、DNAを構成する核酸についてその界面における相互作用を研究した。5'グアノシン一リン酸(GMP)微結晶におけるリン酸基間の電子移動速度を共鳴オージェ測定とその光子エネルギー依存性測定を行って調べた。実験結果は、GMPのリン酸基の配列軸に沿って広がったバンド状態が形成されていることを示し、DNAのリン酸骨格で得られた結論と類似した結果であった。GMPのリン酸基の電子非局在の速度はDNAの骨格リン酸中の速度よりむしろ速いことが内殻正孔時計法により明らかにされた。この結果は、DNA関連系の中でGMPのリン酸基の界面が最小の電子移動トンネル障壁を持つ系であることを意味する。これまでDNA及びDNA関連物質の電荷移動過程において核酸塩基の-
相互作用による電荷移動機構のみが広く知られていたがリン酸基上の新たな電気伝導過程もあり得ることを本結果は示した。
名越 正泰*; 河野 崇史*; 槇石 規子*; 馬場 祐治; 小林 克己*
Surface and Interface Analysis, 40(3-4), p.738 - 740, 2008/04
被引用回数:4 パーセンタイル:9.27(Chemistry, Physical)放射光の高エネルギーX線を用いた斜入射X線光電子分光法(XPS)を鏡面研磨したステンレス鋼及びシリコンウェハーの表面分析に応用した。斜入射X線を用いる利点は、斜入射X線の表面における進入深さが数ナノメーターと浅いため、XPSにおけるバックグラウンドを低減することができることである。実験は高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光科学研究施設のBL-27Aで行った。1.8keVから3.6keVのエネルギーの放射光軟X線を種々の入射角で試料表面に照射した。光電子は3keVまで測定可能な半球型電子分光器により測定した。全反射条件下で光電子分光スペクトルを測定したところ、XPSのバックグラウンドが著しく低下することを確認した。この結果を、バックグラウンドの理論計算と比較したうえで、X線の進入深さと光電子の非弾性平均自由行程の関係において議論した。また、得られたスペクトルから、深さ方向の情報が得られるかどうかについても検討した。
池浦 広美*; 関口 哲弘
Surface and Interface Analysis, 40(3-4), p.673 - 675, 2008/03
被引用回数:15 パーセンタイル:35.82(Chemistry, Physical)内殻電子励起吸収端領域におけるX線吸収(XAS)測定法は一般に空軌道バンドの状態密度やエネルギー幅に関する情報を提供するため、放射光を利用して数多くの化合物について測定されてきた。本研究において有機ポリマーの一つであるポリチオフェンについてXASスペクトル、及び共鳴オージェ電子スペクトルを測定し空状態のエネルギー的な広がりを調べた。分子軌道計算等により行われ報告されている基底状態における伝導帯との比較を行った。結果、X線励起の場合、内殻正孔の存在による空状態の局在化が起こるため、基底状態よりもかなり狭いバンド幅を与えることが明らかになった。
関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.
Surface and Interface Analysis, 38(4), p.352 - 356, 2006/04
被引用回数:3 パーセンタイル:6.96(Chemistry, Physical)部分電子収量(PEY)法と光刺激イオン脱離(PSID)法とを組合せた新しいX線吸収端微細構造(NEXAFS)分光法の開発を行った。その開発された検出器を用いてFイオン照射により表面修飾を施したグラファイト最表面における結合配向を調べた。PEY法により測定されたフッ素1s内殻励起準位の角度依存NEXAFSスペクトルには大きな偏光角度依存は認められなかった。それに対し、飛行時間質量分析法によりF
イオンを検出し、その収量を縦軸とするNEXAFSスペクトルを得た。F
イオン収量スペクトルは吸収スペクトルと異なり=C-Fサイトに由来する
*(C-F)励起において強度増強された。またそのピークのみピーク面積が顕著に偏光角度に依存した。イオン脱離と二次電子放出のそれぞれの観測深さを見積もり考察を行った。イオン収量XAFSは表面敏感であり、電子収量XAFSはバルク敏感であると結論した。またH
イオンやF
イオンの収量XAFSスペクトルも表面構造や解離・脱離過程に関して有用な知見を与えることもわかった。
Lavrentiev, V.; 阿部 弘亨; 山本 春也; 楢本 洋; 鳴海 一雅
Surface and Interface Analysis, 35(1), p.36 - 39, 2003/01
被引用回数:9 パーセンタイル:22.34(Chemistry, Physical)反応性の低いCoとCよりなる混合物の薄膜を、同時蒸着法により作製して、その微細構造の評価を、電子顕微鏡,ラマン分光及び原子間力顕微鏡などで行った結果について報告する。CoとC
は、ナノスペース特有のCoの凝集過程とC
の同素体変換過程を経て、炭素同素体で被覆されたCoナノ粒子よりなる、複合物質を形成する。特にその構造特性は、熱処理後に顕著になり、ナノCo結晶粒子に整合したナノダイアモンドの成長と、単一壁炭素ナノチューブの形成がその典型となる。会議では、上記結論に至る、微細構造解析の結果について、発表する。
Xu, Y.; 鳴海 一雅; 宮下 喜好*; 楢本 洋
Surface and Interface Analysis, 35(1), p.99 - 103, 2003/01
被引用回数:9 パーセンタイル:24.81(Chemistry, Physical)イオンビーム蒸着法により、高温でSi基板上に形成したナノサイズのSiCドットの原子間力顕微鏡観察に関する報告である。100eVのC
をSi(111)基板上に、摂氏800-950度で蒸着して、AFMによる形態観察及びXPSによる結合状態の確認を行った。その結果、Siのステップに沿って、30nm程度のSiCドットが形成されることを明らかにした。さらに、摂氏850度以下の温度領域では、SiCドットは、ステップに沿って規則的に配列する自己組織化現象も観察された。シンポジウムでは、これらのことを中心に講演する。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
Surface and Interface Analysis, 34(1), p.432 - 436, 2002/08
被引用回数:3 パーセンタイル:8.50(Chemistry, Physical)超音速0分子線と高分解能放射光光電子分光法を組み合わせることにより、Si(001)初期酸化反応の実時“その場"観察を行うことに成功したので報告する。これまで、われわれはSPrin-8原研専用軟X線ビームライン(BL23SU)に表面化学の実験ステーションを設置し、Si電子デバイス作製で極めて重要なSi(001)初期酸化反応に着目し研究を開始した。Si-2p光電子スペクトルの内殻準位シフト(ケミカルシフト)を用いて、分子線照射時間にともなう酸化状態の変化を分子線照射下で観察することに成功した。特に、並進運動エネルギーが3.0eVの場合、Si
に加えてSi
の成分が分子線照射時間とともに増加することを見いだした。このように、高分解能放射光光電子分光法を用いることにより酸素の並進運動エネルギーによって引き起こされる酸化状態の時間変化を明らかにすることができた。さらに、Si-2s、Valence bandスペクトルをSi-2p光電子スペクトルと比較することにより酸化状態の並進運動エネルギー依存性を明らかにした。会議ではこれらの知見をもとにSi(001)表面初期酸化におよぼす並進運動エネルギーの役割とその反応メカニズムを詳細に議論する。
亀田 純*; 西山 裕孝; Bloomer, T. E.*
Surface and Interface Analysis, 31(7), p.522 - 531, 2001/07
被引用回数:10 パーセンタイル:28.42(Chemistry, Physical)Mn, P, S, Cuを添加した鉄基モデル合金について、熱時効、中性子照射、中性子照射後焼鈍(PIA)による不純物元素の粒界偏析と粒界脆化の検討を行った。熱時効においては、主としてSの偏析が生じ、中性子照射においては、SよりもPの偏析が優勢となるとともに、粒界のCの涸渇が生じた。PIAの結果を用いた速度論的解析から、中性子照射によるPの偏析は格子間原子との複合体により誘起され、Sの偏析は、照射により導入された空孔によって加速されることを明らかにした。これら中性子照射による不純物元素の非平衡粒界偏析について、固溶元素と照射欠陥の相互作用、及び中性子照射による粒界偏析サイト数の変化の観点等からの考察を行った。また、粒界偏析濃度の変化及び照射硬化と延性脆性遷移温度の関係を求めた。
山本 博之; 馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Surface and Interface Analysis, 23, p.381 - 385, 1995/00
被引用回数:19 パーセンタイル:55.04(Chemistry, Physical)Si(100)表面に5keVのN,O
イオンを注入し、イオン注入層の電子構造についてX線光電子分光法(XPS)、X線励起オージェ電子分光法(XAES)およびX線吸収端微細構造法(XANES)により解析した。O
注入の場合、XPS(Si2p),XAES(SiKLL)スペクトルは3
10
/cm
以上でSiから急激にSiO
の位置へとケミカルシフトが生じる。またXANESスペクトルでは双極子選択則よりSi2p
Si3s,Si2p
Si3d,Si2s
Si3p遷移による吸収ピークが観測され、いずれも4.5
10
/cm
以上で3~4eV高エネルギー側にシフトする。これらの構造は既報のSiO
のスペクトルに類似しており、O
注入層がSiとSiO
の混合層からなることを示唆する。一方N
注入ではこれらのスペクトルのシフトは照射量の増加に従ってゆるやかに生じ、N
注入層がSiとSi
N
の混合層ではなく、SiとNとのランダムな結合を形成しているものと考えられる。
佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 山本 博之; 笹瀬 雅人*; 磯部 昭二*
Surface and Interface Analysis, 20, p.682 - 686, 1993/00
被引用回数:4 パーセンタイル:21.24(Chemistry, Physical)TiO及びV
O
を1.5~15keV He
,Ar
,Xe
で照射し、絶縁体から半導体の変化することを見い出した。表面電気伝導度は1
10
Ar
/cm
の線量で数10
cm
であった。XPSによる検討の結果、表面酸素量は減少しTi(II),Ti(III),V(IV)などの還元化学種が生成していることがわかった。また、UPSスペクトルのE
レベル近傍に新たにピークが出現し、この非結合性3d電子がチャージキャリアーになると考えた。伝導度測定及びXPS測定のデータより、イオン1個当りの酸素欠損量が求められ、8keVHe
で60個、8keVAr
で110個、8keVXe
で300個と決定された。
馬場 祐治; 佐々木 貞吉
Surface and Interface Analysis, 6(4), p.171 - 173, 1984/00
被引用回数:40 パーセンタイル:79.15(Chemistry, Physical)水素イオン注入した金属の表面化学状態を調べるためにX線励起オージェ電子スペクトル(XAES)を応用した。イオン注入したイットリウム、ジルコニウム、ニオブのMN
Vオージピークの金属状態からの化学シフトはそれぞれ1.0eV、3.3eV、2.2eVでありX線光電子分光スペクトルにおける対応する3d5/2ピークの化学シフトにより大きかった。