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高橋 周一*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 埜富 光男*; 仲川 勤*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 217(3), p.435 - 441, 2004/05
被引用回数:15 パーセンタイル:67.30(Instruments & Instrumentation)重イオン照射したフィルムの物性変化を動的粘弾性測定(DMA),DSC,FT-IR,AFM,接触角測定,引っ張り試験などを用いて検討した。サンプルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。イオン照射はXeイオン(450MeV)を310
から3
10
ions/cm
のフルエンスの条件で行った。引っ張り試験とDMAの結果から、イオン照射によりPETフィルムは架橋することがわかった。しかし、3
10
ions/cm
のフルエンスで照射したPETフィルムは引っ張り強度は増大したが、破断強度は低下した。このことから、高いフルエンスで照射することにより、ポリマーの主鎖切断が起こり、分解構造が形成されると結論した。また、DSCとFT-IRの結果は、イオン照射によってフィルムが非晶化することを示した。
武田 光博*; 大貫 惣明*; 渡辺 精一*; 阿部 弘亨; 楢本 洋; P.R.Okamoto*; N.Q.Lam*
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 540, p.37 - 42, 1999/00
共有結合系物質のSi多結晶体でのイオン照射による相安定性について論ずるため、Siの結晶粒界での非晶質化過程に対する、不純物及び応力の効果について電子顕微鏡を用いて調べた結果である。引張応力の印加や不純物としてのB添加は、いずれも照射欠陥の易動度を下げて、粒界での非晶質化を抑制することを明らかにした。
毛利 友紀*; 加藤 小百合*; 森 博子*; 片山 芳則; 辻 和彦*
Review of High Pressure Science and Technology, 7, p.353 - 355, 1998/03
GaSb,AlSb,GaAs,GaP,InAs,ZnSe及びCdTeの相転移の温度依存性を、30GPaまでの高圧力下,90-300Kの温度範囲で、X線回折測定により調べた。相転移は圧力-温度相図中の経路に依存する。減圧後の回収試料の構造は結合のイオン性に依存する。イオン性の小さい場合はアモルファスになり、イオン性の大きい場合は安定な閃亜鉛鉱型構造、イオン性が中程度の場合は微結晶になる。これらの結果を配位座標モデルを用いて議論する。
楢本 洋; 青木 康; 山本 春也; 阿部 弘亨
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.599 - 602, 1997/00
被引用回数:12 パーセンタイル:67.43(Instruments & Instrumentation)原研に設置したデュアルビーム解析システムの研究成果を中心に発表する。典型的な照射条件として、室温及び低温(36K、100K)での欠陥形成過程と、その後の熱処理過程での欠陥回復と注入元素の振舞をイオンビーム解析法により詳細に調べた。主な成果は以下の通りである。1)室温及び低温での照射効果の見かけ上の差異は統一的に記述できる。低温では、欠陥生成率が高い深度から非晶質化がはじまる。高温では、これら欠陥の動的回復のため欠陥は蓄積されず、注入元素が存在するより深い位置での注入元素と欠陥の複合体により結晶格子の乱れが存在するが、注入量にも限度があるため非晶質化しない。2)回復過程については、室温での照射では結晶性は保持され、熱処理によって複合参加物を形成する。一方低温照射では、非晶質状態からの異種物質相の核形成が主となる。
阿部 弘亨; 楢本 洋; 岩瀬 彰宏; 木下 智見*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.681 - 684, 1997/00
被引用回数:29 パーセンタイル:87.94(Instruments & Instrumentation)数100K程度までの温度において、イオン照射により黒鉛の非晶質化が誘起された。非晶質化線量の温度依存性から400Kを境にして2つのステージの存在が明らかになった。400K以下では非晶質化線量はイオン種・エネルギーに依存せず、約0.2dpaで非晶質化した。400K以上では非晶質化線量はイオン種・エネルギー・線束密度に依存して増加し、ある温度(T)以上では非晶質化しなかった。T
は入射粒子質量の増加、エネルギーの減少、線束密度の増加に伴い高くなるが、質量数20以上の重イオン照射では次第に飽和傾向を示した。860K以上では照射条件によらず非晶質化は観察されなかった。黒鉛中のカスケードは原子配列の乱れた領域を形成し、その蓄積によって非晶質化が進行する。また400K以上のステージは黒鉛のC面間に蓄積した炭素分子クラスターが分裂し空孔と再結合する温度に相当し、このクラスターの生成速度、空間分布、安定性が非晶質化や再結晶化を律速すると考えられる。
阿部 弘亨; 山本 春也; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.170 - 175, 1997/00
被引用回数:27 パーセンタイル:86.87(Instruments & Instrumentation)室温以下の低温における重イオン照射によってAlO
の非晶質化が誘起された。液体窒素温度では600keV、900keV Xe、600keV Krイオン照射で非晶質化したが、600keV Ar、300keV Oイオン照射では非晶質化は確認されなかった。さらに900keV Xeイオン照射下での非晶質化線量は90~150Kで約3dpa、160~220Kで約8dpaであった。220K以上では非晶質化線量にイオンフラックス依存性が観察され、低フラックスでは非晶質相と結晶相の混相が形成され、完全には非晶質化せず、また微結晶の形成も確認された。また高フラックスでは非晶質化線量は250K近傍から急増し、それより高温で非晶質・結晶の混相が形成された。非晶質化はイオン照射によるカスケード損傷の蓄積によって生じていると考えられる。一方で160~220Kでは、イオン照射によるカスケード内部での点欠陥の回復が生じ、非晶質化線量の増加が観察されたものと解釈される。また220K以上ではカスケード間の点欠陥の拡散が励起され、非晶質領域の回復に寄与していると考えられる。
阿部 弘亨; 楢本 洋; 北條 喜一; 古野 茂実
JAERI-Research 96-047, 18 Pages, 1996/09
原研高崎研イオン照射研究施設に設置された加速器結合型電子顕微鏡、及び材料科学への応用についての概説。本装置は400kVイオン注入装置と40kVイオン照射装置、ならびに400kV電子顕微鏡から成る。現在までに進行している研究テーマのうち、黒鉛の照射誘起非晶質化、金属/シリコン界面のイオンビームミキシング、マグネシアの照射損傷、スピネルの電子/イオン同時照射効果について概説した。
阿部 弘亨; 楢本 洋; 木下 智見*
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 373, 0, p.383 - 388, 1995/00
高崎研イオン照射研究施設内の加速器結合型電子顕微鏡を用いた、グラファイトの照射誘起非晶質化過程に関する研究。電子照射誘起非晶質化の臨界線量の温度依存性、電子線束密度依存性に関する実験より、非晶質化が原子のはじき出しによる空孔の蓄積に因ることが判った。さらに臨界線量の電子エネルギー依存性から室温での原子のはじき出ししきいエネルギーを27eVと評価した。また100Cでのしきいエネルギーは28eVであった。イオン照射誘起非晶質化に必要な損傷量を、200~600keVのHe
、Ar
、Ar
イオンについてさらに求めた。本実験範囲内では損傷量は約0.2dpaであり、照射条件には依存しなかった。これよりエネルギー密度10
~10
eV/atomの範囲内では、カスケード損傷内部での熱スパイク効果が非晶質化に影響しないことが判った。
阿部 弘亨; 木下 智見*
Ionics, 20(7), p.39 - 48, 1994/07
加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いた、イオン・電子同時照射効果についての研究概説。SiおよびGeについて、イオン照射によるはじき出しのカスケードの蓄積過程と、その結果誘起される非晶質化に着目し、これらの現象に及ぼす同時電子照射効果について論じた。
阿部 弘亨; 木下 智見*; P.R.Okamoto*; L.E.Rehn*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.298 - 302, 1994/00
Siのイオン照射誘起非晶質化に及ぼす同時電子照射効果について明らかにした。イオン・電子同時照射により、非晶質化は抑制され、抑制のために必要な臨界電子線束密度が求められた。それはイオン照射によるエネルギー付与密度、イオン線束密度、電子エネルギーに依存する。これより、イオン照射誘起非晶質化は、本質的に、イオン照射により生じるカスケードのオーバーラップによって生じることが判明した。さらに、同時電子照射による非晶質化の抑制効果は、カスケードが点欠陥の照射誘起拡散や電子励起によって不安定化することに起因することが明らかになった。
阿部 弘亨; 木下 智見*; P.R.Okamoto*; L.E.Rehn*
Annu. Rep., HVEM LAB., Kyushu Univ., 0(17), p.19 - 20, 1993/00
Siはイオン照射により非晶質化するが、電子照射によっては非晶質化しない。この現象には、カスケード損傷の蓄積と安定性が寄与していると考えられるが明らかではない。本研究では、アルゴンヌ国立研究所のタンデム加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いて、Siのイオン照射誘起非晶質化に及ぼす、同時電子照射効果を明らかにした。イオン・電子同時照射により、照射誘起非晶質化が抑制された。抑制に必要な臨界の電子線束密度を測定した結果、軽イオンほど臨界電子線束密度がイオン線束密度に依存することが判明した。これは照射誘起非晶質化が、カスケード(サブカスケード)のオーバーラップにより進行することを示している。また、サブカスケードは電子同時照射に対して不安定であり、主として点欠陥の照射誘起拡散及び電子励起によって不安定化することが明らかになった。