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外川 織彦; 大倉 毅史; 木村 仁宣; 永井 晴康
JAEA-Review 2021-021, 61 Pages, 2021/11
東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を契機として、原子力防災への大気拡散モデルの利用について、様々な状況とレベルで論争は続いた。しかし、計算モデルによる予測は原子力災害対策に使用可能かどうかといった二者択一の極端な議論が多く、緊急時対応の科学的検証に基づいて丁寧に議論されてきたとは言い難かった。一方、日本原子力研究開発機構(原子力機構)内外には、大気拡散モデルやその解析結果の潜在的利用希望者が少なからず存在することが分かったが、複数の種類がある大気拡散モデルについて、その目的と用途に応じた使い分けに関して理解不足と誤解があることが見受けられた。本報告書では、原子力防災に利用される大気拡散モデルについて、原子力機構で開発または使用されているモデルを中心として、モデルの概要や計算手法等を比較するとともに、それらのモデルを利用した解析例を記述した。これにより、原子力機構内外における大気拡散モデルの潜在的利用希望者に対して、今後の検討や活動に参考となることを目的とした。
佐藤 陽祐*; 関山 剛*; Fang, S.*; 梶野 瑞王*; Qurel, A.*; Qu
lo, D.*; 近藤 裕昭*; 寺田 宏明; 門脇 正尚; 滝川 雅之*; et al.
Atmospheric Environment; X (Internet), 7, p.100086_1 - 100086_12, 2020/10
福島第一原子力発電所(FDNPP)事故により放出されたCsの大気中の挙動を調べるため、第3回大気拡散モデル相互比較が実施された。前回のモデル比較より高い水平格子解像度(1km)が使われた。前回のモデル比較に参加したモデル中9モデルが参加し、全モデルで同一の放出源情報と気象場が使用された。解析の結果、観測された高い
Cs大気中濃度のほとんどが良好に再現され、いくつかのモデルの性能向上によりマルチモデルアンサンブルの性能が向上した。高解像度化によりFDNPP近傍の気象場の再現性が向上したことで、拡散モデルの性能も向上した。風速場の良好な表現によりFDNPP北西の高い沈着量の細い分布が合理的に計算され、FDNPPの南側の沈着量の過大評価が改善された。一方で、中通り地方、群馬県北部、及び首都圏のプルームの再現性能はやや低下した。
岩崎 俊樹*; 関山 剛*; 中島 映至*; 渡邊 明*; 鈴木 靖*; 近藤 裕昭*; 森野 悠*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 滝川 雅之*; et al.
Atmospheric Environment, 214, p.116830_1 - 116830_11, 2019/10
被引用回数:6 パーセンタイル:32.83(Environmental Sciences)放射性物質の事故放出のための大気拡散予測モデルの利用が日本気象学会の作業部会により勧告された。本論文の目的は、2011年の福島第一原子力発電所からの事故放出に関する予測モデル相互比較によるこの勧告の検証である。放出強度は、放出の時間変化が得られない場合の最悪ケースを想定するため予測期間内で一定と仮定された。放射性物質の吸入を防ぐには地上大気の汚染度、湿性沈着に伴う放射線被ばく軽減には鉛直積算量の利用が想定される。予測結果はアンサンブル幅を有しているが、共通して時間空間的な相対的危険度を示しており、公衆に効果的な警告を不足なく出すのに非常に有用である。信頼性向上にはマルチモデルアンサンブル手法が効果的であろう。
佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qulo, D.*; et al.
Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 123(20), p.11748 - 11765, 2018/10
被引用回数:37 パーセンタイル:86.92(Meteorology & Atmospheric Sciences)福島第一原子力発電所事故により放出されたCsの大気中の挙動を理解するため、大気拡散モデル相互比較が実施され、12モデルが参加した。モデルで考慮される過程に起因するモデル間の差異に焦点を当てた解析を行うため、全モデルで同じ気象場、水平分解能、及び放出源情報が使用された。モデルアンサンブルによる観測された大気中
Cs濃度上昇イベントの捕捉率は40%であり、FMSは80を超えた。解析の結果、大気中
Cs濃度上昇イベントの再現には気象場が最も重要な要素であり、気象場の再現性が高い場合のモデル間の差異は、沈着及び拡散過程に起因していることが分かった。また、沈着フラックスが小さいモデル及び拡散が強いモデルは高い性能を示したが、拡散が強いモデルは大気中
Cs濃度を過大評価する傾向を示した。
北山 響*; 森野 悠*; 滝川 雅之*; 中島 映至*; 速水 洋*; 永井 晴康; 寺田 宏明; 斉藤 和雄*; 新堀 敏基*; 梶野 瑞王*; et al.
Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 123(14), p.7754 - 7770, 2018/07
被引用回数:24 パーセンタイル:75.89(Meteorology & Atmospheric Sciences)日本学術会議のモデル相互比較プロジェクト(2014)で提供された、福島第一原子力発電所事故時に大気中に放出されたCsの計算に用いられた7つの大気輸送モデルの結果を比較した。本研究では、東北及び関東地方に輸送された9つのプルームに着目し、モデル結果を1時間間隔の大気中
Cs濃度観測値と比較することにより、モデルの性能を評価した。相互比較の結果は、
Cs濃度の再現に関するモデル性能はモデル及びプルーム間で大きく異なることを示した。概してモデルは多数の観測地点を通過したプルームを良く再現した。モデル間の性能は、計算された風速場と使用された放出源情報と一貫性があった。また、積算
Cs沈着量に関するモデル性能についても評価した。計算された
Cs沈着量の高い場所は
Csプルームの経路と一致していたが、大気中
Cs濃度を最も良く再現したモデルは、沈着量を最も良く再現したモデルとは異なっていた。全モデルのアンサンブル平均は、
Csの大気中濃度と沈着量をともに良く再現した。これは、多数モデルのアンサンブルは、より有効で一貫したモデル性能を有することを示唆している。
川村 英之; 古野 朗子; 小林 卓也; 印 貞治*; 中山 智治*; 石川 洋一*; 宮澤 康正*; 碓氷 典久*
Journal of Environmental Radioactivity, 180, p.36 - 58, 2017/12
被引用回数:11 パーセンタイル:39.91(Environmental Sciences)本研究では、単一の海洋拡散モデルと複数の海洋大循環モデルを使用して、福島第一原子力発電所事故起因のセシウム137の海洋拡散相互比較シミュレーションを実施した。シミュレーション結果は、福島県沿岸、日本沖合及び外洋で観測されたセシウム137濃度を比較的良好に再現していることが確認された。セシウム137は事故後数か月間は沿岸を南北方向に拡散し、その後、黒潮や黒潮続流により沖合へ拡散されたことが、福島県沿岸、日本沖合及び外洋を対象とした海洋拡散相互比較シミュレーションにより共通して示唆された。事故から1年間のセシウム137の海洋中存在量を定量化することにより、セシウム137が活発に福島県沿岸及び日本沖合から外洋へ拡散し、同時に海洋の浅い層から深い層へ拡散したことが示唆された。
斎藤 公明; 永井 晴康; 木名瀬 栄; 武宮 博
日本原子力学会誌ATOMO, 59(6), p.40 - 44, 2017/06
福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故の進展と放射線物質の放出・大気拡散・沈着過程の解明が、シミュレーションおよび環境測定データの解析により進められている。大規模環境調査により福島周辺における放射線環境の経時変化等の特徴が明らかになりつつあり、この知見に基づいて空間線量率の分布状況変化モデルが開発され将来予測に活用されてきた。事故後に測定された種々の環境測定データは集約され、データベースを通して簡単な解析ツールとともに継続的に公開されている。これら一連の取り組みについて概説している。
寺田 宏明; 茅野 政道
Proceedings of 2nd International Conference on Radioactivity in the Environment, p.15 - 18, 2005/10
原子力緊急時において放射性物質の大気拡散のリアルタイム予測を行う計算モデルは非常に有用である。発表者らはこれまで緊急時環境線量情報予測システムSPEEDIとその世界版WSPEEDIを開発してきた。従来のWSPEEDIは質量保存風速場モデルWSYNOPと粒子拡散モデルGEARNから構成されていた。WSYNOPは診断型モデルであり気象場を予測することは不可能であるため、予測精度及び解像度が入力気象データに依存し、また鉛直拡散及び降雨沈着過程の詳細な考慮が不可能であった。これを改良するために大気力学モデルMM5を導入した。この改良版WSPEEDIを1986年に発生したチェルノブイリ原子力事故に適用し、数値モデルの予測性能の検証を行った。CASE-1:ヨーロッパ全域を含む広域計算と、CASE-2:広域とチェルノブイリ周辺域での2領域ネスティング計算の2ケースの計算を行った。CASE-1の計算結果よりCsの大気中濃度と地表沈着量を水平分布図及び統計解析で測定データと比較した結果、ヨーロッパスケールでの輸送の挙動をよく予測できていた。CASE-2の計算では、領域ネスティング計算によりCASE-1の広域計算では計算不可能であった詳細な沈着量分布を予測することができた。
寺田 宏明; 茅野 政道
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(7), p.651 - 660, 2005/07
被引用回数:16 パーセンタイル:72.67(Nuclear Science & Technology)本研究の第1報(Terada 2004)では、世界版緊急時環境線量情報予測システム「WSPEEDI」の改良版が大気力学モデルMM5とラグランジュ型粒子拡散モデルGEARN-newとのモデル結合により開発され、チェルノブイル原子力事故への適用計算によって大気中
Cs濃度の予測性能について数値モデル(MM5/GEARN-new)の妥当性が示された。第2報である本論文では、このMM5/GEARN-newの予測性能評価をチェルノブイル原子力事故時のヨーロッパ域における降水量及び地表
Cs沈着量の測定値を用いて行った。計算結果が測定値と比較された結果、MM5/GEARN-newは氷相過程を考慮した雲物理スキームにより高精度な降水量が予測された場合、ヨーロッパスケールでの沈着量分布を良い精度で予測することができた。さらに、ネスティング機能を用いてチェルノブイル周辺域についての高解像度計算が行われた。この結果、MM5/GEARN-newは従来の計算モデルでは計算できなかったチェルノブイル周辺での詳細な
Cs沈着量分布を現実的に予測することができた。
寺田 宏明; 古野 朗子; 茅野 政道
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(5), p.632 - 640, 2004/05
被引用回数:21 パーセンタイル:78.42(Nuclear Science & Technology)国外の原子力事故によって放出された放射能の国内の公衆への影響を予測するために、世界版緊急時環境線量情報予測システム「WSPEEDI」が開発されてきた。WSPEEDIは、3次元風速場診断モデル「WSYNOP」と粒子拡散モデル「GEARN」によって構成されている。この従来版WSPEEDIの短所は以下の通りである。(1)多様なスケールを持つ複数の領域についての同時計算が不可能である。(2)大気境界層の取り扱いが単純であり、混合層の時・空間変化が考慮されていない。(3)降水の3次元構造が湿性沈着過程に考慮されていない。これらの問題を改善するため、複数領域の詳細な気象場を同時に予測して粒子拡散モデル「GEARN-new」に提供することが可能な大気力学モデル「MM5」が導入された。この改良版WSPEEDIを検証するため、1986年にチェルノブイリ原子力発電所で発生した事故への適用計算が行われた。地表Cs濃度の計算結果と測定値を比較したところ、ヨーロッパ域での放射能の拡散が精度よく再現されたことが示され、改良版WSPEEDIの妥当性が確認された。
寺田 宏明; 古野 朗子; 茅野 政道
Proceedings from the International Conference on Radioactivity in the Environment (CD-ROM), 4 Pages, 2002/09
われわれは国内と海外における原子力事故に備えて緊急時環境線量情報予測システムSPEEDIとその世界版WSPEEDIを開発してきた。本研究は、原子力事故だけでなくテロ攻撃についてもそれによる放射性物質の大気中への放出に対応できるようにWSPEEDIの機能を拡張することを目的としている。テロ攻撃はあらゆる時間,場所,空間スケールが想定される。WSPEEDIはすでに気象庁の全球気象予測データの取得や世界の任意地域の地形データの作成といった機能を有してはいたが複数スケールの予測を同時に行う機能はなかった。したがって非静力学気象モデルMM5と大気拡散モデルGEARNを結合してWSPEEDIに導入した。MM5は領域ネスティング計算機能を有しているので局所域と地域規模の気象場の同時予測が可能である。また以前からWSPEEDIで使用されているGEARNはラグランジュ型粒子拡散モデルで大気中濃度,沈着,被曝線量を計算できる。MM5で各ネスト領域について計算された三次元風速場,降水量,鉛直拡散係数を入力することで、GEARNは詳細な境界層過程や降水過程を考慮した複数スケールの環境放射能汚染を予測することができる。この改良版WSPEEDIを用いてアジア域での原子力事故あるいはテロ攻撃を想定した試験計算を行い、放出点近辺とアジア域全体での放射能汚染を同時に見積もった。
本間 俊充; 井上 佳久*; 富田 賢一*
JAERI-Research 2000-049, 101 Pages, 2000/10
本報告書は、日本原子力研究所で開発した事故影響評価コードOSCAARを国際原子力機関が主催するBIOMASS計画テーマ2のハンフォード線量再構築シナリオに適用した結果を記載したものである。このシナリオは米国ハンフォードのピュレックス化学分離施設で1963年9月25日に起きた
Iの大気中への事故的放出に関係するものである。この解析によって、OSCAARで用いている
Iの大気中拡散・沈着及び食物連鎖移行モデルを実測データを用いて検証した。排気筒高さの気象データ及び周辺地上観測所のデータを内挿して得られた風速場から計算された大気拡散・沈着の結果は一部、予測性能に限界があったが、OSCAARの食物連鎖移行モデルは比較的、精度のよい評価が可能であった。また、モンテ・カルロ法に基づくOSCAARに結合された不確実さ・感度解析手法は、このシナリオ計算を通して機能が確認され、事故影響評価に最も重要な影響を与えるパラメータの決定に有用であった。
永井 晴康; 茅野 政道; 山澤 弘実
日本原子力学会誌, 41(7), p.777 - 785, 1999/07
被引用回数:13 パーセンタイル:69.01(Nuclear Science & Technology)原子力施設での事故時に大気中に放出される放射性物質の拡散状況を迅速に予測する場合、その精度は気象予報モデルに大きく依存する。そこで本研究では、局地気象予報性能の向上を主目的として、大気力学モデルPHYSICの導入による緊急時大気拡散予測のための新しいモデル体系を開発する。PHYSICの導入に伴う利点は、(1)3次元の局地気象予報が可能であること、(2)気象庁の広域気象予報初期条件及び境界条件としてPHYSICに入力することで広域気象変動を考慮できること、(3)緩和法により現地観測データを用いて予報を改善できること、(4)大気拡散モデルで混合層の3次元分布を考慮できること、である。
茅野 政道; 山澤 弘実; 永井 晴康; 古野 朗子
Mathematics and Computation, Reactor Physics and Environmental Analysis in Nuclear Applications, 1, p.1521 - 1529, 1999/00
世界版SPEEDI(WSPEEDI)は、原子力事故時の環境放射線影響を、局地規模から地球規模まで、実時間で予測するための計算システムである。1980年のシステム開発の開始以来、3次元大気モデル、データベース、データ収集機能、可視化機能等の種々のシステム機能が集積されてきた。また、対象範囲も、国内事故に対応した局地規模から、国外事故に対応した半地球規模まで拡大している。さらに、検証研究や実事故への対応経験を通じて、新たに3つの機能の整備が進んでいる。
野口 宏
プラズマ・核融合学会誌, 73(12), P. 1360, 1997/12
原研が開発した環境中トリチウムによる公衆被ばく線量評価モデル(TRIDOSE)の概要を紹介した。TRIDOSEは大気中に放出されたトリチウムガスやトリチウム水の大気拡散、土壌や植物への沈着、土壌中移行、大気への再放出等をモデル化しており、吸入摂取や経口摂取による被ばく線量が計算できる。本特集では計算結果の例も紹介した。また、現在進められている核融合実験炉の安全評価用のトリチウム被ばく線量評価コードの開発にも触れた。
茅野 政道; 永井 晴康
日本原子力学会誌, 39(8), p.644 - 646, 1997/00
被引用回数:1 パーセンタイル:14.65(Nuclear Science & Technology)動燃東海事業所のアスファルト固化処理施設において発生した火災・爆発事故では、Csが県内の数地点の大気塵サンプルから検出された。そのため米国ローレンスリバモア国立研究所のARACと協力して、当時の大気拡散状況の再現計算を行い、さらに科学技術庁からの要請により、環境に放出された
Csの量を、環境モニタリングデータと大気拡散シミュレーション計算から推定した。ここでは、国の事故調査委員会に報告した
Cs放出量約10
Bqの推定根拠と不確実さについて述べている。
石川 裕彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(6), p.535 - 546, 1991/06
局地スケールの風速場計算を目的として開発されたSPEEDI(緊急時環境線量情報予測システム)用風速場計算モデルを、総観規模の風速場計算用に改良した。このモデルを用いてチェルノブイル事故時のヨーロッパの風速場を計算した。計算された風速場の水平成分の分布は、地上気圧配置及び850mbの等圧面高度パターンと良く一致し、低気圧や高気圧のまわりの循環性の風速場が計算された。鉛直風の分布も天気図とおよそ一致した。本モデルにおいて支配的なパラメータである、K、の効果について調査した。本論文の適用例においては、0.005ないし0.01の値が適切であることがわかった。
茅野 政道
日本原子力学会誌, 32(11), p.1080 - 1086, 1990/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)原子力を日常生活に導入するにあたっては公衆の安全確保は不可欠の課題であり、一般公害の場合と同様に、原子力分野でも大気中に放出される放射能の拡散及び環境影響を評価する研究が行われている。本稿では、スタックから出た放射能がたどる大気拡散現象を概説し、さらに現在の研究の現状について言及する。なお、本稿は原子力学会からの依頼による解説である。
茅野 政道; 林 隆
日本原子力学会誌, 32(8), p.799 - 802, 1990/08
被引用回数:1 パーセンタイル:40.82(Nuclear Science & Technology)大型の集中監視型緊急時環境放射能予測システムであるSPEEDIの詳細計算に利用されている、移流・拡散方程式の数値計算大気拡散・被爆評価モデルを、小型計算機への導入を目的に高速化、メモリー縮小の改良を行なった結果を示した。主な改良点は、1)ランダムウォークモデルによる拡散計算の導入、2)カーネルデンシティ・エスティメータによる濃度、線量計算、3)濃度・線量寄与値のテーブル化による計算の省略、である。上記改良により、ワークステーション等小型計算機への詳細モデル導入の見通しを得た。
茅野 政道; 石川 裕彦; 角田 道生
大気汚染学会誌, 20(3), p.158 - 167, 1985/00
沿岸立地の原子炉から放出されるプルームの移流・拡散をシミュレートするために、内部境界層を考慮した実用的なモデルを開発した。このモデルは、変分法を利用した質量保存風速場モデルと、濃度分布計算のための移流・拡散方程式の数値解モデルから構成される。内部環境層は、空間を、地面の影響により不安定になった層,遷移層,海風の安定層の3層に分類し、これらの層に異なる拡散係数を与えることでモデル化している。この方法の妥当性を検討するため、茨城県東海村で実施した野外拡散実験との比較を行い、フューミゲーションをよく表現できることを確認した。また、従来よく用いられてきたRyons and Coleモデルとの比較も行った。