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根本 隆弘; 荒川 了紀; 川上 悟; 長住 達; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; 古澤 孝之; 猪井 宏幸; et al.
JAEA-Technology 2023-005, 33 Pages, 2023/05
HTTR (High Temperature engineering Test Reactor) RS-14サイクルの原子炉出力降下において、ヘリウムガス循環機のフィルタ差圧が上昇傾向となった。この原因を調査するため、1次ヘリウム純化設備のガス循環機の分解点検等を実施した結果、ガス循環機内のシリコンオイルミストがチャコールフィルタの性能低下で捕集できなくなり、1次系統に混入したためと推定された。今後は、フィルタ交換を実施するとともに、さらなる調査を進め、再発防止対策を策定する予定である。
Johansen, M. P.*; Child, D. P.*; Collins, R.*; Cook, M.*; Davis, J.*; Hotchkis, M. A. C.*; Howard, D. L.*; Howell, N.*; 池田 篤史; Young, E.*
Science of the Total Environment, 842, p.156755_1 - 156755_11, 2022/10
被引用回数:2 パーセンタイル:63(Environmental Sciences)While they have appeared only recently in earth's history, radioactive particles from anthropogenic sources are widespread in global environments and present radiological harm potentials to living organisms. Here we compare a varied set of particles from past nuclear fission and non-fission sources in Australia of highly diverse magnitudes, release modes, and environments. Numerous radioactive particles persist in soils 60 + years after their release events. Particles can be distinguished by their Ca/Fe and Si/Fe elemental ratios, which in this study range over orders of magnitude and reflect the materials available during their individual formation events. The particles from nuclear testing have dominant Pu activity concentrations, relative to
Sr and
Cs, which increases long-term radiological hazard from alpha emissions if inhaled or ingested, and contrasts with particles from nuclear power accidents (e.g., Fukushima). Internal fracturing is more prevalent than previously reported, and fracturing is greater in Ca-rich vs. Si-dominated matrices.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-010, 155 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し時に発生する放射性微粒子を着実に閉じ込めるために、気相及び液相における微粒子の挙動を明らかにするとともに、微粒子飛散防止技術を開発することを目的としている。具体的には、微粒子飛散防止技術として、(1)スプレー水等を利用して最小限の水で微粒子飛散を抑制する方法、及び(2)燃料デブリを固化して取り出すことで微粒子飛散を抑制する方法について、実験及びシミュレーションにより評価し、実機適用可能性を評価した。
久保 光太郎; Zheng, X.; 田中 洋一; 玉置 等史; 杉山 智之; Jang, S.*; 高田 孝*; 山口 彰*
Proceedings of the Institution of Mechanical Engineers, Part O; Journal of Risk and Reliability, 11 Pages, 2022/04
被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Engineering, Multidisciplinary)確率論的リスク評価(Probabilistic Risk Assessment: PRA)は、大規模かつ複雑なシステムのリスクを評価するために用いられる手法である。しかし、従来のイベントツリーやフォールトツリーを用いたPRAでは、原子力発電所の構造物、系統及び機器が損傷するタイミングを考慮することは困難である。そこで、この課題を解決するために、RAPID(Risk Assessment with Plant Interactive Dynamics)を用いて、熱水力解析と外部事象のシミュレーションを組み合わせた手法を提案した。加圧水型原子炉のタービン建屋内での内部溢水を表現するために、ベルヌーイの定理に基づいた溢水伝播モデルを適用した。加えて、溢水源の流量や緩和システムの故障基準などの不確実さを考慮した。シミュレーションでは、運転員がいくつか簡略化を行うことにより、運転員による溢水源の隔離操作と排水ポンプを用いた回復操作をモデル化した。その結果、隔離と排水を組み合わせることで、溢水発生時の条件付炉心損傷確率を約90%低減できることが示された。
久保 光太郎; Zheng, X.; 田中 洋一; 玉置 等史; 杉山 智之; Jang, S.*; 高田 孝*; 山口 彰*
Proceedings of 30th European Safety and Reliability Conference and 15th Probabilistic Safety Assessment and Management Conference (ESREL 2020 and PSAM-15) (Internet), p.2279 - 2286, 2020/11
確率論的リスク評価(PRA)は巨大かつ複雑なシステムをリスクを評価する手法の1つである。従来のPRA手法を用いて外部事象のリスクを評価する場合、構造物、系統及び機器の機能喪失時刻の取扱いが困難である。この解決策として、熱水力解析と外部事象評価シミュレーションをRAPID (Risk Assessment with Plant Interactive Dynamics)コードを用いて結合した。外部事象としてPWRプラントにおけるタービン建屋内での内部溢水を選定し、溢水進展評価にはベルヌーイ則に式を用いた。また、溢水源の流量及び緩和設備の没水基準に関する不確実さを考慮した。回復操作については、運転員による溢水源の隔離とポンプによる排水を仮定とともにモデル化した。結果として、隔離操作が排水と組み合わせることによりより有効になることが示された。
廃炉国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2019-037, 90 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」について取りまとめたものである。本研究は、福島第一原子力発電所の燃料デブリ取り出し時の放射性微粒子閉じ込めを着実に行うため、気相及び液相における微粒子の挙動を把握するとともに、飛散防止対策として(1)水スプレー等を活用し、極力少量の水で飛散を抑制する方法、(2)燃料デブリを固めて取り出すことで飛散を抑制する方法について実験及びシミュレーションによる評価、開発を行う。
高橋 千太郎*; 川島 茂人*; 日高 昭秀; 田中 草太*; 高橋 知之*
Nuclear Technology, 205(5), p.646 - 654, 2019/05
被引用回数:4 パーセンタイル:47.64(Nuclear Science & Technology)A simulation model was developed to estimate an areal (surface) deposition pattern of Te after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident, and by using this model, timing and intensity of the release of
Te were reversely estimated from the environmental monitoring data. The validation using data for
Cs showed that the model simulated atmospheric dispersion and estimated surface deposition with relatively high accuracy. The estimated surface deposition pattern of
Te was consistent with the actually measured one. The estimated time and activity of
Te emission seemed to indicate that the
Te was emitted mainly from Unit 3.
高井 静霞; 高山 秀樹*; 武田 聖司
JAEA-Data/Code 2016-020, 40 Pages, 2017/03
本研究では、地質・気候関連事象のうち処分場の建設から閉鎖段階における地震の発生が長期安全性に与える影響をシナリオとして設定するための検討を行った。まず、地震による地下施設の被害事例を収集し、被害をもたらす条件について分析した。その調査結果に加え、既往のバリア材の熱・水・応力・化学に関する特性への影響に関するFEP(Feature、Event、Process)の情報を踏まえて、地震による影響要因を特定した。さらに、工学技術適用上の事故・人的要因の検討結果を参考にして、地震発生により起こりうる人工バリア・天然バリアの設計上想定される状態から逸脱した状態(逸脱事象)を特定した。そして、逸脱事象により起こりうるバリア特性の変化および安全機能の喪失・低下につながる影響の連鎖をシナリオとして提示し、一連の結果を地層処分工学技術の適用に関連したシナリオ構築のためのデータベースとして整備した。
岡野 靖; 山野 秀将
Proceedings of 10th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-10) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/11
森林火災に関するPRA手法開発の一環として、高速炉への熱影響に関する事象シーケンス評価を行った。潜在的な脆弱性に関連する事象シナリオを開発し、その際、森林火災により外部電源が喪失していること等を保守的に仮定した。イベントツリーの開発においては、外部電源喪失を起因事象とし、ヘディングとしては、外部燃料タンク、非常用ディーゼル発電機、補助冷却系、崩壊熱除去のための空気冷却器に関するものを設定した。故障確率は、森林火災の熱強度に応じた破損曲線や、保守的な仮定に基づく値を用いた。外部電源喪失の条件のもと、炉心損傷頻度はおおよそ10/年となった。重要なヘディングは、外部燃料タンクの健全性に関するものであった。
糸井 達哉*; 中村 秀夫; 中西 宣博*
日本原子力学会誌ATOMO, 58(5), p.318 - 323, 2016/05
日本原子力学会の原子力安全部会が「福島第一原子力発電所事故に関するセミナー」の報告書に挙げた課題のうち、特に重要な課題である多様な誘因事象に対する原子力安全確保の枠組みについて、学会誌の解説シリーズにより、現状と課題を学術界の立場からまとめる。その2である本稿は、外的事象対策の具体化について規制機関と事業者の取組みの現状を概観した上で、外的事象対策の原則となる考え方について、外的事象の網羅性、深層防護、多様性の役割、リスク情報の活用、地域の安全との関係を含めて議論するものである。
岡野 文範; 池田 佳隆; 逆井 章; 花田 磨砂也; JT-60チーム
プラズマ・核融合学会誌, 90(10), p.630 - 639, 2014/10
臨界プラズマ試験装置(JT-60)の本体解体に平成21年度から着手し、平成24年度(平成24年10月)に完遂した。JT-60は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した最初のケースである。具体的な解体作業では、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割が、工程的、技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見出して作業を進め、平成24年10月に3年にわたる解体を無事故・無災害で完遂することができた。本報告では、JT-60トカマク解体の概要を紹介する。
水田 栄一*; 久保山 智司*; 阿部 浩之; 岩田 佳之*; 田村 貴志*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 61(4), p.1924 - 1928, 2014/08
被引用回数:80 パーセンタイル:99.1(Engineering, Electrical & Electronic)Radiation effects in silicon carbide power MOSFETs caused by heavy ion and proton irradiation were investigated. In the case of ions with high LET, permanent damage (increase in both drain and gate leakage current with increasing LET) was observed and the behavior is similar to the permanent damage observed for SiC Schottky Barrier diodes in our previous study. In the case of ions with low LET, including protons, Single Event Burnouts (SEBs) were observed suddenly although there was no increase in leakage current just before SEBs. The behavior has not been observed for Si devices and thus, the behavior is unique for SiC devices.
峰原 英介
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 557(1), p.16 - 22, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:61.07(Instruments & Instrumentation)原研は世界で現在運転中の2台のエネルギー回収型リニアック(ERL)の一つを独力で開発し、もう1台の施設であるジェファーソン国研のERLとともに世界のERL開発及び将来のERL応用研究を切り開いてきた。現在のアップグレード開発研究と応力腐食割れ防止技術開発研究、さらにERLの主要開発要素でもある光陰極,電子励起陰極などの大電流光電子銃技術に関して報告する。
Lukash, V.*; 杉原 正芳; Gribov, Y.*; 藤枝 浩文*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 47(12), p.2077 - 2086, 2005/12
被引用回数:9 パーセンタイル:31.91(Physics, Fluids & Plasmas)ITERのディスラプション時における垂直移動の方向を、幅広い条件のもとでDINAコードにより調べた。(1)電流減衰率,(2)熱クエンチに伴う内部インダクタンスの変化量,(3)初期の垂直位置の三つの要因が、移動方向を決定する主要因であることを示し、移動方向を規定するパラメータ領域を明らかにした。これにより装置中心から55cm上方に設定された現在の標準配位においては、電流減衰率が200kA/msより大きく、内部インダクタンスの変化量が0.2より小さい場合には上方に移動することがわかった。
峰原 英介; 羽島 良一; 飯島 北斗; 菊澤 信宏; 永井 良治; 西森 信行; 西谷 智博; 沢村 勝; 山内 俊彦
Proceedings of 27th International Free Electron Laser Conference (FEL 2005) (CD-ROM), p.305 - 308, 2005/00
原研高出力ERL-FELは10kWよりも高出力高効率FELに拡張された。これは原子力エネルギー産業、とその他の重工業たとえば防衛,造船,化学工業,環境科学,スペースデフリ処理,エネルギー伝送などのために開発されたものである。波長可変,高効率,高平均出力,高ピーク出力,極短パルスを実現するために、エネルギー回収配位を持つ原研独自のコンパクト,自立式,無蒸発型超伝導リニアックによって駆動される効率的な高出力のFELが必要である。このERL-FELに関する議論はこの10kWアップグレードの現状と原子力発電所の廃炉措置を行うための非熱剥ぎ取り,切断,穿孔などの応用と、また小さな立方体の低炭素ステンレス鋼を用いて、定常運転状態での原子力発電所における冷間加工応力腐食割れ故障予防の原理検証を成功裏に実行できたことについて述べられる。
玉置 等史; 吉田 一雄; 渡邉 憲夫; 村松 健
Proceedings of International Topical Meeting on Probabilistic Safety Analysis (PSA '05) (CD-ROM), 11 Pages, 2005/00
原子力機構では、MOX燃料加工施設に適用できる確率論的安全評価手順の開発を行っている。この第一段階のハザード分析として、機能レベルでの故障モード影響解析(FMEA)手法を用いて可能性のある事故原因の候補(異常事象候補)を抜け落ちなく抽出し、次に抽出した異常事象候補から事故シナリオにリスク上有為な寄与を与える異常事象を選別するために異常事象候補が原因で想定される事故の発生頻度及び事故影響を概略的に評価し、選別用リスクマトリクスを用いて相対的なリスクの比較をもとに選別する方法を提案した。機能レベルでのFMEA手法は、工程を構成する設備・機器の機能の喪失に着目しその影響を解析する方法で、詳細な機器情報に依存せずに実施できる特徴を持つ。この方法を用いて仮想的に設定したモデルプラントを対象に分析を実施しその有用性を確認した。
Neudatchin, S. V.*; 滝塚 知典; 林 伸彦; 諫山 明彦; 白井 浩; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 小出 芳彦; 鈴木 隆博
Nuclear Fusion, 44(9), p.945 - 953, 2004/09
JT-60Uの正磁気シア放電においてq=3面の近傍で内部輸送障壁(ITB)が形成されることが知られている。JT-60Uの負磁気シアプラズマにおいては、極小q値(qmin)が3.5, 3, 2.5, 2のときのITB形成に対する役割はよくわかっていなかった。ITB事象(ITBの中または近傍で起きる非局所的な閉じ込めの分岐現象)が正及び負磁気シアプラズマで観測されている。十分加熱パワーが大きいとき、ITB事象はqminが有理数でも非有理数でも発生する。このとき電子温度とイオン温度の時間空間変動は類似しており、電子とイオンの輸送機構が同様であることが示唆された。負磁気シアモードにおいてqminが3を通過するとき、改善と劣化の周期的ITB事象の後に強いITBが形成されるのを見いだした。低パワーのときのITB事象はqminが有理数のときにのみ観測された。弱い負磁気シア放電において、イオン温度の上昇がよく観測されているが、qmin=3.5のときに急激な電子温度上昇があるのを見いだした。低パワーのときに見られる電子温度とイオン温度の挙動の相違は、電子とイオンの輸送の非連携性を示唆している。
Neudatchin, S. V.*; 滝塚 知典; 林 伸彦; 諫山 明彦; 白井 浩; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 小出 芳彦; 鈴木 隆博
Nuclear Fusion, 44(9), p.945 - 953, 2004/09
被引用回数:18 パーセンタイル:52.16(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UやJETの正磁気シア放電において=2,3面で内部輸送障壁(ITB)が形成されることが知られている。JT-60Uの負磁気シアプラズマにおける最小
が3.5, 3, 2.5, 2のときのITB形成への影響はわかっていない。この論文では、JT-60Uの正と負磁気シアプラズマ中のITB事象に対する有理数
値の影響を調べる。十分大きいNBI加熱(1.2-1.5MA/3.8Tで
8MW)では、
が有理数,非有理数のどちらでもITB事象が観測された。電子とイオン温度の空間的時間的挙動はよく似ており、電子とイオンの熱輸送が同じ機構であることが示唆される。
=8MWの負磁気シアHモードにおいて
が3を通過するとき、周期的に改善と劣化を繰り返すITB事象に続いて、より強いITBが形成された。小さい加熱パワーでは、ITB事象は
が有理数のときだけ観測された。弱負磁気シアで
=4MWの放電において、電子温度の突発的上昇が
=3.5で起きた。一方イオン温度の上昇はもっと頻繁に起きている。低パワーにおける電子とイオン温度の応答に差異があることから、それらの輸送は結合していないことが示唆される。
大野 富生*; Subekti, M.*; 丸山 裕太*; 鍋島 邦彦; 工藤 和彦*
第13回インテリジェント・システム・シンポジウム講演論文集, p.212 - 217, 2003/12
本研究では、ニューラルネットワークモデルの一つである多層パーセプトロンを用いて原子力プラントのシミュレーション方法について述べる。ニューラルネットワークの主な特徴は学習による高速な処理でモデルを得ることが可能である。さらに、入力に「時間同期信号」と「進展同期信号」を加えることにより、いろいろな大きさや進展速度を持つ異常事象にも対応することができる。PWRシミュレータで作成した幾つかのサンプルデータを学習させることによって、学習以外の進展速度を持つ異常、特に外挿にも適用できることが明らかになった。
Neudatchin, S.*; 滝塚 知典; 林 伸彦; 諫山 明彦; 白井 浩; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 小出 芳彦; 伊藤 公孝*; 三浦 幸俊
プラズマ・核融合学会誌, 79(12), p.1218 - 1220, 2003/12
JT-60U高ポロイダルベータプラズマにおいて新しい型の周辺と中心との同時的相互作用を見つけた。中心プラズマの電子の熱束の時間的に速く空間的に広い減少(ITB事象と呼ばれている)がELMの開始とミリ秒の時間スケールで相関して起きる。ELM様MHD活動を誘起することで即時的非局所的な内部輸送障壁形成の制御に関してこの結果はヒントを与えた。