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真道 隆治; 市村 隆人; 野澤 芳彦; 小森 剛史; 良知 玲生奈; 北原 勝美*; 中村 智樹*; 小池 彰弘*
JAEA-Technology 2026-005, 379 Pages, 2026/08
放射性物質分析・研究施設第1棟は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉作業で発生する放射線量が低・中線量の瓦礫類、伐採木、焼却灰、汚染水処理に伴う二次廃棄物等の性状を把握することにより、処理・処分方策とその安全性に関する技術的な見通し等を得るための分析、試験を行う。また、ALPS処理水の海洋放出に関し、東京電力HDから独立した第三者の立場で放出前のALPS処理水分析を行うことを目的に、1F特定原子力施設の一部として2017年(平成29年)1月から2022年(令和4年)6月にかけて日本原子力研究開発機構が整備を行った施設である。第1棟の建設工事は、建築工事、電気設備工事、機械設備工事により建屋の建設を行う「建屋工事」と、鉄セル、グローブボックス、フード等の分析設備の整備を行う「内装設備工事」に区分される。本報告書は、大熊建設室が担当した「建屋工事」に関する工事記録等をまとめたものである。建屋工事の各工種における品質管理、施工状況等の他、コンポジット調整、安全・施工品質管理に関する実施体制・手法、許認可(実施計画変更、建築確認申請、林地開発許可等)等、原子力施設の建設に係る施工管理について技術的観点からの経験・知見を網羅的に取りまとめた。また、1F敷地内・帰還困難区域における建設といった特殊環境下での建設における放射線管理等の特異な管理内容等についてもまとめた。今後、第1棟のような原子力施設整備において、本報告が施設整備の参考として、課題の抽出や合理的な施設計画に寄与することを期待する。
Sr
MnO
with weak magnetoresistanceSterling, T. C.*; Savici, A. T.*; 梶本 亮一; 池内 和彦*; Khan, N.*; Weber, F.*; Reznik, D.*
Communications Materials (Internet), 7, p.121_1 - 121_11, 2026/05
We investigated phonons and spin-phonon coupling in ferromagnetic colossal magnetoresistance (CMR) manganites La
Sr
MnO
(
) that have a relatively small CMR associated with the melting of the magnetic order above room temperature. High-resolution neutron scattering experiments combined with density functional theory (DFT) show that the low-temperature ferromagnetic phase is conventional: neutron scattering intensities from phonons agree with DFT predictions, magnons follow sinusoidal dispersions, and no phonon-magnon hybridization occurs. Fluctuations of Mn moments and low-energy phonons involving Mn and La vibrations remain conventional in the high temperature paramagnetic phase, indicating that the Mn and La/Sr sublattices are not strongly perturbed by the melting of magnetic order. In sharp contrast, the Jahn-Teller active optical oxygen vibrations collapse entirely above the Curie temperature, in spite of the low CMR in these compositions, with at least part of the lost spectral weight reappearing as quasielastic scattering. We attribute this highly anomalous behavior to giant electron-phonon coupling (EPC) in the charge and/or orbital channel. It drives cooperative diffusive motion of quasistatic carrier-trapping oxygen sublattice distortions once ferromagnetism disappears. We hypothesize that the magnitude of magnetoresistance correlates with the rate of this diffusion rather than with the strength of Jahn-Teller EPC.
岡本 成利; 米野 憲; 瀬谷 敦雅; 稲葉 秀樹*; 寺門 信一*; 樋口 真史*
JAEA-Data/Code 2025-022, 497 Pages, 2026/03
核燃料サイクル工学研究所のプルトニウム燃料第三開発室等のプルトニウム燃料施設の使用変更許可申請(以下「許認可」という。)において、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX: Mixed Oxide)を取り扱うグローブボックスおよび設備・機器の臨界安全設計には、様々な臨界計算コードを使用している。最も新しいものでは、SCALE4.4コードシステムに内蔵されている3次元モンテカルロ計算コードKENO-V.aおよび27群ENDF/B-IVの中性子断面積ライブラリを用いている。SCALE4.4は1998年に米国オークリッジ国立研究所(以下「ORNL」という。)によってリリースされてから、既に27年が経過している。その間も、ORNLは機能の改良等を継続的に行っており、2024年にはSCALE6.3.2がリリースされている。新規のMOX燃料施設等を設計・建設する場合は、上記のような最新知見を踏まえた臨界計算コードにより許認可を取得することが望ましいが、そのためには信頼性が十分高いことを検証することが必要である。そこで、2018年にリリースされたSCALE6.2.3のうち、臨界計算シーケンスKENO-V.aおよびKENO-VIの2バージョンについて、252群ENDF/B-VII.1中性子断面積ライブラリ(v7-252n)を用いて、過去に実施された臨界実験体系におけるベンチマーク計算を実施し、推定臨界下限増倍率を算出した。その結果、MOX燃料施設の臨界安全設計において、信頼度が十分に高い臨界計算コードとして使用できる見通しを得た。
中嶋 瞭太; 酒井 達弥; 谷 陸; 半田 雄一; 砂押 瑞穂*; 井上 秀毅*; 山田 悟志; 清水 修
JAEA-Technology 2025-012, 39 Pages, 2026/01
再処理特別研究棟は1996年から廃止措置に移行し、施設内の設備・機器の解体作業を実施してきた。2022年10月からのグローブボックス等の解体撤去作業では、埋設施設へ処分する際に要求される技術上の基準に適合する廃棄体を作製することを目的として、「解体物分別マニュアル」を作成し、発生した解体廃棄物の分別・仕分け作業を実施した。本報告は、「解体物分別マニュアル」に従い実施したグローブボックス等の解体撤去作業で発生した解体廃棄物の分別・仕分けの結果及び得られた知見についてまとめたものである。
井口 啓; 吉田 将冬; 平野 宏志*; 北村 哲浩
Nuclear Technology, 15 Pages, 2026/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)放射性物質で汚染されたグローブボックスの解体によって発生する解体物は、最終的に放射性廃棄物としてコンテナに収納される。従来この作業は、エアラインスーツ作業者によって行われてきたが、解体物によってスーツが損傷するリスクや作業員が汚染物質を吸入するリスクが内在していた。また、このようなリスクを低減させるために、解体物を布やプラスチックで養生することで、作業の安全性を高めていた。しかし、この方法では不燃性である解体物と可燃性である養生材を廃棄物処理工程で再分別する必要があり、処理工程が煩雑になるという課題があった。このような課題を解決するため、我々は解体物梱包用グローブ作業エリアを考案した。このエリアによってエアラインスーツ作業で実施していた廃棄物梱包作業をグローブ操作で実施することができ、エアラインスーツ作業に伴うリスクが大きく低減する。また、解体物を布やプラスチックで養生する代わりに金属容器に収納するようデザインすることで、再分別の必要性を排除した。グローブ作業エリアにおける梱包作業は解体物の金属容器への封入、秤量、コンテナへの収納からなり、各操作手順を改良することで作業の効率化を図った。また、グローブ作業による梱包作業の実現性を検証するため、製作したグローブ作業エリアを活用したモックアップ試験を実施した。本報告では、グローブ作業エリアの特徴や想定する梱包作業手順、そして実施したモックアップ試験から得られた知見を紹介する。
Dechenaux, B.*; Brovchenko, M.*; 荒木 祥平; 郡司 智; 須山 賢也
Annals of Nuclear Energy, 223, p.111555_1 - 111555_11, 2025/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)The safe retrieval of the fuel debris generated during the Fukushima Daiichi nuclear accident poses a number of challenges, among which an important one is to ensure the criticality safety of the recovery operations. At the heart of the problem lies the intrinsically heterogeneous nature of the problem, and the appearance of complex and disordered media whose neutronic properties are difficult to accurately characterize and reproduce in neutron transport simulations. Typically, a similar, simpler, problem is encountered in the modeling of assemblies with missing fuel rods. In both problems, the availability of experimental facilities capable of validating both the nuclear data and the simulation schemes in heterogeneous configurations is crucial. The modified STACY installation has been specially designed to provide and carry out critical experiments, allowing for highly non-uniform configurations, that will directly support fuel debris recovery operations, but can also be used for other experimental programs. The present work describes a method to consistently and orderly sample non-uniform core configurations in the modified STACY facility, and proposes two critical heterogeneous core configurations. They have the advantage to present a high sensitivity to the water thermal scattering law, whose importance was found to be more significant for more heterogeneous configurations. The proposed experiments will contribute to the exploration and validation of heterogeneous critical systems.
木名瀬 政美
Radioisotopes, 74(2), p.233 - 238, 2025/07
放射性同位元素(RI)は、その多くが研究用原子炉や加速器で製造され、工業分野や医療分野等への活用により国民生活の向上に大きく貢献している。今後も研究用原子炉を用いたRI製造・頒布は重要とされており、「もんじゅ」サイトに建設計画中の新試験研究炉でもRI製造が期待されている。本稿では、研究用原子炉JRR-3を利用したRI製造の取り組みを紹介する。
明午 伸一郎; 岩元 大樹; 杉原 健太*; 平野 幸則*; 堤 和昌*; 斎藤 滋; 前川 藤夫
JAEA-Technology 2024-026, 123 Pages, 2025/03
J-PARC核変換実験施設ADSターゲット試験施設(TEF-T)の設計をベースとし、J-PARC陽子ビーム照射施設の概念検討を行った。これは、文部科学省の分離変換技術評価タスクフォースの提言「ADSの工学的課題解決に加え、多様なニーズへの対応の可能性を含め、既存のJ-PARCの陽子加速器を利用可能な利点を最大限活用する施設仕様を検討することが望ましい。」を受けたものである。TEF-T設計で不要となった設備を削減する一方、多様なニーズに対応可能な設備の具体化を行った。多様なニーズとして、諸外国の大強度加速器施設の利用法の調査を行った。その結果、1)材料照射試験、2)核破砕中性子を用いた半導体機器のソフトエラー試験、3)医療用RI製造および4)陽子ビーム利用を主な利用目的と特定し、これらの利用に必要な施設の検討を行った。施設概念の検討にあたっては、2022年に施設のユーザーコミュニティを立ち上げ、ユーザーの意見を広く取り入れて施設設計に反映した。本報告書は、陽子ビーム照射施設の概念検討結果、多様なニーズとその対応、施設建設に向けたロードマップおよび今後の課題についてまとめたものである。
曽野 浩樹
炉物理の研究(インターネット), (78), 12 Pages, 2025/03
定常臨界実験装置STACYは、「溶液燃料を用いる原子炉」から「棒状燃料及び軽水減速材を用いる原子炉」に更新改造され、2024年8月2日、13年8か月ぶりに運転を再開した。その間、許認可対応8年11か月、更新改造工事3年1か月、原子炉性能に係る使用前事業者検査4か月ほかがあった。STACYの生い立ちから運転再開に至るまでの軌跡と今後の利活用について報告する。
曽野 浩樹
原子力機構・原研OB会会報, (86), P. 2, 2025/01
定常臨界実験装置STACYは、「溶液燃料を用いる原子炉」から「棒状燃料及び軽水減速材を用いる原子炉」に更新改造され、2024年8月2日、13年8か月ぶりに運転を再開した。その間、許認可対応8年11か月、更新改造工事3年1か月、原子炉性能に係る使用前事業者検査4か月ほかがあった。STACYの生い立ちから運転再開に至るまでの軌跡と今後の利活用について報告する。
燃料材料開発部 許認可申請等対応グループ
JAEA-Testing 2024-002, 20 Pages, 2024/08
平成29年6月6日、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(現在は大洗研究所という。)燃料研究棟において、核燃料物質を収納した貯蔵容器を開封し、内容物の性状を確認する作業中、内容器を二重に梱包していた樹脂製の袋が破裂し内容物が飛散したことにより、作業室内が汚染するとともに、室内にいた作業員が被ばくする事故が発生した。樹脂製の袋が破裂した原因は、封入されていたエポキシ樹脂が
線により分解され、発生した水素ガス等により内圧が上昇したことによるものと特定された。燃料研究棟で保有していたプルトニウムを封入した貯蔵容器54個は、同様に内圧上昇の可能性があることから、ホットセルにおいて貯蔵容器の内容物を確認するための開封点検を行い、ガスが発生するおそれのある貯蔵容器については内容物の安定化処理を行った。また、燃料研究棟の所有する核燃料物質は、施設の廃止に向けて集約施設への搬出を計画しており、酸化物原料粉Pu+
U:220gを超えて封入している9個の貯蔵容器については、移動用キャスクの制限量の220g以下とするため、貯蔵容器内の一部の金属容器を取り出し、別の貯蔵容器に詰め替える作業を行った。本報告書ではそれぞれの作業の詳細について述べるとともに、許認可申請等、事前対応について述べる。
青野 竜士; 原賀 智子; 亀尾 裕
JAEA-Technology 2024-006, 48 Pages, 2024/06
日本原子力研究開発機構より発生した研究施設等廃棄物は、将来的に浅地中埋設処分する予定であり、処分を実施するまでには、廃棄物の放射能濃度を評価する方法を構築しなければならない。本報告では、動力試験炉(JPDR)から発生したコンクリート廃棄物に対する放射能濃度評価法を検討した。放射能濃度評価法の構築に当たっては、理論計算を主体として、放射化学分析による核種分析値を用いることで、評価の妥当性を確認した。評価対象として予備選定された核種において、核種分析値を用いて理論計算の結果を適切に補正することで、放射能濃度評価を行うことができる見通しを得た。
山下 健仁; 牧 翔太; 横須賀 一裕; 福井 雅裕; 家村 圭輔
JAEA-Technology 2023-023, 97 Pages, 2024/03
プルトニウム廃棄物処理開発施設第2難燃物焼却室に設置されている第2難燃物焼却工程設備は、混合酸化物燃料製造等に伴い発生する放射性固体廃棄物のうち塩化ビニル(主にビニルバッグ)、RI用ゴム手袋等の難燃性廃棄物の減容処理技術開発を目的に2002年から焼却処理実証運転を行ってきた。しかし、難燃性廃棄物を処理する際に発生する塩化水素等による設備内部の腐食が進むとともに、焼却炉内壁の耐火物に亀裂の発生、進展が確認されたため、2018年から2022年に運転停止期間を設け、焼却炉等の更新を行った。本設備は廃棄物供給工程、焼却工程、廃ガス処理工程、灰取出工程により構成されており、このうち2020年3月から2021年3月にかけて廃ガス処理工程のスプレー塔の更新を、2021年1月から2022年2月にかけて焼却工程の焼却炉の更新を実施した。また、更新機器の腐食・劣化状況調査のため既設機器の撤去・解体作業中に焼却炉、スプレー塔から試料採取を行い、走査型電子顕微鏡/X線マイクロアナライザーによる観察とX線回折による分析を行った。本報告書ではスプレー塔・焼却炉の撤去・解体に係るグリーンハウスの設営方法、更新手順、更新対象機器の腐食・劣化状況の分析結果について報告する。
太田 宏一*; 尾形 孝成*; 山野 秀将; 二神 敏; 島田 貞衣*; 山田 由美*
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 8 Pages, 2023/05
The experimental analyses of the U-Pu-Zr fuel pin behavior during transient overpower (TOP) tests were performed by CANIS, and the residual cladding wall thickness and molten region of the fuel alloy after the tests, and the reactivity inserted by molten fuel extrusion before the fuel pin failure were compared with the experimental results. On the basis of these analysis results, detailed calculation models were developed for and implemented into CANIS to be made it possible to consider changes in the local properties of the fuel alloys due to redistribution of fuel constituents during steady-state irradiation and in the cladding thinning rate depending on the fuel-cladding interface temperature. The modified CANIS properly predicted fuel behavior and resulting reactivity changes before fuel pin failure in TOP events.
外川 織彦; 大倉 毅史; 木村 仁宣
JAEA-Review 2022-049, 76 Pages, 2023/01
原子力施設の建設前及び操業開始後には、平常運転時及び事故時に対する環境影響評価が行われる。これらは、周辺住民の安全の確認と安心の醸成を図ることを主たる目的としている。環境影響評価には、施設周辺の環境モニタリング等による観測・測定と計算モデルによるモデル推定が用いられ、状況や必要性などに応じてそれらのどちらか、あるいは両方を併用して実施される。本報告書では、原子力施設の環境影響評価において利用される観測・測定とモデル推定について、青森県六ヶ所村再処理施設を主たる例として、まず各々の方法、役割と長短、相互の関係性を調査する。次に、観測・測定データとモデル推定結果の代表的な用途例を示し、使用に際しての留意点などを検討する。最後に、観測・測定とモデル推定の高度化や両者の融合という今後の方向性を記述する。
前川 藤夫
JAEA-Conf 2022-001, p.7 - 13, 2022/11
分離変換技術は、高レベル放射性廃棄物の減容、有害低減のための有望な技術である。原子力機構では、加速器駆動システム(ADS)と組み合わせで文永変換技術を開発している。ADSの実現可能性に影響を与える重要課題の1つに、加速器と未臨界炉心の境界をなす陽子ビーム窓がある。陽子ビーム窓は、高強度の陽子ビームと標的で生成した核破砕中性子、および鋼材に対し腐食性を有する高温の液体鉛ビスマス共晶合金の流動によって損傷を受ける。J-PARCでは、ADS環境下での材料損傷研究のため、400MeV、250kWの陽子ビームを入射する液体鉛ビスマス核破砕ターゲットを備えた陽子ビーム照射施設を計画している。本施設は、半導体デバイスのソフトエラー試験,RI製造,核分裂および核融合炉のための材料照射など、多様な目的にも利用できる。陽子ビームや核破砕中性子を使った核データ研究への応用も多様な用途の一つであり、核データコミュニティからの優れたアイデアを歓迎する。
孫 昊旻; Leblois, Y.*; Gelain, T.*; Porcheron, E.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(11), p.1356 - 1369, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)PWRのシビアアクシデントシナリオにおいて、格納容器内エアロゾル状放射性物質の除去・保持のために、格納容器スプレイを用いることができる。そのために、高精度な除去効率の予測は安全評価上重要である。PWRの格納容器スプレイでは、84%-95%と高いスプレイカバー率が要求されるのに対して、既往研究では、そのような高いカバー率におけるエアロゾル除去実験はかなり限られている。本論文では、カバー率に着目し、スプレイによるエアロゾル除去現象の理解と除去効率評価モデル高度化のために、大型容器において実機相当のカバー率を有する体系のエアロゾル除去実験を実施し、詳細なエアロゾルと液滴特性の計測結果から除去特性を調査した。また、MELCORの除去モデルと実験結果を比較し、粒子径に対する除去効率の傾向が再現でき、大きい粒子径に対して過小評価となるものの、最小除去効率を有する小さい粒子径(
0.52
m)において良好な一致が得られることを示した。
山口 晃範*; 横塚 宗之*; 古田 昌代*; 久保田 和雄*; 藤根 幸雄*; 森 憲治*; 吉田 尚生; 天野 祐希; 阿部 仁
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 21(4), p.173 - 182, 2022/09
確率論的リスク評価(PRA)から得られるリスク情報は、原子力施設におけるシビアアクシデント対策の有効性を評価するために有用である。再処理施設に対するPRA手法は原子力発電所のそれと比べて未成熟と考えられ、本手法を成熟させるためには事故シナリオの不確実性を低減することが重要となる。本論文では、再処理施設におけるシビアアクシデントである高レベル廃液の沸騰による蒸発乾固への事象進展と、それに伴う放射性物質の移動挙動に関する文献調査の結果をまとめた。Ruの重要な特徴の一つは、事象進展の過程で揮発性化合物を形成することであり、本稿ではその移動挙動を温度に基づいて4段階に分類した。高温まで至った乾固物からはRuは放出されない一方、Csのような他の揮発性元素が放出される可能性がある。実験データは未だに不十分な状態であり、放射性物質の移行挙動の温度依存性を明らかにすることが求められる。
施設管理最適化タスクフォース
JAEA-Technology 2022-006, 80 Pages, 2022/06
2020年4月1日の原子炉等規制法改正とその経過措置を経て2020年度から始められた新しい原子力規制検査制度(新検査制度)に的確に対応するとともに、その運用状況を施設管理の継続的改善に反映していくため、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所に「施設管理最適化タスクフォース」を設置し、2020年11月から課題の整理及び改善策の検討を行った。2021年のタスクフォース活動では、新検査制度の基本方策の一つ「グレーデッドアプローチ」を考慮しつつ、「保全重要度分類とそれに基づく保全方式及び検査区分」並びに「施設管理目標(保安活動指標PI)の設定及び評価」について課題を整理した上で具体的な改善提案を取りまとめた。これら検討結果については、原子力科学研究所の所管施設(試験研究炉、核燃料使用施設、放射性廃棄物取扱施設)の施設管理に適宜反映し、その運用状況を踏まえ更なる改善事項があれば、翌年度以降の活動に反映していくこととする。
前川 藤夫; 武井 早憲
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.206 - 210, 2022/05
加速器駆動核変換システム(ADS)の開発にあたっては、大強度陽子ビームに耐える材料の開発や陽子ビームで駆動される未臨界炉心の特性評価等、陽子ビームに関わる技術課題を解決する必要がある。そこで大強度陽子加速器施設J-PARCでは、実際に大強度の陽子ビームを利用した各種試験を行う核変換実験施設が検討されている。本稿では核変換実験施設の概要と今後の方向性について紹介する。