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廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-012, 122 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合理的な処分概念の構築・安全評価」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F事故で発生した多様な廃棄物を対象とし、固定化が難しく長期被ばく線量を支配するヨウ素(I)、核種のマイナーアクチノイド(MA)に注目し、これらのセラミクス1次固化体を、更に特性評価モデルに実績を有するSUSやジルカロイといったマトリクス材料中に熱間等方圧加圧法(HIP)等で固定化した"ハイブリッド固化体"とすることを提案する。核種閉じ込めの多重化、長期評価モデルの信頼性の向上により実効性・実用性のある廃棄体とし、処分概念を具体化する。潜在的有害度及び核種移行の観点から処分後の被ばく線量評価を行い、安全かつ合理的な廃棄体化法、処分方法の構築を目的としている。2年目の令和4年度は、1F模擬廃棄物の合成実験、各種放射線照射実験、浸出試験、ハイブリッド固化体の構造解析、固化元素の電子状態変化の放射光分析を行った。種々の計算でI固化体の固溶エネルギー、マトリクスと1次固化体との相互作用を解明した。実験と計算検討により、ヨウ素廃棄物にはマトリクスとしてSUSが適すると結論付けた。ハイブリッド固化体からの核種移行、被ばく線量に対する人工バリア、天然バリア機能の感度解析により、廃棄体寿命を長くすることが長半減期かつ難固定性のI-129には効果的であることが明らかとなった。以上により、廃棄物合成から廃棄物処分時の安全評価までの結節が達成された。
中道 晋哉; 砂押 剛雄*; 廣岡 瞬; Vauchy, R.; 村上 龍敏
Journal of Nuclear Materials, 595, p.155072_1 - 155072_11, 2024/07
被引用回数:1 パーセンタイル:51.66(Materials Science, Multidisciplinary)Using dry recycled powders for uranium and plutonium mixed oxide (MOX) fuel production can reduce unnecessary storage and accountability of nuclear material in facilities. The shrinkage behavior of green compacts of dry recycled powders differs from that of conventional raw powders because the dry recycled MOX powder is obtained from the fabrication scrap of sintered pellets. The shrinkage behavior of dry recycled MOX powder has been investigated by dilatometry. Based on the shrinkage curves, sintering apparent activation energies were evaluated using the master sintering curve (MSC) and the constant rate of heating methods. The obtained values were higher than the energy evaluated for raw powder experiments. The sigmoid sintering prediction equation using the MSC function was constructed. The accumulation of data on the activation energy for various sintering conditions will lead to the wide application of this prediction formula in the future.
廣岡 瞬; 堀井 雄太; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; 山田 忠久*; Vauchy, R.; 林崎 康平; 中道 晋哉; 村上 龍敏; 加藤 正人
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1313 - 1323, 2023/11
被引用回数:5 パーセンタイル:78.63(Nuclear Science & Technology)収率が高く燃料に固溶するFP(模擬FP)としてNdO
及びSm
O
を添加したMOXの焼結試験を行い、焼結後の微細組織を評価した。熱膨張計を用いて取得した焼結中の収縮曲線から、模擬FP含有MOXは通常のMOXよりも高温で焼結が進むことが分かった。焼結後の密度評価及び金相組織の観察から、模擬FP含有MOXは通常のMOXよりも粒成長と高密度化が進むことが分かった。これは、添加元素の影響を受けて一部のUが4価から5価に変化し、拡散速度が大きくなったことが原因と考えられる。また、XRDの結果から焼結後の試料は均質に固溶した結晶構造が示されたが、EPMAによる元素マッピングの結果からは模擬FPの濃度が一様でなく、完全には均質に分布していない微細組織が示された。不均質に分布したNd
O
含有MOXを微粉砕し、再焼結を行う過程を繰り返すことで、均質性が向上し、密度も十分に高い模擬FP含有MOXペレットを作製することができた。
河野 貴大*; 水田 直紀; 植田 祥平; 橘 幸男; 吉田 克己*
JAEA-Technology 2023-014, 37 Pages, 2023/08
現在用いられている高温ガス炉用燃料コンパクトは、被覆燃料粒子を黒鉛母材で焼き固めた黒鉛母材燃料コンパクトである。これに対して、SiC母材燃料コンパクトは、母材を従来の黒鉛から新たに炭化ケイ素に換えたものである。高温ガス炉用燃料コンパクトを従来の黒鉛母材燃料コンパクトからSiC母材燃料コンパクトに換えることで、高温ガス炉の出力密度等の性能向上が期待される。本研究では、高温ガス炉用燃料コンパクトに適用するための焼成条件を選定し、試作したSiCの密度や熱伝導率を測定した。
Vauchy, R.; 廣岡 瞬; 渡部 雅; 横山 佳祐; 砂押 剛雄*; 山田 忠久*; 中道 晋哉; 村上 龍敏
Ceramics International, 49(2), p.3058 - 3065, 2023/01
被引用回数:11 パーセンタイル:63.47(Materials Science, Ceramics)Pure and low -Al
O
-SiO
co-doped ceria specimens were prepared by conventional ceramic processing using powder metallurgy. The effect of co-doping on the microstructural and structural properties of cerium dioxide was investigated by means of optical microscopy, scanning electron microscopy, X-ray diffraction and Raman spectroscopy. The co-addition of alumina and silica promoted liquid phase sintering (LPS) and significantly contributed to grain growth, even in the small concentrations of the present study (1 wt% and 2 wt%). A glassy-look phase precipitated at the grain boundaries, characteristic of liquid phase sintering. The addition of dopants to the formulation greatly enhanced the grain growth process without disturbing the CeO
structure.
廃炉環境国際共同研究センター; 芝浦工業大学*
JAEA-Review 2022-008, 116 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、継続して発生するCs等の放射性核種を吸着したゼオライト(使用済みIE-96)にガラスをバインダーとして添加し、それらを焼結することで核種を固定化する新たな焼結固化法の開発を目的とする。本研究では、コールド試験により焼結固化の最適条件および焼結固化体の基礎性能を評価し、ホット試験でそれらを実証する。令和2年度において、最適化された条件で作製した焼結固化体は、優れた化学的安定性を有することをコールド試験で明らかにした。また、ホット試験において焼結固化体は、優れた化学的安定性を有することを実証した。さらに、ホット試験において焼結固化作製におけるCsの揮発率はわずかであることを確認した。焼結固化法のプロセスフロー、機器装置、仕様等を示した。また、焼結固化法の各種データを他の固化法と比較して評価し、焼結固化法に優位性があることを確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 芝浦工業大学*
JAEA-Review 2020-049, 78 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、継続して発生するCs等の放射性核種を吸着したゼオライト(使用済みゼオライト)の焼結固化法の開発を目的とする。焼結固化法は、使用済みゼオライトにガラスをバインダーとして添加し、それらを焼結することで核種を固定化する新たな固化法である。本法は、ガラス固化と比較して固化体の大幅な減容や焼成固化と同程度の安定な固化体の形成が期待できる。本事業では、コールド試験により焼結固化に適したガラスの選定、焼結温度等の最適化を図りホット試験で実証する。令和元年度において使用済みゼオライトの焼結固化用バインダーとしてBO
系ガラスを選定し、焼結固化条件の最適化を図った。また、模擬汚染水として照射済み燃料に由来する核種を含む水を調製し、IE-96に吸着させることにより模擬使用済みIE-96を作製した。さらに、ゼオライトの固化,焼成固化等に関する既存の研究成果及び最新の研究動向を調査し、焼結固化プロセスの概念を設計した。
廃炉国際共同研究センター; 芝浦工業大学*
JAEA-Review 2019-028, 71 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発」について取りまとめたものである。本研究は、継続して発生するCs等の放射性核種を吸着したゼオライト(使用済みゼオライト)の焼結固化法の開発を目的とする。焼結固化法は、使用済みゼオライトにガラスをバインダーとして添加し、それらを焼結することで核種を固定化する新たな固化法である。本法は、ガラス固化と比較して固化体の大幅な減容や焼成固化と同程度の安定な固化体の形成が期待できる。本事業では、コールド試験により焼結固化に適したガラスの選定、焼結温度等の最適化を図りホット試験で実証する。平成30年度においてバインダーの候補ガラスの熱特性、及び加熱雰囲気が焼結固化に及ぼす影響について調査した。また、放射性核種を含む模擬汚染水を作成するための照射済燃料を選定し、試料の状態を確認した。さらに、ゼオライトの固化、焼成固化等に関する既存の研究成果及び最新の研究動向を調査した。
水田 直紀; 青木 健; 植田 祥平; 大橋 弘史; Yan, X.
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 5 Pages, 2019/05
実用高温ガス炉においては、安全性と燃料要素冷却性能の向上が望まれている。耐酸化SiC母材燃料コンパクトを用いたスリーブレス燃料要素と両側直接冷却構造を採用することにより、ピンインブロック型高温ガス炉の安全性と冷却性能の向上が期待できる。燃料コンパクトの中性子照射後の有効熱伝導率は、ピンインブロック型高温ガス炉の核熱設計において重要な物理的性質である。高温ガス炉心の冷却性能を向上させることができる燃料コンパクトの中性子照射後の有効熱伝導率を議論するため、両側直接冷却構造を有するピンインブロック型高温ガス炉の定常運転時の最高燃料温度を解析的に求めた。この結果から、高温ガス炉心の冷却性能向上に望ましい中性子照射後のSiC母材の熱伝導率を議論した。加えて、SiC母材燃料コンパクトに適した製造方法を、焼結温度,純度,大量生産性の観点から検討した。
高松 佑気*; 石井 大翔*; 大石 佑治*; 牟田 浩明*; 山中 伸介*; 鈴木 恵理子; 中島 邦久; 三輪 周平; 逢坂 正彦; 黒崎 健*
日本原子力学会和文論文誌, 17(3/4), p.106 - 110, 2018/12
揮発性核分裂生成物(FP)であるセシウム(Cs)の燃料中の物理化学状態や燃料からの放出挙動を評価するために必要なCs含有模擬燃料の調製技術を確立することを目的として、放電プラズマ焼結(SPS)法を用いてウランの模擬物質であるセリウム化合物(CeO)にヨウ化セシウム(CsI)を含有させた模擬燃料の作製試験を実施した。SPSの条件を最適化することで、CsIが直径数マイクロメートルの球状析出物としてCeO
母相内に分散する焼結体が得られ、Cs及びIを含有する模擬燃料の調製に成功した。
赤司 雅俊; 松本 卓; 加藤 正人
Transactions of the American Nuclear Society, 118, p.1391 - 1394, 2018/06
本研究では28GHzのマイクロ波照射によるCeOペレットの焼結試験を実施し、焼結ペレットの密度に及ぼす原料粉の影響を検討した。最高温度1473Kにて30分間保持した条件において得られたペレットはかさ密度で最高94.2%T.D.に達した。原料粉の粒子径が大きくなるほどかさ密度は低下する傾向が見られた。一方、見かけ密度では全てのペレットが93.5%T.D.以上の値を示した。両者の違いはペレットの開気孔率の違いによって生じたことが分かった。マイクロ波焼結は試料を内部加熱させ、かつ均質に加熱することができるため、高密度でポーラスなペレットが得られたと考えられる。
中道 晋哉; 廣岡 瞬; 砂押 剛雄*; 加藤 正人; Nelson, A.*; McClellan, K.*
Transactions of the American Nuclear Society, 113(1), p.617 - 618, 2015/10
CeOはPuO
の模擬物質として多くの研究が行われている。Dorrは(U,Ce)O
の焼結に関して、ハイパーストイキオメトリ領域では還元雰囲気と比べて低温で焼結が進むことを報告している。しかし、試料の酸素/金属比は正確にはコントロールされておらず、(U,Ce)O
と(U,Pu)O
の類似性について定量的な議論はされていない。よって本研究では、(U,Ce)O
と(U,Pu)O
の焼結挙動について調べ、酸素欠陥の影響について評価を行った。
荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 344(1-3), p.180 - 185, 2005/09
被引用回数:24 パーセンタイル:81.23(Materials Science, Multidisciplinary)原研で進めているマイナーアクチノイド(MA)核変換用窒化物燃料の製造及び使用済窒化物燃料の乾式処理技術開発のための電気化学測定に関する研究成果を報告する。MA窒化物燃料の製造については、高純度窒化物合成のための炭素熱還元,MAを含む窒化物固溶体形成及び窒化物の焼結挙動について報告する。乾式処理技術開発のための電気化学測定については、塩化物溶融塩中での陽極溶解挙動,液体陰極回収挙動及び再窒化挙動について報告する。
阿部 哲也; 廣木 成治; 丹澤 貞光; 古作 泰雄; 竹内 久雄*; 山川 晃*
JAERI-Research 2001-029, 13 Pages, 2001/05
収縮性アルミナスリーブと高融点ソルダーを用いてアルミナパイプ同士を接合するための基礎実験を行った。スリーブは、接合時に1%収縮するよう、高純度アルミナ粉末を1400で1次焼結して作成し、ソルダーは1400
以上で液相を生成するアルミナ-カルシア系を選択し、アルミナと炭酸カルシウムの混合粉末をペースト化して作製した。パイプとスリーブの間にソルダーを介在させ、1500
で加熱接合した結果、スリーブの収縮とソルダーによる接合界面の形成によって、金属溶接に匹敵する気密性を持ったパイプ接合体が得られた。
山岸 滋; 高橋 良寿
Journal of Nuclear Materials, 217, p.127 - 137, 1994/00
被引用回数:14 パーセンタイル:74.82(Materials Science, Multidisciplinary)ゾルゲル粒子加圧成型法による高密度(Th,U)Oペレットの調製について研究した。原料のThO
-UO
粒子はゲル粒子中の水をイソプロピルアルコールで置換した後、そのアルコールを真空排気と200
C空気中加熱により除去して調製した。その粒子を水分10~21%のまで再加湿した後150~500MPaの圧力でペレットに成型し、1300
C空気中焼結した。1300
Cという低温でも、U/(Th+U)=5~20mol%の範囲においては、最高98%TD以上の密度になった。その焼結体を1300
CAr-4%H
中で(Th,U)O
にまで還元しても、ペレットは同様に高い密度(99%TD)を持つ健全なものであった。
高橋 正; 渡辺 斉
JAERI-M 91-082, 41 Pages, 1991/05
BEATRIX-II照射試験はFFTF(高速中性子束試験施設)によるトリチウム増殖材からのトリチウム放出挙動の解析、評価を目的としたものである。この第2期照射試験に使用する酸化リチウム(LiO)試料の設計仕様は、1)管長:0.890+0/-0.051cm、2)外径:1.806~1.857cm、3)管の肉厚:1.0+0/-0.05mm、4)管の真直性:0.05~0.10mm、5)焼結密度:理論密度の85~89%、6)
Liの含有率:BEATRIX-II第2期照射用95atom%、VOM照射用7.42atom%であり、かなり高い寸法精度を必要とするが、以下に述べる方法によって、設計仕様を満足する薄肉管試料を製作することができた。Li
O粉末の管状圧粉体は、ゴムモールドとSUS304の心棒とから成る型を用いて静水圧法により、容易に成形できることを明らかにした。管状Li
O焼結体を高精度で薄肉管に研削する加工方法として、フード及び真空排気系を付設した市販の円筒研削盤によるドライ研削を採用した。Li
Oの焼結は、1400~1470Kで実施した。
赤堀 光雄; 井川 勝市
JAERI-M 86-100, 29 Pages, 1986/07
粉末冶金法による高密度かつ均質な(Th,U)Oペレットの製造の検討を行なった。(Th,U)O
粉末は、硝酸塩及び混合ゾルから得たウラン酸アンモンと水酸化トリウムの共沈物と、硝酸塩から得た混合シュウ酸塩とをか仮焼きすることにより調整した。(Th,U)O
ペレットは焼結性、格子定数、微細構造、均質性及び化学量論性についてその特性を調べた。燒結雰囲気は得られたペレットの特性に対して重要な効果を持つことが判明した。(Th,U)O
の燃焼性は、高ThO
及び高UO
組成で各々酸化性および還元性雰囲気において最も良好であった。さらに、理論密度99%で非常に均質な(Th,U)O
ペレットがゾル粉末から得られた。
鈴木 康文; 笹山 竜雄; 阿部 治郎; 荒井 康夫; 前多 厚; 渡辺 斉
JAERI-M 7601, 36 Pages, 1978/03
高純度アルゴンガス雰囲気グローブボックスを用いて酸化ウランおよび黒鉛を出発物質として、炭素熱還元法により炭化ウランペットの調製を行った。これらのグローブボックス内の雰囲気は酸素3ppm、水分5ppmに保持され、炭化ウラン粉末の酸化を防止するために効果的であった。この調製試験では85%T.D.以上の密度をもち、酸素を2000~3000ppm含む単相の単酸化ウランペレットが調製された。科学量論的な単酸化ウランペレットを得るためには、出発物質の酸化ウランと黒鉛の混合比として2.950~2.975が最適であった。また、炭素熱還元反応の雰囲気条件と反応速度との関係について調べたが、真空中よりアルゴンガス中の方が遅かった。燒結においてはペレット密度は粉砕手段および粉砕時間に最も影響を受ける。そのほか、成型圧力、インバータ添加量、および化学組成などの要因がペレット密着に与える効果を調べたが、その効果は限られたものであった。
高橋 正; 菊池 武雄
JAERI-M 7518, 14 Pages, 1978/02
市販の酸化リチウムLiO粉末を出発原料として用い、粉末熱処理、圧粉成型、焼結などの各過程について種々の条件を選んで、その焼結性を調べた。粉末熱処理に関しては、粉末中の水酸化リチウムLi
Oや炭酸リチウムLi
CO
を熱分解させるため、真空中で700
C以上に加熱した後、圧粉、焼結を行った。圧粉は、1t/cm
から5t/cm
の成型圧で行ない、焼結は、真空およびアルゴンガスの雰囲気中で、焼結温度900~1200
C、焼結時間1~4時間で行ない各々の条件における焼結性を調べた。酸化リチウムLi
Oの圧粉休密度(Green density)は、成型圧に強く依存し、5t/cm
の圧力で成型した圧粉体密度は、理論密度の72%にも達した。焼結密度については、とくに焼結温度の効果が著しく、1200
Cで4時間焼結した焼結密度は、93%TDに達した。
西村 洋亮*; Anna, G.*; 吉田 克己*; 高松 邦吉; 岡本 孝司*
no journal, ,
本研究では、高出力密度高温ガス炉のために、SiC母材の燃料コンパクトを開発する。SiC母材を製造する際、SiCの熱的・化学的特性から反応焼結法が適用できることがわかった。また、事故を想定した高温酸化試験を実施した結果、SiC表面に安定なSiO酸化膜を形成するパッシブ酸化モードが示され、優れた耐酸化性能を確認することができた。さらに、SiC母材の性能評価を実施した結果、Siがリッチな化学組成ほど、耐酸化性能が更に向上し、事故時の燃料健全性を高めることができた。以上により、1400
Cの事故時においても、SiC母材は腐食せず、燃料健全性を担保することができた。