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論文

Molecular analysis of heavy ion induced mutations in budding yeast ${it S. cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 119, 2015/03

高LETのイオンビームによる突然変異誘発の分子機構を明らかにするために、出芽酵母(${it Saccharomyces cerevisiae}$)を材料として研究を行ってきた。これまでに、LETの増加に伴って致死率および${it URA3}$遺伝子の突然変異率が上昇する傾向があること、ならびに突然変異の分布としてヌクレオソーム構造のリンカーDNAにおいて局所的に突然変異が誘発されることを示唆する結果を報告した。ここでは、突然変異が誘発される部位がヌクレオソーム構造に関係があるという仮説を検証するために、野生株と異なるヌクレオソーム構造の${it URA3}$遺伝子を持つ組換え株を作成し、突然変異誘発スペクトルを分析した。野生株での突然変異の位置と、ヌクレオソーム構造が異なる株での${it URA3}$遺伝子の突然変異位置には相違があり、突然変異が生じる位置がヌクレオソーム構造に依存することが示唆された。

論文

Molecular analysis of carbon ion induced mutations in yeast ${it Saccharomyces cerevisiae}$ cells

清水 喜久雄*; 松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 坂本 綾子; 鳴海 一成

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 79, 2011/01

To elucidate the molecular mechanism of mutagenesis caused by ion beam irradiation in yeast, two mutant strains ${it ogg1}$ and ${it msh2}$ which are deficient in mismatch repair mechanisms were used to measure mutation spectra. Several hot spots were found in the ${it ogg1}$ mutant, while mutations in the ${it msh2}$ mutant were distributed evenly for base substitution except one hot spot at position 345. These results suggest that the incorporation of damaged nucleotides was not uniform in yeast cells.

論文

Molecular analysis of carbon ion induced mutations in the yeast ${it ogg1}$ and ${it msh2}$ mutants

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 75, 2009/12

本研究では、真核生物の一種である出芽酵母の野生株、塩基除去修復が不活性であるogg1株及びミスマッチ修復が不活性であるmsh2株を用いて、炭素イオンビーム照射で誘発される突然変異について、URA3遺伝子の突然変異を検出する5-FOAによる選択系で、変異スペクトルの解析を行った。その結果、野生株及びogg1株ともに塩基置換の頻度が高く、特にogg1株では変異のすべてが塩基置換であった。また、msh2株では、一塩基欠失が全体の突然変異の大部分を占め、その中でもGC to TAのトランスバージョン変異が多く誘発されることが確認された。これらの結果から、8-oxoGの生成がイオンビームに起因する突然変異をおもに誘導し、OGG1及びMSH2遺伝子が遺伝子の安定性に強く貢献していることが示唆された。

論文

Study on molecular mechanism of high-LET carbon ion beam induced mutations in ${it S. cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 60, 2008/11

本研究は、真核生物のモデル生物である出芽酵母${it Saccharomyces cerevisiae}$を用いて、イオンビームで生じる突然変異誘発の分子機構を解明することを目的とする。今回、野生株とDNAグリコシラーゼ活性の欠損によって8オキソデオキシグアニン(8-oxodG)を除去できない${it ogg1}$変異株を用いて、5-フルオロオロト酸耐性を指標として取得した${it ura3}$変異体を解析し、高LET炭素イオンビームによって生じる8-oxodGの突然変異誘発性を調べた。${it ogg1}$変異株の100Gy照射での${it ura3}$変異の出現頻度は野生株の2倍であった。野生株では${it ura3}$遺伝子に起こった突然変異のうちG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の41%を占めていたのに対して、${it ogg1}$変異株ではG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の70%を占めていた。野生株では塩基置換のほかに挿入変異や欠損変異が認められたのに対して、${it ogg1}$変異株では挿入変異や欠損変異が認められなかった。

論文

Study of molecular mechanism of carbon ion beam induced mutations in the ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 86, 2008/03

放射線による突然変異生成プロセスには、DNA修復機構が大きく関与すると考えられている。特に重粒子線照射の場合、相同組換えや非相同末端結合反応による二本鎖切断修復の関与が大きいと考えられる。そこで本研究では、野生株及び二本鎖切断修復機構を欠損した株(${it rad50, rad52}$)を用い、高LETの重粒子線による分子レベルでの損傷を、相同組換え,非相同末端結合反応それぞれ独立に調べることで、突然変異誘発の過程をクロマチン損傷と修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。変異位置並びにヌクレオソームマッピングのデータと比較した結果、野性株ではリンカーDNA領域に局所的に突然変異が誘発されていた。一方、二本鎖切断修復欠損株${it rad50}$株及び${it rad52}$株では、変異はヒストンタンパクと結合した領域で特異的に生成した。このことは修復メカニズムの差異によって固定される変異が異なるということを示している。

論文

AtREV1, a Y-family DNA polymerase in Arabidopsis, has deoxynucleotidyl transferase activity ${it in vitro}$

高橋 真哉*; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

Plant Physiology, 145(3), p.1052 - 1060, 2007/11

 被引用回数:15 パーセンタイル:37.73(Plant Sciences)

AtREV1はシロイヌナズナにおいて誤りがちなDNA損傷乗り越え複製にかかわることが予想されている。今回、さらに詳細な研究を行うために、大腸菌タンパク質過剰発現系を用いてAtREV1組み換えタンパク質を作成し、精製を行った。得られた精製タンパク質をプライマー伸長法で解析し、塩基挿入活性の測定を行った。その結果、AtREV1組み換えタンパク質はプライマー末端に1から2個の塩基を挿入した。特に、鋳型DNAの塩基にかかわらずシトシンを挿入する活性が高いことがわかった。また、AtREV1は、脱塩基部位を持つ鋳型DNAに対してもシトシンを挿入した。脱塩基部位は、細胞内の生理活性によって自発的につくられるほか、細胞をさまざまなDNA変異原に曝した際につくられることがわかっている。しかし、AtREV1は紫外線によってつくられる損傷を持つ鋳型DNAに対しては、塩基を挿入することができなかった。AtREV1は、マグネシウムイオン存在下では、ある程度の基質特異性を示したが、マンガンイオンの存在価では、より緩やかな基質特異性を示すことがわかった。以上の結果から、AtREV1タンパク質が"忠実度の低い"DNAポリメラーゼであることが明らかとなった。

論文

Specificity of mutations induced by carbon ions in budding yeast ${it Saccharomyces cerevisiae}$

松尾 裕一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 602(1-2), p.7 - 13, 2006/12

 被引用回数:29 パーセンタイル:58.31(Biotechnology & Applied Microbiology)

真核生物におけるイオンビーム誘発突然変異の特徴を解析する目的で、出芽酵母${it Saccharomyces cerevisiae}$に対する炭素イオン照射の効果を$$gamma$$線照射の効果と比較した。酵母${it URA3}$遺伝子をマーカーとして、炭素イオンビームによって誘発された54個の${it ura3}$突然変異をシークエンスし、突然変異の特異性を解析した。その結果、炭素イオンビームによって誘発された突然変異の種類は、トランスバージョンが68.7%, トランジションが13.7%で、挿入/欠失は17.6%であった。トランスバージョンはおもに、G:C塩基対からT:A塩基対へ置換であったのに対し、トランジションのすべてはG:C塩基対からA:T塩基対への置換であった。突然変異が生じた塩基の周辺の配列を比較すると、ACA又はACT配列の真ん中のCが置換されているケースが多く見られた。高等植物であるシロイヌナズナに対しては、イオンビームは短い欠失や染色体の再編成を生じさせることが報告されているが、これとは対照的に酵母では大きな欠失や配列の重複はみられなかった。さらに、酵母におけるイオンビーム誘発突然変異で最も特徴的だったのは、ヌクレオソーム構造のリンカー領域の付近に変異が集中し、ホットスポットを形成している点である。一方、$$gamma$$線ではこのようなホットスポットは見られなかった。このことから、炭素イオンビームは、DNA配列とヌクレオソーム構造の両方に依存して突然変異を誘発させていることが示唆された。

口頭

イオンビーム照射における出芽酵母の突然変異誘発メカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

no journal, , 

近年、放射線を用いた突然変異による育種技術として重粒子線が注目されているが、突然変異誘発のメカニズムは未だに不明な点が多い。本研究では、高等生物のモデル系として酵母細胞を用いて、重粒子線並びに$$gamma$$線による突然変異について、分子レベルでの解析を行った。イオンビームによる野生型の突然変異頻度は生存率が約50%となる100Gyで最も高く、自然変異率と比較して168.5倍であった。シーケンス解析の結果、イオンビームでは、局所的に変異が起こる部位(ホットスポット)が見られたが、$$gamma$$線では確認できなかった。イオンビームが$$gamma$$線とは異なる遺伝子損傷を生み出すものと考えられる。変異パターンを解析した結果、イオンビーム並びに$$gamma$$線では塩基置換の頻度が高く、なかでもトランスバージョンの割合が高かった。

口頭

重イオンビームによる突然変異生成メカニズムの解析

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 田中 淳; 清水 喜久雄*

no journal, , 

イオンビームによる突然変異生成のメカニズムについて、高等生物のモデル系として出芽酵母${it Sacchromyces cerevisiae}$を用い、分子レベルで解析を行った。イオンビーム及び$$gamma$$線照射で得られた${it ura3}$ $$^{-}$$変異体の変異位置を解析し、比較を行った。照射試料として、${it S. cerevisiae}$のS288c(${it RAD}$ $$^{+}$$)と、変異株g160/2b (${it rad52}$)を用い、照射線源として日本原子力研究開発機構・高崎研究所・イオン照射研究施設(TIARA)のAVFサイクロトロンを用いた。イオンは、$$^{12}$$C$$^{5+}$$カーボンで、エネルギーは220MeV、LETは107keV/$$mu$$mである。生じた突然変異体をシークエンスした結果、イオンビームはトランスバージョンの頻度が高く、なかでもG$$cdot$$CからT$$cdot$$Aへの変異の割合が高かった。今回の結果から、イオンビーム・$$gamma$$線ともに酸化損傷がその置換変異の主な部分を占め、特に8-oxo-dGTPなどによる損傷が優勢であったと考えられる。一方で、イオンビームではリンカーDNAの領域などに局所的な変異が起こりやすいことが推測された。また、野生型へのイオンビーム照射の場合、突然変異が誘発される部位としてACAやACT配列中のC塩基の変異が大きな割合を占めていた。このことから、遺伝子の構造や配列と変異が起こる部位との間に何らかの関係があることが示唆された。

口頭

重粒子線照射による変異誘発機序とヌクレオソーム構造の関係

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 清水 喜久雄*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線による突然変異生成プロセスには、DNA修復機構が大きく関与すると考えられている。特に重粒子線照射の場合、相同組換えや非相同末端結合反応による二本鎖切断修復の関与が大きいと考えられる。そこで本研究では、野性株及び二本鎖切断修復機構を欠損した株(${it rad50, rad52}$)を用い、高LETの重粒子線による分子レベルでの損傷を、相同組換え,非相同末端結合反応それぞれ独立に調べることで、突然変異誘発の過程をクロマチン損傷と修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。変異位置並びにヌクレオソームマッピングのデータと比較した結果、野性株ではリンカーDNA領域に局所的に突然変異が誘発されていた。一方、二本鎖切断修復欠損株${it rad50}$株及び${it rad52}$株では、変異はヒストンタンパクと結合した領域で特異的に生成した。このことは修復メカニズムの差異によって固定される変異が異なるということを示している。

口頭

炭素イオンビーム照射による出芽酵母の突然変異誘発機構の解析

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

no journal, , 

本研究は、イオンビームによる突然変異誘発のメカニズムを分子レベルで解析することを目的として、${it Saccharomyces cerevisiae}$野生株並びにDNA修復欠損株を用い、イオンビームによる損傷とDNA修復の機序について解析することを試みた。照射試料として野生株,二本鎖切断修復不活性株である${it rad52}$欠損株、及び酸化型核酸塩基前駆体8-oxo-dGTPの除去活性を失った${it ogg1}$欠損株を用いた。炭素イオンビーム(エネルギー:220MeV, LET:107keV/$$mu$$m)の照射は、日本原子力研究開発機構イオン照射研究施設(TIARA)のAVFサイクロトロンを用いた。最も突然変異頻度が高かった照射区で得られた突然変異体のURA3領域(804bp)をPCR増幅後、シーケンス解析によって変異位置を決定した。その結果、${it rad52}$欠損株では、ヒストンタンパクと結合した部位にhot spotがあり、一方、野生株及び${it ogg1}$欠損株では、ヌクレオソーム構造におけるリンカーDNA領域に局所的に変異が誘発された。また、変異パターンの解析から、イオンビーム誘発突然変異の要因として8-oxo-dGTPが大きく関与することが示唆された。

口頭

高等植物におけるDNA損傷乗り越え複製機構と紫外線感受性

坂本 綾子; 高橋 真哉*; 中川 繭; 田中 淳; 清水 喜久雄*; 鳴海 一成

no journal, , 

太陽光を利用して固着生活を営む高等植物にとって、日光に含まれる紫外線の有害な影響は無視できない問題である。紫外線によるDNA損傷から遺伝情報を守るため、多くの高等植物は光回復機構を持ち、きわめて効率的に紫外線損傷の除去を行っていることが知られている。近年、これに加え、光非依存的な修復機構や損傷トレランス機構が存在することが明らかになってきた。今回、われわれはシロイヌナズナの損傷トレランス機構にかかわる${it AtREV3}$, ${it AtREV1}$遺伝子の解析について報告する。${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$遺伝子は、損傷乗り越え複製を行うDNAポリメラーゼをコードしており、紫外線やさまざまな変異原によって損傷したDNAを鋳型として複製を行うことにより、DNA損傷による細胞増殖の停止を忌避する作用があることが予想されている。実際、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$遺伝子欠損株は紫外線,$$gamma$$線、及びクロスリンク試薬に対して高い感受性を示した。また、大腸菌中で産生させたAtREV1タンパク質は脱塩基部位を持つDNAを鋳型として逆鎖のプライマー末端にdCMPを挿入する活性を示した。一方、損傷乗り越え複製活性に付随して生じる突然変異頻度を測定する目的で、体細胞における紫外線誘発突然変異を検出したところ、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$の欠損株では突然変異頻度が大きく低下した。以上の結果から、高等植物では、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$遺伝子産物が紫外線や放射線などによって損傷したDNAを複製することにより、植物の生長阻害を回避すると同時に突然変異を引き起こしていることが示唆された。

口頭

シロイヌナズナのDNAポリメラーゼ$$zeta$$とREV1蛋白質の解析

坂本 綾子; 高橋 真哉*; 岩井 成憲*; 清水 喜久雄*

no journal, , 

われわれはシロイヌナズナのDNAポリメラーゼ$$zeta$$及びREV1蛋白質の遺伝子を単離し、解析を行ってきた。DNAポリメラーゼ$$zeta$$のサブユニットをコードする${it AtREV3}$, ${it AtREV7}$、及び${it AtREV1}$遺伝子を欠損したシロイヌナズナは、通常の生育条件下では正常に生長するが、紫外線照射下で生育させると、野生型に比べて強い生長阻害がみられた。また、播種後3日目の幼植物体に対して紫外線や$$gamma$$線、及びクロスリンク試薬などを与えると、${it AtREV3}$及び${it AtREV1}$欠損株では、野生型に比べて根端の分裂組織の増殖が阻害され、根の伸長が抑制されるという結果になった。このことから、シロイヌナズナのDNAポリメラーゼ$$zeta$$及びREV1蛋白質が、DNA損傷による細胞増殖の停止を忌避する働きをもっていることが予想された。そこで、AtREV1蛋白質の機能を明らかにする目的で${it in vitro}$におけるポリメラーゼ活性を解析したところ、AtREV1は脱塩基部位を持つDNAを鋳型として逆鎖のプライマー末端にdCMPを挿入した。このことから、AtREV1蛋白質が脱塩基部位を持つDNAの複製に関与していることが示唆された。一方で、AtREV1蛋白質は、紫外線損傷DNAの逆鎖に対しては塩基挿入活性を示さなかった。このことから、AtREV1は、dCMPトランスフェラーゼ活性のほかに未同定の機能があり、これが失われることにより植物に紫外線感受性が生じたことが示唆された。

口頭

重粒子線照射における出芽酵母の突然変異誘発メカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

no journal, , 

出芽酵母${it S.cerevisiae}$における$$gamma$$線及び重粒子線による突然変異誘発では、グアニンの酸化型前駆体である8-oxodGの生成が突然変異誘発に大きく寄与することを報告してきた。本研究では、出芽酵母野性株及び8-oxodGの除去修復遺伝子が不活性な${it ogg1}$株を用い、重粒子線による突然変異誘発の過程を修復経路の観点から明らかにすることを目的とした。最も突然変異の頻度が高かった100Gy照射条件で突然変異株を選抜し、${it URA3}$遺伝子領域(804bp)における変異位置をシーケンス解析によって決定した。野性株及び${it ogg1}$株ともに塩基置換の頻度が高く、特に${it ogg1}$株では変異のすべてが置換変異であった。また${it ogg1}$株ではG・CからT・Aのトランスバーションが70%を占め、野性株の場合と比較して有意な差を示した。これは${it ogg1}$株では誤挿入された8-oxodGの除去がなされないためであると考えられる。これらの結果から、重粒子線照射による突然変異はヌクレオチドプールの酸化及び誤挿入のプロセスが大きく寄与することが推測された。

口頭

Translesion synthesis and mutagenesis in higher plants

坂本 綾子; 中川 繭; 高橋 真哉*; 清水 喜久雄*; 田中 淳; 鳴海 一成

no journal, , 

To survive under the challenging circumstances, plants equip themselves with damage tolerance mechanisms, such as translesion synthesis (TLS). During our attempt to isolate novel genes accounting for the UV-resistance, we found several genes that seem to be involved in TLS. These are ${it AtREV3}$, ${it AtREV7}$, ${it AtREV1}$ and ${it AtPOLH}$. All these disruptants were more sensitive to UV exposure than wild-type plant although the levels of sensitivity were different each other. To obtain further information about plant TLS mechanisms, we analyzed bacterially expressed AtREV1 protein ${it in vitro}$. The recombinant AtREV1 protein inserted a dCMP at the opposite of AP site, but never inserted a nucleotide opposite of CPD nor 6-4 photoproducts. We also measured the UV-induced mutation frequencies in ${it AtREV3}$-, ${it AtREV1}$- or ${it AtPOLH}$-disrupted plants. The disruption of ${it AtREV3}$ or ${it AtREV1}$ reduced the reversion frequency to 1/4 of the level of wild type, while the disruption of ${it AtPOLH}$ enhanced the frequency more than twice. These results suggest that UV-induced damage is processed by two competitive pathways in Arabidopsis: a more mutagenic pathway with AtREV3 and AtREV1 and a less mutagenic pathway with AtPOLH.

口頭

重粒子線照射による酸化的DNA損傷と突然変異誘発メカニズム

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

no journal, , 

本研究は、真核生物のモデル生物である出芽酵母を用いて、イオンビームで生じる突然変異誘発の分子機構を解明することを目的とする。今回、野生株,DNAグリコシラーゼ活性の欠損によって8オキソデオキシグアニン(8-oxodG)を除去できない${it ogg1}$変異株及びミスマッチ修復欠損の${it msh2}$変異株を用いて、5-フルオロオロト酸耐性を指標として取得した${it ura3}$変異体を解析し、高LET炭素イオンビームによって生じる突然変異誘発性を調べた。${it ogg1}$変異株の100Gy照射での${it ura3}$変異の出現頻度は野生株の2倍であった。野生株では${it ura3}$遺伝子に起こった突然変異のうちG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の41%を占めていたのに対して、${it ogg1}$変異株ではG$$rightarrow$$T塩基置換が全体の70%を占めていた。また${it msh2}$変異株では一塩基欠失の割合が高かった。以上のことから、重粒子線照射による突然変異誘発は、クラスター損傷とともに誘起されるヌクレオチドプールの酸化、そして酸化ヌクレオチドの誤挿入という多段階的なプロセスによって誘起されると考えられる。

口頭

重粒子線照射による出芽酵母${it ogg1}$株の突然変異誘発の解析

松尾 陽一郎*; 西嶋 茂宏*; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*

no journal, , 

イオンビームによる突然変異誘発のメカニズムを分子レベルで解析するために、出芽酵母${it S. cerevisiae}$の野性株並びにDNA修復欠損株を用い、イオンビームによる損傷とDNA修復のメカニズムについて解析を行った。照射試料として野性株,塩基除去修復による8-oxodGTPの除去活性を失った${it ogg1}$株、及びミスマッチ修復の活性を失った${it msh2}$株を用いた。原子力機構・イオン照射研究施設(TIARA)のAVFサイクロトロンを用いて加速したカーボンイオン粒子(エネルギー:220MeV, LET:107keV/$$mu$$m)を照射した。続いて最も突然変異の頻度が高かった照射条件を用いて突然変異の誘発を行い、it URA3領域(804bp)についてPCR法を用い増幅させ、変異位置をシークエンス解析によって決定した。得られた結果から、${it ogg1}$株ではおもにCG$$rightarrow$$TAトランスバーションが誘発され、${it msh2}$株では1塩基欠失がおもに誘発されることがわかった。これらの変異パターンから、重粒子線照射による突然変異の要因として酸化損傷したヌクレオチドが関与していることが示唆された。

口頭

重イオン照射による出芽酵母の突然変異誘発の特徴

清水 喜久雄*; 松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 西嶋 茂宏*; 長谷 純宏; 坂本 綾子; 鳴海 一成

no journal, , 

本研究では、真核生物の一種である出芽酵母の野生株,塩基除去修復が不活性であるogg1株及びミスマッチ修復が不活性であるmsh2株を用いて、炭素イオンビーム照射で誘発される突然変異について、URA3遺伝子の突然変異を検出する5-FOAによる選択系で、変異スペクトルの解析を行った。その結果、野生株及びogg1株ともに塩基置換の頻度が高く、特にogg1株では変異のすべてが塩基置換であった。また、msh2株では、一塩基欠失が全体の突然変異の大部分を占め、アデニン及びチミン塩基対でおもに変異が誘発されることが確認された。これらの結果から、8-oxoGの生成がイオンビームに起因する突然変異をおもに誘導し、OGG1及びMSH2遺伝子が遺伝子の安定性に強く貢献していることが示唆された。

口頭

Mutation of budding yeast induced by ion beam irradiation

泉 佳伸*; 松尾 陽一郎*; 坂本 綾子; 高城 啓一*; 畑下 昌範*; 小嶋 崇夫*; 清水 喜久雄*

no journal, , 

真核生物のモデルとして出芽酵母(S288c)を用い、イオンビームにより誘発された突然変異の解析を行った。その結果、イオンビーム照射では$$gamma$$線のような低LET放射線とは対照的な生物応答が観察された。イオンビームに特徴的な突然変異誘導メカニズムを解明するために、LETが13keV/$$mu$$mから107keV/$$mu$$mまでの炭素イオンビームの照射を行った。また比較として、LETが0.45keV/$$mu$$mの陽子線の照射を行った。炭素イオンビーム照射の照射はTIARA(JAEA)及びHIMAC(NIRS)にて、陽子線照射は若狭湾エネルギー研究センターにて行った。照射後、生残率と突然変異頻度の測定と突然変異部位を特定するためのシークエンス解析を行った。放射線照射に起因する突然変異生成の分子機構を説明するために、野生型酵母に加えて8-oxoGTPの除去活性が失われている${it ogg1}$系統(BER-)、及びミスマッチ修復が不活性である${it msh2}$系統(MMR-)を用いた。また、比較のため二本鎖切断修復に関与する遺伝子が不活性である${it rad50}$系統(NHEJ-)及び${it rad52}$系統(HR-)についても解析を行った。

口頭

重粒子線照射によるDNA鎖切断の評価法に関する研究

松尾 陽一郎*; 泉 佳伸*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 坂本 綾子; 鳴海 一成; 清水 喜久雄*

no journal, , 

本研究では、重粒子線に由来するDNA損傷を評価することを目的として、ポリメラーゼ連鎖反応を応用して鋳型DNAに生じた損傷の程度の評価を行った。出芽酵母の${it URA3}$領域をPCRで増幅し精製した反応物をターゲットとして、日本原子力研究開発機構イオン照射研究施設(TIARA)のAVFサイクロトロンを用いて加速した炭素イオン粒子(220MeV, LET:107KeV/$$mu$$m)、又は放射線医学総合研究所のHIMACで加速した炭素イオン粒子(290MeV, LET:50keV/$$mu$$m)を照射した。照射したDNAを鋳型としてリアルタイムPCRを行い、ポリメラーゼ連鎖反応によるDNAの増幅率からDNAの損傷量を評価した。その結果、吸収線量の増加に伴ってDNA増幅率が低下し、ポリメラーゼ連鎖反応を阻害するような鋳型として機能しないDNAの量が増加していることが明らかになった。また、吸収線量が同じでも、LETが高いほど鋳型として機能しないDNA量が増加することがわかった。この結果から、本手法を用いることによりDNA鎖切断を指標としてLETが異なる放射線による影響を評価できる可能性が示された。

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