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西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; 牧井 宏之; Orlandi, R.; Kean, K. R.*; 塚田 和明; 豊嶋 厚史*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Chiera, N. M.*; et al.
Physical Review C, 111(4), p.044609_1 - 044609_12, 2025/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)In spontaneous fission (SF) it is found that the mass-asymmetric fission of well-known actinides suddenly changes to the symmetric fission when nucleus has a mass number larger than 257. We have measured for the first time fission-fragment mass and total-kinetic-energy (TKE) distributions of the excited compound nucleus
Md, populated in the reaction
He+
Es, using the rare isotope
Es with a short half-life,
=276 days. The fission of
Md can be interpreted as involving 3 fission modes: an mass-asymmetric mode and two modes of mass-asymmetric fissions, the latter two are manifested by different TKE values. Predominantly symmetric fission was obtained at the excitation energy of 15.0 MeV. By increasing the energy to 18.0 MeV, the asymmetric fission mode dominates. Both such a strong change of fission modes within a small increase of excitation energy and the enhancement of asymmetric split are new phenomena in fission.
研究基盤技術部
JAEA-Review 2024-051, 112 Pages, 2025/03
研究炉加速器技術部は、JRR-3(Japan Research Reactor No.3)、NSRR(Nuclear Safety Research Reactor)の研究炉、タンデム加速器、ラジオアイソトープ製造棟、トリチウムプロセス研究棟を運転管理し、それらを利用に供するとともに関連する技術開発を行っている。また、JRR-4(Japan Research Reactor No.4)の廃止措置や、JRR-1(Japan Research Reactor No.1)及びFEL(Free Electron Laser)研究棟の維持管理も行っている。本年次報告は令和5年度における当部の実施した運転管理、利用、利用技術の高度化、JRR-4の廃止措置、安全管理、国際協力及び人材育成について業務活動をまとめたものである。さらに、論文、口頭発表一覧、官庁許認可及び業務の実施結果一覧を掲載した。
椎名 陽子*; 木下 亮*; 舟田 周平*; 松田 誠; 今井 誠*; 川面 澄*; 左高 正雄*; 笹 公和*; 金子 敏明*; 冨田 成夫*
Physical Review A, 110(6), p.062826_1 - 062826_7, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Optics)We investigated the target thickness dependence of convoy electron yields resulting from bombardments with 3.5 MeV/atom C (n = 1 - 3) cluster ions. We observed that for bombardments with C
and C
ions, the convoy electron yield per atom, Y
/n, reaches a maximum around 3-5
g/cm
and decreases with increasing target thickness from 3.1 to 10.5
g/cm
, and ultimately reaches an asymptotic value. This asymptotic value of the convoy electron yield was nearly proportional to the size of the cluster n, that is, Y
n
, consistent with previous observations. We found that the escape length of the convoy electrons for C
and C
is much longer than that of C
bombardment. The present result suggests that the enhancement of the escape length could be the origin of this vicinage effect (i.e., Y
nY
) on the convoy electron yield.
Mikhail, M. A. G.*; 金 政浩*; 衛藤 大成*; 塚田 和明
Scientific Reports (Internet), 14, p.27132_1 - 27132_10, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)加速器中性子技術を用いてZn(n, x)反応により合成された医療用放射性銅同位体
Cuと
Cuを分離精製するために、簡便で堅牢な一段階の陽イオン交換分離法について研究した。本研究により、分離プロセスにおける陽イオン交換カラムのリン酸緩衝液前処理の重要性を明らかにした。リン酸緩衝液をカラム前処理に組み込むと、分離手順全体を通じてカラム内の銅同位体の保持が大幅に向上することを明らかにした。この方法により、100gの出発物質に対して約5時間という比較的短い実験時間で、94.4%という高い抽出効率で高純度放射性銅同位体試料を得ることができる。
藤村 由希; 石川 法人; 近藤 啓悦
JAEA-Technology 2024-012, 26 Pages, 2024/10
高い高温強度・耐腐食性を有するセラミックス材料は化学的に安定であり、その中でも特に酸化アルミニウム(AlO
)は、耐照射性にも優れた材料であることが分かっている。一方で、耐照射性が高いということは照射損傷の度合いが小さいということを意味しており、ごくわずかな照射影響について検知し、適切に評価するのは非常に困難である。本研究ではこの「微小な照射損傷」を捉えるため、金属などを主体とする他の構造材料における照射影響解析の場面で利用されている電子後方散乱回折(EBSD)パターンを用いた格子ひずみ(弾性ひずみ)の解析をセラミックス材料に適用した。照射損傷の影響を抽出するために、酸化アルミニウム(Al
O
)を原料とした単結晶サファイアを対象にし、いくつかの異なる照射量でイオン照射試験を行い、EBSD測定と格子ひずみ解析を実施したところ、これまでに分かっていた照射面と垂直方向の照射影響(格子膨張)に加えて、新たに水平方向の照射影響(格子収縮)を捉えることに成功した。さらに、照射量が増加するとともに照射損傷の程度も大きくなる傾向が見られた。以上のことから、EBSDは照射損傷によるセラミックス中の格子ひずみの照射量依存性を検知・評価できる有力な手法であることを明らかにした。
吉田 剛*; 松村 宏*; 中村 一*; 三浦 太一*; 豊田 晃弘*; 桝本 和義*; 中林 貴之*; 松田 誠
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(10), p.1298 - 1307, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)The activation level of the JAEA-Tokai tandem accelerator facility was investigated experimentally in advance of the future decommissioning. JAEA-Tokai tandem accelerator facility has a higher terminal voltage of 18 MV and a larger total floor area, Compared to other electrostatic accelerators with terminal voltage of 1 MV to 6 MV. Therefore, determination for 'where', 'what', and 'how many' nuclides are produced in the facility is crucial. Thermal neutrons generated by beam losses associated with accelerator operations contribute significantly to the activation of equipment and facilities. The accumulated activities of Co and
Eu; the most considerable radionuclides at the decommissioning, can be deduced by the thermal neutron fluence rate during the accelerator operation. In this study, thermal neutron fluence measurement on the surface of the pressure vessel and concrete building was conducted with conventional methods using dosimeters and metal foil detectors as well as a new method using a portable
-ray detector. The thermal neutron fluence in the facility during the accelerator operation ranges from 101 to 10
n/cm
/s. The sum of deduced activities of
Co and
Eu in 50 years is much lower than the clearance level of 0.1 Bq/g in all areas except in the irradiation room.
明午 伸一郎; 山口 雄司
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.853 - 858, 2024/10
30MWを超える大強度陽子加速器加速器を用いた、加速器駆動型核変換システム(ADS)が原子力機構(JAEA)で開発が進められている。核破砕中性子源においても、1MWを超えるマルチMWの施設が提案されていおり、これらの施設において安定に入射するためには、ビームが正しく標的に入射していることを確認するプロファイルモニタが重要となる。J-PARCの核破砕中性子源では炭化ケイ素(SiC)のマルチワイヤからなるプロファイルモニタを用いており、約1MWの利用運転では問題ないものの、今後の定常的な大強度運転ではワイヤの損傷が著しくなるものと考えられるため、ワイヤの損傷評価を定量的に行う事が重要となる。我々はモニタの開発の一環として、量子機構(QST)TIARAおよびJAEAタンデム加速器において、はじき出し損傷が数GeV陽子に比べ著しく高い重イオンビームを用いたビーム試験を実施した。JAEAタンデム加速器では様々なイオンビームを用いて、表面におけるLET依存性に関して調査を開始した。本発表では、この結果について報告する。
研究炉加速器技術部
JAEA-Review 2024-029, 107 Pages, 2024/08
研究炉加速器技術部は、JRR-3 (Japan Research Reactor No.3)、NSRR (Nuclear Safety Research Reactor)の研究炉、タンデム加速器、ラジオアイソトープ製造棟、トリチウムプロセス研究棟を運転管理し、それらを利用に供するとともに関連する技術開発を行っている。また、JRR-4 (Japan Research Reactor No.4)の廃止措置や、JRR-1 (Japan Research Reactor No.1)及びFEL (Free Electron Laser)研究棟の維持管理も行っている。本年次報告は令和4年度における当部の実施した運転管理、利用、利用技術の高度化、JRR-4の廃止措置、安全管理、国際協力及び人材育成について業務活動をまとめたものである。さらに、論文、口頭発表一覧、官庁許認可及び業務の実施結果一覧を掲載した。
原子力科学研究部門 原子力科学研究所
JAEA-Review 2023-050, 178 Pages, 2024/03
原子力科学研究所(原科研)は、従来からの部署である保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器技術部、臨界ホット試験技術部、バックエンド技術部の6部及び計画管理部に加えて、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、原子力エネルギー基盤連携センター及び物質科学研究センターで構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、研究技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、令和3年度の原科研の活動(各センターでの研究開発活動を除く)、並びに原科研を拠点とする廃炉環境国際共同研究センター、安全研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
小河 浩晃; 石川 法人
2023年度大学研究助成技術研究報告書, p.123 - 134, 2024/03
高圧水素環境を想定したステンレス鋼の品質管理及び次世代の鉄鋼材料の開発では、腐食と水素脆性の評価が重要となる。水素脆性を引き起こす鉄鋼材料中の水素を分析するためには、二次イオン質量分析法(SIMS)などが使用される。従来の水素分析用標準試料の濃度は、1wt-ppmと微量であることが、水素分析を行う上で課題となっている。本研究では、水素インプラント法を用いて、鉄鋼材料中に水素をインプラントすることにより、局所的ではあるが、従来よりも高い水素濃度を持つ試料の作成を試みた。水素濃度分析は、タンデム加速器を用いた核共鳴核反応(NRA)法で評価した。水素分布は表面付近と局所的ではあるものの、従来よりも高濃度である、1,900wt-ppm程度の高い水素濃度を持つ試料の作成に成功した。
石川 法人; 福田 将眞; 中嶋 徹; 小河 浩晃; 藤村 由希; 田口 富嗣*
Materials, 17(3), p.547_1 - 547_21, 2024/02
被引用回数:2 パーセンタイル:57.76(Chemistry, Physical)340-MeV Auイオンビームを照射した天然ジルコニアにおいて形成されたイオントラックとナノヒロックを透過型電子顕微鏡で微細観察した。ナノヒロックの寸法が10nm程度であり、局所溶融した領域の寸法と同程度であることが分かった。したがって、一旦溶融した結果としてイオントラックとナノヒロックが形成されたことが分かる。次に、イオントラックを観察すると長方形の断面形状をしており、かつ結晶構造が大きく溶融前と変化していないことが分かった。したがって、他のセラミックスと異なり、ジルコニアにおいては、局所溶融後に、結晶構造を反映した異方的な再結晶化が起きていることが強く示唆される。一方で、イオントラックの中心部には、飛跡に沿った低密度のコア領域が形成されており、イオンビームが入射した表面への物質移動により物質欠損が形成されていることも判明した。物質欠損を伴う条件では再結晶化が不十分となり、飛跡のごく近くでは低密度コア領域が形成されていると説明できる。
雨倉 宏*; Chettah, A.*; 鳴海 一雅*; 千葉 敦也*; 平野 貴美*; 山田 圭介*; 山本 春也*; Leino, A. A.*; Djurabekova, F.*; Nordlund, K.*; et al.
Nature Communications (Internet), 15, p.1786_1 - 1786_10, 2024/02
被引用回数:2 パーセンタイル:57.35(Multidisciplinary Sciences)高い電子的阻止能領域の照射条件で高エネルギー重イオンを固体に照射すると、イオンの飛跡に沿って潜在イオントラックと呼ばれる柱状の損傷領域が形成される。イオントラックは、多くの物質中で形成されていることが知られているが、ダイヤモンドにおいて観察された例は皆無であった。高エネルギー(GeV)のウランイオンにおいてさえ、観察された例はない。本研究では、2-9MeV Cフラーレンイオンを照射したダイヤモンドにおいて、初めてイオントラックが観察された。高分解能電子顕微鏡による観察により、イオントラックの内部がアモルファス化していることが示唆され、さらに、電子エネルギー損失分光法による分析によって、グラファイト由来の
-結合の信号が検知された。分子動力学法に基づく計算シミュレーションで、上記の実験結果を再現することに成功した。
Fujikawa, Y.*; Kawabata, T.*; Adachi, S.*; 廣瀬 健太郎; 牧井 宏之; 西尾 勝久; Orlandi, R.; 洲嵜 ふみ; 他13名*
Physics Letters B, 848, p.138384_1 - 138384_6, 2024/01
被引用回数:6 パーセンタイル:73.96(Astronomy & Astrophysics)We searched for the 6-condensed state in
Mg by measuring the
C+
C scattering with the SAKRA Si detector array. By using the invariant-mass method for the detected 3
particles, the inclusive cross sections for the
C+
C
C(0
) + X and
C(3
) + X reactions were determined. In both the inclusive
C(0
) + X channel and the exclusive
C(0
) +
C(0
) channel, the cross section peaked at E
= 19.4 MeV, which correspond to the excitation energy of E
= 33.3 MeV in
Mg. This 19.4-MeV state is a candidate for the 6
-condensed state
沓掛 健一; 松田 誠; 中村 暢彦; 石崎 暢洋; 株本 裕史; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; 松井 泰; 中川 創平; 阿部 信市
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1080 - 1084, 2023/11
原子力機構-東海タンデム加速器施設は最高電圧が約18MVの大型静電加速器で、重イオンビームを用いた核物理、核化学、原子物理、材料照射研究などの各分野で利用されている。2022年度も放電が頻発するため、最高加速電圧を約15MVに抑えて運転を継続した。2021年度以降、絶縁性能が劣化した機器類(セラミック製加速管や発電機駆動用アクリルシャフト等)の交換を行っており、2022年度はアクリルシャフト5本の交換を行ったが、加速電圧改善の根本的な解決には至っていない。2022年度発生した主な故障として、高電圧端子内ターボポンプの動作不良や90度偏向電磁石からの水漏れがあった。その都度、整備を行うことで施設の運転を継続しているが、今後、機器の経年劣化に対する抜本的な対策を検討する必要がある。発表では、2022年度における加速器の運転・整備状況等について報告する。
神谷 潤一郎; 仁井 啓介*; 株本 裕史; 近藤 恭弘; 田村 潤; 原田 寛之; 松井 泰; 松田 誠; 守屋 克洋; 井田 義明*; et al.
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 21(4), p.344 - 349, 2023/05
原子力機構東海タンデム加速器には、40台の超伝導Quarter Wave Resonator(QWR)によって重イオンを10MeV/uまで加速するブースターリニアックがあるが、2011年の震災以降、運転を停止している。近年ウラン等のより重い核種を加速するため、タンデム加速器のアップグレードが精力的に検討され、QWR再稼働の必要性が高まっている。現在、運転時に必要な加速電圧とQ値を得るため、QWR内面荒さを低減するための電解研磨条件を検証している。一方で電解研磨はNb中水素を増加させ、水素病と呼ばれるQ値の減少を引き起こす可能性がある。真空中高温焼鈍で水素を放出させることで水素病を抑えることができるが、QWRのクラッド材を構成するNbとCuの熱膨張差による空洞破損の危険性がある。そのため表面粗さの低減とNbバルク中の水素の増加を最小限に抑えるため、研磨条件を最適化する必要がある。我々はこれまで水素吸蔵量および脱離機構を昇温脱離分析(TDS)により検証できることに着目し、研究を行ってきた。発表では異なる条件で研磨したNb材料のTDS結果、表面観察結果、表面粗さの相関について得られた成果を発表する。
乙川 義憲; 松田 誠; 阿部 信市
JAEA-Technology 2022-037, 23 Pages, 2023/03
原子力機構-東海タンデム加速器の発電用回転シャフト装置の軸受ユニットは、加速器の設置当初からベアリングの運転寿命が短く、交換整備後も初期故障が多発していた。そのため交換整備の数量や頻度が多く、加速器圧力容器を開放して行う定期整備において多くの時間を費やしており、これを解決することが長年の懸案事項であった。この初期故障の原因を考察した結果、軸受ユニットが軸方向変位に対し自由度がないこと、および上下の軸受ユニットの回転軸を一致させることが困難であることが主な原因であり、そのためベアリングに過度な負担が生じていると推察した。これを解決するため、軸受ユニットのフランジに軸方向変位と偏角の自由度を持たせるように金属板ばねによるカップリング(軸継手)を有した軸受ユニットを開発した。この結果、キャスティング間の距離のばらつきや、上下の軸受ユニットの回転軸のずれを許容できるようになった。開発した新型軸受ユニットを実機に設置し、実運転で使用を継続しつつ改良を加えることでベアリングの初期故障の数を減らし、運転寿命を約2倍以上に延ばすことに成功した。この開発により、軸受ユニットの交換整備数が減ったことで整備時間を1週間に短縮できた。また、年間で3回程度実施していた加速器圧力容器を開放して行う定期整備の1回化を実現し、その恩恵として温暖化ガスである六フッ化硫黄(SF)ガスの放出量を年間で約33
50%に削減できた。本報告書では、新型軸受ユニットの開発および2006年から2020年までの整備状況について報告する。
研究炉加速器技術部
JAEA-Review 2022-075, 112 Pages, 2023/03
研究炉加速器技術部は、JRR-3 (Japan Research Reactor No.3)、JRR-4 (Japan Research Reactor No.4)、NSRR (Nuclear Safety Research Reactor)の研究炉、タンデム加速器、ラジオアイソトープ製造棟、トリチウムプロセス研究棟及びFEL研究棟を運転管理し、それらを利用に供するとともに関連する技術開発を行っている。本年次報告は令和2年度における当部の実施した運転管理、利用、利用技術の高度化、安全管理、国際協力について業務活動をまとめたものである。さらに、論文、口頭発表一覧、官庁許認可及び業務の実施結果一覧を掲載した。
株本 裕史; 中川 創平; 松田 誠
JAEA-Conf 2022-002, 146 Pages, 2023/03
第34回「タンデム加速器及びその周辺技術の研究会」は、令和4(2022)年7月21日(木)22日(金)の2日間に亘り日本原子力研究開発機構原子力科学研究所により開催された。新型コロナウイルスの感染拡大防止の対応からオンライン形式とした。本研究会は、タンデム加速器を中心とした静電加速器施設を運営あるいは利用する研究者・技術者の現場レベルからの話題提供を通じて、参加者相互の情報交換を図り、関連研究の発展や施設管理に資することを目的として行われている。本研究会へは26の大学、研究機関および産業界から約100名の関係者が参加した。発表件数は25件で、各施設の現状報告や加速器の技術開発、応用研究等について報告が行われた。また、今回はオンライン開催のためにポスター発表は行わず、口頭発表のみとした。本報告集は、これらの発表内容をまとめたものである。
石川 法人
JAEA-Conf 2022-002, p.111 - 115, 2023/03
原子力機構タンデム加速器を利用した主な照射損傷・原子物理研究のトピックス紹介を行う。進行中の多くの研究は、タンデム加速器の特徴を生かした課題設定になっており、その特徴と課題との関係性を概観する。以下に、原子力機構タンデム加速器が提供するイオンビームの特徴を挙げ、そして、その特徴を生かした研究例を述べる。[特徴1](100MeV以上の)高エネルギー重イオンかつ広範囲のイオン種を提供可能/研究例:イオントラック損傷とそれに関連するナノ構造形成に関する研究、[特徴2]長距離飛程かつ高電流イオンビームを提供可能/研究例(1):スピントロニクス素子の耐照射性試験、研究例(2):事故耐性改良被覆管の耐照射性試験、(研究例3):金属腐食環境中の原子力材料の耐照射性試験、[特徴3]高エネルギーかつ多価イオンビームを提供できる。/研究例:高エネルギーイオンの炭素薄膜通過後の非平衡電荷分布に関する研究
石崎 暢洋; 松田 誠; 中村 暢彦; 株本 裕史; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; 松井 泰; 阿部 信市
JAEA-Conf 2022-002, p.5 - 10, 2023/03
当施設は20UR型ペレトロンタンデム加速器で核物理,核化学,材料照射などの研究に利用されている。加速器の運転日数は141日で、利用運転における最高加速電圧は16.3MVであった。実験に使用されたイオン種は16元素(分子を含め23種)であり、その内、高電圧端子内イオン源(ターミナルECRイオン源)からのビームが38%を占めた。定期整備は夏季に1回実施し、SF6高圧ガス製造施設の定期検査のほか、タンク内のターミナル部のイオンポンプの素子交換、ECRイオン源の分解整備、ターミナル発電機の分解整備などを行った。また、絶縁性能が劣化した低エネルギー側加速管3.5MVユニット分(7本)を交換し、加速電圧の回復を図った。運転期間中の故障修理としては、加速器入射部でビームが周期的に変動する現象が発生した。これは質量分析電磁石の磁場測定器(NMR)の回路の劣化が原因であった。発表では加速器の運転・整備状況等について報告する。