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高松 邦吉; 舩谷 俊平*
Proceedings of 13th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS13) (Internet), 11 Pages, 2024/11
本研究は、外的ハザードに対する安全性向上に向けて、水や空気等の流体の駆動に期待するのではなく、事故時の崩壊熱及び残留熱を受動的に冷却可能な、放射冷却を利用した新たな冷却システム(炉容器冷却システム)の開発を目的とする。本発表では、提案する炉容器冷却システムを原子炉建家と一体化した構造概念を提示するとともに、これまでの実験及び解析検討結果に基づく性能評価結果を報告する。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2024-034, 70 Pages, 2024/10
本報告書は、2022年度のHTTR(高温工学試験研究炉)の運転・保守管理状況、HTTRを用いた研究開発等についてまとめたものである。HTTRは熱出力30MW、原子炉出口冷却材温度950Cの我が国初の高温ガス炉の試験研究炉である。高温ガス炉は固有安全性に優れ、発電のみならず水素製造等の多様な産業利用が可能な原子炉として、将来の脱炭素社会に対応した次世代原子炉の候補として挙げられている。HTTRの目的は高温ガス炉技術の基盤の確立及び高温ガス炉の安全性の実証等であり、安全性実証試験、長期連続運転等の高温ガス炉の研究開発に関する各種実証試験並びに高温ガス炉の運転・保守に係る実績を有している。2022年度は、2021年の運転時に発生した1次ヘリウム循環機フィルタ差圧上昇の対策等の保守管理を主に実施した。
竹田 武司; 柴田 大受
JAEA-Review 2024-040, 29 Pages, 2024/09
日本の第6次エネルギー基本計画では、2050年までのカーボンニュートラルを目指したエネルギー政策の道筋を示すことが重要なテーマとなっている。2030年に向けた日本の原子力研究開発(R&D)への政策対応には、国際連携による2030年までの小型モジュール炉(SMR)技術の実証が盛り込まれている。これを踏まえ、脱炭素化と経済成長を同時に達成するGreen Transformation (GX)の実現に向けて、今後10年を見据えた取組の基本方針が取りまとめられた。海外に目を向けると、米国、カナダ、欧州、中国、ロシアを中心に、重工メーカーやR&D機関のみならずベンチャー企業も含めて、国際的にSMRのR&D活動が活発である。このような状況下で、原子力機関(NEA)の原子力施設安全委員会(CSNI)は、SMRの安全性への影響評価を支援するために、SMRに関する専門家グループ(EGSMR)を招集した。EGSMRの取組として、SMRの導入や研究活動に関する最新情報の収集を主目的とした数回にわたるアンケートへの回答の提出が求められた。これに対して、筆頭著者から、JAEAに加えて日立GEニュークリア・エナジー株式会社、三菱重工業株式会社からの情報に基づき回答した。アンケートに対する日本の回答の多くは、CSNI Technical Opinion Paper No.21 (TOP-21)のベースとなる情報である。本報告書では、整理した公開可能な日本のアンケート回答と付加情報を示し、TOP-21の記載内容の一部を補完した。これにより、EGSMRの活動(2022-2023年)を中心とした日本におけるSMRに関するR&Dの調査結果をまとめた。本報告書は、SMRに関する今後の国際協力の議論や国内外の原子力分野の人材育成に役立てることを目的としている。この中で、日本の革新炉のR&Dの主なトピックスとして、高温ガス炉(HTGR)とナトリウム冷却高速炉(SFR)に関して、実用化に必要な技術と現状のギャップを同定している。また、HTGRと水素製造施設の相互接続に関連して、水素製造施設からの可燃性ガスの漏洩と異常発生が安全性に与える影響等について整理している。
石塚 悦男; 長住 達; 長谷川 俊成; 川井 大海*; 脇坂 真司*; 長瀬 颯太*; 中村 建斗*; 矢口 陽樹*; 石井 俊晃; 中野 優美*; et al.
JAEA-Technology 2024-008, 23 Pages, 2024/07
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2023年度夏期休暇実習において、3つの大学から5名が参加した。参加者は、HTTR炉心の解析、強制冷却機能喪失時の挙動解析、一次冷却系統のヨウ素沈着挙動解析、高温ガス炉用エネルギー貯蔵システムの概念検討について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
島崎 洋祐; 地代所 達也; 石井 俊晃; 猪井 宏幸; 飯垣 和彦
JAEA-Technology 2024-005, 23 Pages, 2024/06
HTTRでは、新規制基準への対応の一環として新たに多量の放射性物質等を放出するおそれのある事故(BDBA)の想定を行うとともに、BDBAの拡大防止対策を定めた。このうち、使用済燃料貯蔵プールに係る冷却水漏洩によって発生するBDBAの拡大防止対策においては、大洗研究所の消防自動車をBDBAの拡大防止対策機器として選定し、揚水性能等の要求性能を定めて検査で確認した。これにより、消防自動車は使用前事業者検査に合格し、HTTRの運転再開に貢献した。
根本 隆弘; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 長山 侑矢; 長住 達; 長谷川 俊成; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; et al.
JAEA-Technology 2024-003, 17 Pages, 2024/06
RS-14サイクルに発生した1次ヘリウム循環機フィルタの差圧上昇の原因を調査するため、フィルタ付着物を調査した。調査の結果、フィルタエレメント表面にシリコンオイルに起因する付着物を確認した。この結果から、フィルタ差圧上昇の原因は、1次ヘリウム純化設備ガス循環機のチャコールフィルタの性能劣化により、1次系内にシリコンオイルが混入したためであることが明らかとなった。また、この再発防止対策として、従来の1次ヘリウム純化設備ガス循環機の運転時間による管理に加え、チャコールフィルタの交換頻度を3年毎とする定期交換計画を新たに策定した。
稲葉 良知; 佐藤 博之; 角田 淳弥; 大橋 弘史; 西原 哲夫; 坂場 成昭
日本機械学会誌, 127(1267), p.25 - 28, 2024/06
原子力機構(JAEA)は、高温ガス炉の早期社会実装によるネットゼロへの貢献を目指し、HTTR-熱利用試験、高温ガス炉国内実証炉、英国の高温ガス炉実証プログラム、英国高温ガス炉燃料開発プログラム、ポーランド高温ガス炉研究炉基本設計の5つのプロジェクトを推進する。本稿では、これら5つのプロジェクトに加え、HTTRを用いた安全性実証試験の概況を述べた。
長谷川 俊成; 長住 達; 根本 隆弘; 中嶋 國弘; 横山 佳祐; 藤原 佑輔; 荒川 了紀; 飯垣 和彦; 猪井 宏幸; 川本 大樹
Proceedings of 2024 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2024) (Internet), 10 Pages, 2024/06
2021年のHTTR(高温工学試験研究炉)の運転中に発生した1次ヘリウム循環機フィルタ差圧上昇の原因を調べるために、フィルタエレメントとその付着物に対してSEM観察とEDX解析を実施した。フィルタエレメント表面に対するSEM観察の結果、ろ過孔よりも小さい塊状の付着物及び繊維状の付着物並びにろ過孔よりも大きい棒状付着物を確認した。付着物に対するEDX解析の結果、塊状の付着物及び繊維状付着物に1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルを含むことを示唆し、棒状付着物は1次冷却設備の二重管に使用される断熱材であることを示した。1次ヘリウム純化設備ガス循環機内のシリコンオイルは同機器に用いられている活性炭フィルタから漏れ出たものと考えられる。その後、気化し炉心を通過後、1次ヘリウム循環機のフィルタエレメントにトラップされたものと考えられる。シリコンオイルを含む付着物はフィルタエレメント全体に存在していたことから、ろ過孔が小さくなり流路抵抗が増加することで当該フィルタの差圧が上昇した可能性がある。断熱材は主にフィルタエレメントの下部に現れておりフィルタの目詰まりとは無関係であった。したがって、シリコンオイルが当該フィルタの差圧上昇に寄与した可能性があり、過去のフィルタ差圧上昇の原因であった黒鉛粉末は今回の事象とは無関係であった。
広田 憲亮
Accounts of Materials & Surface Research (インターネット), 9(2), p.58 - 66, 2024/03
熱化学水素製造法ISプロセスでは、硫酸の高温腐食が問題となっている。この問題を解決するため、硫酸分解器には耐熱・耐食セラミックスである炭化ケイ素(SiC)が利用されている。しかし、脆いSiCを実用プラントで使用することは、突発的な衝撃によるクラック発生に伴う分解器の余寿命予測の困難さや、SiCを製造する際の焼結炉の寸法制約上、大型化が難しいといった課題が残る。本論文では、化学的緻密化法を用いた緻密な酸化皮膜の形成とアルミニウム添加による合金組成の改善により、-Al
O
を形成することで、高温硫酸環境において十分な耐食性と長期耐久性を達成した2種類の表面酸化皮膜を用いた耐食金属材料の開発について述べる。
高松 邦吉; 舩谷 俊平*
Nuclear Engineering and Technology, 56(3), p.832 - 845, 2024/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)受動的安全性を持つRCCSは、大気を冷却材として使用するため、冷却材を喪失することはないが、大気の擾乱の影響を受けやすいという欠点がある。そのため、大気放射を利用したRCCSと、大気自然循環を利用したRCCSを実用化するためには、想定される自然災害や事故状態を含むあらゆる状況下で、原子炉からの発熱を常に除去できるのかについて安全評価を実施する必要がある。そこで本研究では、2種類の受動的RCCSについて、熱除去のための受動的安全性の余裕(裕度)について同一条件で比較した。その結果、提案した大気輻射を利用したRCCSは、外気(大気)の擾乱に対して原子炉圧力容器(RPV)の温度を安定的に維持できる利点を明らかにすることができた。さらに、RPV表面から放出される廃熱をすべて利用できる方法も提案した。
Ho, H. Q.; 石井 俊晃; 長住 達; 小野 正人; 島崎 洋祐; 石塚 悦男; 澤畑 洋明; 後藤 実; Simanullang, I. L.*; 藤本 望*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 417, p.112795_1 - 112795_6, 2024/02
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)External sources of neutron provide stable and sufficient neutron for initial startup of a nuclear reactor. They also provide signals for neutron detectors to monitor the safety of reactor during shutdown. In the high temperature engineering test reactor, Cf is used as the external neutron source. However, the
Cf sources must be renewed every approximately 7 years because of its relatively short half-life of 2.6 years. The renewal of
Cf sources requires a high cost and a very complicated procedure. This study investigated the feasibility of using BeO rods as the secondary neutron sources to avoid renewing the
Cf neutron sources periodically. The BeO rods could exist in the reactor for a long time so that if the reactor operates long enough, the neutron flux at the wide-range monitoring detectors remains significant even if the reactor is shutdown for as long as 5 years. The results of this study indicated that using BeO rods as the secondary neutron sources would be an attractive option for the future HTGR design with a long-life fuel cycle.
高松 邦吉
革新的冷却技術; メカニズムから素子・材料・システム開発まで, p.179 - 183, 2024/01
高温ガス炉は優れた安全性を有しており、原子炉冷却材が喪失するような事故時においても、炉心における崩壊熱や残留熱を原子炉圧力容器(RPV)外表面から放熱でき、燃料温度は制限値を超えることなく静定する。一方、RPVから放出された熱を最終ヒートシンクまで輸送する冷却システムに関しては、ポンプ等による水の強制循環を用いた能動的システムや、大気の自然循環を用いた受動的システムが提案されている。しがしながら、冷却性能が動的機器の動作や気象条件の影響を受けるという課題があった。本稿では、これらの課題解決を目的に提案されている放射冷却を用いた新たな冷却システム概念の概要や、当該概念の成立性確認を目的とした解析と実験の結果を紹介する。
上出 英樹; 川崎 信史; 早船 浩樹; 久保 重信; 近澤 佳隆; 前田 誠一郎; 佐賀山 豊; 西原 哲夫; 角田 淳弥; 柴田 大受; et al.
次世代原子炉が拓く新しい市場; NSAコメンタリーシリーズ, No.28, p.14 - 36, 2023/10
高速炉、高温ガス炉を始めとする次世代原子炉の開発が進み、日本を含む世界の電力あるいは熱利用など産業利用の市場への貢献が目前となっている。ここでは、世界の動向を含め日本の開発状況についてまとめ、特に第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)の活動ならびに日本の高速炉、高温ガス炉、世界のSMRについて開発の現状を解説した。
高温工学試験研究炉部
JAEA-Review 2023-016, 82 Pages, 2023/09
HTTR(高温工学試験研究炉)は、茨城県東茨城郡大洗町にある日本原子力研究開発機構が建設した熱出力30MW及び原子炉出口冷却材温度950Cの我が国初の高温ガス炉である。HTTRの目的は高温ガス炉技術の基盤の確立及び高温ガス炉の安全性の実証等であり、1998年の臨界から現在まで、安全性実証試験、長期連続運転及び高温ガス炉の研究開発に関する各種実証試験を実施しており、高温ガス炉の実証試験並びに運転・保守に係る実績を有している。2021年度は、原子力規制委員会が定めた新規制基準対応に係る活動を完了し、2011年東北地方太平洋沖地震以来停止していたHTTRの運転を約10年ぶりに再開した。また、炉心冷却喪失試験(出力30%における循環機3台停止かつ炉容器冷却設備を停止した炉容器冷却設備停止試験)の安全性実証試験を実施した。本報告書は、2021年度に実施された新規制基準への対応状況、HTTRの運転・保守管理状況、実用高温ガス炉に向けた研究開発、高温ガス炉関係の国際協力の状況等についてまとめたものである。
河野 貴大*; 水田 直紀; 植田 祥平; 橘 幸男; 吉田 克己*
JAEA-Technology 2023-014, 37 Pages, 2023/08
現在用いられている高温ガス炉用燃料コンパクトは、被覆燃料粒子を黒鉛母材で焼き固めた黒鉛母材燃料コンパクトである。これに対して、SiC母材燃料コンパクトは、母材を従来の黒鉛から新たに炭化ケイ素に換えたものである。高温ガス炉用燃料コンパクトを従来の黒鉛母材燃料コンパクトからSiC母材燃料コンパクトに換えることで、高温ガス炉の出力密度等の性能向上が期待される。本研究では、高温ガス炉用燃料コンパクトに適用するための焼成条件を選定し、試作したSiCの密度や熱伝導率を測定した。
石塚 悦男; Ho, H. Q.; 北川 堪大*; 福田 理仁*; 伊藤 諒*; 根本 将矢*; 楠木 捷斗*; 野村 拓朗*; 長瀬 颯太*; 橋本 温希*; et al.
JAEA-Technology 2023-013, 19 Pages, 2023/06
「HTTRに関する技術開発」をテーマとした2022年度夏期休暇実習において、5つの大学から8名が参加した。参加者は、原子力電池の検討、HTTR炉心の燃焼解析、Cf製造の検討、冷却機能喪失時の挙動解析、炉容器近傍の熱流動解析について実習した。実習後のアンケートでは、就業体験として有益であったこと、一部の学生においては自身の研究に役立ったこと、他の大学生との議論が良い経験となった等の感想があり、本実習は概ね良好な評価を得た。
小澤 太教; 菅沼 拓朗; 本間 史隆; 東村 圭祐*; 鵜飼 隆由*; 齋藤 賢司
JAEA-Technology 2023-007, 24 Pages, 2023/06
HTTR広領域中性子検出器の高温環境下における信頼性向上を目的として、広領域中性子検出器の構造変更を検討した結果、リード線によってMIケーブル芯線と金属管を接合する構造を廃止し、MIケーブル芯線と金属管を直接接合する構造が短時間で対応できる最も信頼性が高い方法であることが明らかとなった。この方法で接続部分のモックアップを製作して熱サイクル試験及び高温耐久試験を実施した結果、HTTRの使用条件においても接続部分の健全性が保たれることが明らかとなった。
根本 隆弘; 荒川 了紀; 川上 悟; 長住 達; 横山 佳祐; 渡部 雅; 大西 貴士; 川本 大樹; 古澤 孝之; 猪井 宏幸; et al.
JAEA-Technology 2023-005, 33 Pages, 2023/05
HTTR (High Temperature engineering Test Reactor) RS-14サイクルの原子炉出力降下において、ヘリウムガス循環機のフィルタ差圧が上昇傾向となった。この原因を調査するため、1次ヘリウム純化設備のガス循環機の分解点検等を実施した結果、ガス循環機内のシリコンオイルミストがチャコールフィルタの性能低下で捕集できなくなり、1次系統に混入したためと推定された。今後は、フィルタ交換を実施するとともに、さらなる調査を進め、再発防止対策を策定する予定である。
坂野 雅樹*; 舩谷 俊平*; 高松 邦吉
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 7 Pages, 2023/05
本研究では、放射冷却を採用した原子炉圧力容器(RPV)の受動的冷却設備の安全性に関する基礎的研究を行う。本研究の目的は、自然災害が発生した場合でも、放射冷却を採用したRPVの受動的冷却設備は、安全で信頼できることを実証することである。そこで、いくつかのステンレス製の容器を使って、実機の受動的冷却設備の約1/20スケールである実験装置を製作した。実験装置内の発熱体の表面はRPVの表面を模擬しており、その発熱体は実験装置内で自然対流と輻射を発生させる。そこで実機と実験装置のグラスホフ数を比較したところ、いずれも乱流であることを確認し、スケールモデルである実験装置から価値の高い実験結果を得られることに成功した。また実験の結果から、定格運転時にRPV表面から放散される熱を確実に除去できることを実証できた。
高松 邦吉; 舩谷 俊平*
Proceedings of 2023 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2023) (Internet), 17 Pages, 2023/04
受動的安全性を持つRCCSは、大気を冷却材として使用するため、冷却材を喪失することはないが、大気の擾乱の影響を受けやすいという欠点がある。そのため、大気放射を利用したRCCSと、大気自然循環を利用したRCCSを実用化するためには、想定される自然災害や事故状態を含むあらゆる状況下で、原子炉からの発熱を常に除去できるのかについて安全評価を実施する必要がある。そこで本研究では、2種類の受動的RCCSについて、熱除去のための受動的安全性の余裕(裕度)について同一条件で比較した。その結果、提案した大気輻射を利用したRCCSは、外気(大気)の擾乱に対して原子炉圧力容器(RPV)の温度を安定的に維持できる利点を明らかにすることができた。さらに、RPV表面から放出される廃熱をすべて利用できる方法も提案した。