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重粒子線を照射したヒト正常線維芽細胞の子孫細胞に誘発される形態変化の解析

Exposure of normal human diploid fibroblasts to heavy ions accelerate differentiation in their progeny

楚良 桜; 浜田 信行*; 原 孝光*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 片岡 啓子*; 鈴木 芳代; 深本 花菜; 横田 裕一郎; 小林 泰彦

Sora, Sakura; Hamada, Nobuyuki*; Hara, Takamitsu*; Funayama, Tomoo; Sakashita, Tetsuya; Kataoka, Keiko*; Suzuki, Michiyo; Fukamoto, Kana; Yokota, Yuichiro; Kobayashi, Yasuhiko

放射線照射子孫細胞には細胞増殖死などが遅延的に誘発されることが知られており、この現象は、放射線誘発遺伝的不安定性と呼ばれている。本研究では、遺伝的不安定性誘発のLET依存性を明らかにするために、$$^{60}$$Co$$gamma$$線(0.2keV/$$mu$$m)あるいは6種の重粒子線(16.2-1610keV/$$mu$$m)を照射したヒト正常線維芽細胞の子孫細胞に誘発される遅延的な効果を調べた。遅延的細胞増殖死の指標として遅延的なコロニー形成能の喪失を解析したところ、1次コロニーと2次コロニーの生存率は、ともに炭素線(108keV/$$mu$$m)の照射によって最も低下することがわかった。また、1次コロニー内に、分化の進行により分裂能が低下した細胞が線量とLETに依存して高頻度に認められた。以上の結果から、照射子孫細胞の分化の促進は、LETに依存してコロニー形成能を遅延的に喪失する機序である可能性が示唆された。

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