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Bcl-2過剰発現細胞の放射線抵抗性は重粒子線照射により消失する

Overcoming the radioresistance of Bcl-2 overexpressing tumor cells with heavy-ion irradiation

浜田 信行*; 原 孝光*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 片岡 啓子*; 楚良 桜; 大村 素子*; 小林 泰彦

Hamada, Nobuyuki*; Hara, Takamitsu*; Funayama, Tomoo; Sakashita, Tetsuya; Kataoka, Keiko*; Sora, Sakura; Omura, Motoko*; Kobayashi, Yasuhiko

重粒子線は、低LET放射線に比べて、線量分布の集中性に優れ、生物学的効果も高いことから、がん治療に利用されている。本研究では、Bcl-2を高発現するがん細胞の放射線抵抗性に及ぼす重粒子線の効果を明らかにすることを目的とした。HeLa細胞にBcl-2を過剰発現させたHeLa/bcl-2細胞は、薬剤耐性遺伝子のみを導入したHeLa/neo細胞よりも、$$gamma$$線及び16keV/$$mu$$mの重粒子線には抵抗性を示したが、76-1610keV/$$mu$$mの重粒子線照射後の生存率は両細胞で一致したことから、Bcl-2の高発現に起因する放射線抵抗性は高LET重粒子線により消失することがわかった。さらに、吸収線量あたりの殺傷効果が最も高かった108keV/$$mu$$mの炭素線を照射したHeLa/bcl-2細胞では、HeLa/neo細胞に比べ、有意なアポトーシス誘発率の低下とともにG2/M期停止の延長が認められたことから、Bcl-2は、抗アポトーシス因子であるだけではなく、細胞周期チェックポイントにも関与している可能性が強く示唆された。

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