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論文

Atmospheric resuspension of insoluble radioactive cesium bearing particles found in the difficult-to-return area in Fukushima

Tang, P.*; 北 和之*; 五十嵐 康人*; 佐藤 志彦; 畑中 恒太郎*; 足立 光司*; 木名瀬 健*; 二宮 和彦*; 篠原 厚*

Progress in Earth and Planetary Science (Internet), 9(1), p.17_1 - 17_15, 2022/03

 被引用回数:5 パーセンタイル:66.48(Geosciences, Multidisciplinary)

The deposition of insoluble radiocesium bearing microparticles (CsMPs), which were released from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (F1NPP) accident in March 2011, has resulted in the widespread contamination of eastern Japan. Obviously, these deposited insoluble CsMPs may become the secondary contamination sources by atmospheric migration or other environmental transferring process, however, the understanding of the transport mechanism remains non-elucidation, and the relevant evidence has not been directly provided. This study, for the first time, provides the direct evidence for the resuspension of these insoluble CsMPs to the atmosphere from (1) proximity of $$^{137}$$Cs radioactivity and resemblance of the morphology and the elemental compositions of CsMPs in the samples of soil and aerosol derived from the same sampling site, (2) the special characteristics of the resuspended CsMPs of which the ratios of Na/Si, K/Si and/or Cs/Si were smaller than those from the initially released CsMPs collected at either long distance or near F1NPP, which can be ascribed to the slowly natural corrosion of CsMPs by the loss of the small amount of soluble contents in CsMPs, and (3) high CsMPs concentration of 10 granules/gram in the surface soil of our sampling site, and high resuspension frequency of CsMPs in spring when predominant suspended particles were soil dust.

論文

Preparation and crystallization of perdeuterated T4 phage lysozyme for neutron diffraction

廣本 武史; 安達 基泰; 柴崎 千枝; Schrader, T. E.*; Ostermann, A.*; 黒木 良太

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.033003_1 - 033003_6, 2015/09

T4ファージリゾチーム(T4L)は、大腸菌の細胞壁を構成するムラミルペプチドを加水分解し、溶菌を引き起こす酵素である。野生型T4Lは、加水分解後の生成物のアノマー構造を逆転する酵素であるが、26番目のThr残基を部位特異的にHis残基に置換したT26H変異型T4Lは、加水分解生成物のアノマー構造を保持する酵素に変換されるのみならず、高い糖転移活性を獲得する。そこで、変異型酵素に導入したHis残基の糖転移反応における役割と隣接する酸性残基(Asp20)との関係を中性子構造解析によって明らかにするため、T26H変異型T4Lの完全重水素化とその大型結晶作製を試みた。完全重水素化タンパク質(d-T26H)は、一般的な大腸菌発現ベクターを用い、完全重水素化培地で組換え大腸菌を培養後、過剰発現させることによって調製した。精製試料を用いて、タンパク質濃度と沈殿剤濃度を変化させたスクリーニングを実施し、約0.12mm$$^{3}$$の結晶を取得した。本結晶をミュンヘン工科大学の研究用原子炉(FRM II)において極低温下(100K)での予備的中性子回折実験を実施した結果、2.8${AA}$分解能を超える回折点の観測に成功した。

論文

生体分子の中性子単結晶回析,3; タンパク質中性子結晶構造解析の実例と応用

安達 基泰; 新井 栄揮; 廣本 武史; 黒木 良太

波紋, 24(1), p.45 - 49, 2014/02

中性子回折を使った蛋白質の構造解析は、生体高分子の構造と機能の関係を理解する上においてますます重要になっている。原子力機構の研究用原子炉およびパルス中性子施設に設置した中性子回折計の近年の発達したことによって、水和水と生体高分子の水素原子を観察することが可能となり、化学反応の機構を解明するための重要な知見が得られるようになった。ここでは、生体高分子の中性子結晶構造解析のための、試料調製、結晶成長、構造解析と得られる情報の利用について例を挙げ概説する。

報告書

国際原子力機関原子力エネルギーマネジメントスクールの開催; 2012年

大釜 和也; 安藤 葉子; 山口 美佳; 生田 優子; 篠原 伸夫; 村上 博幸; 山下 清信; 上坂 充*; 出町 和之*; 小宮山 涼一*; et al.

JAEA-Review 2013-004, 76 Pages, 2013/05

JAEA-Review-2013-004.pdf:13.53MB

日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)は、原子力人材育成ネットワーク、東京大学及び日本原子力産業協会とともに、日本がアジアの原子力人材育成の中核となることを目指し、IAEAの原子力エネルギーマネジメントスクールを我が国に招致した。同スクールにおいては、IAEAの専門家を講師とした講義のほか、多くの日本人専門家の協力を得て、福島第一原子力発電所事故の教訓、日本の原子力分野における経験・技術の紹介などを含む独自性のある講義や施設見学を提供した。このスクールの開催を通して、我が国の若手人材の国際化及び新規原子力導入国等の人材育成へ寄与することができた。また、我が国とIAEAとの協力関係の促進に資することができた。加えて、我が国初となる本スクールの開催により、省庁,大学,メーカ,電力,研究開発機関が一体となって協力しあったことにより、国内の原子力人材ネットワークの協力関係の強化を行うことができた。本報告では、今後の我が国による国内外の国際原子力人材の育成事業の効果的実施に資するため、本スクールの準備、開催状況及び評価について述べる。

論文

Recent progress in the energy recovery linac project in Japan

坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.

Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05

日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。

論文

Incommensurate spin correlations induced by magnetic Fe ions substituted into overdoped Bi$$_{1.75}$$Pb$$_{0.35}$$Sr$$_{1.90}$$CuO$$_{6+z}$$

平賀 晴弘*; 林 陽一郎*; 脇本 秀一; 武田 全康; 加倉井 和久; 足立 匡*; 小池 洋二*; 山田 幾也*; 宮崎 正範*; 平石 雅俊*; et al.

Physical Review B, 81(14), p.144501_1 - 144501_6, 2010/04

 被引用回数:15 パーセンタイル:54.92(Materials Science, Multidisciplinary)

Spin correlations in the overdoped region of Bi$$_{1.75}$$Pb$$_{0.35}$$Sr$$_{1.90}$$CuO$$_{6+z}$$ have been explored with Fe-doped single crystals characterized by neutron scattering, muon-spin-rotation spectroscopy, and magnetic-susceptibility measurements. The incommensurability $$delta$$ is unexpectedly large ($$sim$$0.2 r.l.u.), as compared with the overdoped La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$. However, this large $$delta$$ is close to the hole concentration $$p$$. While our findings in Fe-doped Bi$$_{1.75}$$Pb$$_{0.35}$$Sr$$_{1.90}$$CuO$$_{6+z}$$ support the commonality of incommensurate spin correlations in high-$$T_c$$ cuprate superconductors, they also suggest that the magnetic response might be dominated by a distinct mechanism in the overdoped region.

論文

Microscopic structure of the Gamow-Teller resonance in $$^{58}$$Cu

原 圭吾*; 足立 猛*; 秋宗 秀俊*; 大東 出*; 藤村 寿子*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; 伏見 賢一*; 原 かおる*; Harakeh, M. N.*; et al.

Physical Review C, 68(6), p.064612_1 - 064612_9, 2003/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:58.04(Physics, Nuclear)

$$^{58}$$Cuのガモウ・テラー準位が$$^{58}$$Ni($$^3$$He,t+p)と$$^{58}$$Ni($$^3$$He,t+$$gamma$$)同時計測実験で研究された。アイソスピンT=1とT=2の1$$^+$$準位(E$$_x=$$6$$sim$$12MeV)が$$^{58}$$Ni($$^3$$He,t)反応で強く励起された。磁気スペクトロメーターを用いて測定されたトリトンと半導体検出器で測定した陽子崩壊との同時計測が行われた。この実験で、世界初の$$^{58}$$N($$^3$$He,t+$$gamma$$)実験が行われ、陽子崩壊と$$gamma$$線崩壊強度を用いてガモウ・テラー共鳴の微視構造が議論された。

報告書

深部地質環境に対する微生物の影響に関する研究 -地下微生物群集の種組成と代謝の多様性に関する研究-

長沼 毅*; 岩月 輝希; 村上 由記; 濱 克宏; 岡本 拓士*; 谷本 大輔*; 藤田 夕佳*; 渡辺 史子*; 足立 奈保美*; 佐藤 誠*

JNC TY7400 2003-001, 116 Pages, 2003/05

JNC-TY7400-2003-001.pdf:4.97MB

本報告書は、核燃料サイクル開発機構東濃地科学センターと広島大学生物生産学部間で行われた先行基礎工学共同研究「深部地質環境に対する微生物の影響に関する研究-地下微生物群集の種組成と代謝の多様性に関する研究」の成果を取りまとめるものである。概要を以下に示す。岐阜県東濃地域において、地下深部の微生物の存在量と多様性に関する研究を行った。蛍光染色法による全菌数の計測、呼吸活性やエステラーゼ活性等に基づいて、生菌数を調査したところ、全菌数の約0.001%-100%と求められた。これらの微生物の存在量は、環境要因(岩盤中の割れ目本数、地下水の水理・地球化学条件等)に依存していた。ウラン鉱床を含む堆積岩深部においては、地下水中の酸化還元化学種、微生物生息数、硫酸イオンの硫黄同位体比から、硫酸還元菌による硫酸還元反応が主要な酸化還元反応であることが明らかになった。また、硫酸イオンと塩酸イオンが良い相関を示しながら震度とともに増加しており、硫酸イオンの期限は堆積岩上部の海成層であると考えられた。このような地下水-鉱物-微生物システムにおける酸化還元プロセスは、海成層が陸地化してからも、硫酸還元菌が海成層から供給される硫酸イオンを堆積岩下部に豊富に存在する有機物で還元することで長期間続いてきたと推察される。硫酸イオンの供給速度と岩層中の硫酸態硫黄の含有量から、現在の水理条件が続く場合、硫酸還元菌による硫酸還元反応は今後数十万年間以上にわたって継続し、ウランを保持する還元環境が維持されると推察される。一方、花崗岩中の地下水においては、鉄関連細菌が鉄による酸化還元状態の形成に重要な役割を果たしていると考えられる。特に、花崗岩上部では鉄酸化菌が鉄コロイドの沈没に関与していると推察される。

論文

Plasma real-time control system for advanced tokamak operation scenarios in JT-60

栗原 研一; 川俣 陽一; 秋葉 賢一*; 三浦 友史; 赤坂 博美; 安達 宏典*; 星 芳幸*; 福田 武司; 及川 聡洋

IEEE Transactions on Nuclear Science, 47(2), p.205 - 209, 2000/04

トカマク型核融合開発は実験炉段階を迎え、既存の実験装置は一層魅力的な運転シナリオ(高性能プラズマの長時間・定常維持、プラズマ不安定性の回避、ほか)を見いだすことが期待されている。これを受けてJT-60プラズマ実時間制御システムを全面的に再構築する作業に着手しており、以下の新たな設計方針3点を採用した。すなわち、(1)電流分布等の空間2次元の時系列データを計測量をもとに再構成し、実時間制御に使用可能にする、(2)適切な制御用アクチュエータを実時間制御のフレームに組み込む、(3)さまざまな制御方法を試すことが柔軟かつ迅速にできるようにする、の3点である。これらの実現のために、大容量メモリーを搭載した超高速ボード計算機を共有メモリーネットワークで結合するという基本構成を採用した。また機能的には様々な先進的な帰還制御方法が計画されている。本発表はこれら一連の新システム開発の報告である。

口頭

完全重水素化T4ファージリゾチームの結晶大型化と中性子回折実験

廣本 武史; 安達 基泰; 柴崎 千枝; 黒木 良太

no journal, , 

T4ファージリゾチーム(T4L)は、大腸菌の細胞壁を構成するムラミルペプチドを加水分解し、溶菌を引き起こす酵素である。野生型T4Lは、加水分解後の生成物のアノマー構造を逆転する酵素であるが、26番目のThr残基を部位特異的にHis残基に置換したT26H変異型酵素は、加水分解生成物のアノマー構造を保持する酵素に変換されるのみならず、高い糖転移活性を獲得する。一般に糖加水分解酵素では、酸性残基の2つのカルボン酸がそれぞれ酸および塩基触媒として関与するが、T26H変異型酵素ではカルボン酸の代わりにヒスチジン側鎖が反応に関与する。そこで、変異型酵素に導入したHis残基の糖転移反応における役割と隣接する酸性残基(Asp20)との関係を中性子構造解析によって明らかにするため、野生型およびT26H変異型T4Lの完全重水素化とその大型結晶作製を試みたので報告する。それぞれの完全重水素化タンパク質は、一般的な大腸菌発現ベクター(pET-24a)を用い、完全重水素化培地で組換え大腸菌を培養後、過剰発現させることによって調製した。取得した試料を用いて、タンパク質濃度と沈殿剤濃度を変化させたスクリーニングを実施し、約0.1mm$$^{3}$$の結晶を取得した。本結晶をミュンヘン工科大学(FRM-II)において極低温下(100K)での予備的中性子回折実験を実施した結果、小型の結晶ではあるが2.5${AA}$分解能を超える回折点の観測に成功した。

口頭

ブレビバチルスによる超好熱古細菌由来セルラーゼ(EGPf)の分泌発現におけるHis-Tagの効果

清水 瑠美; 廣本 武史; 安達 基泰; 黒木 良太; 片岡 未有*; 石川 一彦*

no journal, , 

中性子によるタンパク質の結晶構造解析においては、中性子ビーム強度が低いことから、X線結晶構造解析で用いられる結晶試料よりも格段に大きな体積(数mm$$^{3}$$)の結晶試料が必要である。そして、結晶の大型化には、多くのタンパク質試料が必要となる。中性子構造解析を目指した試料作製技術の高度化の一環として、ブレビバチルスによる様々なタンパク質の大量分泌生産を検討している。その一つの例として、超好熱古細菌由来のセルラーゼ(EGPf)の大量分泌発現に成功したので報告する。

口頭

Preparation of large-volume crystals for structure analysis of human casein kinase-2 by neutron crystallography

柴崎 千枝; 安達 基泰; 廣本 武史; 清水 瑠美; 黒木 良太

no journal, , 

細胞に広く存在するセリン/スレオニンキナーゼであるカゼインキナーゼII(CK2)は、2つの$$alpha$$サブユニットと2つの$$beta$$サブユニットからなる4量体構造を有しており、細胞周期の進行や細胞の生存・増殖に関与することが知られている。CK2$$alpha$$の生物学的機能を理解するために、我々は、中性子結晶構造解析を用いて、CK2$$alpha$$の水素原子や水和水の情報を含む蛋白質構造を明らかにすることを目指している。大腸菌にて過剰発現させたCK2$$alpha$$をカラムクロマトグラフィーによって精製し、得た蛋白質を用いて大型結晶の作製を試みた。大型結晶の作製にはマクロシーディング法を用い、40mg/mLの蛋白質溶液と同量の沈殿剤溶液(25mM Tris-HCl(pH8.5)、0.85M硫酸アンモニウム、1mM DTTおよび5%アセトニトリル)を混ぜた後、種結晶を添加した。その後、リザーバー溶液の硫酸アンモニウムの濃度を数日間かけて1.2Mまで上昇させた。その結果、子結晶の形成が抑えられ、最終的に約2mm$$^{3}$$の大型単結晶を得ることができた。取得した結晶を中性子実験と同一の条件(重水および重水素化試薬を用いて作製した結晶保存溶液)で透析し、X線回折実験を行った。その結果、100Kで1.1${AA}$の分解能の回折像を得ることができた。今後、作製した大型結晶を用いて中性子回折実験を実施し、CK2の詳細な構造解析を実施する予定である。

口頭

完全重水素化T4ファージリゾチームの中性子構造解析

清水 瑠美; 廣本 武史; 安達 基泰; 柴崎 千枝; 黒木 良太

no journal, , 

T4ファージリゾチーム(T4L)は、大腸菌の細胞壁を構成するムラミルペプチドを加水分解し、溶菌を引き起こす酵素である。野生型T4Lは、加水分解後の生成物のアノマー構造を逆転する酵素であるが、26番目のThr残基を部位特異的にHis残基に置換したT26H変異型酵素は、加水分解生成物のアノマー構造を保持する酵素に変換されるのみならず、高い糖転移活性を獲得する。一般に糖加水分解酵素では、酸性残基の2つのカルボン酸がそれぞれ酸塩基触媒として機能するが、T26H変異型酵素ではカルボン酸の代わりにヒスチジン側鎖が反応に関与する。そこで、変異型酵素に導入したHis残基の糖転移反応における役割と隣接する酸性残基(Asp20)との関係を中性子構造解析により明らかにするため、T26H変異型T4Lの完全重水素化とその大型結晶作製を試みた。タンパク質試料は、一般的な大腸菌発現ベクター(pET-24a)を用い、完全重水素化培地で組換え大腸菌を培養後、過剰発現させることによって調製した。取得した試料を用いて、タンパク質濃度と沈殿剤濃度を変化させたスクリーニングを実施し、約0.9mm$$^{3}$$の結晶を取得した。米国オークリッジ国立研究所の研究用原子炉(HFIR)に設置されたイメージングプレート単結晶回折計(IMAGINE)を用いた室温での中性子回折実験の結果、2.1${AA}$分解能の回折強度データを完全性79.8%で収集することに成功した。

口頭

完全重水素化T4ファージリゾチームの中性子構造解析

廣本 武史; 清水 瑠美; 安達 基泰; 柴崎 千枝; 黒木 良太

no journal, , 

T4ファージリゾチーム(T4L)は、大腸菌の細胞壁を構成するムラミルペプチドを加水分解し、溶菌を引き起こす酵素である。26番目のThr残基をHis残基に置換したT26H変異型酵素は、加水分解生成物のアノマー構造を保持する酵素に変換されるのみならず、高い糖転移活性を獲得する。一般に糖加水分解酵素では、酸性残基の2つのカルボン酸がそれぞれ酸塩基触媒として機能するが、T26H変異型酵素ではカルボン酸の代わりに同じ位置を占めるヒスチジン側鎖が反応に関与すると考えられている。そこで変異型酵素に導入したHis残基の糖転移反応における役割と隣接する酸性残基(Asp20)との関係を中性子構造解析により明らかにするため、T26H変異型T4Lの完全重水素化とその大型結晶作製を試みた。タンパク質試料は、一般的な大腸菌発現ベクター(pET-24a)を用い、完全重水素化培地で組換え大腸菌を培養後、過剰発現させることによって調製した。精製試料を用い、約0.9mm$$^{3}$$の結晶を作製した。米国オークリッジ国立研究所の研究用原子炉(HFIR)に設置されたイメージングプレート単結晶回折計(IMAGINE)を用い、室温での中性子回折実験を実施した結果、2.1${AA}$分解能の回折強度データを完全性79.8%で収集することに成功した。現在、同一結晶より収集した1.7${AA}$分解能のX線データを併用し、分子モデルの同時精密化を進めている。

口頭

中性子結晶構造解析を目指したカゼインキナーゼIIの大型結晶作製

柴崎 千枝; 安達 基泰; 廣本 武史; 清水 瑠美; 黒木 良太

no journal, , 

カゼインキナーゼ(CK2)は、その過剰な発現と、発癌や癌転移との関係が指摘されていることから、創薬標的タンパク質の一つとなっている。我々は、CK2の中性子結晶構造解析によって、阻害剤開発に有効な水素・水和構造に関する立体構造的知見を得ることを目的として、大型結晶作製と予備的中性子回折実験を実施した。大腸菌にて過剰発現させたCK2a(触媒サブユニットのみ)をカラムクロマトグラフィーによって精製し、大型結晶の作製を試みた。CK2の阻害剤であるEmodinとCX-4945との複合体試料について、約40mg/mLに濃縮したタンパク質試料に種結晶を加えることによって、約2mm$$^{3}$$の大型結晶を得ることができた。取得した結晶を、重水および重水素化試薬を用いて作製した溶液に対して透析処理した後、ミュンヘン工科大学の研究用原子炉(FRM-II)に設置の中性子回折計(BioDIFF)を用いて、予備的中性子回折実験を実施した。結晶を100Kに冷却し、約30分間照射した結果、阻害剤非結合型、Emodin複合体、CX-4945複合体についてそれぞれ、1.9, 2.0, 1.8${AA}$の分解能を示す回折点の観測に成功した。

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