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今泉 友見; 宮内 優; 伊藤 正泰; 綿引 俊介; 永田 寛; 花川 裕規; 那珂 通裕; 川又 一夫; 山浦 高幸; 井手 広史; et al.
JAEA-Technology 2011-031, 123 Pages, 2012/01
世界の試験研究炉は、老朽化に伴う廃炉により減少しているが、その一方でアジア諸国においては、原子力発電の導入計画が相次いでいる。このようなアジア諸国では、原子力発電所を建設した後の運転管理ができる技術者の育成が課題となっていると同時に、自国における原子力技術を高めるため、軽水炉の長期化対策,科学技術の向上,産業利用及び原子力人材育成のための試験研究炉の必要性が高まっている。このような背景から、照射試験炉センターにおいては、今後、発電用原子炉を導入する国に向け、各種照射利用や教育訓練に用いる試験研究炉の基本概念検討を開始した。設計活動を通じた本検討は、照射試験炉センターにおける試験研究炉の設計に必要な計算コードなどの環境の整備及び人材育成に貢献するとともに、本概念検討に共同研究として参加する原子力関連会社の試験研究炉にかかわる技術力の維持,向上にも貢献することが期待される。本報告は、平成22年度に設置された「照射試験炉センター汎用小型試験研究炉WG(ワーキンググループ)」と原子力関連会社が行った平成22年7月平成23年6月までの試験研究炉の概念検討結果について取りまとめたものである。
Elfiky, D.*; 山口 真史*; 佐々木 拓生*; 高本 達也*; 森岡 千晴*; 今泉 充*; 大島 武; 佐藤 真一郎; Elnawawy, M.*; Eldesoky, T.*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 49(12), p.121201_1 - 121201_7, 2010/12
被引用回数:12 パーセンタイル:45.72(Physics, Applied)宇宙用三接合太陽電池の耐放射線性強化技術開発の一環として、InGaP/GaAs/Ge太陽電池におけるInGaPサブセルのベース層キャリア濃度と耐放射線性の関係について調べた。発生キャリアの拡散長やベース層キャリア濃度をパラメータとしたシミュレーション解析を行った結果、低キャリア濃度のInGaPセルの方がより耐放射線性が高いことが導かれ、高崎量子応用研究所TIARAで行った陽子線照射実験の結果をよく再現することができた。また、低エネルギー(30keV)陽子線照射による少数キャリア拡散長の損傷係数及びキャリア枯渇係数は初期キャリア濃度には依存しなかったことから、耐放射線性の違いは発生電荷の収集を担う空乏層の長さや電界強度の影響、不純物に関連する複合欠陥に起因しているという可能性が示唆された。
Elfiky, D.*; 山口 真史*; 佐々木 拓生*; 高本 達也*; 森岡 千晴*; 今泉 充*; 大島 武; 佐藤 真一郎; Elnawawy, M.*; Eldesoky, T.*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 49(12), p.121202_1 - 121202_5, 2010/12
被引用回数:7 パーセンタイル:30.96(Physics, Applied)宇宙用三接合太陽電池のミドルセルであるGaAsサブセルの耐性強化研究の一環として、高崎量子応用研究所TIARAにおいてGaAs太陽電池の200keV陽子線照射実験を行い、ベース層キャリア濃度が低い方が耐放射線性が高くなるということを明らかにした。また、放射再結合寿命と少数キャリア寿命の損傷係数をパラメータとするGaAs太陽電池の放射線照射劣化モデルを構築し、ベース層キャリア濃度の異なるGaAs太陽電池の耐放射線性がどのように変化するかを数値解析した。その結果、TIARAにおける実験結果をよく再現でき、今回構築した劣化モデルの妥当性を示すことができた。
Elfiky, D.*; 山口 真史*; 佐々木 拓生*; 高本 達也*; 森岡 千晴*; 今泉 充*; 大島 武; 佐藤 真一郎; Elnawawy, M.*; Eldesuky, T.*; et al.
Proceedings of 35th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-35) (CD-ROM), p.002528 - 002532, 2010/06
被引用回数:6 パーセンタイル:87.63(Energy & Fuels)Ge基板上に作成したGaAs太陽電池にさまざまなエネルギーの陽子線を照射し、発電特性の劣化を調べるとともに、放射線損傷の陽子線エネルギー依存性をデバイスシミュレータを用いて検討した。その結果、開放電圧の劣化は50keVの陽子線照射で最も大きく、9.5MeVで最も小さいことが明らかとなった。デバイスシミュレータによる解析の結果、太陽電池の損傷領域が陽子線のエネルギーによって異なり、低エネルギーでは太陽電池のpn接合付近に大きな損傷を形成するために劣化も大きくなるということがわかった。
井澤 靖和*; 西原 功修*; 田沼 肇*; 佐々木 明; 村上 匡且*; 砂原 淳*; 西村 博明*; 藤岡 慎介*; 青田 達也*; 島田 義則*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 112, p.042047_1 - 042047_4, 2008/00
被引用回数:8 パーセンタイル:93.45(Physics, Fluids & Plasmas)高出力EUV光源システムの開発のために、レーザー生成Snプラズマの理論的,実験的なデータベースの構築を行った。プラズマの基礎過程の理解のもとに、デブリ粒子の発生を抑止しつつ、高効率で高出力の発光を得るための、最適なレーザー及びプラズマの条件が明らかになった。先進的なターゲット製造技術や、高出力レーザーの技術の開発についても併せて報告する。
砂原 淳*; 佐々木 明; 田沼 肇*; 西原 功修*; 西川 亘*; 小池 文博*; 藤岡 慎介*; 青田 達也*; 山浦 道照*; 島田 義則*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 83(11), p.920 - 926, 2007/11
次世代の半導体露光用光源として注目されるレーザー生成スズプラズマからの極端紫外光(Extreme Ultra-Violet: EUV)を一次元、及び二次元の放射流体コードを用いて解析した。われわれは輻射過程を正確に計算するために、詳細原子コードを用いてスズプラズマのX線放射率,吸収率を計算し、その遷移エネルギーの精度を実験的に確認した。精度が検証された原子データをもとに光励起を考慮した一次元放射流体シミュレーションを行い、EUV光のプラズマ中での自己吸収が輻射輸送において重要であることを見いだした。さらにプラズマのスケール長がレーザースポットサイズと同等か、もしくは大きい場合には多次元的なプラズマの膨張が無視できないため、二次元放射流体コードを用いて解析を行った。その結果、プラズマの多次元な膨張が無視できない場合にはEUVの吸収スペクトルが減少し、EUV出力が増大することを見いだした。また、計算で得られたスペクトルは実験値をよく再現している。
佐々木 拓生*; Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 高本 達也*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 山口 真史*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 7, 2007/02
次世代の高効率太陽電池候補の一つである格子不整合多接合太陽電池のミドルセルとして期待されるInGaAs太陽電池の電子線照射欠陥をDeep Level Transient Spectroscopy(DLTS)法により調べた。化学気相法によりGaAs基板上に作製したInGaAs太陽電池へ1MeV電子線を室温で110/cmし、DLTS測定を行ったところ、H0(Ev+0.26eV)とラベル付けされた正孔トラップとE1(Ev+0.34eV)及びE2(Ev+0.45eV)とラベル付けされた二つの電子トラップが電子線照射により発生することが見いだされた。
佐々木 拓生*; 高本 達也*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 山口 真史*
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.165 - 168, 2006/10
格子不整合系の高効率多接合太陽電池のミドルセルとして期待されるInGaAs太陽電池へ1MeV電子線を照射し、発生する欠陥をDLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)により調べた。InGaAsはGaAs基板上に有機金属化学気相成長(MOCVD)法により作製した。作製の際に行った熱サイクル処理(TCA)の回数と電子線照射により発生する欠陥の関係を調べた結果、TCA回数の増加とともにH1(E+0.26meV),E1(E-0.32meV),E2(E-0.52meV)のすべての欠陥ピークは減少し、残留する欠陥濃度はTCAにより減少していくことが見いだされた。TCAにより結晶性が向上することから、格子不整合系では未照射時における結晶性が耐放射線性にとって重要であり、TCAを行うことで照射欠陥の生成量を低減できることが判明した。
Lee, H. S.*; Ekins-Daukes, N. J.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.556 - 558, 2005/00
AlInGaP太陽電池及びダイオードへ30keV陽子線を照射し、太陽電池特性の変化及び発生欠陥を観察した。DLTS法を用い、欠陥を調べたところ正孔捕獲中心としてHP1(E+1.57eV)とHP2(E+1.19eV)を、電子捕獲中心としてEP1(E-0.54eV)とEP2(E-0.71eV)を新たに見いだした。太陽電池特性の変化を調べた結果、110/cm照射によりフィルファクターの劣化が大きくなることで最大電力が急激に減少することがわかった。また、この線量域では、基板の多数キャリアの減少により短絡電流が若干上昇した後、急落する現象も観察された。InGaP太陽電池とAlInGaP太陽電池の特性劣化を比較したところ、AlInGaPの方が耐放射線性に優れており、宇宙応用に適していることが示唆された。
Ekins-Daukes, N. J.*; 新船 幸二*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.683 - 686, 2005/00
GaAs基板上に作製した格子不整合InGaAs及びInGaP太陽電池中の真性及び照射欠陥をDLTS法により調べた。InGaAs作製後に300Cから800Cでの熱処理を繰り返す熱サイクル処理(TCA)により真性欠陥準位であるH1中心及びE3中心が減少し、太陽電池特性が向上することが見いだされた。また、これらの太陽電池に1MeV電子線を照射し、発生する欠陥を調べたところ、照射量の増加とともにE1, E2, H1, H2中心が増加することが明らかとなった。
Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.87 - 91, 2004/10
高効率太陽電池への応用が期待される格子不整合系InGaP太陽電池(InGaP)へ1MeV電子線を照射し太陽電池特性の変化を調べた。その結果、310/cm程度の照射により、一時的に短絡電流が増加するという特異な振る舞いが観測された。この原因を調べるため分光感度特性を調べたところ、長波長側での光吸収が増加することが明らかとなった。さらに、キャリア濃度を調べた結果、キャリア減少率が1.3/cmであると見積もられた。このことより、310/cm程度の照射により太陽電池基板の多数キャリアが減少し、その結果、一時的な空乏層長の伸長が生じ、より深部(長波長の光により発生した)のキャリアが収集されて、短絡電流が一時的に増加しすると結論づけられた。
Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Applied Physics Letters, 85(13), p.2511 - 2513, 2004/09
被引用回数:11 パーセンタイル:42.73(Physics, Applied)1MeV電子線照射による格子不整合InGaP太陽電池の多数キャリア減少効果を調べた。基板のキャリア濃度が110/cmの場合のキャリア減少率は格子整合InGaP太陽電池と同様の1.3/cmであった。また、310/cm照射により短絡電流が一時的に増加する現象が観測された。キャリア濃度の減少を考慮し考察を行った結果、キャリア濃度現象により一時的に空乏層が伸長し、その結果としてより深部で発生したキャリアが発電に寄与するためと帰結できた。
三輪 敦志*; 佐々木 達哉*; 原 弘*
JNC TJ7420 2005-030, 131 Pages, 2003/03
活断層を評価する手法として,これまで空中写真判読や物理探査・ボーリング調査など各種の調査が実施されてきた。これらの既存情報をもとに,断層運動による影響範囲を評価するための基礎データとするため、活断層帯の地形および地質に関するデータを整理し,デジタルデータとして整備するとともに,3次元的なモデルを作成した。本業務では,東北日本の逆断層帯のうち比較的地下資料が整備されている千屋断層を対象に実施した。実施範囲はデータ量の多い六郷図幅付近とし,約20km15kmの範囲を17測線の地質断面図を作成し、深さ約7kmの3次元地質構造モデルを作成した。実施した結果、千屋断層の断層面を3次元的に表現することは可能であったが,精度は当然のことながらデータに大きく依存し,データが比較的多い千屋断層の場合でも,数百m程度であった。したがって,概要調査地区での調査を想定した場合,活断層との離隔距離とその影響が問題となるが,ここからはサイトスペーシックな問題を含むため検討しづらい。そこで,今後は変形解析や水理解析等を実施し,必要とされる精度に対して,どの程度のデータ量が必要となるかを検討していく必要があると考えられる。
武部 愼一; 木村 英雄; 松鶴 秀夫; 高橋 知之*; 保田 浩志*; 内田 滋夫*; 馬原 保典*; 佐伯 明義*; 佐々木 規行*; 芦川 信雄*; et al.
JAERI-Review 2001-015, 81 Pages, 2001/05
分配係数は環境中における放射性核種の移行挙動を評価するためのさまざまな移行評価モデルに用いられており、放射性廃棄物の処分における安全評価上極めて重要なパラメータである。しかし、測定条件や方法などが既定されておらず、データの相互比較ができないなどの問題が指定されている。分配係数の標準的な測定方法の提案に役立てることを目的にアンケート調査を実施した。本報告は、国内の各研究機関における、試料の採取方法や保管、前処理方法、試料の物理化学的特性に関する分析項目、並びに分配係数の測定方法とその条件等についてアンケート調査した結果をまとめたものである。
三輪 敦志*; 佐々木 達哉*; 下山 昌宏*; 高橋 奈緒*
JNC TJ7420 2005-029, 110 Pages, 2000/03
地質環境の安定性を評価する上で、活断層が将来、どのような活動をするかを推定することは重要なことである。将来の活断層の活動を推定するためには、まず、過去の活動を調べる必要がある。過去の活断層の活動を調べることにより、日本列島を地域ごとに断層地体構造区として区分することを試みた。我々は、断層地体構造の特徴を把握するために、既存情報の収集、整理・解析を行った。既存情報として、(1)応力分布、(2)断層時空分布、(3)活断層分布、(4)活構造、(5)地質構造、(6)地震分布、(7)ひずみ分布、(8)GPS地殻変動、(9)堆積盆分布、(10)重力異常、(11)段丘分布、(12)火山分布、(13)比抵抗分布、(14)地震トモグラフィーの14項目に着目した。集めた資料はGIS化を行い、断層地体構造区を検討する図面資料とした。日本列島は、大区分として13、小区分として44の断層地体構造区に区分できた。
三輪 敦志*; 佐々木 達哉*; 高橋 奈緒*
JNC TJ7420 2005-027, 334 Pages, 2000/03
活断層の分布の特徴を把握することは、活断層が地質環境に与える影響を評価する上で重要である。本調査は、活断層の分布の特徴を把握し、断層活動の変化について推定することを目的として行った。空中写真を用いて、活断層による変位地形を判読・抽出するとともに、活断層の属性データを整備し、活断層の分布の特徴、活動性について検討した。活断層の分布には、地域的な偏在性が認められる。特に活断層の密集する地域は、糸魚川静岡構造線から西の近畿地方北部である。変位様式別では、東北日本に逆断層、西南日本に横ずれ断層、中部九州に正断層が、それぞれ東西圧縮である現在の地殻応力に応じた分布を示す。日本列島に分布する活断層のほとんどが、活動度B級である。A級の活断層の分布は限られており、糸魚川静岡構造線から伊豆地方にかける地域、跡津川断層帯から有馬-高槻断層帯・中央構造線にかける地域に主に分布する。属性データより活断層の活動開始時期の推定を行った。それによると、日本列島に発達する活断層は、過去数十万年において継続して活動しており、目に見えるスケールで成長したり、進化したりすることはないとわかった。
高橋 知之*; 武部 愼一; 木村 英雄; 松鶴 秀夫; 保田 浩志*; 内田 滋夫*; 佐伯 明義*; 馬原 保典*; 佐々木 規行*; 芦川 信雄*; et al.
KURRI-KR-44, p.169 - 176, 2000/02
分配係数は原子力施設の安全評価上極めて重要なパラメータである。原研に設けられた環境放射能挙動専念部会・安全評価用パラメータ検討グループでは、分配係数測定値の利用に関して標準的な条件を提言することを目的に各研究機関における相互比較実験等を実施してきた。本報では、各研究機関においてこれまで実施してきた分配係数測定値に与える各種の変動因子による影響について、得られた実験結果を報告するとともに、分配係数の測定条件やその条件の設定に関する考え方等についてのアンケート調査状況、並びに現在問題となっている項目や今後検討すべき課題等について報告する。
高橋 知之; 武部 愼一; 木村 英雄; 松鶴 秀夫; 保田 浩志*; 内田 滋夫*; 佐伯 明義*; 馬原 保典*; 佐々木 規行*; 芦川 信雄*; et al.
JAERI-Research 97-089, 25 Pages, 1997/12
分配係数は、環境中における核種の移行を評価するための様々なモデルに用いられており、原子力施設の安全評価上極めて重要なパラメータである。このため「環境放射能研究委員会、環境放射能挙動専門部会」の安全評価用パラメータ検討WGでは、分配係数の測定及び利用に関する標準的方法を提言することを目的に検討を進めている。分配係数の標準的測定法を提言するための一環として、Co及びCsの分配係数の相互比較実験を複数の機関の20人で実施し、実験者による測定値の差異について検討を行った。この結果、液性がほぼ同一の実験条件においては、振とう器による場合はファクター2~3程度、ハンドシェイクの場合はファクター2以下の変動幅を示した。
高橋 知之; 武部 愼一; 木村 英雄; 松鶴 秀夫; 保田 浩志*; 内田 滋夫*; 佐伯 明義*; 馬原 保典*; 佐々木 規行*; 矢島 達哉*; et al.
JAERI-Research 97-066, 34 Pages, 1997/10
固相と液相の間における物質の分配を示す平衡論的パラメータである分配係数は、環境中における核種の移行を評価するための様々なモデルに用いられており、原子力施設の安全評価上極めて重要なパラメータである。このため「環境放射能研究委員会、環境放射能挙動専門部会」の安全評価用パラメータ検討WGでは、分配係数の測定に関する標準的方法(標準的測定法)及び測定値の利用に関する標準的方法(標準的利用法)を提言することを目的に検討を進めている。分配係数の標準的測定法を提言するための第1段階として、分配係数の比較実験を4機関で行い、測定値に与える様々な変動要因の影響について検討を行った。実験の結果RI溶液の液性、容器の形状及び振とう方法の差異が、分配係数測定値に大きな影響を与えることが明らかとなった。
牧野 仁史; 矢島 達哉*; 油井 三和; 吉川 英樹; 佐々木 憲明
日本化学会誌, 1993(5), p.445 - 449, 1993/00
水酸化ネオジム[Nd(OH)3(cr)]の溶解度をpH713の範囲で測定した。測定されたネオジムの溶解度はDebye-Huckelの式により活量補正し、活量とpHの関係式を求めてNd(OH)3(cr)の熱力学的平衡定数[K0s10:Nd(OH)3(cr)+3H+=Nd3++3H2O]及び加水分解定数[0n:Nd3++nH2O=Nd(OH)n+(3-n)+nH+]を算出した。その結果、logK0s10,log01,log02、log03はそれぞれ16.0、-7.6、-14.3、-24.9以下と求まった。これらの加水分解化学種のうち、NdOH2+は上記のpH領域において支配的に存在する化学種ではなく、Nd(OH)4-等の高次課水生成種の存在は認められなかった。これらNd(III)の加水分解化学種の存在状態は、Raiらによって得られているAm(III)の加水分解化学種と一致したことか