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論文

乾燥食品等の形状および成分の放射線殺菌に及ぼす影響

良本 康久*; 伊藤 均*

食品照射, 36(1-2), p.8 - 12, 2001/09

乾燥食品や生薬等は品目によって放射線殺菌効果が異なることがある。本研究では有芽胞最近などを用いて、放射線殺菌効果に及ぼす乾燥食品の形状及び成分の影響について$$gamma$$線と電子線で比較した。有芽胞細菌の場合、ペプトン・グリセリンとともにガラス繊維濾紙上で乾燥すると無添加に比べ放射線耐性が著しく増大した。一方、食品で乾燥した場合には添加物の影響は認められなかった。白コショウ粉末とともに乾燥した場合には多くの菌は少ない線量で殺菌され、白米粒とともに乾燥すると放射線耐性が増加した。また、黒コショウ粒やセンナ粉末では放射線耐性が著しく増大したのは抗菌化成分の影響と思われる。白コショウ粉末とともに乾燥した場合、少ない線量で殺菌できる理由としては菌体が分散して乾燥され、照射時に酸素が細胞内に拡散されやすいためと思われる。一方、粒状食品では菌体が固まり状に乾燥されるためと考えられる。

論文

照射殺菌芽胞の耐熱性変化

伊藤 均*

食品照射, 36(1-2), p.1 - 7, 2001/09

香辛料等に汚染している有芽胞細菌Bacillus pumilus,B. cercus,Clostridium botulinumの照射後の耐熱性変化について検討した。各菌の芽胞を水中に入れ耐熱性を比較したところ、B. pumilusの非照射芽胞は100$$^{circ}C$$・35分で殺菌されるのに対し、5kGy照射芽胞は15分で殺菌された。この傾向はB. cereusやCl. botulinumでも認められた。しかし、Cl. botulinumの場合、5kGyではほとんど殺菌効果がないのに、B. pumilusやB. cereusなど99%以上の殺菌効果を示す菌と類似した耐熱性の減少を示すことは興味ある結果である。一方、水中80$$^{circ}C$$では各菌の非照射芽胞は殺菌に4時間以上必要であったが、5kGy照射すると約3時間で殺菌された。しかし、ハムやソーセージ,カマボコなどは製造時に中心温度が80$$^{circ}C$$・30分処理しているため、5kGyでは芽胞が生残して腐敗または食中毒の原因になる可能性がある。

論文

放射線処理による絹の微粉化

竹下 英文; 石田 一成*; 上石 洋一*; 吉井 文男; 久米 民和

食品照射, 35(1-2), p.49 - 53, 2000/10

最近、絹タンパク質の優れた生理学的な特性が着目され、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。特に、人の肌との親和性から、医療材料や化粧品素材への応用が期待され、微粉化は、このような分野においては重要な加工プロセスの一つである。絹繊維は機械的強度が高く、機械的な粉砕のみで微粉末を得ることは困難である。このため微粉化にあたっては、水を加えて凍結固化する、アルカリ処理で脆化させる、あるいは濃厚中性塩水溶液に溶解後乾燥するなどの前処理が必要になる。しかしながら、これら湿式の方法では、溶解-透析-乾燥などの手間や、廃液処理の必要が生じるなど問題が残る。演者らは乾式前処理として放射線照射法の適用を検討し、絹の微粉化に有効な手段であることを示した。

論文

各種培養温度条件下での大腸菌等の放射線殺菌効果

中馬 誠; 多田 幹郎*; 伊藤 均*

食品照射, 35(1-2), p.35 - 39, 2000/09

大腸菌等の放射線感受性は、その最適生育温度である30または37$$^{circ}C$$で測定されることが多い。しかし、放射線処理された肉類または魚介類は10$$^{circ}C$$以下で保存されるため、30または37$$^{circ}C$$で得られたデータが正確でない可能性がある。事実、鶏肉での結果では低温貯蔵で大腸菌群等の殺菌効果が予想以上に促進される傾向が認められた。本研究ではこれらの現象を明らかにする目的で大腸菌等の各種菌株について放射線感受性を検討した。その結果、各菌株とも30または40$$^{circ}C$$でD$$_{10}$$値が最高になり、20$$^{circ}C$$以下ではD$$_{10}$$値が低減する傾向が認められた。ことに10$$^{circ}C$$ではD$$_{10}$$値は著しく小さくなり、その傾向は菌株によって異なっていた。したがって肉類等の必要殺菌線量も低温貯蔵と組み合わせることにより20~50%低減できることを示している。

論文

絹タンパクの放射線分解

Pewlong, W.*; Sudatis, B.*; 竹下 英文; 吉井 文男; 久米 民和

食品照射, 35(1-2), p.54 - 58, 2000/09

絹タンパク質は優れた生理学的な特性を有しており、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。そこで、環境汚染防止及び資源のリサイクルに役立てることを目的に、絹タンパク質の放射線加工処理による改質効果に関する検討を行った。絹繊維は、500~2500kGyの照射で引張強度が低下し、とくに酸素存在下での劣化が著しかった。また、絹繊維は水に対して不溶であるが、放射線分解により著しく溶解性が増大した。照射した絹繊維を純水中で121$$^{circ}C$$、1時間加熱した場合、酸素中2500kGyで約40%が溶解した。また、0.5N HCl溶液で100$$^{circ}C$$、1hの加水分解を行った場合、未照射では約10%しか溶解しなかったが、酸素中2500kGyの照射では70%以上が溶解した。

論文

照射キトサンの果実保存への応用

Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 吉井 文男; 久米 民和

食品照射, 35(1-2), p.40 - 43, 2000/09

ベトナムでは、マンゴーなどの熱帯果実が大量に腐敗し廃棄されている。そこで、マンゴーの保存性改良のため、照射キトサンによるコーティング効果について予備的検討を行ったので、その結果を報告する。キトサンは照射により著しく粘度が低下し、また抗菌活性が増大する。未処理、非照射キトサンコーティング、照射コーティングについて検討した結果、未処理のマンゴーは貯蔵7日で腐敗が始まった。非照射キトサンコーティングでは、15日間ほとんどカビの発生はなかったが、熟成が進まず青いままであった。照射キトサンコーティングでは、15日間の貯蔵期間中カビの発生は完全に抑制され、熟成も進んで食用に適した状態であった。これは、照射キトサンが抗菌性を有していることと、適度なガス透過性(果実の呼吸が可能)によるものと考えられる。

論文

大腸菌等の関連細菌の放射線感受性に及ぼすフリーラジカルと培養基の影響

伊藤 均*

食品照射, 35(1-2), p.1 - 6, 2000/09

微生物の放射線感受性は生残菌数を測定する平板培地の種類によって異なることがある。本研究ではヒドロキシラジカル等と酸素の放射線感受性に果たす役割を解明することを目的として異なった種類のラジカル捕捉剤、異なった種類の培養基を用いて放射線感受性の機構について検討した。大腸菌S2株のD$$_{10}$$値は窒素ガス飽和に比べグリセリン添加で著しく増加したがポリエチレングリコール添加でのD$$_{10}$$値は無添加系と同じであった。また、一酸化二窒素飽和でのD$$_{10}$$値は窒素ガス飽和より若干低下する程度であった。また、これらの照射条件では平板培地の種類による差は少なかった。一方、酸素ガス飽和または窒素ガス+蟻酸添加系ではD$$_{10}$$値は小さくなり培地による感受性の差も大きく認められた。蟻酸共存下ではスーパーオキシドラジカルが発生しており、これらの結果はスーパーオキシドラジカルがDNA損傷ばかりでなく細胞膜障害に関与することを示している。

論文

照射キトサンの抗糸状菌活性

P.T.Ha*; T.T.Thuy*; Hien, N. Q.*; 長沢 尚胤*; 久米 民和

食品照射, 34(1-2), p.43 - 46, 1999/00

照射キトサンの植物栽培、とくに植物病原性糸状菌に対する効果を検討した。500kGy(乾燥状態)照射したキトサンは、茶やキクの生育促進効果を示す。一方、植物病原正糸状菌に対する抗菌活性は100kGy以下の低線量で効果が得られた。Exobasidium vexans,Septoria charysanthemun, Gibberella furikuroiの3種の糸状菌に対する抗菌活性を調べた結果、最適線量は75kGyであり、また脱アセチル化度の高いキトサン10B(99%)の方が8B(脱アセチル化度80%)より効果が大きかった。また糸状菌の種類によって効果が異なり、G.furikuroiが最も感受性が高かった。これら照射キトサンの抗糸状菌活性の増大やファイトアレキシンの誘導効果などが、植物の生育促進に寄与しているものと考えられた。

論文

生薬中の微生物分布と放射線殺菌効果

伊藤 均*; 鎌倉 浩之*; 関田 節子*

食品照射, 34(1-2), p.16 - 22, 1999/00

近年、生薬等の衛生基準がきびしくなってきており、なんらかの殺菌処理が必要になってきている。しかし、生薬を酸化エチレン等の薬剤処理すれば毒性物質の残留が問題になり、蒸気殺菌の場合には薬用成分の低減が問題になる。生薬31試料中の好気性細菌数は1g当たり2$$times$$10$$^{2}$$~1$$times$$10$$^{8}$$個あり、大腸菌群は7$$times$$10$$^{2}$$~4$$times$$10$$^{4}$$個検出された。また、生薬中の大腸菌群には腸内由来と思われる菌も検出され、好気性細菌群はBacillus以外に土壌由来の大腸菌の仲間も多く含まれていた。一般糸状菌の汚染菌数は1g当たり6$$times$$10$$^{1}$$~2$$times$$10$$^{5}$$個ありAspergillus niger群やA.Flavus群も多く検出された。微生物汚染の著しい生薬・ショウマでは14kGy照射しても好気性細菌は7$$times$$10$$^{3}$$個生残しており、大腸菌群のKlebsiellaが2$$times$$10$$^{2}$$個生残していた。しかし、多くの生薬は8~10kGyで検出限界以下に殺菌された。なお、14kGy以上の主要生残菌はAcinetobacterである。

論文

各種多糖類の放射線分解と生物活性

長澤 尚胤*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 久米 民和

食品照射, 34(1-2), p.37 - 42, 1999/00

各種多糖類の放射線による分解効果と、分解産物における各種生物活性の誘導効果について検討している。本報告ではアルギン酸ナトリウムを用いた結果を中心に、キトサン、カラギーナン、コンニャクマンナンなどほかの多糖類での結果も含めて報告する。アルギン酸のオオムギに対する生長促進効果を調べた結果、水溶液中90kGy照射試料で最も高い活性が得られた。アルギン酸は線量の増加とともに分子量が低下し、最も活性の高い90kGy照射の分子量は約7,000であった。また、植物生育促進のための最適濃度は150ppmであった。ほかの多糖類でも植物生育促進効果が認められるものがあり、分子量や構造の影響を検討中である。

論文

外来雑草種子の繁殖防止を目的とした放射線照射効果

高谷 保行*; 伊藤 均*

食品照射, 34(1-2), p.23 - 29, 1999/00

近年、海外より雑草種子が侵入し、農畜産業に被害を与えているとの報道がなされている。これらの雑草は繁殖力が強く、中には家畜の死をもたらす有害なものもある。本研究では、外来雑草種子の侵入を水際で防止することを目的として、放射線による外来雑草種子の成長抑制効果について検討した。7種類すべての種子において、1kGyで根毛の正常な成長が阻止されていた。2種の外来雑草種子において1kGyまでは第一葉の発生まで正常な成長が見られたが、それ以上の線量では、子葉の発生はあったが第一葉の発生は認められなかった。そのほかの外来雑草種子においては、1kGy以下の線量で発芽$$rightarrow$$成長の傾向が認められるが、1kGy以上では枯死する傾向が認められた。以上のことから、本研究で用いた外来雑草種子については、1kGyの線量をしきい値として成長抑制がなされ、それ以上の線量では、正常な成長に障害があると考えられる。

論文

世界の食品照射の現状

伊藤 均

食品照射, 33(1-2), p.47 - 50, 1998/00

1997年の現在、食品照射の許可国は41ヵ国に達している。香辛料等の照射は約30ヵ国で行われており、全世界で年間6万トン以上照射され、その半分は米国で行われている。食品照射を巡る国際的な動きは急激に変化しており、以下のようなことが注目されている。(1)臭化メタルの使用が2004年に禁止されるため(米国は2000年)、代替処理法として食品照射が世界の大勢となりつつある、(2)先進国で食中毒が急増しており、その対策として食品照射が注目されている、(3)10kGy以上の照射食品についても安全宣言がWHOによって行われた、(4)WHOの国際間貿易の協定では食品衛生はFAO・WHO食品規格委員会の勧告に従うことが明記されており、このことは国際間貿易で照射食品の流通を認めることを意味している。米国では食品照射の推進に積極的であり、わが国にも大きな影響が及ぶことが予想される。

論文

食品由来病原菌の殺菌技術としての食品照射

伊藤 均

食品照射, 33(1-2), p.51 - 55, 1998/00

食品の衛生管理、流通システムは昔に比べ著しく改善されているにもかかわらず、世界的に食中毒の件数は増大している。わが国でも食中毒は増大する傾向にあり、伝統的に最も多かった腸炎ビブリオ菌による食中毒がサルモネラ菌に取って代わり、病原大腸菌による食中毒も問題になっている。多くの食中毒はサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、病原大腸菌、カンピロバクター、ブドウ球菌によって引き起こされており、室温での殺菌線量は1~3kGyで十分である。また、冷凍食品の状態でも2~5kGyで殺菌できる。カビ毒を産生する糸状態の場合も3~5kGyで増殖を抑制できる。

論文

イオンビーム変異によるAspergillus awamoriの生澱粉消化性の改良

A.Aryanti*; 瀧上 真智子*; 伊藤 均

食品照射, 33(1-2), p.37 - 40, 1998/00

生澱粉を糖化処理することはエネルギー消費の低減の上で意義がある。Aspergillus awamoriは低pH下で生澱粉を消化できるが、変異処理による消化性の向上が望ましい。本研究ではC$$^{5+}$$イオンと$$gamma$$線による変異誘発効果を比較し、生澱粉消化性について検討した。$$gamma$$線とイオンビーム照射による変異株の出現率を酵素活性の向上によって比較したところ、酵素活性が向上した変異株の出現率はイオンビームの方が著しく多かった。また、これらの変異株によるキャッサバ澱粉、サゴ澱粉、スクン澱粉の消化性は2倍以上に向上した。

論文

重金属(V)ストレス下での植物生育に対する照射キトサンの効果

Tham, L. X.*; 松橋 信平; 久米 民和; 長沢 尚胤*

食品照射, 33(1-2), p.33 - 36, 1998/00

化石燃料の排煙中に多量に含まれているZnやVなどの重金属は、植物の生育阻害を引きおこすことが知られているが、一部の元素を除いて植物に対する影響についての知見は乏しい。本研究では、Vによる植物の生育阻害及び照射キトサンによる障害抑制効果について検討した。水耕液にVを添加すると、コメ、コムギ、オオムギ、ダイズなどの植物に著しい生育阻害が認められた。そこで、金属のキレート剤として知られているキトサンを用いて、Vによる障害の抑制効果を調べた。しかし、水耕液にキサトンを添加すると、植物の生育阻害とくにクロロシスが生じることが認められた。照射キトサンではクロロシスの発生が抑えられ、水溶液中100kGy照射キトサンで生育が最も良くなった。照射キトサンを添加して栽培した植物体では、Fe含量の低下を防いでV含有を著しく低下させ、Vストレス下での植物の栽培に有効であることを明らかにした。

論文

食肉中での大腸菌O157:H7の放射線殺菌効果

伊藤 均; Harsojo*

食品照射, 33(1-2), p.29 - 32, 1998/00

病原大腸菌O157:H7は数年前に米国で大規模な食中毒事件を引き起こし、その後、ヨーロッパやわが国に拡散した。病原大腸菌O157も肉製品を介して食中毒を起す可能性があり、放射線処理による衛生化により食中毒を低減できる可能性がある。本研究で牛肉、鶏肉、豚肉等より病原大腸菌の分離を試みたところ、O157:H7と同じ血清反応を示す大腸菌が牛肉、鶏肉、牛肥から各1株分離された。病原大腸菌O157標準株の0.067M燐酸緩衝液中での放射線感受性は一般大腸菌と大差がなく、D$$_{10}$$値は0.12kGyであった。一方、牛肉及び鶏肉分離株のD$$_{10}$$値は0.06kGyであり、牛肥分離株は0.20kGyと分離株により著しく値が変動した。次に牛肉中での標準株の殺菌効果を調べたところ、室温照射でのD$$_{10}$$値は0.26kGyとなり、凍結下で0.46kGyになった。従って、室温照射での殺菌線量は1~1.5kGyであり、凍結下では2~3kGyで十分である。

論文

鶏肉より分離したListeria monocytogenesの放射線感受性と低温貯蔵下での増殖

Harsojo*; D.Banati*; 伊藤 均

食品照射, 32(1-2), p.26 - 28, 1997/00

L.monocytogenesは低温貯蔵・流通下でも食中毒を起こす可能性があり、乳幼児や妊婦、免疫力の低下した病人にとって危険である。本研究では鶏肉中でのL.monocytogenesの分布と放射線殺菌効果について検討した。その結果、鶏肉10試料中5試料より本菌が検出され、多くの分離株は4$$^{circ}$$Cでも増殖能が認められた。燐酸緩衝液中での放射線感受性はサルモネラ菌とほぼ同じであり、溶存空気平衡下でのD$$_{10}$$値は0.14~0.18kGyとなり窒素ガス飽和下では0.28~0.41kGyとなった。鶏肉中でのD$$_{10}$$値は0.54kGyとなり2~3kGyで殺菌可能である。一方、低温下で貯蔵すると1kGyでもL.monocytogenesの増殖が抑制され、10$$^{circ}$$Cでは約6日間増殖が抑制された。また、10$$^{circ}$$C以下の低温では0.5kGyでも増殖抑制が認められた。

論文

ガンマ線照射による鶏肉の貯蔵期間延長効果

Y.Prachasitthisak*; 伊藤 均

食品照射, 31(1-2), p.1 - 3, 1996/00

食肉の中でも鶏肉は食中毒菌や腐敗菌による汚染が著しいことが知られている。本研究では国内産の鶏肉12試料を用いて放射線による殺菌効果と貯蔵効果について検討した。その結果、鶏肉中の好気性細菌は1g当たり2$$times$$10$$^{5}$$~5$$times$$10$$^{7}$$個検出された。大腸菌群も1$$times$$10$$^{2}$$~3$$times$$10$$^{4}$$個検出され、50%以上が腸内由来と思われる菌種で構成されていた。鶏肉を室温下で照射すると1kGyで大腸菌群は検出されなくなり、好気性細菌なども著しく低減した。また、非照射試料からはPseudomonasやFlorabacteriumなどの多種類の細菌が検出されたが、照射後にはPsychrobacterなどの細菌が生残していた。鶏肉は10$$^{circ}$$C貯蔵では2~3日で腐敗するが、1kGy照射により6日以上の貯蔵が可能になり、3kGyでは12日以上の貯蔵が可能となった。なお、鶏肉を照射すると肉の赤色度が増加したが、3kGy照射により照射臭が若干認められた。

論文

極低温下で照射したEscherichia coliのガンマ線感受性

瀧上 眞知子*; 伊藤 均

食品照射, 31(1-2), p.4 - 7, 1996/00

食品を栄養成分変化が少ない状態に保つために、冷凍は最も優れた方法の一つである。-12$$^{circ}$$C以下では、微生物の増殖は完全に抑制され、細菌の一部は死滅する。また冷凍下で食品にガンマ線を照射すると、成分変化が少ない状態で殺菌、滅菌されることが知られている。しかしながら極低温下照射による微生物感受性については、詳細な研究はほとんど行われていない。そこで、E.coliをモデルに、極低温下でのガンマ線感受性ならびに突然変異誘発について検討したところ、次の諸点が明らかにされた。すなわちいずれの菌株においても、ガンマ線感受性は室温、ドライアイス・メタノール、液体窒素温度での照射の順に低下した。またグリセリンを添加することにより、ガンマ線感受性は大幅に低下したが、その影響は、照射温度ならびに菌株により異なった。突然変異の誘発についても、菌株により、照射温度ならびにグリセリンの影響が異なった。

論文

冷凍エビ中でのDeinococaceaeの分布と放射線感受性

伊藤 均; C.Ki-Jung*

食品照射, 30(1-2), p.6 - 10, 1995/00

食品中に高線量照射後に生残する可能性のある放射線抵抗性菌が微生物学的安全性の観点から問題にされてきた。本研究では冷凍エビ中に高線量照射後に生残する赤色コロニーを形成する細菌類について分類学的性質と放射線感受性について検討した。冷凍エビより分類した5株の内、4株はグラム陽性球菌であり、1株はグラム陽性桿菌であった。しかし、各株の生化学的諸性質は類似しており、細胞壁のペプチドグリカン中にオルニチンを含み、DNAのグアニン・シトシン含量が58~68%であることにより、全株ともDeinococaceaeに属すことが明らかである。このうち、球菌グループの4株はDeinococcus proteolyticusと同定され、桿菌はDeinobacter grandisと同定した。各株の燐酸緩衝液中でのD$$_{10}$$値は好気的条件下で0.6~2.0kGyとなり、嫌気的条件下では1.2~2.4kGyとなった。また照射後の生存率は豊栄養培地の方が一般培地より若干高かった。

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