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論文

Reduction of the kicker impedance maintaining the performance of present kicker magnet at RCS in J-PARC

菖蒲田 義博; 入江 吉郎*; 高柳 智弘; 富樫 智人; 山本 昌亘; 山本 風海

Journal of Physics; Conference Series, 1067, p.062007_1 - 062007_8, 2018/10

J-PARCのRCSのキッカーにはコイルが内蔵されており、そこを流れる電流が作る磁場の力でビームを出射させている。このキッカーは4つの端子を持っており、その2つが電源側につながれ、残りの2つがショートしてある。ビームをRCSから出射させる時に必要なキッカーに誘起される電流値は、この特徴のために電源から供給される電流値の2倍となる。これは、ビームを出射させる上では、必要な消費電力を節約でき、キッカーの設置スペースを節約できるという利点を持つ。一方で、この特徴のためにビームが大強度化するに従って、キッカーを通過する際に励起する電磁場(インピーダンス)は、ビームを不安定にさせることが分かっている。このようなビーム不安定性への対策は、大強度での安定的なビーム利用運転をするために必要である。本レポートでは、現在のキッカーの持つパフォーマンスを維持しながら、ビームの不安定要因であるキッカーのインピーダンスを下げる新しい手法について紹介する。

論文

J-PARC 3GeV RCSキッカー電磁石電源の現状

富樫 智人; 高柳 智弘; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.725 - 728, 2016/11

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3-GeV RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では、3GeVに加速した大強度陽子ビームの取り出しにサイラトロンスイッチを採用したキッカー電磁石電源システムを利用している。本システムの電源は、使用開始からおよそ10年が経過しているが、定期的な保守点検や消耗品の交換を実施することにより現在も順調な稼働を継続している。また、サイラトロンの取り扱いについては、長年の経験をもとにした維持管理手法の確立により高い稼働率を維持するとともに、寿命については平均で10,000時間を超える利用が可能な状況にまで改善されている。一方、消耗品については、経年的に製造中止品が増加しており、代替え品の選定が懸案となっている。また、高圧機器の絶縁と冷却に使用しているシリコン油についても耐電圧性能の劣化が進んでいる傾向があり性能の回復方法や入れ替え手順などの検討が必要となってきている。本報告では、これまでの運転状況並びに保守点検結果を交えながらキッカー電磁石電源の現状について報告する。

論文

Operating experience of kicker magnet system in the J-PARC 3GeV RCS

菅沼 和明; 富樫 智人; 渡辺 真朗; 金正 倫計

Proceedings of 4th International Particle Accelerator Conference (IPAC '13) (Internet), p.678 - 680, 2014/07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、物質生命科学施設(MLF)や50GeVメイン加速器のビーム利用者に陽子ビームを供給している。RCSで181MeVから3GeVに加速され、MLFやMRに陽子ビームを送り出している。この送り出し用機器にキッカーシステムがある。2008年の12月より、ユーザーへの供給が開始されたが、キッカーシステムにおいて多くのトラブルが発生した。特にスイッチング素子であるサイラトロンの問題が発生し、当初、ユーザー運転に対する停止率が、13%にも上った。運転経験と独自の努力で、ビームの停止率を0.5%以下を達成した。

論文

Progress of injection energy upgrade project for J-PARC RCS

林 直樹; 原田 寛之; 堀野 光喜; 發知 英明; 神谷 潤一郎; 金正 倫計; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 高柳 智弘; 谷 教夫; et al.

Proceedings of 4th International Particle Accelerator Conference (IPAC '13) (Internet), p.3833 - 3835, 2014/07

J-PARC RCSの入射エネルギーの増強(181から400MeV)は、2014年初めに予定されており、これに向けて、進んでいる機器増強の状況を報告する。具体的には、水平ペイントバンプ電磁石電源の更新、増強は、2012年までに完了しており、既に通常運転に用いている。MR/MLF行きのペイントエリアを切替えること、400MeVでも、ペインティングしない調整用のビームを作ること、この2つに必須の可変偏向電磁石システム、電磁石及び電源の据付も2012年に完了した。そして、400MeVを想定したビーム試験も実施し良好な結果を得た。残る大きな増強機器は、新しいシフトバンプ電磁石電源である。現行電源と比較しスイッチングノイズの低減は、期待できるが、新たに発生したリンギングの要因解析、対策を行い製作中である。これは、2013年の長期メインテナンス期間中に据付けられる。

論文

Power supply of the pulse steering magnet for changing the painting area between the MLF and the MR at J-PARC 3 GeV RCS

高柳 智弘; 林 直樹; 植野 智晶; 堀野 光喜; 富樫 智人; 金正 倫計; 渡辺 泰広; 入江 吉郎*

Proceedings of 4th International Particle Accelerator Conference (IPAC '13) (Internet), p.681 - 683, 2014/07

可変偏向電磁石用の電源を製作した。電源は、パルスと直流を、ビームユーザーズのためのペインティング入射とビームコミッショニングのためのセンター入射の二つのモードに対応して、パルスと直流を出力する機能を備えている。パルス電源は、設定値に対して$$pm$$0.2%の偏差を、直流電源は、$$pm$$0.01%以下のリプル電流が要求され、これらの性能を満足することを確認した。電源の設計と測定結果を述べる。

論文

Field measurement of pulse steering magnet for J-PARC 3 GeV rapid cycling synchrotron

谷 教夫; 高柳 智弘; 植野 智晶; 原田 寛之; Saha, P. K.; 富樫 智人; 堀野 光喜; 林 直樹

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.0504004_1 - 0504004_4, 2014/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:68.24(Engineering, Electrical & Electronic)

パルス補正電磁石は、MLFとMRへの各加速サイクルでペイントエリアの入射点を変えることで必要なサイズのビームを供給し、さらに将来、400MeVでの入射ビームを同じ位相空間に入射して軌道確認できる機能を持つように開発された電磁石である。前者はペイント入射として台形波の電流パターンでパルス励磁され、後者がセンター入射として直流で励磁される。パルス補正電磁石の直流磁場の測定では、おもに電磁石の励磁特性と磁場の均一性について確認し、設計値を十分に満たしていることがわかった。また、リング軌道への影響を評価する漏れ磁場測定では、漏れ磁場によりCODが2.7mmと大きい。しかし、実際には隣接するリング軌道上の電磁石によるシールド効果により、その影響は低減されることがわかった。パルス磁場の測定では、測定波形に渦電流の影響が見られた。磁場の主成分と渦電流成分を分離する解析手法やビームへの影響を評価した。パルス補正電磁石は、すでにビームラインに据え付けられ、ビームの振り分け電磁石として入射部でのロスを低減し、機能的な運転を実現させている。本発表では、パルス補正電磁石で行われたこれらの磁場測定結果について報告する。

論文

Comparison of the pulsed power supply systems using the PFN switching capacitor method and the IGBT chopping method for the J-PARC 3-GeV RCS injection system

高柳 智弘; 植野 智晶; 堀野 光喜; 富樫 智人; 林 直樹; 金正 倫計; 入江 吉郎*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.3800905_1 - 3800905_5, 2014/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:68.24(Engineering, Electrical & Electronic)

J-PARC 3GeV RCSの入射エリアにあるペインティング入射用偏向電磁石のパルス電源を設計して製作した。シフトバンプ電磁石とパルス偏向電磁石は台形波形の出力電流を出力し、そのフラットトップ部分がビーム入射に使用される。水平と垂直のペイントバンプ電磁石は、減衰波形を使用して動的にビーム軌道を変更する。PFN方式はフラットトップ部に電流リプルを作らないが、IGBTチョッピング方式は、スイッチングによる電流リプルが生じてしまう。しかしながら、IGBTチョッピング方式は、要求された任意波形を形成することできる有利な点を持っている。回路構成,スイッチングノイズ,波形形成の制御における2つのシステムの比較について述べる。適材適所で電源を開発し運用することで、ビーム試験と運転を効率的に実施することが可能となり加速器施設の稼働率が上がる。これにより、J-PARC加速器の長期的な安定運転が可能となる。

論文

Design and preliminary performance of the new injection shift bump power supply at the J-PARC 3-GeV RCS

高柳 智弘; 林 直樹; 金正 倫計; 植野 智晶; 富樫 智人; 堀野 光喜; 入江 吉郎*

IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.0503504_1 - 0503504_4, 2014/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:55.09(Engineering, Electrical & Electronic)

リニアックの400MeVアップグレードに合わせて、J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける入射用シフトバンプ電磁石の新しい電源を開発した。この電源は、現在の1.6倍になる最大で32kAの出力が要求されている。さらに、ビームロスの低減のために、10kAから32kAの出力範囲において、電流リプルと偏差をそれぞれ0.2%以下にしなければいけない。現在のIGBTチョッピングシステムによる電源は、スイッチングによって連続的にリプルを発生させてしまう。そのため、電源の回路方式を、IGBTチョッピングシステムから、コンデンサーのスイッチングによるPFN方式へと変更した。電源は16バンクで構成され、1バンクあたり最大2kAで14kVを出力できる。現在は4バンクまで製作され、工場で特性試験を実施している。この設計と試験結果について報告する。この電源が完成すると、余計なロスが低減され、3GeVシンクロトロンは安定して運転することが可能になる。

論文

サイラトロンCX2004Xの初期検査

菅沼 和明; 富樫 智人; 金正 倫計

Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.870 - 872, 2014/06

J-PARC 3GeVシンクロトロン用キッカーテストスタンドでサイラトロンCX2004Xの検査を開始した。CX2004Xは現在使用中のCX1193Cに比べ重水素ガスの充填量が多く長寿命化が見込まれている。長寿命化の可能性を調べるため重水素ガスタンクに付随するヒーターの電圧-電流の関係を調べた。結果、CX1193Cとはヒーターの特性が異なるものの、ヒーターの結線の変更のみで寿命の延長が可能となると考えられ、サイラトロンの保守時間の低減に貢献できる見通しを得た。

論文

Beam emittance control by changing injection painting area in a pulse-to-pulse mode in the 3-GeV rapid cycling synchrotron of Japan Proton Accelerator Research Complex

Saha, P. K.; 原田 寛之; 林 直樹; 堀野 光喜; 發知 英明; 金正 倫計; 高柳 智弘; 谷 教夫; 富樫 智人; 植野 智晶; et al.

Physical Review Special Topics; Accelerators and Beams, 16(12), p.120102_1 - 120102_11, 2013/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:65.06(Physics, Nuclear)

In order to ensure desired extracted beam emittances in a multi user high intensity proton synchrotron, a pulse-to-pulse direct control of the transverse injection painting area is proposed and also been verified through experimental studies in the 3-GeV RCS of J-PARC. The RCS has to ensure two different transverse sizes of the RCS extracted beam for the MLF and MR for 1 MW operation. For that purpose, we have designed and installed two pulse steering magnets in the RCS injection beam transport line and are used for changing injected beam trajectory for a smaller painting area for the MR. The measured extracted beam profile for the MR is found to be narrower as compared to that for MLF and is also quite consistent with corresponding numerical simulations. It is thus confirmed that in a multi user machine beam parameters can be dynamically controlled and delivered as requested by the users even in simultaneous operation.

論文

J-PARC 3GeV RCSキッカー電磁石電源のサイラトロン運転維持管理

富樫 智人; 渡辺 真朗; 菅沼 和明; 高柳 智弘; 植野 智晶; 谷 教夫; 渡辺 泰広; 金正 倫計

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.471 - 473, 2012/08

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、3GeVに加速した陽子ビームの取り出しに、サイラトロンを採用したキッカー電磁石電源を採用しており年間約5,000時間の連続運転が行われている。連続運転を開始した2009年1月の運転では、約13%であった停止率もサイラトロンの適切なconditioning並びに運転維持管理方法の確立により2012年現在では停止率も0.5%以下で推移しており安定な運転を継続維持している。本稿では、RCSにおけるサイラトロンの運用に関する統計と、運転維持管理方法について報告する。

論文

Operation and current status of injection, extraction, kicker magnet and the power supply for J-PARC 3 GeV RCS

渡辺 真朗; 林 直樹; 菖蒲田 義博; 菅沼 和明; 高柳 智弘; 富樫 智人; 外山 毅*

Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.3629 - 3631, 2012/05

JPARC 3GeV RCSは安定運転が要求されるが、繰り返し25ppsの24時間運転開始直後はキッカー電源のサイラトロンの不安定動作による多くのトラブルが生じた。だが、2010年10月には不具合が改善した。2011年3月11日の東日本大震災後に入出射電磁石・電源・ケーブル・バスダクトの健全性を確認した。測定・確認をした結果、特に不具合はなかった。今後RCSはビームパワー1MWを達成させる必要がある。キッカーのインピーダンスはその他のインピーダンス源のなかで一番大きい。われわれは電源に抵抗と新規開発したダイオードを接続することでインピーダンスを下げ、誘起電圧が減少することが確認できた。これにより、加速器を安定に運転することが可能となった。

論文

New power supply of the injection bump magnet for upgrading the injection energy in the J-PARC 3-GeV RCS

高柳 智弘; 林 直樹; 植野 智晶; 富樫 智人; 谷 教夫; 金正 倫計; 戸田 克則*

Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.3626 - 3628, 2012/05

J-PARCのLINACの400MeVへのエネルギーのアップグレードに対応して、3GeV RCSの入射用バンプ電磁石の新しい電源を設計した。シフトバンプ電磁石用の新しい電源は、出力電流パターンを形成する機能を持つコンデンサーバンクで構成される。この電源は、コンデンサーへの給電と放電で整流する方法を使用する。また、パターン形成のために3回しかスイッチ操作をしないため、従来のスイッチング電源に対して、ノイズの源になるスイッチの頻度が少なくなる。したがって、スイッチングによるリプルがはるかに小さくなることが期待できる。全体構成の1/16スケールのモデルが製造され、その特性を評価した。この論文では、新しい電源の設計パラメータ及び実験結果について要約を報告する。

論文

J-PARC 3-GeV RCSにおける入射バンプシステムの現状

植野 智晶; 高柳 智弘; 富樫 智人; 金正 倫計

Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.965 - 968, 2010/08

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3-GeV RCSの入射バンプシステムは、入射部に設置してある4台の水平シフトバンプ電磁石と4台の水平ペイントバンプ電磁石、及び、2台の垂直ペイント電磁石で構成されている。そのうち、水平シフトバンプ電磁石は、入射用バンプ軌道を生成し、リニアックからの入射ビーム(H$$^{-}$$)とRCSの周回ビーム(H$$^{+}$$)を合流させる機器である。水平シフトバンプ電磁石用の電源は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)アセンブリの多段多重の並列回路で構成されており、最大20kAの大電流を500$$mu$$s以下の高速立上げと立下げを行い、600$$mu$$sのフラットトップを偏差1%以下の高精度で制御して励磁することができる。また、長期間の連続的な安定運転を可能としている。本論文では、入射バンプシステムの現在の運転状況について報告する。

論文

RCSキッカー電磁石電源システムのサイラトロンオペレーションの現状

富樫 智人; 渡辺 真朗; 菅沼 和明; 高柳 智弘; 植野 智晶; 谷 教夫; 渡辺 泰広

Proceedings of 7th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (DVD-ROM), p.579 - 583, 2010/08

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3-GeV RCS(Rapid Cycling Synchrotron)では、3GeVに加速した大強度陽子ビームの取り出しに、サイラトロンスイッチを採用したパルスキッカー電磁石電源システムを利用している。連続運転を開始した当初は、サイラトロンの不安定な動作に起因して停止する事象が最も多く、J-PARC加速器全体の故障率のうち、キッカー電磁石電源システムの故障率が最も高く(約13%)、ビーム運用停止の主因となっていた。この状況を改善するため、サイラトロンの運転状況について詳細管理を徹底して行った。その結果、サイラトロンの最適なオペレーション方法の構築と、故障の予防と保全に基づいた適切なサイラトロン交換時期の見極めが可能となり、2010年4月(Run33)の運転では故障率を0.5%以下にまで改善することができた。本稿では、キッカー電磁石電源システムを安定に稼働するためのサイラトロンオペレーションの現状について報告する。

論文

Design of the pulse bending magnet for switching the painting area between the MLF and MR in J-PARC 3-GeV RCS

高柳 智弘; 吉本 政弘; 渡辺 真朗; Saha, P. K.; 植野 智晶; 富樫 智人; 山崎 良雄; 金正 倫計; 藤森 寛*; 入江 吉郎*

Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.3293 - 3295, 2010/05

J-PARC 3-GeV RCSの入射ラインに設置され、MLFとMRのそれぞれのペインティングエリアの変更に25Hzで対応するパルス電磁石の設計を行った。このパルス電磁石はLinacの400MeVビーム入射時に使用し、要求されたペインティング入射とビームコミッショニングに使用するセンター入射の両方に対応するため、3$$sim$$38mradの広い範囲でビームを偏向することが要求される。

論文

Operation of kicker system using thyratron of the 3 GeV rapid cycling synchrotron of J-PARC

渡辺 真朗; 神谷 潤一郎; 菅沼 和明; 高柳 智弘; 谷 教夫; 富樫 智人; 植野 智晶; 渡辺 泰広

Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.3296 - 3298, 2010/05

J-PARCの3GeVシンクロトロンは陽子ビームを入射エネルギーが181MeVから出射エネルギーが3GeVまで加速する。3GeVシンクロトロンはメインリングにビームを入射することと、中性子ターゲットに3GeVビームを輸送する役割を持つ。その陽子ビームはキッカー電磁石によって繰り返し25Hzでビームを取り出される。その磁場の立ち上がり時間は約260nsecであり、フラットトップ長さは840nsecが要求される。パルスフォーミングラインとスイッチング素子のサイラトロンがその立ち上がり時間とフラットトップ長を実現するために用いられている。各電源には2個のサイラトロン(E2V社CX1193C)が用いられている。このサイラトロンが重水素ガスを用いた放電スイッチング素子であるがゆえに、10時間から数日の間に1度、ミスファイヤーや電圧ブレイクダウンを起こすことがある。この論文では、サイラトロンを用いたキッカーシステムの動作とリザーバ・カソードヒータの操作方法の現状について議論する。

論文

J-PARC RCSキッカーシステムにおける高電圧コネクタの絶縁耐圧の改善

菅沼 和明; 神谷 潤一郎; 渡辺 真朗; 高柳 智弘; 富樫 智人; 植野 智晶

Proceedings of 6th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (CD-ROM), p.569 - 571, 2010/00

J-PARC RCSキッカーシステムは、充電電圧60kV,繰返し25Hzのパルス電磁石システムである。これまで、3500時間程度の運転を行い、高電圧パルス伝送用同軸ケーブルのコネクタで、絶縁油が茶褐色に変色し、粘着性の固形物が発生した。このため電源の保守頻度が非常に増え問題となっていた。原因調査のため、変色した絶縁油について油中に含まれるガスの分析を実施した。300$$^{circ}$$C以下でおこる油の劣化と放電による油の劣化が推測された。また、コネクタ形状のシミュレーションを行った。絶縁油上部の空気層や、受側コネクタのポリエチレン先端で、電界の集中が起きやすいことがわかった。電界が緩和される構造をシミュレーションにより決定し、実際に通電し内部の状況を観察した。結果としてコネクタ内部の空気層をなくすことと、外筒の内径を広くすることで、油の劣化が減少し絶縁耐圧を改善することができた。

口頭

Effort for the reliable operation in J-PARC Rapid Cycling Synchrotron

山本 風海; 高柳 智弘; 富樫 智人; 畠山 衆一郎

no journal, , 

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)による中性子ユーザーへの利用運転および主リングシンクロトロンへのビーム供給は2008年12月から開始された。RCSでのビーム運転開始初期段階では、ビーム取り出しに必要なキッカー電磁石の電源で使用しているサイラトロンの放電が、安定運転を行う上で問題であった。そこで、我々はサイラトロンの運転条件を整理し、個々のサイラトロンに対する個体差を調整する手法を編み出した。この手法では、運転前及び保守期間中に、連続放電が始まるサイラトロン管内ガス圧を測定し、運転時のガス圧をその値よりわずかに下げて使用する。これにより、サイラトロンの計画外放電を抑制することができ、さらには寿命を3倍以上に延長することができた。また、J-PARCの加速器では、ターゲットの損傷によって数か月にわたるビーム運転中断が複数回発生している。このような事態を避けるために、ターゲットや加速器のビームの状態を常時監視し、ターゲットに損傷を与える可能性のある異常が発生した場合には即座にビームを停止し、各機器の状態を確認できるような制御システムを構築した。これらの改良により、RCSの稼働率は大幅に改善することができた。

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