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論文

東海タンデム加速器の故障事例

松田 誠; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; et al.

第27回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.142 - 145, 2015/03

原子力機構-東海タンデム加速器において、過去10年ほどの間に発生した様々な機器の故障事例を紹介する。当施設は運転開始から約30年を経過し、機器の高経年化による故障が多々見られるようになった。その代表として、冷却水配管の継ぎ手、ホローコンダクタなどからの水漏れや、圧力タンク内部機器の接触不良などがある。圧力タンク内は六フッ化硫黄(SF$$_6$$)ガスが充填されているが、コロナプローブのコロナ放電や時折発生する放電により腐食性のあるSF$$_6$$の分解生成物のガスも発生している。この腐食性のガスにより徐々に電気機器の接点やアルミガスケット、真空機器の溶接部が腐食し、接触不良および真空リークを発生する事例がみられる。このほかベローズの伸縮の繰り返しによってビームラインバルブやファラデーカップのベローズ部からの真空リークも近年多く発生するようになってきた。また高圧下および放電サージに晒される特殊環境下である加速器圧力タンク内の機器の故障について報告し、それらの原因および対処法などについて述べる。

論文

Development of intense high-energy noble gas ion beams from the in-terminal ion injector of tandem accelerator using an ECR ion source

松田 誠; 仲野谷 孝充; 花島 進; 竹内 末広

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 654(1), p.45 - 51, 2011/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:66.23(Instruments & Instrumentation)

原子力機構-東海タンデム加速器において、高強度の希ガスイオンビームを加速するためタンデム加速器の高電圧端子内に小型のECRイオン源を用いた重イオン入射器を開発した。高圧のSF$$_{6}$$ガス雰囲気中の20URペレトロンタンデム加速器の高電圧端子でイオン源を運転するために行った多くの開発について記述した。窒素,酸素,ネオン,アルゴン,クリプトン及びキセノンの高多価イオンの加速に成功した。数年に渡るビーム加速の結果についてまとめている。

論文

東海タンデム加速器における新たなビーム利用開発

松田 誠; 遊津 拓洋; 左高 正雄; 花島 進; 中村 暢彦; 株本 裕史; 沓掛 健一

第23回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.65 - 68, 2011/07

原子力機構-東海タンデム加速器では、加速されるイオンビームの利用分野拡大のため、大型静電加速器の特徴を活かした加速器開発を行っている。1番目にはどのような質量のイオンであっても加速できるという静電加速器の特徴を活かし、高電圧端子内イオン源からのクラスタービームの加速計画を進めている。荷電変換を必要としないシングルエンド加速であり、最大18MV程度の加速電圧となるので、高エネルギー,高強度のクラスタービームが得られると考えている。2番目にスケーリング法を用いたイオンビームの加速技術の開発を行っている。オペレータの調整したパイロットビーム加速時の光学機器のパラメータをもとに、簡単なスケーリング計算により各光学機器のパラメータを一括して自動設定することで、ビームエネルギーや加速イオン種の迅速な切り替えを行うものである。3番目に比較的低エネルギーの重イオンビームを用いて、RBS法による元素分析や、$$^{15}$$N, $$^{19}$$Fビームによる水素分析(NRA)などのイオンビーム分析技術の開発を行っている。最後にRI・核燃料標的等の利用可能な新照射室の整備を平成23年度に行う。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の被災状況

松田 誠; 長 明彦; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; et al.

第24回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.51 - 54, 2011/07

2011年3月11日に発生した東北太平洋沖地震によって東海タンデム加速器施設は震度6弱の揺れに襲われた。加速器は16.1MVで運転中であったが、インターロックにより自動停止した。幸い、SF$$_{6}$$ガス及びHeガスの放出も発生せず、施設の大規模な損傷はなかった。タンク内の機器に甚大な被害は見られず一安心であったが、絶縁カラムを支持するカラムポストにひびや割れが確認された。地震の揺れの割に被害が小さかったのは、カラム全体が免震機構によって保護されていたおかげである。ビームラインでは、大型電磁石が数cm移動したり、真空ベローズが破壊されたりした箇所があった。被害の全容は調査段階であり完全には掴めていないが、確認された被災状況と現時点での復旧状況について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

石崎 暢洋; 石井 哲朗; 阿部 信市; 花島 進; 長 明彦; 田山 豪一; 松田 誠; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; et al.

第23回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.13 - 16, 2010/11

2009年度のタンデム加速器の運転,整備及び利用状況について報告する。加速器の運転時間は約3600時間で例年より少ないが、これは年2回の定期整備以外にタンク開放を要する不具合が4回発生したためである。利用されたイオン種は20元素(25核種)で、多い順にH, O, C, Xe, Ni, N, Li, Arなどであり、ターミナルイオン源からCO$$_{2}$$の加速試験も実施した。利用分野は、核物理,核化学,材料・物性,加速器開発などであった。カラムのショーティングロッドのナイロン製接続ネジが破断し、タンク外へ取り出せなくなる不具合が発生した。圧空ジャッキによるロッドの抜き差しの際に過大な力が加わり破断に至ったものと推定された。ロッドの接続部で放電や引っかかりが起こらない改良型ロッドを製作中である。電磁石のトラブルとして、12月にコイルの内部に微少な水漏れが発生し磁場が不安定になる現象が起きた。現在片側のコイルのみで運転中であり、新しいコイルを製作中である。また、別の電磁石電源で使用している水冷シャントの銅管にピンホールによる水漏れが発生した。これは冷却不要のDCCTに置き換えた。

論文

大型静電加速器へのECRイオン源の利用

松田 誠; 遊津 拓洋; 沓掛 健一; 仲野谷 孝充; 花島 進; 竹内 末広

Proceedings of 6th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (CD-ROM), p.827 - 829, 2010/03

ECRイオン源は高多価・高強度の重イオンビームを生成することが可能であり、その電荷数はタンデム加速器の高電圧端子でのカーボンフォイルによる荷電変換よりも高くなっている。したがってECRイオン源をタンデム加速器の高電圧端子に搭載することにより、ビーム強度・ビームエネルギーを増強することが可能である。また加速不可能であった希ガスイオンの利用も可能となる。われわれは永久磁石型ECRイオン源を原子力機構-東海タンデム加速器の高電圧端子に搭載した。高電圧端子は絶縁高圧ガス中でかつ高電圧放電による電気的サージに晒される特殊な環境であるが、機器の開発・改良を重ねた結果、安定加速を実現し、期待通りの性能を発揮している。Xeイオンでは5+から30+までの多価イオンの加速に成功し、広範なエネルギーに渡るビームを得られ、最高エネルギーは480MeVとなった。学会では入射装置の開発と加速試験の詳細について発表する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 石井 哲朗; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; et al.

第22回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.10 - 14, 2010/01

2008年度の東海タンデム加速器の運転,整備及び利用状況について報告する。2007年度に実施した長期整備(高経年化対策)の結果、加速器は安定に動作し、利用運転日数は211日(約5000時間)に回復した。一部の加速管に不具合があり、最高電圧は17MVであった。ビーム強度も長期整備時の再アライメントにより大幅に改善し従来の約2$$sim$$3倍となった。利用されたイオン種は21元素(25核種)であった。高電圧端子内イオン源もRF系の復旧により所定の性能が発揮できるようになり、Ne$$^{8+}$$, Ar$$^{12+}$$, Kr$$^{17+}$$, Xe$$^{22+}$$の多価イオンビームが100pnA以上の強度で得られ、最高エネルギーはXe$$^{30+}$$の480MeVに達した。前期の定期整備では不調であったHE側加速管4本を交換した。後期の定期整備ではストリッパーフォイルの交換,高電圧端子内の静電Qレンズへのアパーチャー設置,SF$$_{6}$$絶縁ガスのリーク調査,制御系CAMACのDACの高分解能化を実施した。タンク開放を伴うトラブルとして、10月に高電圧端子内の冷却水ポンプモーターの故障、3月に発電用回転シャフトの軸受け部のベアリングの損傷が発生した。

論文

Highly charged ion injector in the terminal of tandem accelerator

松田 誠; 遊津 拓洋; 仲野谷 孝充; 沓掛 健一; 花島 進; 竹内 末広

Journal of Physics; Conference Series, 163, p.012112_1 - 012112_4, 2009/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:20.22

Electron cyclotron resonance ion sources (ECRIS) are able to produce intense beams of highly charged positive ions. It is possible to increase beam intensity, beam energy and beam species by utilizing an ECRIS in the tandem accelerator. A 14.5 GHz all permanent magnet ECRIS has been installed in the high voltage terminal of the tandem accelerator at Japan Atomic Energy Agency at Tokai. The high voltage terminal is in a severe environment, i.e. it is filled with the pressurized insulation gas of 5.5 atm and itself is held at a voltage of 20 MV at maximum. The components of the injector have been confirmed to be pressure-resistant. A control system and circuits were designed to prevent damages from electrical discharges, and these electrical devices were heavily shielded. For the reason that ion pumps do not work for inert rare gases, a turbo molecular pump and a rotary pump were newly developed for the use in the high pressure gas. As a result of their developments, highly charged ions of Ne, Ar, Kr and Xe have been accelerated from the new injector. The rare gas ions have been available, and the intensities have been ten times higher than those before. Xe ion can be accelerated up to 400 MeV.

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 左高 正雄; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 中村 暢彦; et al.

JAEA-Conf 2008-012, p.39 - 43, 2009/03

2007年度のタンデム加速器の利用運転日数は86日(約2000時間)で、加速されたイオン種は17元素(23核種)である。加速器の高経年化対策として約5か月の長期整備期間を設け、ターミナルの180$$^{circ}$$偏向電磁石のコイルを更新し、断熱や電磁シールドの強化を図った。同時にターミナルビームラインの再アライメント、10GHzから14.5GHzへのターミナルECRイオン源の更新も行った。再アライメントの結果、ターミナル部のビーム通過率が非常によくなり、得られるビーム強度はこれまでの2$$sim$$3倍となった。また懸案であった3$$mu$$Aの水素ビーム加速も可能となった。更新したターミナルイオン源は安定に動作し、キセノンイオンにおいて当施設の最高エネルギーである375MeVに達した。RF系を増強することで、10倍程度にビーム強度が増強される見通しを得た。短寿命核加速実験装置ではウランの核分裂片である$$^{123}$$In(T$$_{1/2}$$=6s), $$^{143}$$Ba(T$$_{1/2}$$=14s)が10$$^{4}$$ppsの強度で得られ、物理実験に利用された。研究会では2007年度の加速器の運転・利用状況及び整備開発状況について報告する。

報告書

タンデム加速器高電圧端子内におけるビーム通過率の改善のための再アライメント及び電荷分析電磁石コイルの更新

石崎 暢洋; 松田 誠; 花島 進; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋

JAEA-Technology 2008-055, 24 Pages, 2008/08

JAEA-Technology-2008-055.pdf:6.28MB

原子力科学研究所東海タンデム加速器は折り返し型であるため、高電圧端子のビームライン上には、イオン源から入射された各種イオンビームを電荷分析電磁石により180度偏向し、高エネルギー側の加速管へ導くためのビームライン光学機器が設置されている。タンデム加速器は運転開始より25年間順調に運転してきているが、2007年の定期整備時に高経年化対策として電荷分析電磁石のコイルを更新した。その際、電磁石本体とその前後に設置されているビームライン光学機器の位置を正確に測定し、基準ビーム軸に対する位置ずれを統括的に補正するアライメントを計画し実施した。測定の結果、最大で約5mmの位置ずれの機器があることがわかった。これらを基準となるビーム軸上に再アライメントしたところビーム通過率を大きく向上させることができ、その結果、安定に加速できるイオンビーム電流を増やすことができた。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 左高 正雄; 竹内 末広; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; et al.

JAEA-Conf 2008-005, p.42 - 45, 2008/03

2006年度のタンデム加速器の利用運転日数は201日であった。最高加速電圧は18MVを維持し、利用されたイオン種は19元素(26核種)であった。昨年度、発生した故障事例として、加速器の入射ビームラインでビーム形状が変動する現象が発生した。原因は静電四重極レンズの電極コネクタの接触不良であった。一般に開放端の電極の接続状況を確認することは難しいが、われわれは静電容量結合法による診断で接続異常箇所の特定を行った。この手法はほかの静電光学要素に適用できる技術である。ほかにターミナル電圧が不安定となる事象が発生した。チャージング電流が通常の6割程度しか流れていないため、タンクを開放してチャージング系の総点検を行った。その結果、抵抗の破損とケーブルの製作及び取付不良が確認され、修理を行った。研究会では昨年度の加速器の運転・利用状況及び整備・開発状況について発表する。

報告書

高圧六フッ化硫黄ガス(SF$$_{6}$$)中で使用するリレーのためのスクリーニング試験

沓掛 健一; 松田 誠; 花島 進; 小原 建治郎*

JAEA-Technology 2007-068, 52 Pages, 2008/01

JAEA-Technology-2007-068.pdf:3.02MB

原子力科学研究所タンデム加速器の高電圧端子内の計測・制御装置は0.5MPaのSF$$_{6}$$ガス下で運転される。本試験はこれらの装置に大電流を投入・遮断するためのリレーとして大気仕様リレーの中から高圧SF$$_{6}$$ガス中で使用可能なリレーを選ぶことを目的に実施した。高圧SF$$_{6}$$ガス中で使用するリレーに必要なことは接点切り替り時の火花放電に耐えること及び高圧に耐えることである。試験に供したリレーは、機械式リレー(EMR),マグネットコンタクタ(MAG),半導体リレー(SSR),ハイブリッドリレー(HYB)の4種類である。測定項目はリレーの温度,試験前後の外観変化である。また走査型電子顕微鏡及びエックス線分析装置による接点表面観察と元素分析も行い接点不安定性の原因を推定した。EMRとMAGの場合、操作コイルへの入力が正常であるにもかかわらずSF$$_{6}$$の分解ガスと周辺金属材料との反応に起因する硫化物あるいはフッ化物により接点障害が生じた。一方SSRとHYBは大気仕様であるにもかかわらず安定動作を示し、0.5MPaのSF$$_{6}$$環境下でも使用できることがわかった。

論文

原科研タンデム加速器ターミナル180$$^{circ}$$偏向電磁石電源の更新計画

花島 進

第19回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.50 - 53, 2007/01

原子力科学研究所タンデム加速器は折り返し型構造のため高電圧端子内に180$$^{circ}$$偏向磁石を持っている。公称250A40Vのこの電源は、作られてから20年以上経過し、さまざまな故障が発生するようになった。そこで、電源を作り直すことにした。この電源は、原子力科学研究所タンデム加速器高電圧端子内(ターミナル)の特殊な環境で動作する必要がある。すなわち、(1)通常6気圧のSF6ガス内で動作,(2)一次電源は400Hz三相200V、及び(3)加速器の静電気放電のサージ電圧に耐えることが要求される。また、(4)電力効率の良いこと,(5)加速器の制御システムとの整合性がよく、磁場負帰還制御技術を組み込めるようにすること,(6)小電流出力時にも制御性が良いことが求められる。本研究会では現在設計中の電源本体の設計,タンデム加速器の中に設置してテストしている制御用の回路などについて報告する。

論文

原科研タンデム加速器での発生トラブルとその対応

沓掛 健一; 中村 暢彦; 松田 誠; 花島 進; 堀江 活三

第19回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.92 - 94, 2007/01

原子力科学研究所タンデム加速器で近年発生したトラブルのうち、エレクトロニクス関連の障害2件について報告する。第1は、高電圧端子内の変更電磁石電源内の水冷配管破断である。対策として老朽化したゴムホースをすべて交換修理したほか、新たにリザーバタンクに水位計を設置した。これは、今回の障害が初めに加速器に電圧が印加されなくなったことで発見されたが、直接的に漏水を知ることができなかったことへの反省による。またこの水位計は、小規模の漏水の検知にも有効と考えている。第2のトラブルは同じ電源の電流制御用のDA変換回路に生じた。20ビットのうちMSBから14ビット目の制御ができなくなった。これはビームトランスポート調整時において故障が疑われ、定期整備時に調査した結果判明した。DA変換はケルビンバーレー分圧回路をリレーで駆動するものである。修理後のテストで、変換誤差の大きい桁が発見されたため、補正を行った。補正は最小の手術で結果を出せる範囲で行い、DA変換器の当初の仕様を満たすところまでは行っていない。研究会では老朽化対策と診断の考え方について報告・議論する。

論文

原子力機構・東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 竹内 末広; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; et al.

第19回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.9 - 12, 2007/01

2005年度のタンデム加速器の運転日数は182日であった。最高端子電圧は19.1MVを記録し、18MVで計8日間の実験利用が行われた。利用されたイオン種は21元素であり、$$^{18}$$Oの利用が全体の約2割で、$$^{1}$$H, $$^{7}$$Li, $$^{136}$$Xeの利用はそれぞれ約1割を占め、$$^{1}$$H, $$^{7}$$Liはおもに短寿命核加速実験での一次ビームに利用された。加速器の定期整備では通常の整備項目以外に、高電圧端子内イオン源を高電圧端子の180$$^{circ}$$偏向電磁石の上流側に移設する作業を行った。この配置により質量電荷比の近いビームを精度よく分離し加速管へ入射できるようになった。また負イオンビーム入射ラインのミスアライメントの修正を行った結果ビーム通過率が改善した。昨年度はタンク開放を必要とする故障が2件発生し、どちらも高電圧端子内の180$$^{circ}$$電磁石電源に起因するものであった。高エネルギー加速器研究機構と共同で進めている短寿命核加速実験施設の実験利用が開始され、$$^{8}$$Liを用いた実験が行われた。今後、年間50日の短寿命核ビームを用いた実験が行われる予定である。

論文

高電圧端子内重イオン入射装置の開発

松田 誠; 仲野谷 孝充; 沓掛 健一; 花島 進; 竹内 末広

Proceedings of 4th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 32nd Linear Accelerator Meeting in Japan (CD-ROM), p.736 - 738, 2007/00

原子力機構タンデム加速器では高電圧端子内の入射装置に10GHzの永久磁石型電子サイクロトロン共鳴イオン源(ECRIS)が設置され、イオンビームの強度及びエネルギーの増強が行われている。このイオン源から引き出されるイオンビームを有効に利用するため、高電圧端子の低エネルギー側に設置する新たな入射装置を開発した。この配置では十分な磁場強度と分解能を有する180$$^{circ}$$偏向電磁石をビーム分析に使用するので、質量電荷比の大きなイオンが利用でき、かつ加速管へ入射するビームの精度よい分離が可能である。新入射装置では質量電荷比の大きなXe$$^{7+}$$(A/q$$simeq$$20)イオンなども利用可能になったことで50MeVの低エネルギービームの加速が可能となり、50MeV$$sim$$300MeVの広範なエネルギー領域のビームが利用できる唯一の加速器となった。新たな入射装置の開発とその利用状況について報告する。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器施設の現状

松田 誠; 竹内 末広; 月橋 芳廣; 花島 進; 阿部 信市; 長 明彦; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; et al.

Proceedings of 3rd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 31st Linear Accelerator Meeting in Japan, p.275 - 277, 2006/00

2005年度のタンデム加速器の運転日数は182日であった。加速管の更新により最高端子電圧は19.1MVに達し18MVでの実験利用が開始された。利用イオン種は21元素(28核種)であり、$$^{18}$$Oの利用が全体の約2割で、おもに核化学実験に利用された。p, $$^{7}$$Li, $$^{136}$$Xeの利用はそれぞれ約1割を占め、p, $$^{7}$$LiはおもにTRIACの一次ビームに利用された。超伝導ブースターの運転日数は34日で、昨年度から始まったTRIACの実験利用は12日であった。開発事項としては、タンデム加速器では加速管を更新し最高電圧が19MVに達した。また高電圧端子内イオン源の14.5GHzECRイオン源への更新計画が進行している。超伝導ブースターは1994年以来高エネルギービームの加速に利用されてきたが、近年になりインジウムガスケットに起因する真空リークが発生している。空洞のQ値も下がってきており、対策として空洞に高圧超純水洗浄を施し性能を復活させる試験を進めている。KEKと共同で進めてきたTRIACは2005年3月に完成し、10月から利用が開始された。TRIACからのビームを超伝導ブースターにて5$$sim$$8MeV/uのエネルギーまで加速する計画を進めており、TRIACからの1.1MeV/uのビームを効率よく加速するため、low$$beta$$空洞の開発を行っている。

論文

原研タンデム加速器の現状

松田 誠; 竹内 末広; 月橋 芳廣; 堀江 活三*; 大内 勲*; 花島 進; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; et al.

第18回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.11 - 14, 2005/11

2004年度の原研タンデム加速器の運転日数は、7月に高電圧端子との通信トラブルが発生したが、例年並の214日(約5000時間)を維持できた。そのうちブースターの利用運転は42日であった。最高端子電圧は高圧超純水洗浄を施したコンプレスドジオメトリ型加速管の更新により、約1年余りでビーム無しで18.7MV、ビーム有りで18.0MVを記録し建設以来の最高となった。KEKと共同で進めてきた短寿命核加速実験施設(TRIAC)の設置に伴い、新たなインターロックシステムを構築した。一方TRIACは3月に施設検査を終了し、ウランの陽子誘起核分裂反応で生成された$$^{138}$$Xe(T$$_{1/2}$$=14min)ビームの加速に初めて成功した。本研究会では、2004年度における運転,整備及び利用状況について報告する。

論文

原研タンデム加速器施設インターロックシステムの更新

中村 暢彦; 花島 進; 仲野谷 孝充; 吉田 忠*

第18回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.84 - 87, 2005/11

原研タンデム加速器施設では、従来からのタンデム加速器及び超伝導ブースターのほかに高エネルギー加速器研究機構の放射性核ビーム加速実験装置(RNB)が設置され、それを期に新しいインターロックシステムを作ることになった。本報告ではインターロックを構成する基本概念の設定,マイクロコントローラとシリアルバスを使用したシステムのハードウエア及びソフトウエアの構成を報告する。また新規に導入された安全強化策についても紹介する。

論文

原研タンデム加速器の現状

松田 誠; 竹内 末広; 月橋 芳廣; 堀江 活三; 大内 勲; 花島 進; 阿部 信市; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 仲野谷 孝充; et al.

第17回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.1 - 4, 2004/00

原研タンデム加速器では昨年度、加速管をコンプレスドジオメトリ型の加速管へ更新した。加速管内の超音波及び高圧純水洗浄の効果により、わずか1週間程のコンディショニングで更新前の約16MVの端子電圧を達成することができた。充分なコンディショニング時間を確保できなかったが、1MV及び2MVユニットでは平均で110%の電圧を達成し、フルカラムによる電圧上昇試験で18.2MVを達成した。そのほか強力なターミナルイオン源への更新のために入射系の改造を行うべく準備を進めており、昨年度ガスストリッパー装置の撤去を行った。短寿命核加速施設は昨年度までの3年間で施設の建設及び装置の設置はほぼ終了し、今年度中の短寿命核の加速実験を目指して装置全体の立ち上げ及びインターロックなどの安全装置の製作を現在行っている。また短寿命核加速施設からの1MeV/uのビームを既存の超電導ブースターで加速できるように現在のブースターの前段部に$$beta$$$$_{opt}$$=6%のlow$$beta$$空洞を設置し最大5$$sim$$7MeV/uまで加速する計画を進めている。研究会ではこのほかに昨年度のタンデム加速器施設の運転、整備の状況について報告する。

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