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Frank, T.*; Pensl, G.*; Tana-Zaera, R.*; Ziga-Prez, J.*; Martnez-Toms, C.*; Muoz-Sanjos, V.*; 大島 武; 伊藤 久義; Hofmann, D.*; Pfisterer, D.*; et al.
Applied Physics A, 88(1), p.141 - 145, 2007/07
被引用回数:48 パーセンタイル:82.82(Materials Science, Multidisciplinary)酸化亜鉛(ZnO)中の欠陥準位を明らかにするため、気相成長したZnOの深部準位計測(Deep Level Transient Spectroscopy: DLTS)を行った。その結果、E4とラベル付けされた深い欠陥準位が観測された。さらに、試料に対し170keV又は2MeV電子線を照射し、発生する欠陥準位を調べたところ、E2, E3, E4, E5と呼ばれる欠陥準位が観測された。170keVと2MeV照射の結果を比べたところ、酸素及び亜鉛がはじき出されるエネルギーである2MeVの電子線照射では微量にしか観察されないE3中心は、酸素のみがはじき出される170keV電子線照射では大きなシグナルとして観察され、E3センターが酸素起因の欠陥であることを見いだした。
Pensl, G.*; Ciobanu, F.*; Frank, T.*; Kirmse, D.*; Krieger, M.*; Reshanov, S.*; Schmid, F.*; Weidner, M.*; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Microelectronic Engineering, 83(1), p.146 - 149, 2006/01
被引用回数:15 パーセンタイル:59.2(Engineering, Electrical & Electronic)SiC中の欠陥を制御することで素子特性の改善に役立てることを目的に、炭化ケイ素(SiC)中及びSiC/酸化膜界面の欠陥の電気的性質を調べた。SiCへの欠陥導入には200keV及び2MeV電子線照射,窒素及び炭素イオン注入を行った。深部欠陥準位測定(DLTS)及び低温でのフォトルミネッセンス(LTPL)により欠陥を調べた結果、炭素原子のみをはじき出す200keV電子線照射では、全原子をはじき出す2MeV電子線照射とは異なる欠陥準位が観測された。また、SiC/酸化膜界面への窒素イオン注入により界面欠陥(界面準位)が観測限界以下の10/cmeVまで減少することを見いだした。
河裾 厚男; Weidener, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Sperr, P.*; Kgel, G.*; 吉川 正人; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*; Triftshuser, W.*; et al.
Silicon Carbide, p.563 - 584, 2004/00
本報告では、耐放射線性半導体として有望視されている炭化ケイ素(SiC)中の原子空孔型欠陥を陽電子消滅法によって研究した結果について詳述する。立方晶SiCでは主として孤立したシリコン原子空孔が陽電子捕獲サイトとして作用することが見いだされた。六方晶SiC中ではシリコン空孔以外にも炭素空孔が検出される。炭素空孔は比較的低温の熱処理で移動消滅するが、シリコン空孔は1500C程度まで安定に存在することが見いだされた。六方晶SiC中のシリコン空孔のアニール温度は、立方晶SiC中のそれに比べて高いことがわかった。立方晶SiCを用いて、シリコン原子のはじき出しエネルギーが決定され、炭素原子のそれよりも大きな値となることが明らかになった。陽電子消滅で検出される原子空孔型欠陥と深準位過渡応答測定から知られる電子準位との相関を調べ、負電子相関を持つ電子準位がシリコン原子空孔を伴う、複合欠陥であることを突き止めた。
河裾 厚男; 吉川 正人; 前川 雅樹; 伊藤 久義; 千葉 利信*; Redmann, F.*; Rehberg, R. K.*; Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 433-436, p.477 - 480, 2003/08
これまでの研究では、放射線照射によってSiC中に生成する原子空孔の熱アニールに対する挙動が、多形とともにどのように変化するかは、不明であった。そこで、電子線照射及びヘリウムイオン照射した4H,6H及び3C SiCの原子空孔型欠陥を陽電子消滅で捉え、アニール挙動を調べた。また、消滅線の二次元角相関を測定し、六方晶と立方晶SiC中の主要な原子空孔の幾何学的知見を得た。その結果、電子線照射,ヘリウムイオン照射のいずれであっても3C SiC中の原子空孔は、1000以下のアニールで消失するが、4H,6H SiC中のそれは、1500まで残留することが明らかになった。即ち、3C SiC中の放射線照射損は、4H,6H SiCのそれに比べ、低温のアニールで除去できる。原子空孔の残留量は、3C6H4Hの順に増加することがわかり、Hexagonalityが原子空孔を安定化させる要因となることが示唆された。また、3C-SiC中の原子空孔は、単純な四面体対称をもつのに対し、六方晶中のそれは、C軸配向性をもつことが明らかになり、上の推察を裏付けた。
河裾 厚男; Weidner, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Krause-Rehberg, R.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; Triftshuser, W.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 389-393, p.489 - 492, 2002/05
2MeVの電子線照射を行った4H及び6H SiCエピ膜について、陽電子ビームによる陽電子消滅測定及びDLTS測定を行い、高温で残留する深準位を同定した。電子線照射直後には、多くの電子準位が存在することがわかった。これらの多くは、1000までのアニールで消失し、その後E(6H-SiC)とZ(4H SiC)が残留することが見いだされた。これらは、負の電子相関を持つ特殊な電子準位である。また、最終的に1200~1500のアニールで消失することが明らかになった。一方、陽電子消滅測定の結果、シリコン空孔に起因する複合欠陥が検出され、これが、上述の電子準位と同一の温度域で消失することがわかった。以上より、E(6H-SiC)とZ(4H SiC)準位は、何れもシリコン空孔を伴う複合欠陥であると結論できる。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; Triftshuser, W.*; 伊藤 久義
Applied Physics Letters, 79(24), p.3950 - 3952, 2001/12
被引用回数:39 パーセンタイル:79.46(Physics, Applied)陽電子消滅及びDLTS法を用いて、電子線照射した4H SiCエピ膜中の原子空孔とZ準位のアニール挙動を研究した。等時アニールの結果、シリコン空孔が有力な陽電子捕獲中心として作用することがわかった。電子線照射後には、幾つかの電子準位が検出されたが、1200のアニール後には、Z準位が残留することが明らかになった。陽電子消滅で検出された原子空孔とDLTSで検出されたZ準位は、何れも1200~1500のアニールで消失することが明らかになった。この同時性から、Z準位は、シリコン原子空孔に由来すると結論できる。
Weidner, M.*; Frank, T.*; Pensl, G.*; 河裾 厚男; 伊藤 久義; Krause-Rehberg, R.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.633 - 636, 2001/12
被引用回数:29 パーセンタイル:78.16(Physics, Condensed Matter)この論文では、4H SiC中の電気的に活性な固有欠陥の生成と消滅に関する詳細な研究について報告する。これらの固有欠陥は、n型4H SiCに電子線照射又はヘリウムイオン照射することで生成されたものである。700~2100Kで等時アニールが行われた。固有欠陥は、高感度の深準位過渡応答測定(DLTS)により検出された。エネルギー準位と捕獲断面積などが、アレニウムプロットから決定された。おもに、次の特徴が見いだされた。(1)ヘリウム照射と電子線照射は異なる準位を誘起する。すなわち、電子線照射直後には、複数の電子準位が観測されたが、ヘリウム照射では、それらは130Kのアニール後出現した。(2)大部分の電子準位はアクセプターであり、1700Kのアニールで消失する。(3)同様な試料について陽電子消滅測定を行ったところ、特にZ1/Z2準位と原子空孔のアニール挙動が良く一致することがわかった。
河裾 厚男; Weidner, M.*; Redmann, F.*; Frank, T.*; Sperr, P.*; Krause-Rehberg, R.*; Triftshuser, W.*; Pensl, G.*
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.660 - 663, 2001/12
被引用回数:13 パーセンタイル:57.9(Physics, Condensed Matter)現在のSiC研究では、放射線によって形成される欠陥を同定することが、一つの課題となっている。これまで、ヘリウム注入により発生する深い準位のアニール挙動が研究されている。それらのあるものは、原子空孔に起因すると考えられている。そこで、本研究では、ヘリウム注入した高品質6H及び4H SiCエピ膜に対して、陽電子消滅及び深準位過渡応答(DLTS)測定を行った。陽電子消滅で得られた原子空孔深さプロファイルは、TRIMコードを用いて計算された結果と良く一致していた。ドップラーSパラメータ及び陽電子寿命ともに単一空孔の値を上回っており、単一空孔だけでなく、原子空孔クラスターも形成していることが示唆された。検出された原子空孔は、700及び1500のアニール温度で消失することがわかった。一方、DLTS測定の結果、いずれの多形においても、相対的に浅い準位と深い準位が形成されていることがわかった。これらは、1000以上のアニールで前後して消失することが見いだされ、陽電子消滅で得られた原子空孔のアニール挙動と良く一致していることが判明した。これより、ヘリウム照射で生成するDLTS準位は、原子空孔型欠陥に由来すると結論できる。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Frank, T.*; Weidner, M.*; Pensl, G.*; Sperr, P.*; 伊藤 久義
Journal of Applied Physics, 90(7), p.3377 - 3382, 2001/10
被引用回数:42 パーセンタイル:81.08(Physics, Applied)2MeV電子線照射したn型6H SiCエピ膜中の格子欠陥のアニール挙動を陽電子消滅及びDLTS測定によって研究した。原子空孔型欠陥は、500-700及び1200-1400でアニールされることが見いだされた。内殻電子運動量分布の解析から、後者のアニール過程は、シリコン空孔を含む複合欠陥に起因していることが明らかになった。観測された電子準位のうち、E準位のみが、1000以上において、上記の原子空孔と同様のアニール挙動を示すことが明らかになった。これより、E準位は、シリコン空孔を含む複合欠陥に起源をもつと結論できる。
河裾 厚男; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*; Sperr, P.*; Frank, T.*; Weidner, M.*; Pensl, G.*; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 353-356, p.537 - 540, 2001/00
炭化ケイ素(SiC)半導体を素子化するうえではイオン注入等の放射線プロセスが不可欠であり、付随する照射欠陥の構造、電子準位やアニール挙動を明確にすることが極めて重要である。そこで、われわれは、エピタキシャル成長により製造した高品質六方晶SiC単結晶にヘリウムイオンや電子線を照射し、発生する欠陥を陽電子消滅法を用いて評価した。ヘリウムイオンは、欠陥濃度が照射領域でほぼ均一になるように30~950keVの範囲内でエネルギーを変えながら照射を行い、電子線は2MeVで照射した。等時アニールは100~1700の温度範囲で実施した。陽電子寿命及びドップラー広がり測定の結果、ヘリウムイオン照射で導入した空孔型欠陥の濃度はアニール温度1400付近で急激に減少することを見いだした。同様な結果が電子線照射試料でも得られた。本発表では、これらの空孔型欠陥のアニール過程をDLTS中心との相関を含めて議論する。
Frank, T.*; Weidner, M.*; 伊藤 久義; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 353-356, p.439 - 442, 2001/00
n型六方晶炭化ケイ素(4H-及び6H-SiC)単結晶に電子線やイオン(H,He,Ne,Ar)照射で形成される欠陥をDLTS(Deep level transient spectroscopy)法を用いて調べた。電子線照射4H-SiCの等時アニールより、E-630MeVに欠陥準位を有するZ/Zセンターは、30分間アニールでは1400以上、90分間アニールでは900以上で消失し始める。欠陥消滅に対して1次反応を仮定すると、Z/Zセンターのアニールの活性化エネルギーとして2.1eVが得られた。イオン照射6H-SiCでは、アニール後3種類の欠陥(E/E,Z/Z,R)が観測された。いずれの欠陥も照射後700アニールで発生し、800で最高濃度となり、1000以上では減少する。欠陥全量がほぼ消滅する温度は、Rセンターは1000、Z/Zは1400、E/Eは1700であった。これらの欠陥の800での存在割合は照射イオン種に依存するが、1400以上でのアニール後はイオン種に依らずE/Eのみが残存することがわかった。
上殿 明良*; 谷川 庄一郎*; 大島 武; 伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; Frank, T.*; Pensl, G.*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*; et al.
Journal of Applied Physics, 87(9), p.4119 - 4125, 2000/05
被引用回数:12 パーセンタイル:49.18(Physics, Applied)陽電子(単色)消滅法を用いて110/cmの200keV-リン(P)注入した6H-SiCの注入層を調べた。注入は室温、800または1200で行った。室温注入では表層の注入層はアモルファス化、注入層の深部は複空孔がおもに残留していることがわかった。注入後、1700までの熱処理を行ったところ、空孔型の欠陥のアニール挙動が熱処理の温度領域によって五つに分けられた。また、800、1200注入では注入層はアモルファス化はしないが、表層に大きな空孔クラスター残留層、深部には表層に比べサイズの小さな空孔クラスターが残留することがわかった。これらの試料を1700まで熱処理すると、800注入試料の残留欠陥サイズが最も小さく、続いて1200注入試料、最も残留欠陥サイズが大きかったのが室温注入試料となり、注入後同じ温度での熱処理を行っても注入温度によって残留欠陥サイズが異なることがわかった。
大島 武; 上殿 明良*; 伊藤 久義; 吉川 正人; 児島 一聡; 岡田 漱平; 梨山 勇; 阿部 功二*; 谷川 庄一郎*; Frank, T.*; et al.
Materials Science Forum, 338-342, p.857 - 860, 2000/00
シリコンカーバイドSiC中のイオン注入不純物の電気的活性化と結晶性の回復の関係を調べた。不純物としてはリンを用いて、高温イオン注入により6H-SiCへ導入した。注入温度は室温から1200Cの範囲として、リン濃度は510/cmとした。注入温度と電子濃度の関係を調べたところ800Cで注入した試料が最も電子濃度が高いことがわかった。陽電子消滅法により注入層の欠陥の注入後熱処理による回復を調べたところ、800C注入した試料の空孔型欠陥のサイズがほかのものに比べ小さく結晶性が良いことがわかった。したがって高濃度のイオン注入の場合は、800C程度の高温注入を行うことで、不純物の活性化率を向上させられると判断できる。
Pensl, G.*; Frank, T.*; Reshanov, S.*; Schmid, F.*; Weidner, M.*; 大島 武; 伊藤 久義
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)半導体の浅い準位及び深い準位を持つ欠陥についてレビューをする。SiC中の炭素サイトに存在する窒素(N)は、浅い準位であるドナー不純物として働くことが知られているが、シリコン(Si)や炭素(C),ネオン(Ne)との共注入を行うと、すべての場合でNの電気的活性化率が減少することが見いだされた。このことはボロンとC共注入で報告されているサイトコンペティションモデルとは相反する結果である。今回の結果を解釈するために、200keV電子線をN注入したSiCへ照射した。200keV電子線がSiC中のCのみをはじき出すことを考慮して解析を行った結果、NとCサイトの空孔の複合欠陥(N-V)が生成され、Nドナーの電気的活性化率低減を引き起こしている可能性が示唆された。また、硫黄(S)イオン注入したSiCの深部準位測定(DLTS)測定を行うことで、Sが深い二つの準位を持つドナー不純物として振る舞うことが明らかとなった。