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論文

Charge-to-spin conversion and spin diffusion in Bi/Ag bilayers observed by spin-polarized positron beam

Zhang, H. J.; 山本 春也; Gu, B.; Li, H.; 前川 雅樹; 深谷 有喜; 河裾 厚男

Physical Review Letters, 114(16), p.166602_1 - 166602_5, 2015/04

 被引用回数:51 パーセンタイル:89.71(Physics, Multidisciplinary)

スピン偏極陽電子ビームを用いた最表面ポジトロニウム消滅過程の観測を通じて、Bi/Ag二層膜中のラシュバ-エデルシュタイン効果に伴う電荷-スピン変換の直接検出に初めて成功した。同一の通電方向に対して、BiとAgの表面では逆のスピン偏極が得られた。スピン偏極率は、膜の厚さが増すとともに指数関数的に減少することが知られた。以上の結果は、Bi/Ag界面で生成したスピンが、両層を通じて最表面に伝導・蓄積することを示している。

論文

Current-induced spin polarization on metal surfaces probed by spin-polarized positron beam

Zhang, H.; 山本 春也; 深谷 有喜; 前川 雅樹; Li, H.; 河裾 厚男; 関 剛斎*; 齊藤 英治*; 高梨 弘毅*

Scientific Reports (Internet), 4, p.4844_1 - 4844_5, 2014/04

 被引用回数:39 パーセンタイル:81.84(Multidisciplinary Sciences)

Current-induced spin polarization (CISP) on the outermost surfaces of Au, Cu, Pt, Pd, Ta, and W nanoscaled films were studied using a spin-polarized positron beam. The Au and Cu surfaces showed no significant CISP. In contrast, the Pt, Pd, Ta, and W films exhibited large CISP (3 to 15% per input charge current of 10$$^{5}$$ A/cm$$^{2}$$) and the CISP of Ta and W were opposite to those of Pt and Pd. The sign of the CISP obeys the same rule in spin Hall effect suggesting that the spin-orbit coupling is mainly responsible for the CISP. The magnitude of the CISP is explained by the Rashba-Edelstein mechanism rather than the diffusive spin Hall effect. This settles a controversy, that which of these two mechanisms dominates the large CISP on metal surfaces.

論文

Sagittal focusing of synchrotron radiation X-rays using a winged crystal

二澤 宏司*; 米田 安宏; 上野 剛*; 村上 博則*; 岡島 由佳*; 山本 健一郎*; 仙波 泰徳*; 上杉 健太朗*; 田中 義人*; 山本 雅樹*; et al.

Journal of Synchrotron Radiation, 20(2), p.219 - 225, 2013/03

 被引用回数:12 パーセンタイル:54.28(Instruments & Instrumentation)

シリコン(111)結晶を用いた放射光X線のサジタル集光を行った。結晶弯曲時に生じるアンチクラシカル歪みを軽減するために溝型結晶を用いたが、この結晶には理想的な凹面曲げを実現するために結晶の外形寸法に黄金比と呼ばれる律速があると信じられてきた。しかし、我々は、この従来の黄金比を大きく逸脱するアスペクト比の結晶においても良好なサジタル集光が可能であることを示した。理論上、偏光電磁石ビームラインの発光点サイズと同等のビームサイズまで集光可能であるため、この手法はタンパク構造解析などにも広く適用することが可能である。

論文

Synthesis of palladium nanoparticles in a ceramic matrix using radiation grafting method

吉村 公男; 箱田 照幸; 杉本 雅樹; 山本 春也; 吉川 正人

Radiation Physics and Chemistry, 80(4), p.587 - 590, 2011/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.29(Chemistry, Physical)

耐熱性で高温用の触媒基材として有望な炭化ケイ素(SiC)セラミックスに触媒能を付与するため、その前駆体高分子であるポリカルボシラン(PCS)高分子にパラジウム(Pd)イオンを配位する放射線グラフト処理を行った試料を高温の不活性ガス中で焼成転換し、Pdナノ粒子を含有する炭化ケイ素(SiC)セラミック粉末を作製した。この粉末のTEM観察、並びにXRD分析から、焼成温度が900$$^{circ}$$Cでは2$$sim$$5nmのPd粒子がその粉末微粒子表面に分散するが、1100$$^{circ}$$Cでの焼成ではPd粒子は凝集して粗大化し、一部がシリサイドとなることがわかった。900$$^{circ}$$Cで焼成したSiCセラミック粉末に分散したPdの触媒能を調べるため、250$$^{circ}$$Cに加熱してシクロヘキサンに接触させたところ920$$sim$$1140ppmvの二酸化炭素が発生し、燃焼触媒として機能することがわかった。以上の結果から、放射線グラフト重合により作製したPdイオン配位PCS高分子を900$$^{circ}$$Cで焼成転換することで、燃焼触媒として機能するPdナノ粒子を分散・析出させたSiCセラミック粉末が作製できることがわかった。

論文

Fabrication of diluted magnetic semiconductor crystals by ion-implantation technique

薮内 敦; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 圓谷 志郎; 松本 吉弘; 境 誠司; 山本 春也

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 131, 2011/01

イオン注入法は非平衡濃度の不純物元素を結晶中に低温で添加することができる技術であり、これは二次相の析出を抑制しつつ高濃度に磁性元素を添加することが求められる希薄磁性半導体(DMS)結晶の創製においても有用な手法である。イオン注入法では照射誘起空孔が導入されるが、空孔の存在がDMSの磁性発現に影響を与える可能性が言われていることから、DMS結晶中の空孔型欠陥のアニール挙動を調べることは重要である。本研究では化合物半導体結晶に磁性元素をイオン注入することによるDMS結晶の創製を試みるとともに、照射誘起空孔の熱回復挙動について評価した。その結果、最大380keVで1$$times$$10$$^{16}$$Cr$$^{+}$$/cm$$^2$$のCrイオンを注入したn-ZnO(0001)単結晶中の照射誘起空孔はN$$_2$$雰囲気中での900$$^{circ}$$C$$times$$30分の熱処理によりほぼ未照射の状態まで回復することが陽電子消滅測定より明らかになった。本試料では、1100$$^{circ}$$Cアニール後のXRD測定でも二次相の析出は認められなかったものの、SQUID測定から明瞭な磁気ヒステリシスは観測されなかった。

論文

Gasochromic properties of nanostructured tungsten oxide films prepared by sputtering deposition

高野 勝昌; 井上 愛知; 山本 春也; 杉本 雅樹; 吉川 正人; 永田 晋二*

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 46(9B), p.6315 - 6318, 2007/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:39.2(Physics, Applied)

雰囲気ガスの混合比と成膜時の温度をパラメータとした反応性スパッタリング法により酸化タングステン薄膜を作製し、X線回折測定,ラマン散乱測定及び原子間力顕微鏡による測定より膜の構造を調べた。その結果、成膜時の温度を400$$^{circ}$$C以上にすると、膜にナノサイズの結晶構造を付与できることがわかった。水素ガスに対するガスクロミック特性を調べたところ、膜の結晶サイズが大きいほど着色速度が速いことがわかった。

論文

Development of sheet-type hydrogen sensors

高野 勝昌; 井上 愛知; 山本 春也; 杉本 雅樹; 杉山 僚; 吉川 正人

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 32(3), p.673 - 676, 2007/09

水素の吸着により黄色から青へ変色する酸化タングステン薄膜を、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリ塩化ビニリデン等の安価な不定形基材表面に、スパッタリング法により堆積させ作製することに成功した。性能評価を行った結果、数分で濃度1%の水素に対して変色し、目視による検知が可能であることがわかった。爆発下限濃度が空気雰囲気中で4%の水素を安全に取り扱うには、その漏洩を速やかに検知する技術の開発が欠かせない。本シートは次世代のクリーンエネルギー源である水素の漏洩を簡便に確認できる安価な検知シートとして役立つと考えられる。

論文

Hydrogen bubble formation in H-implanted ZnO studied using a slow positron beam

Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 山本 春也; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*

JAERI-Review 2004-025, TIARA Annual Report 2003, p.193 - 195, 2004/11

20-80keVの水素イオンを、4.4$$times$$10$$^{15}$$cm$$^{-2}$$の線量までZnOの単結晶中に注入した。低速陽電子ビームを用いた消滅測定により、注入後、水素不純物で満たされた空孔が導入されることを明らかにした。アニール後、空孔を満たしたこれらの水素は大きい水素バブルに発展する。500-700$$^{circ}$$Cのアニール温度で、これらの水素不純物はバブルから放出され、空のマイクロボイドが残る。これらのマイクロボイドは、1100$$^{circ}$$Cで最終的に消失する。ZnOにおける水素注入の光ルミネッセンスへの効果も議論する予定である。

論文

Evolution of voids in Al$$^+$$-implanted ZnO probed by a slow positron beam

Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 山本 春也; 河裾 厚男; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*

Physical Review B, 69(3), p.035210_1 - 035210_10, 2004/01

 被引用回数:91 パーセンタイル:93.47(Materials Science, Multidisciplinary)

低速陽電子ビームによりアルミニウムイオン注入後の酸化亜鉛欠陥の生成とそのアニール過程を調べた。アルミニウムイオン注入後には、原子空孔型欠陥が生成していることが見いだされた。注入量を10$$^{14}$$Al$$^+$$/cm$$^2$$まで増加させることで注入層が非晶質化することが見いだされた。600$$^{circ}$$Cまでの熱処理によってポジトロニウムの形成が見られ、これよりボイドが生成していることが確認された。600$$^{circ}$$C以上のアニールによって再結晶化に伴いボイドが消失することがわかった。また、注入されたアルミニウムイオンがほぼ完全に電気的に活性になりn型伝導に寄与し、結晶性が注入前に比べて改善されることが見いだされた。

論文

Study of ion beam induced defects in ZnO by using slow positron beam

Chen, Z. Q.; 前川 雅樹; 山本 春也; 関口 隆史*; 河裾 厚男

JAERI-Review 2003-033, TIARA Annual Report 2002, p.209 - 211, 2003/11

無添加酸化亜鉛(ZnO)に対して、アルミ及び窒素イオンの個別イオン注入とアルミ窒素の共注入を行い、表層に生成する注入欠陥の回復過程を低エネルギー陽電子ビームによって調べた。アルミイオン注入後の空孔型欠陥は、二段階のアニールで消失することが見いだされた。第一段階では寸法の大きな原子空孔集合体が形成されるが、第二段階でそれらは完全に除去される。このことから注入層は非晶質化していると考えられる。一方、窒素イオン注入と共注入した場合では、アルミイオン注入では見られない高温の回復段階が見いだされた。これは、窒素と原子空孔の相互作用によるものと考えられる。ホール測定の結果、注入されたアルミイオンは、ほぼ全量が電気的に活性な状態にあることがわかったが、窒素イオン注入または共注入の場合には電気的活性化が抑制されることが明らかになった。

論文

Postgrowth annealing on defects in ZnO studied by positron annihilation, X-ray diffraction, rutherford backscattering, cathodoluminescence and hall measurements

Chen, Z. Q.; 山本 春也; 前川 雅樹; 河裾 厚男; Yuan, X. L.*; 関口 隆史*

Journal of Applied Physics, 94(8), p.4807 - 4812, 2003/10

 被引用回数:168 パーセンタイル:96.67(Physics, Applied)

水熱法によって育成された酸化亜鉛の格子欠陥の熱的性質を陽電子消滅,X線回折,ラザフォード後方散乱,カソードルミネッセンス及びホール測定を用いて研究した。陽電子寿命測定により育成直後には亜鉛原子空孔が存在していることが明らかになった。陽電子寿命のアニール挙動から亜鉛亜鉛原子空孔は、600$$^{circ}$$Cの熱処理によって消失することがわかった。X線回折ピーク幅及びラザフォード後方散乱収率も同様に低下することが知られた。1000$$^{circ}$$C以上の熱処理によって陽電子寿命が増加することがわかり、これより亜鉛原子空孔が形成することが示された。しかしながら、X線回折ピーク幅は1000$$^{circ}$$Cの熱処理後もさらに狭くなり、結晶性の向上を示した。自由電子密度は、1200$$^{circ}$$C迄の熱処理で連続的に増加した。この結果は、アクセプターとして作用する亜鉛原子空孔よりも余計にドナーが生成することを示している。カソードルミネッセンス測定の結果、紫外発光強度が熱処理温度とともに増加することがわかった。以上のように、酸化亜鉛の結晶性は600$$^{circ}$$Cから1200$$^{circ}$$Cの育成後熱処理により向上することを判明した。陽電子消滅の結果は、亜鉛原子空孔の消失が、初期の結晶性向上に寄与していることを示している。

論文

Fluorine-doping in titanium dioxide by ion implantation technique

八巻 徹也; 梅林 励; 住田 泰史*; 山本 春也; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 伊藤 久義

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.254 - 258, 2003/05

 被引用回数:136 パーセンタイル:98.91(Instruments & Instrumentation)

二酸化チタン(TiO$$_{2}$$)単結晶に1$$times$$10$$^{16}$$から1$$times$$10$$^{17}$$ions cm$$^{-2}$$の200eV F$$^{+}$$を注入し、1200$$^{circ}C$$までの等時アニールを各ステップ5時間ずつ行った。アニールに伴う照射損傷の回復過程については、ラザフォード後方散乱/チャネリング解析とエネルギー可変ビームを用いた陽電子消滅測定で調べた。1200$$^{circ}C$$でアニールすると、空孔型欠陥の外方拡散によって結晶性が完全に回復した。二次イオン質量分析によれば、本試料は深部から表面へ向かって増大するような不純物濃度プロファイルを有していた。密度汎関数理論に基づいたバンド構造計算を行った結果、FドープはTiO$$_{2}$$の伝導帯の下端付近にわずかな変化を及ぼし、これによりバンドギャップ制御が可能であることを明らかにした。

報告書

Am含有燃料照射試験(B8-HAM)のAm再分布挙動

久田 雅樹; 小山 真一; 山本 一也

JNC TN9430 2000-002, 58 Pages, 2000/06

JNC-TN9430-2000-002.pdf:4.99MB

核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)における先進的核燃料リサイクル技術開発の一環として、照射燃料試験室(AGS)では、マイナーアクチニド(MA)の一つであるAmを添加したMOX燃料試料の作製試験技術開発を進めている。この照射試験の実施に当たっては、Amの添加がMOX燃料の融点や熱伝導率などの熱物性に与える影響を把握することが、燃料設計や照射挙動評価の際に重要となる。また、製造時には均一であったMOXペレット中のAmが照射により濃度分布が生じ、これが熱物性に影響を与える可能性がある。試験に供した燃料要素は、保管中の241乗Puの壊変により約1wt%Amを含有するに至ったMOX燃料ぺレットを充填し、高速実験炉「常陽」で最大燃焼度26.2GWd/tまで照射したものである。この照射済試料に対して、遮蔽型EPMA(SXMA)を用いて試料横断面の元素分布を測定し、Am濃度分布の変化挙動(再分布挙動)を調べた。その結果、燃料カラム中央部から採取した試料では、ペレット中心部におけるAm濃度はペレット平均値に対して約20%上昇しており、Puの再分布によるPuの濃度上昇と比較すると低い傾向を示した。また、Am濃度の上昇は、線出力の高い燃料カラム中央部から採取した試料でのみ明確に観察されたことから、Amの再分布はPuと同様に、線出力に対する依存性が強いことが示唆された。

報告書

照射燃料試験室技術検討会報告書

今野 廣一; 山本 一也; 小又 智; 久田 雅樹; 廣沢 孝志; 望月 信一; 三治 優子

PNC TN9440 97-006, 335 Pages, 1997/06

PNC-TN9440-97-006.pdf:11.87MB

平成6年10月よりAGS技術検討会を開始し、平成8年度から若手研究者の育成を基本として、第3週の金曜日の午後に開催するように定例化し室員の全員参加を基本として運営してきた。これまでに開催された討議、報告および検討した内容は、1MA含有燃料作製設備の整備、マニプレータ補修等の業務内容報告および高燃焼度燃料内の固体FPの挙動評価試験研究成果の中間報告である。2融点測定装置の評価手法、セル、グローブボックス等の漏洩率検出法、高温測定系の取扱い、AGFの遮蔽性能等の調査・検討報告。3照射効果、燃料中のFP挙動、炉事故下の燃料挙動、高燃焼度での燃料のモデリング等の海外文献の抄訳。4測定誤差評価についての講義。5測定誤差の統計解析の翻訳紹介。である。本報告書は、この技術検討会に提出された資料をまとめたものである。

口頭

Photoemission studies on heavy fermion superconductors

藤森 伸一; 斎藤 祐児; 岡根 哲夫; 山上 浩志; 藤森 淳*; 島田 賢也*; 生天目 博文*; 谷口 雅樹*; 青木 大*; 池田 修悟*; et al.

no journal, , 

SPring-8 BL23SU及びHiSOR BL1を用いることにより、重い電子系UPd$$_2$$Al$$_3$$及びCeIrIn$$_5$$に対する角度分解光電子分光実験を行い、それぞれのバンド構造の導出を行った。両者はともに重い電子系超伝導体であるが、f電子はUPd$$_2$$Al$$_3$$においては比較的遍歴的、CeIrIn$$_5$$においては比較的局在的であることが明らかになった。これらの化合物における$$f$$電子状態と超伝導の関係に関して議論を行う。

口頭

SiC-based membrane for gas separation by EB curing of precursor polymers

Wach, R. A.; 杉本 雅樹; 高野 勝昌; 山本 春也; 吉川 正人

no journal, , 

耐蝕性,耐熱性に優れたSiCセラミック薄膜を、ポリカルボシラン(PCS)にポリビニルシラン(PVS)を20mass%混合した混合高分子材料を出発物質として、多孔質アルミナ基板上に作製した後、そのガス透過性を調べた。その結果PVSの混合により塑性が増大し成膜性が向上すること、また電子線により酸化されやすくなるため薄膜中の酸素濃度が増大することが明らかになった。この混合高分子材料から合成されたSiC薄膜の室温での水素透過率は10$$^{-10}$$mol/(sec$$times$$m$$^{2}$$$$times$$Pa)台、分離比は10以上を示しており、原子ネットワークが形成するナノホールによる分子ふるいで水素が分離されていることが確認できた。

口頭

イオンビーム照射による酸化タングステン薄膜のガスクロミック特性の研究

高野 勝昌; 井上 愛知; 山本 春也; 杉本 雅樹; 宮下 敦巳; 吉川 正人; 杉山 僚; 永田 晋二*

no journal, , 

本研究では、酸化タングステン(WO$$_{3}$$)薄膜の着色速度の低さを、イオンビームを用いて改善することを目的として、入射エネルギー350keVの$$^{4}$$He$$^{+}$$をWO$$_{3}$$薄膜に照射した。Heイオンを1$$times$$10$$^{17}$$ions/sm$$^{2}$$照射した結果、照射前に比べ膜中の酸素が20%欠損し、着色速度が7.5倍上昇しただけでなく、照射前後で単斜晶(100)面の格子定数が2%増加していることがわかった。この結果から、着色速度の改善方法としてイオン照射が有効であること、酸素欠損量の増加が、結晶格子の歪を誘引し、着色速度を大幅に改善させることがわかった。

口頭

Siイオンを注入した石英板からの青色発光帯の観測と発光強度のアニール温度依存性

三浦 健太*; 種村 豪*; 花泉 修*; 山本 春也; 高野 勝昌; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

溶融石英板にSiイオンを注入し、その後アニール処理を行うことでSiナノ結晶を作製した。Siイオンの注入実験は、イオン照射研究施設(TIARA)にて行った。Siイオン照射条件は、エネルギー80keV,照射量1$$times$$10$$^{17}$$ions/cm$$^{2}$$とし、室温で照射した。イオン注入後のアニール処理は、群馬大学内の電気炉により空気中で25分間行った。アニール温度は、1100$$^{circ}$$C, 1150$$^{circ}$$C, 1200$$^{circ}$$Cの3種類とした。これらの試料をHe-Cdレーザ(波長325nm)にて励起し、室温におけるPLスペクトルを測定したところ、すべての試料において、波長400nm付近をピークとする青色発光スペクトルが観測された。今回作製した試料においてはアニール温度1200$$^{circ}$$Cでピーク強度が最大になり、その強度は、アニール温度1100$$^{circ}$$Cの試料でのみ観測される長波長側のピークに対し、約4.2倍であった。この発光は、Siナノクリスタルと溶融石英基板界面の遷移層からの発光であると考えられた。

口頭

Observation of blue light emission from Si ion implanted fused silica substrates

三浦 健太*; 種村 豪*; 花泉 修*; 山本 春也; 高野 勝昌; 杉本 雅樹; 吉川 正人

no journal, , 

Siイオンを注入した石英基板は、1100$$^{circ}$$Cのアニールによって赤色から近赤外域の発光を示し、しかも100cm$$^{-1}$$という大きな光利得が観測されていることから、Si系発光デバイスへの応用が期待できる。そこで今回は、TIARA内のイオン注入装置を用い、溶融石英基板(10mm$$times$$10mm$$times$$1mmt)に室温でSiイオンの注入を行った。注入エネルギーは80keVとし、注入量は1$$times$$10$$^{17}$$ions/cm$$^{2}$$とした。注入後、同一試料をダイヤモンドワイヤーソーで4分割し、そのうち3試料を電気炉にて1100$$^{circ}$$C, 1150$$^{circ}$$C, 1200$$^{circ}$$Cで25分間のアニールを行った。波長325nmのHe-Cdレーザにて励起したところ、この3つの試料すべてから、これまで観測されていなかった青色のフォトルミネッセンスが発現することを見いだした。発光ピーク波長は400nm付近であり、アニール温度によらず、ほぼ一定であった。1150$$^{circ}$$C以上のアニールにより、アニール温度1100$$^{circ}$$Cの試料から見られる従来の長波長側の発光ピークを抑制し、青色発光ピークのみを発現させることができた。今回の実験では、このピーク強度はアニール温度1200$$^{circ}$$Cで最大となった。

口頭

酸化タングステン膜のガスクロミズムへのイオン照射効果

山本 春也; 井上 愛知; 杉本 雅樹; 高野 勝昌; 永田 晋二*; 吉川 正人

no journal, , 

水素ガスと反応することにより光学特性が変化する酸化タングステンなどのガスクロミック材料は、光の反射・吸収の変化を計測して水素を検知する光学式ガスセンサーへの利用が期待されている。本研究では、三酸化タングステン膜の結晶構造とガスクロミック特性の関係を調べる目的で、多結晶構造の三酸化タングステン膜をイオンビーム照射することにより徐々に非晶質化させ、ガスクロミック特性への影響について調べた。実験では、石英基板上にスパッター法により形成した酸化タングステン膜(厚さ: 300nm)に350keVに加速したヘリウム及び酸素を最大1$$times$$10$$^{17}$$ions/cm$$^{2}$$まで照射して試料を作製し、X線回折法より膜の結晶構造を評価するとともに濃度1%の水素に曝したときの着色性能を調べた。その結果、イオンビーム照射により膜構造の非晶質化が進むとともに、ガスクロミック特性が向上する傾向が見られた。このことからイオン照射による膜の非晶質化に伴う欠陥形成等がガスクロミック特性に影響を及ぼすと考えられた。

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