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民井 淳*; Pellegri, L.*; Sderstrm, P.-A.*; Allard, D.*; Goriely, S.*; 稲倉 恒法*; Khan, E.*; 木戸 英治*; 木村 真明*; Litvinova, E.*; et al.
European Physical Journal A, 59(9), p.208_1 - 208_21, 2023/09
被引用回数:2 パーセンタイル:64.66(Physics, Nuclear)光核反応は原子核構造の観点からも応用の観点からも重要であるにも関わらず、その反応断面積は未だに不定性が大きい。近年、超高エネルギー宇宙線の起源を探るために、鉄よりも軽い原子核の光核反応断面積を正確に知る必要が指摘されている。この状況を打破するため、原子核物理の実験、理論、宇宙物理の共同研究となるPANDORAプロジェクトが始まった。本論文はその計画の概要をまとめたものである。原子核実験ではRCNP、iThembaによる仮想光子実験とELI-NPによる実光子実験などが計画されている。原子核理論では、乱雑位相近似計算、相対論的平均場理論、反対称化分子動力学、大規模殻模型計算などが計画されている。これらで得られた信頼性の高い光核反応データベースと宇宙線伝搬コードを組み合わせ、超高エネルギー宇宙線の起源の解明に挑む。
鈴木 博人*; Zhao, G.*; 岡本 淳*; 坂本 祥哉*; Chen, Z.-Y.*; 野中 洋亮*; 芝田 悟朗; Zhao, K.*; Chen, B.*; Wu, W.-B.*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(6), p.064710_1 - 064710_5, 2022/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)The magnetic properties and the electronic excitations of the new diluted magnetic semiconductor BaK(ZnMn)As have been studied by X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) and resonant inelastic X-ray scattering (RIXS). The sum rule analysis of the XMCD spectra indicates that the Mn atoms are in the high-spin configurations of , whereas the presence of competing ferromagnetic and antiferromagnetic interactions between the Mn ions reduces the net spin moment. Based on a comparison of the RIXS line shapes with those of GaMnAs, it is concluded that the ground state of Mn in BaK(ZnMn)As consists of both the and electron configurations.
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:44 パーセンタイル:97.1(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 廣野 和也*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2018-007, 87 Pages, 2018/11
本研究は、資源エネルギー庁の「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」における、高レベル放射性廃液の充填率を高められる原料ガラス組成の開発として実施した。候補組成であるバナジウム(V)添加ガラス原料カレットへ模擬高レベル放射性廃液を混合溶融して作製した模擬廃棄物ガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AES分析, ラマン分光測定及び放射光XAFS測定により評価を実施した。
下山 巖; 本田 充紀; 小暮 敏博*; 馬場 祐治; 平尾 法恵*; 岡本 芳浩; 矢板 毅; 鈴木 伸一
Photon Factory News, 35(1), p.17 - 22, 2017/05
福島放射性汚染土壌のCs除染と再生利用に対して提案しているセシウムフリー鉱化法(CFM)について紹介すると共に、PFのJAEA放射光ビームラインで実施している研究について報告する。本研究では風化黒雲母(WB)からのCs脱離機構を調べるため、非放射性Csを収着させたWBにNaCl-CaCl混合塩を添加し、低圧加熱処理前後での組成と構造変化を調べた。蛍光X線分析により塩無添加の場合でも700Cで約3割のCsが除去され、塩添加時はほぼ全てのCsとKが除去された。一方、Caは温度と共に増加し、700CではSiよりも多い主成分となった。さらにX線回折法、透過型電子顕微鏡による分析によりWBが普通輝石などの異なるケイ酸塩鉱物に相変化することを明らかにした。これらの結果は相変化に伴ってイオン半径の大きい1価陽イオンが排出されるメカニズムを示唆しており、我々はこれに基づいてCFMの着想に至った。また、X線吸収分光法を用いたClの化学状態分析により、塩由来のClが反応の初期段階で粘土鉱物の酸素とCl-O結合を形成しながら生成物の鉱物中に取り込まれることを明らかにした。
佐藤 猛; 武藤 重男; 秋山 聖光; 青木 一史; 岡本 明子; 川上 剛; 久米 伸英; 中西 千佳; 小家 雅博; 川又 宏之; et al.
JAEA-Review 2014-048, 69 Pages, 2015/02
日本原子力研究開発機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づき、「指定公共機関」として、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処において、原子力機構の防災業務計画及び国民保護業務計画に則り、技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には、全国を視野に入れた専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修のほか、国、地方公共団体、警察、消防、自衛隊等の原子力防災関係者のための実践的な訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施する。平成25年度においては、原子力機構の年度計画に基づき、以下の業務を推進した。(1)国, 地方公共団体等との連携を図った指定公共機関としての技術支援活動、(2)国, 地方公共団体等の原子力防災関係者の人材育成及び研修・訓練、(3)原子力防災に係る調査・研究の実施及び情報発信、(4)国際機関と連携を図ったアジア諸国への原子力防災に係る国際貢献。また、指定公共機関としてこれまでに培った経験及び福島事故への初動時からの対応等を活かし、国レベルでの防災対応基盤の強化に向け、専門家として技術的な支援を行うとともに、支援・研修センターの機能の維持・運営及び国との連携を図った自らの対応能力強化などに重点的に取り組んだ。
佐藤 猛; 武藤 重男; 奥野 浩; 片桐 裕実; 秋山 聖光; 岡本 明子; 小家 雅博; 池田 武司; 根本内 利正; 斉藤 徹; et al.
JAEA-Review 2013-046, 65 Pages, 2014/02
原子力機構は、指定公共機関として、国及び地方公共団体その他の機関に対し、災害対策又は武力攻撃事態等への対処において、防災業務計画及び国民保護業務計画に則り、技術支援をする責務を有している。原子力緊急時支援・研修センターは、緊急時には、専門家の派遣、防災資機材の提供、防護対策のための技術的助言等の支援活動を行う。また、平常時には、我が国の防災対応体制強化・充実のために、自らの訓練・研修の他、国、地方公共団体、警察、消防、自衛隊等の原子力防災関係者のための訓練・研修、原子力防災に関する調査研究及び国際協力を実施する。平成24年度においては、上記業務を継続して実施するとともに、国の原子力防災体制の抜本的見直しに対し、これまでに培った経験及び東京電力福島第一原子力発電所事故への対応を通じた教訓等を活かし、国レベルでの防災対応基盤の強化に向け、専門家として技術的な支援を行うとともに、当センターの機能の維持・運営及び国との連携を図った自らの対応能力強化などに取り組んだ。なお、福島事故への対応については、人的・技術的な支援活動の主たる拠点が福島技術本部に移行することとなったため、平成24年9月をもって終了した。
榊 泰直; 西内 満美子; 前田 祥太; 匂坂 明人; Pirozhkov, A. S.; Pikuz, T.; Faenov, A.*; 小倉 浩一; 深見 智代; 松川 兼也*; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02A705_1 - 02A705_4, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:11.15(Instruments & Instrumentation)高強度レーザーとプラズマの相互作用によるイオン発生において、電子特性の計測は不可欠である。そのため、様々な計測手法が提案されているが、今回我々は、光核中性子反応による中性子を計測することで、精度よく電子特性の計測を行う新規性の高い手法を提案する。この手法は、イオン加速エネルギー計測と共にピークパワー110W/cmのJ-KARENレーザーによって実証された。イオン加速エネルギーと本手法による計測結果は極めて相関をもつことがわかり、改良を重ねて行けば非常に良い計測器になり得ることがわかった。
Ye, M.*; 黒田 健太*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 岡本 和晃*; Zhu, S.-Y.*; 白井 開渡*; 宮本 幸治*; 有田 将司*; 仲武 昌史*; et al.
Journal of Physics; Condensed Matter, 25(23), p.232201_1 - 232201_5, 2013/06
被引用回数:12 パーセンタイル:48.62(Physics, Condensed Matter)トポロジカル絶縁体に磁性元素を入れると絶縁体表面に対して垂直方向に強磁性が発現するという理論研究があり、その実現は新しいスピントロにクス技術への足がかりになるものと期待されている。本研究では、トポロジカル絶縁体BiSeの表面にFeを蒸着し、その磁性をFe L吸収端における軟X線磁気円二色性で、電子状態を角度分解光電子分光を用いて調べた。磁気円二色性実験ではFeの膜厚依存性、試料表面に対する角度依存性測定も行った。その結果、いずれのFe膜厚(0.013-0.9ML)においても強磁性発現は確認できなかったものの、試料表面に垂直方向に磁気モーメントが向く強い磁気異方性を持った常磁性状態が確認された。また軌道磁気モーメントがFe膜厚の小さい試料において増大し、スピン磁気モーメントと軌道磁気モーメントの比率が強い膜厚依存性を示すこともわかった。この結果はトポロジカル絶縁体に対する磁性元素の量を調節することにより、磁性及び量子輸送現象を制御できる可能性を示すものである。
Ye. M.*; Eremeev, S. V.*; 黒田 健太*; Krasovskii, E. E.*; Chulkov, E. V.*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; 岡本 和晃*; Zhu, S. Y.*; 宮本 幸治*; et al.
Physical Review B, 85(20), p.205317_1 - 205317_5, 2012/05
被引用回数:62 パーセンタイル:89.57(Materials Science, Multidisciplinary)トポロジカル絶縁体BiSeの表面にコバルトを蒸着した系に対して、コバルトの物性に注目して、トンネル分光,角度分解光電子分光,磁気円二色性及び理論計算を組合せて得られた研究成果である。原子力機構としての貢献は、磁気円二色性を用いてコバルトの磁性を調べた部分である。トポロジカル絶縁体表面では磁性元素が強磁性を示すという理論的予想があるが、今回の実験では、BiSeとコバルトとの組合せでは強磁性を示さないという実験的証拠を示すことができた。
細井 卓治*; 朽木 克博*; 岡本 学*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 志村 考功*; 渡部 平司*
Japanese Journal of Applied Physics, 50(10), p.10PE03_1 - 10PE03_5, 2011/10
被引用回数:11 パーセンタイル:43.84(Physics, Applied)Chemical bonding states and energy band alignment of pure germanium nitride (GeN) formed on a Ge(100) substrate were characterized by synchrotron radiation photoemission spectroscopy (SR-PES). The core-level shift of 2.31 eV originating from Ge-N bonds (Ge) with respect to the bulk Ge 3d peak (Ge) was determined. In situ SR-PES study on changes in Ge 3d, N 1s, and O 1s core-level spectra during thermal annealing revealed that oxidized surface layer on GeN could be selectively removed at around 773 K, which was 50 deg lower than the decomposition temperature of GeN. The GeN energy bandgap of 3.68 eV was experimentally determined. The valence band offset at a GeN/Ge(100) interface was also estimated to be 1.65 eV, and thus, the energy band alignment between GeN dielectrics and Ge substrate was determined.
利根川 孝*; 岡本 清美*; 中野 博生*; 坂井 徹; 野村 清英*; 鏑木 誠*
Journal of the Physical Society of Japan, 80(4), p.043001_1 - 043001_4, 2011/04
被引用回数:37 パーセンタイル:82.26(Physics, Multidisciplinary)おもに数値計算の手法により、オンサイト異方性とタイプの異方性を持つ=2量子スピン鎖の基底状態相図を調べた。その結果、よく知られたハルデン相とラージ相の間に新しい中間相があることがわかった。レベルスペクトロスコピー法により精度の高い相図を示す。
細井 卓治*; 岡本 学*; 朽木 克博*; 景井 悠介*; Harries, J.; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 志村 考功*; 渡部 平司*
応用物理学会薄膜・表面物理分科会/シリコンテクノロジー分科会共催特別研究会研究報告, p.145 - 148, 2010/01
われわれはリーク電流を減少させて優れた界面特性を持った高品質のhigh-/Geゲートスタックを開発した。この製作にはGe基板上への直接ZrOデポジションとその加熱酸化が行われた。放射光光電子分光によると、ZrO/Ge構造の823Kでの熱酸化はZrOとGeの相互拡散がかりでなく、GeO界面層の生成をもたらした。等価酸化膜厚(EOT)は1.9nmで、界面準位密度はAu/ZrO/Geキャパシタで10cmeVと小さかった。さらに、Zr0層上にA10を形成するとさらにEOTを小さくできることを見いだした。界面準位密度はAlO/ZrO/Geの30分の加熱で5.310cmeVであった。10分加熱では1.6nmまでEOTを低減できた。その場合のリーク電流は従来のpoly-Si/SiO/Siスタックに比べて二桁低い。
呉田 昌俊; 熊田 博明; 久米 悦雄; 染矢 聡*; 岡本 孝司*
Proceedings of 3rd International Workshop on Process Tomography (IWPT-3) (CD-ROM), 8 Pages, 2009/04
本報は、FBR炉心を模擬した発熱試験体内を流れる液体金属流の速度及び軌跡を3次元の時間変化として計測し、数値解析コードの検証に役立てることを最終目標として開発を進めている新しい中性子を用いた多次元速度計測技術に関する報告であり、特に大規模な複数の動画データから3次元で動くトレーサの速度と軌跡を解析するデータ処理手法に関して報告する。本技術開発では、独自開発したソフトウェア内に多くの画像処理手法やCT再構成手法、そして速度・軌跡解析手法を研究開発して組み込むことにより、基礎試験体中のトレーサの速度と軌跡を解析可能とした。
呉田 昌俊; 熊田 博明*; 久米 悦雄; 染矢 聡*; 岡本 孝司*
Journal of Physics; Conference Series, 147, p.012087_1 - 012087_14, 2009/03
本報は、FBR炉心を模擬した発熱試験体内を流れる液体金属流の速度及び軌跡を3次元の時間変化として計測し、数値解析コードの検証に役立てることを最終目標として開発を進めている新しい中性子を用いた多次元速度計測技術に関する報告である。高速度撮像中性子ラジオグラフィ,コンピュータ断層撮影技術(CT),粒子追跡技術を組合せた計測システムをモンテカルロ解析により設計・構築し、研究用原子炉JRR-4に装置を設置して技術実証試験を実施した。本試験の結果、125Hzと250Hzの記録速度で3次元で動くトレーサの速度と軌跡の時間変化を計測できる見通しが得られた。
呉田 昌俊; 熊田 博明; 久米 悦雄; 染矢 聡*; 岡本 孝司*
Proceedings of 6th International Symposium on Measurement Techniques for Multiphase Flows (ISMTMF 2008) (USB Flash Drive), 14 Pages, 2008/12
本報は、FBR炉心を模擬した発熱試験体内を流れる液体金属流の速度及び軌跡を3次元の時間変化として計測し、数値解析コードの検証に役立てることを最終目標として開発を進めている新しい中性子を用いた多次元速度計測技術に関する報告である。高速度撮像中性子ラジオグラフィ,コンピュータ断層撮影技術(CT),粒子追跡技術を組合せた計測システムをモンテカルロ解析により設計・構築し、研究用原子炉JRR-4に装置を設置して技術実証試験を実施した。本試験の結果、125Hzと250Hzの記録速度で3次元で動くトレーサの速度と軌跡の時間変化を計測できる見通しが得られた。
岡本 崇*; 鶴見 誠二*; 柴崎 杏平*; 尾花 佳美*; 高地 博寛*; 大野 豊; Rahman, A.*
Plant Physiology, 146(4), p.1651 - 1662, 2008/04
被引用回数:50 パーセンタイル:77.16(Plant Sciences)機械的な刺激を与えるために透析膜でカバーした培地上で育成したシロイヌナズナの根は、エチレン反応に特徴的な形態を示した。この形態について詳しく調べたところ、エチレンの生産性ではなくエチレンの情報伝達がエチレン応答の増強に重要な役割を担っていることがわかった。さらに、エチレン反応の増加は、根におけるオーキシン応答にも影響を与えていることを明らかにした。以上の結果は、機械的刺激による根の生長変化におけるエチレンの役割について新たな知見を与えるものである。
岡根 哲夫; 藤森 伸一; 間宮 一敏; 岡本 淳; 村松 康司; 藤森 淳; 鈴木 博之*; 松本 武彦*; 古林 孝夫*; 磯部 雅朗*; et al.
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276(Suppl.), p.e297 - e298, 2004/05
被引用回数:5 パーセンタイル:29.73(Materials Science, Multidisciplinary)金属-絶縁体転移を示すスピネル・カルコゲナイドCuIrSの温度に依存した電子状態の変化を高分解能軟X線光電子分光により実験的に調べた。試料温度が転移温度以下になると、フェルミ準位近傍でギャップの形成が見られる一方、価電子帯全体の構造も高エネルギー側にシフトしていることが明らかになった。またIr 4内殻準位の光電子スペクトルの形状は転移温度の上と下で非常に顕著な形状変化を示した。このことは金属-絶縁体転移に伴うIr 5電子状態の変化に対応したものと考えられる。
藤森 伸一; 井野 明洋; 岡根 哲夫; 藤森 淳; 岡田 耕三*; 真鍋 敏夫*; 山下 正廣*; 岸田 英夫*; 岡本 博*
Physical Review Letters, 88(24), p.247601_1 - 247601_4, 2002/06
被引用回数:13 パーセンタイル:60.57(Physics, Multidisciplinary)巨大非線形光学効果を示す一次元電子系[Ni(chxn)Br]Brに対する、角度分解光電子分光実験の結果について報告する。光電子スペクトルでは、約500meVの分散を持つバンドがBrillouin zone前半に存在するが、付近で消失するのが観測された。同様の一次元電子系であるSrCuOなどで観測されている、スピン・電荷分離に伴う二つの分散は観測されなかった。これらのスペクトルを- chainモデルによって解析を行い、Cu-O系に用いられるパラメータよりも、電荷移動エネルギーを減少させることによって以上の特徴が説明できることを明らかにした。光電子スペクトルにおける明確なスピン・電荷分離の不在と、巨大非線形光学効果は、この小さな電荷移動エネルギーが原因であると考えられる。
藤森 伸一; 井野 明洋; 岡根 哲夫; 藤森 淳; 岡田 耕三*; 真鍋 敏夫*; 山下 正廣*; 岸田 秀夫*; 岡本 博*
Surface Review and Letters, 9(2), p.1065 - 1069, 2002/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)強相関一次元電子系の性質を調べるため、擬一元ハロゲン架橋化合物[Ni(chxn)Br]Brに対して角度分解光電子分光実験を行った。その結果、強相関一次元電子系で特徴的なスピン・電荷の自由度の分離に起因するスピノンとホロンによる二つのバンドは観測されず、Brillouin zoneの前半半分に一本のバンドのみが観測された。これらの結果は、スピノン・ホロンの二つの分散が観測されている他の強相関一次元電子系SrCuOなどの結果と異なっている。これらの結果について理論計算との比較を行い、[Ni(chxn)Br]Brの電子状態が、他の強相関一次元電子系とどのように異なっているかについての考察を行った。