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田中 康介; 佐藤 勇*; 大西 貴士; 石川 高史; 廣沢 孝志; 勝山 幸三; 清野 裕; 大野 修司; 浜田 広次; 所 大志郎*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 536, p.152119_1 - 152119_8, 2020/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)照射済高速炉MOX燃料の加熱試験(2773K, 2973K及び3173K)により放出したFP等が沈着したサンプリングパーツにおける核種分析結果に基づき、高速炉MOX燃料からのFP等の放出挙動を評価した。その結果、FP核種の放出速度は、従来の軽水炉燃料で得られている知見と同等または低い値となる傾向を示した。また、燃料組成については、先行研究結果で得られた軽水炉燃料におけるデータのばらつきの範囲内にあることがわかった。
内堀 昭寛; 柳沢 秀樹*; 高田 孝; 栗原 成計; 浜田 広次; 大島 宏之
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(2), p.201 - 209, 2019/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器において、伝熱管破損時のナトリウム-水反応現象の影響による破損伝播の発生有無を評価することが重要な課題となっている。本研究では、既存の伝熱管破損伝播解析コードにおいて高温ラプチャ型破損伝播を評価対象に含めるため、これに対応する解析手法を開発した。液体ナトリウム中水蒸気噴出試験を解析し、同解析手法の適用性を確認した。
内堀 昭寛; 柳沢 秀樹*; 高田 孝; 栗原 成計; 浜田 広次; 大島 宏之
JAEA-Research 2017-007, 61 Pages, 2017/07
ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器に対する安全評価では、伝熱管破損時のナトリウム-水反応現象の影響による破損伝播の発生有無と水リーク率を評価することが必要である。既往研究において、ウェステージ型破損伝播を伴う長時間事象進展解析コードLEAP-IIが開発されたが、将来炉の新型SGでは水・蒸気系の高温・高圧化が指向されていることから、高温ラプチャ型破損伝播も評価対象に含めることが重要な課題となっている。そこで、本研究では高温ラプチャの発生有無を評価する解析モデルを構築し、LEAP-IIコードへ導入した。本解析モデル導入後の解析コードをLEAP-IIIとした。本解析モデルの機能確認として、伝熱管群の存在する体系におけるナトリウム-水反応試験を対象とした解析を実施した。本解析では水リーク管周辺における模擬伝熱管で高温ラプチャが発生する結果が得られ、解析モデルが正しく機能し、なおかつ保守的な評価結果を与えることを確認した。
河口 宗道; 浜田 広次
Journal of Nuclear Science and Technology, 51(2), p.201 - 207, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.44(Nuclear Science & Technology)ナトリウム中目視検査の実用化のためにナトリウム濡れ性の振る舞いについて研究した。ナトリウム濡れ性のシミュレーションのために、液体ナトリウムによる金属メッキに対する非反応性濡れ及び反応性濡れのモデル化を行った。非反応性濡れのシミュレーション結果はタナー則とよく一致した。また、反応性濡れのシミュレーションについては、非反応性濡れのモデルに界面反応により誘起される流速をモデル化した。反応性濡れのシミュレーション結果は、先行薄膜や液滴中央部の振る舞いについて250Cの薄い金メッキを使ったナトリウム濡れ性の実験とよく一致しており、反応性濡れのシミュレーションでは、反応エネルギーの勾配は3重点近傍の新しい界面で現れ、流速が誘起されることが重要であることがわかった。
内堀 昭寛; 菊地 晋; 栗原 成計; 浜田 広次; 大島 宏之
日本機械学会論文集,B, 79(808), p.2635 - 2639, 2013/12
高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時事象に対し、複数の数値解析コードから構成されるマルチフィジックス解析評価システムを開発している。本件では、システムの構成要素の一つであるSERAPHIMコードの液滴エントレインメント・輸送モデル、及び、TACTコードの流体-構造熱的連成解析モデル、破損判定モデルの基本検証解析を実施した。液滴エントレインメント・輸送モデルの検証では、液滴発生時の圧力変動に関する実験データの再現性を確認した。流体-構造熱的連成解析モデルの検証では、円筒を過ぎる流れの問題において円筒表面の温度分布を概ね良好に再現できることを確認した。また、内圧の負荷された伝熱管が急速加熱された場合に生じる破裂発生時刻を、破損判定モデルにより高い精度で予測できた。それぞれのモデルの妥当性を確認し、本解析評価システムにより伝熱管破損時事象を評価できる見通しを得た。
内堀 昭寛; 菊地 晋; 栗原 成計; 浜田 広次; 大島 宏之
Proceedings of 21st International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-21) (DVD-ROM), 6 Pages, 2013/07
高速炉蒸気発生器の伝熱管破損時事象を評価するため、機構論に基づくマルチフィジックス評価システムを開発した。本システムは、ナトリウム側の反応ジェット挙動及びウェステージ環境を評価するSERAPHIMコード、流体から伝熱管への熱移行と伝熱管構造部の温度・応力評価及び破損判定を行うTACTコード、伝熱管内水流動を評価するRELAP5コードから構成される。SERAPHIMコードについては、ウェステージ環境評価モデルとして酸化ナトリウム生成・輸送モデルを構築した。TACTコードについては、伝熱管構造部の温度・応力解析モデル、流体-構造熱的連成解析モデル、ウェステージモデル、破損判定モデルを構築した。RELAP5コードについては、実機SGにおける伝熱管急速加熱条件に対して伝熱相関式を改良し、高温ラプチャ評価上の過度な保守性を排除した。以上により、隣接伝熱管の周囲に形成されるウェステージ環境や、伝熱管への熱移行並びに破損伝播発生の有無を評価可能とした。
吉川 龍志; 浜田 広次; 大島 宏之; 柳沢 秀樹*
JAEA-Research 2008-058, 29 Pages, 2008/06
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉実用化に向けて、直管型2重伝熱管を用いた大型ナトリウム炉の蒸気発生器に対する研究開発を行っている。その一環として、蒸気発生器水側の流動安定性を実験的及び解析的に評価している。この報告書では、蒸気発生器水側の流動安定性を対象とした数値解析手法を検討した。数値解析では、均質流モデルを用いて単一伝熱管流動不安定性解析コードを作成した。密度波不安定流動に対する出入口圧力,熱流束を境界条件として与えて、入口流量を計算するアルゴリズムを確立した結果、均質流モデルで単一伝熱管流動不安定性を解析できることを確認した。精度向上のため、基礎式にサブクール沸騰及び二相流スリップ効果を取り込むことができるドリフトフラックスモデルを検討し、ドリフトフラックスモデルによる単一伝熱管流動不安定性解析コードを作成した。そして密度波不安定流動に対する境界条件及び解析アルゴリズムを利用して、ドリフトフラックスモデルでの不安定性解析機能を確認した。
吉川 龍志; 大島 宏之; 浜田 広次; 栗原 成計; 内堀 昭寛
JAEA-Research 2008-055, 24 Pages, 2008/06
ナトリウム-水反応の影響を解析的に評価するために、現在日本原子力研究開発機構では、開発した多成分・多相流解析コードSERAPHIMを用いてナトリウム-水反応現象の伝熱流動研究を行っている。ナトリウム-水反応現象の詳細を把握するためには、ナトリウムと水蒸気の混合過程や発生した気体のボイド率分布等、ガスジェットの挙動に関する知見を得る必要がある。特にナトリウム-水反応を正確に解析するために、水蒸気中にナトリウム液滴の界面積濃度モデルを確立する必要がある。この報告書では、ナトリウムと水蒸気の混合過程を対象としたガスジェットの挙動に関する理論的分析及び解析モデルを検討した。理論的分析では、既存のジェット流に対する臨界流量,減圧膨張過程及びエントレインメントの評価方法を検討した。17MPa、サブクール水条件下の圧縮性の影響の検討から、臨界流量公式の適用性を確認した。蒸気ジェットにエントレインされた液滴の微粒化に関する既存の理論及び実験成果に基づいて、多相流解析に適用するナトリウム液滴の界面積濃度輸送方程式を構築した。
吉川 龍志; 浜田 広次; 大島 宏之; 柳沢 秀樹*
第13回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.495 - 496, 2008/06
高速増殖炉の蒸気発生器における詳細な熱流動現象を評価することを目的として、数値解析コードを整備している。その一環として、サブクール沸騰及び二相流スリップ効果を取り込んだドリフトフラックスモデルを用いて、蒸気発生器水側の不安定挙動解析に適用可能な手法を開発した。また、密度波不安定流動に適用する解析アルゴリズムを検討した結果、複雑な行列計算の必要がない、大きい時間ステップが可能である数値方法を考案した。サブクール沸騰モデルについては、定常流動のボイド率分布の計算によりその機能を検証した。さらに、出入口圧力,熱流束を境界条件として与えて、入口流量を計算する流動不安定性解析により、非定常流動の解析機能を確認した。
清野 裕; 實 晃司*; 栗原 成計; 小野 功*; 浜田 広次
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13), 0 Pages, 2005/05
ナトリウム-水反応評価手法高度化の一環として開発しているブローダウン解析コードLEAP-BLOW及びナトリウム-水反応ジェット解析コードLEAP-JETについて検証解析を実施した。その結果、一部定量評価に課題があるものの、概ね妥当な結果を得ることができた。
豊原 大輔*; 大野 修司; 松木 卓夫*; 浜田 広次; 宮原 信哉
JNC TN9520 2004-004, 151 Pages, 2005/01
高速炉の燃料破損時に冷却材ナトリウム中に放出され、カバーガス空間へ移行する核分裂生成物(FP)の種類と量すなわち炉内ソースタームを機構論的に評価するための解析コードとして、TRACER(Transport phenomena of Radio-nuclides for Accident Consequence Evaluation of Reactor)を開発している。 TRACER Version 2.3では、TRACER Version 2.0に対して以下に示すモデル追加・修正を行った。 a) 燃料からのFP放出モデルにBoothモデルを追加 b) 放出FPの気泡及び冷却材への移行モデルを修正 c) 気泡移行挙動モデルの修正 本報告書は、TRACER Version 2.3の使用説明書として、同コードで扱われる計算モデル、インプット、アウトプットについて取りまとめたものである。
大野 修司; 西村 正弘; 浜田 広次; 宮原 信哉; 佐々 敏信*; 倉田 有司*
JNC TN9400 2004-072, 52 Pages, 2005/01
鉛ビスマス及び鉛ビスマス中の微量不純物テルルが液相から気相へ蒸発移行する挙動について基礎的な知見やデータを取得するために、それらを対象とする平衡蒸発試験を実施した。試験には、等温加熱された蒸発容器内の飽和蒸気をキャリアガスによって外部細管内に導き捕集する「トランスパイレーション法」を用いた。蒸発容器のサイズは内径8cm、長さ15cmであり、容器内の鉛ビスマスの量は約500gである。試験温度は450から750
とした。 この試験から、鉛ビスマス蒸気圧、飽和蒸気中のPb、Bi、Bi2の濃度、鉛の活量係数など、鉛ビスマスの蒸発挙動を理解するために必要で利用価値の高いデータを得ることができた。鉛ビスマスの蒸気圧はPb、Bi、Bi2の蒸気分圧の和として、550
から750
の温度範囲においてlogP[Pa]=10.2-10100/T[K]と表される。鉛ビスマス中のテルルの気液平衡分配係数は450
から750
において明確な温度依存性は持たず、その値は10
100の範囲である。
斉藤 淳一; 佐川 憲彦; 大野 修司; 浜田 広次; 宮原 信哉
JNC TN9400 2004-059, 133 Pages, 2004/09
高速炉実用化戦略調査研究(フェーズI)では、鉛ビスマスを中間熱媒体として利用する二次系簡素化概念が一つの候補として選定されている。本研究では実用化戦略調査研究(フェーズII)で鉛ビスマスのナトリウム中移行挙動を実験により明らかにすることを目的としている。液体ナトリウム中に液体鉛ビスマスを滴下する試験を試験温度と鉛ビスマス量を変えて実施した。その結果より、試験温度と鉛ビスマス滴下量がナトリウムと鉛ビスマスの反応挙動に及ぼす影響を明らかにした。試験により得られた結果を以下に示す。(1)試験温度が低い方が、ナトリウムと鉛ビスマスが反応し発熱するまでに時間を要する。このことは試験温度がナトリウムと鉛ビスマスの反応挙動に影響していることを示している。(2)鉛ビスマス滴下量はナトリウムと鉛ビスマスの反応により生成する反応生成物の量と種類に影響している。(3)ナトリウムと鉛ビスマスの反応による発熱量は、主に生成しているBiNaの生成エンタルピーから算出した生成熱とおおむね一致している。
三宅 収; 浜田 広次; 田辺 裕美; 和田 雄作; 宮川 明; 岡部 綾夫; 中井 良大; 広井 博
JNC TN2400 2003-003, 225 Pages, 2004/02
高速増殖炉の蒸気発生器における伝熱管破損事故(ナトリウム-水反応事故)の評価に関連して、事故発生時の高温ラプチャ型破損による隣接伝熱管への破損伝播の有無に係る評価手法を整備した。また、この評価手法を用いて「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管の健全性を評価した結果について整理した。
浜田 広次; 田辺 裕美
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(6), 665 Pages, 2004/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.23(Nuclear Science & Technology)中規模の水漏えいに伴うNa-水反応ジェットの影響を受けた伝熱管の高温ラプチャ解析を行い、それを実験データと比較することにより,以下の結論を得た。ガス加圧管の破損挙動は、実験条件に依存して、クリープ破損とクリープを伴う延性破損の2通りに分類できる。薄肉の伝熱管では、主に延性により数十秒以下で破損するが、厚肉の伝熱管では、クリープにより1分オーダで破損する。後者の条件では、ウェステージによる減肉が重要になる。実験と解析の破損時刻を比較すると、クリープ破損では実験より3550%、クリープを伴う延性破損では20
50%早く評価しており、解析は保守側である。クリープ破損では、時間係数を1.5
2とした場合に実験との破損時刻が良く一致し、実機評価における時間係数3に対しては、1.5
2倍の裕度がある。高温ラプチャ評価手法をNa-水反応実験に適用することで、解析モデルの保守性および妥当性を確認した。
浜田 広次; 栗原 成計
日本原子力学会和文論文誌, 3(1), p.44 - 50, 2004/00
Na-水反応ジェットの伝熱現象を検討し、実効熱率伝達率の相関式を導出した。それを実験データと比較することにより、以下を考察した。実効熱伝達率に相当する上限が存在する。Na単相流の熱伝達率は水素ガスに比べて十分大きいことから、Na温度とボイド率の関数として近似すると、熱流束および熱効熱伝達率の挙動をうまく説明できる。Na温度の上限は、圧力依存を有する沸点となる。水素ガス温度はNa温度より高くなり、その差は最大で数百度である。Naと水素ガスの温度差に起因して、みかけの実効熱伝達率は小さくなる。伝熱管の外壁面が高温の水素ガスにさらされても、熱伝性に優れるNaの冷却効果のために、外壁面温度はNa温度を上回ることはない。
浜田 広次; 栗原 成計; 西村 正弘
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-12) (CD-ROM), 0 Pages, 2004/00
Na-水反応ジェットの伝熱現象を検討して、実効熱伝達率の相関式を導出し、実験と比較することで、以下を考察した。実効熱伝達率にはNa単相流の熱伝達率に相当する上限が存在する。Na単相流の熱伝達率は水素に比べて十分大きいため、Na温度とボイド率の関数として近似すると、熱流束及び実効熱伝達率の挙動を説明できる。Na温度の上限は、圧力依存を有する沸点となる。水素はNaより温度が高くなり、その差は最大で数百である。Naと水素の温度差に起因して、みかけの実効熱伝達率は小さくなる。伝熱管が高温の水素にさらされても、伝熱性に優れるNaの冷却効果のために、外壁面温度はNa温度を上回ることはない。金相観察による温度とモデルを比較して妥当性を確認した。
斉藤 淳一; 高井 俊秀; 佐川 憲彦; 大野 修司; 浜田 広次; 宮原 信哉
JNC TN9400 2003-057, 87 Pages, 2003/06
高速炉実用化戦略調査研究(フェーズI)では、鉛ビスマスを中間熱媒体として利用する二次系簡素化概念が一つの候補として選定されている。本研究では実用化戦略調査研究(フェーズII)で鉛ビスマスのナトリウム中移行挙動を実験により明らかにすることを目的とする。二次系簡素化の成立性を評価するための基礎データを取得する。摂氏400度で液体ナトリウム中に液体の鉛ビスマスを滴下する試験を2回実施している。以下の結果が得られている。(1)L1-1試験およびL1-2試験後のICPによる分析結果から、ナトリウム中の鉛濃度はビスマス濃度よりも高くなっている。ナトリウム中の鉛の溶解量はビスマスのそれよりも多いことを示している。これらの結果は従来の溶解度の測定結果と一致する。また、残渣中にはビスマスが最も多く含まれていることがわかった。(2)ナトリウム中に鉛ビスマスが滴下するとナトリウム液温は上昇する。装置の各部の温度変化から算出した総発熱量は、L1-2試験で137kJ/mol-LBEである。これらの反応熱はリーク検出に応用できる可能性がある。(3)L1-1試験およびL1-2試験後、ナトリウム中に黒い粒状固形物(反応生成物)が観察された。サンプリングフィンガー内の反応生成物を観察した結果、反応生成物は上部で510
m程度の微細な粒状である。下部では50
100
m程度の大きさである。(4)EDXによる成分分析の結果、反応生成物の主な構成元素はナトリウムとビスマスである。XRDによりBiNa3金属間化合物の回折ピークが検出されている。主要な反応生成物はBiNa3といえる。XRDによりPb4Na15の回折ピークも検出されている。しかしながら、SEMにおいてPb4Na15は観察できていない。さらに、これらの試験および分析結果より、鉛ビスマスのナトリウム中への移行挙動モデルを提案する。
浜田 広次; 栗原 成計
日本原子力学会和文論文誌, 2(1), p.32 - 38, 2003/01
TRUST-2を用いた2.1/4Cr-1Mo鋼伝熱管の急速破損模擬実験と解析を行い,以下の結論を得た。(1)伝熱管の破損挙動は、延性破損,クリ-プ破損、クリ-プを伴う延性破損の3パタ-ンに分類できる。(2)実験と解析の破損発生時刻を比較すると、クリ-プ破損では実験より3550%、クリ-プを伴う延性破損では25
45%早く評価しており保守側である。延性破損では実験と解析の破損発生時刻は漸近するが、解析は約10%程度早く評価している。(3)延性破損では、解析は実験の破損温度を100
程度低く計算しており保守側の評価となる。(4)クリ-プ破損では、実験の破損時間と一致するのは解析の時間係数を約1.5
2とした場合であり,実機評価における時間係数3に対しては、約1.5
2倍の裕度がある。
木曽原 直之; 内田 昌人; 此村 守; 笠井 重夫; 惣万 芳人; 島川 佳郎; 堀 徹; 近澤 佳隆; 宮原 信哉; 浜田 広次; et al.
JNC TN9400 2003-002, 109 Pages, 2002/12
FBRの冷却材であるナトリウムは、伝熱性能や材料との共存性などの観点で様々な利点を有しているが、化学的に活性で水や空気と反応しやすいことや、光学的に不透明であることからNa機器の検査が困難であるなどNa固有の課題がある。この様なNaの欠点は実用化プラントにおいても、安全性や稼働率などの経済性に影響を及ぼす可能性があるため、これらの課題が顕在化しないように対策を講じておかなければならない。したがって、蒸気発生器(SG)伝熱管破損によるNa/水反応、Na機器の検査・補修(ISI&R)及び配管・機器からのNa漏えいの3つに着目し、実用化炉の観点で検討を行うワーキング・グループを発足させた。 SG水リークについては、経済性(財産保護や稼働率)の観点で破損伝播に対する取り組み方針の考え方を整理した。この結果SGが大型化していることから水リーク事故から破損領域を極限化し、SG伝熱管を保護するための方策を採用した。予備的な解析の結果、リーク検出系などの水リーク対策設備を高度化することで大型SGにおいても破損伝播を抑制できる見通しが得られた。今後は、詳細な破損伝播解析による評価や水リーク対策設備高度化方策の技術的実現性の検討を行う予定である。 ISI&Rについては、実用化炉の検査・補修の考え方について先行炉のそれと比較し、整理を行った。また、Naドレンなしでの検査・補修の可能性についても検討し、開発要素が多いことが明らかになった。今後は実用化炉としての特徴を踏まえて検査・補修の考え方を検討し、その上で必要となる技術の達成方策を明らかにする。Na漏えいについては、1次系及び2次系機器からのNa漏えい事故に対する取り組み方針について考え方をまとめた。そして、稼働率低下防止の観点からNa漏えい後の早期補修の具体的方法について2次系Na主配管を対象とし、2重構造の特殊性を踏まえた検討を行い、課題を摘出した。今後は先行炉の配管補修も参考とし、漏えい箇所に応じたより詳細な補修方法を検討する必要がある。さらにACS伝熱管やポンプなどの機器からの漏えい、および1次系Na漏えい事故の対応など引き続いて検討をしていく。