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佐藤 日向; 森 天海; 久野 空翔; 堀籠 和志; 後藤 雄一; 山本 昌彦; 田口 茂郎
JAEA-Technology 2024-011, 56 Pages, 2024/10
廃止措置段階にある東海再処理施設においては、分離精製工場内の設備、機器の除染・解体に向け、工程内に残留するプルトニウムとウランを集約する工程洗浄を実施した。工程洗浄は3ステップに分けて段階的に実施し、今回、プルトニウム製品貯槽及びプルトニウム関連工程内に残留する低濃度のプルトニウム溶液を高放射性廃液貯槽へ送液する第2ステップと、硝酸ウラニル貯槽に保管するウラン溶液を脱硝し三酸化ウランの粉末とする第3ステップを2023年3月から開始し2024年2月に完了した。第2ステップ、第3ステップにおいては、各工程の状態の把握や核物質の計量管理を目的として、各工程からサンプリングした溶液試料のプルトニウム濃度分析、ウラン濃度分析とその同位体組成分析、酸濃度分析、三酸化ウラン粉末のウラン純度分析等を実施した。また、保障措置に対応するために、査察において収去された試料をIAEA等の保障措置分析施設へ輸送するための分析前処理等も実施した。本報では、これら工程洗浄の第2、第3ステップで実施した分析業務実績について報告する。
谷川 聖史; 中村 大司; 浅川 直也*; 瀬谷 和仁*; 大森 二美男*; 小磯 勝也*; 堀籠 和志; 清水 靖之
JAEA-Technology 2024-001, 37 Pages, 2024/05
プルトニウム転換技術開発施設の廃液処理工程で発生した中和沈殿焙焼体及び凝集沈殿焙焼体(スラッジ)については、ポリ容器に収納し梱包用のビニルバッグで密封して、各々中和沈殿焙焼体はグローブボックスに、凝集沈殿焙焼体は施設内の保管場所に保管している。これらスラッジは、保管中においてスラッジ中に含有する水分等が放射性元素由来の線等により放射線分解されて発生するガスにより、梱包するビニルバッグの膨らみが確認されていた。このため、1983年の操業開始以降、スラッジを梱包したビニルバッグの膨らみを定期的に確認し、膨らみを確認したものはビニルバッグの交換を行うことで、安全に保管管理を実施してきた。スラッジからの放射線分解によるガスの発生を防止し、保管時の安全性を向上させるために、ガスの発生原因となっているスラッジ中の吸湿性のある硝酸ナトリウム塩を取り除く安定化処理作業を2018年8月から開始し、2022年8月まで実施した。その安定化処理としてスラッジの水洗浄処理を実施した結果、スラッジ中に含まれるナトリウム濃度を3wt%以下まで低減することができた。また、そのスラッジは1年以上にわたって各々の保管場所で保管していた際に、保管に使用している梱包用のビニルバッグに膨らみがなく、かつガスの発生原因となるスラッジの含水率に増加は認められないことを確認したことから、保管中の安全性が向上していること及び今後、放射線分解によるガスの発生はないものと評価した。安定性が確認できた中和沈殿焙焼体は、粉末缶に収納し粉末貯蔵エリアに保管廃棄した。これにより、中和沈殿焙焼体及び凝集沈殿焙焼体において、内部からのガスの発生によるリスクがなくなり、保管時の安全性を向上することができた。
青谷 樹里; 森 天海; 佐藤 日向; 河野 壮馬; 諸角 詩央里; 堀籠 和志; 後藤 雄一; 山本 昌彦; 田口 茂郎
JAEA-Technology 2023-008, 34 Pages, 2023/06
東海再処理施設の分離精製工場では、廃止措置の第1段階として再処理工程内に残存する回収可能核燃料物質を取り出す工程洗浄を実施している。工程洗浄では、工程内に残存する使用済燃料のせん断粉末、プルトニウム溶液、ウラン溶液、その他の核燃料物質の取出しを予定しており、このうちせん断粉末の取出しを2022年6月から同年9月に実施した。せん断粉末の取出しにあたっては、プロセスの状態把握に必要な工程管理を目的としたウラン濃度分析、プルトニウム濃度分析、酸濃度分析、放射能濃度分析、密度測定等の分析業務を実施した。また、核物質の計量管理を目的としたウラン濃度分析、プルトニウム濃度分析とその同位体組成の分析、密度測定等の分析業務、保障措置のためのIAEAの分析施設への分析試料輸送にあたっての分析試料前処理等の分析業務を実施した。本報では、せん断粉末の取出しにおいて実施したこれら分析業務及び分析装置の校正、分析要員の教育、訓練等の分析関連業務の実績について報告する。
山本 昌彦; 堀籠 和志; 久野 剛彦
Applied Radiation and Isotopes, 190, p.110460_1 - 110460_7, 2022/12
被引用回数:1 パーセンタイル:19.69(Chemistry, Inorganic & Nuclear)加熱重量法によるUO中のU含有量の測定について検討した。測定条件を最適化し、加熱温度は900C、加熱時間は60分、サンプル採取量は1gに設定した。また、本法に係る不確かさを評価するとともに、加熱重量法によるU測定値について、同位体希釈質量分析法(IDMS)による測定値と比較して検証した。その結果、加熱重量法で得たUO中のU含有量は、0.782360.00051g/g (k=2)であり、IDMSによる測定値(0.782710.00049g/g)と不確かさの範囲内で一致した。これらの結果より、加熱重量法によりUO中のUを正確かつ高精度に測定できることが分かった。
後藤 雄一; 鈴木 快昌; 堀籠 和志; 宮本 敏彦*; 薄井 真人*; 森 英人*; 久野 剛彦
JAEA-Technology 2022-005, 42 Pages, 2022/07
東海再処理施設の分析所小型試験設備の試験セルでは、昭和49年から平成26年にかけて、再処理技術の高度化等に係る試験を実施したことにより、試験セル内に放射性廃棄物が発生し堆積されていた。このため、交替勤務体制により廃棄物の搬出作業を強化し、試験セル内の廃棄物減少に努めたものの、その後に実施した試験セル内機器の解体工事により再び廃棄物が発生した。平成18年からは、試験セル内の廃棄物搬出方法の改善として、廃棄物缶に未収納の廃棄物を低放射性固体廃棄物として、試験セル側面のグローブボックスからバッグアウトする方法を確立した。これにより、従来のカスクNo.10による年間の廃棄物搬出実績から試算される約14年の搬出期間を約5年に短縮することができた。さらに、平成28年からは、カスクNo.10による試験セル内の廃棄物搬出作業を促進させるため、作業員の意識向上に向けた取り組みとして、関連部署(放射線管理部門、運搬部門、廃棄物取出し部門)を巻き込んだソフト、ハードの様々な改善、改良を実施した。廃棄物搬出作業の促進にあたっては、作業員のスキル向上、増強及びカスクNo.10における設備、機器の点検整備等(予防保全)を実施した。その他、放射線管理部門とは、過去に発生したトラブルの再発防止策等について、検討を積み重ね手順化した。また、運搬部門とは、搬出サイクルを堅持するため、他課の運搬スケジュールを考慮した調整及び運搬に係る安全操作指導を受けた。さらに、主工場における廃棄物取出し部門とは、廃棄物取出し作業が滞らないための日程及び作業場所の確保に係る調整を実施した。これらの様々な改善の取り組み、改良を実施したことで、当初計画した廃棄物搬出期間約5年を約3年に短縮することができ、試験セル内廃棄物の搬出作業を令和2年3月に完遂した。
田口 茂郎; 宮内 啓成*; 堀籠 和志; 山本 昌彦; 久野 剛彦
分析化学, 67(11), p.681 - 686, 2018/11
表面電離型質量分析法において、フィラメント中の不純物を放出し、バックグラウンドの影響を最小限に抑えるために、脱ガスは重要な処理方法の1つである。本研究では、通電加熱処理によるタングステンフィラメントの表面変化が、ウラン同位体(U/U)測定へ与える影響について調査した。その結果、タングステンフィラメントの通電加熱処理は、フィラメント表面を平滑にする効果があり、試料固着状態の改善効果もあることが判明した。さらに、これに伴い、ウラン同位体(U/U)の測定精度も改善された。
山本 昌彦; 田口 茂郎; 堀籠 和志; 久野 剛彦
Proceedings of IAEA Symposium on International Safeguards; Building Future Safeguards Capabilities (Internet), 8 Pages, 2018/11
使用済核燃料再処理施設におけるウラン(U)及びプルトニウム(Pu)の検認は、IAEAの保障措置査察行為として極めて重要である。本研究では、同位体希釈質量分析法(IDMS)による高レベル放射性廃液(HALW)中のU及びPuの保障措置査察検認分析のために、単一カラムによる抽出クロマトグラフィーに基づく分離方法を開発した。HALW中の核分裂性核種(FP)からUとPuを順次分離するための抽出クロマトグラフィーには、市販のTEVA樹脂を選択した。試料中のUは、硝酸溶液によってFPからクロマトグラフ分離するとともに、Pu(IV)はTEVA樹脂上に吸着させた。その後、PuはPu(III)に還元することで樹脂上から溶離した。この方法によるU, Puの回収率,除染係数は分離後に実施するIDMSに必要十分なレベルであった。また、FP除去後のカラムの放射線量は、バックグラウンドレベルにまで低下した。本分離法を用いたIDMSの分析結果は従来の分離法による結果と良好に一致した。本法は従来法と比べて簡便かつ迅速に分離操作を行うことができ、IAEA/日本オンサイト分析所へ適用可能と考えられる。
堀籠 和志; 田口 茂郎; 西田 直樹; 後藤 雄一; 稲田 聡; 久野 剛彦
日本保全学会第14回学術講演会要旨集, p.381 - 384, 2017/08
東海再処理施設では、プルトニウム等の核燃料物質を安全に取り扱うため、閉じ込め機能(負圧)を有するグローブボックス(GB)が設置されており、各GBには、グローブを取り付けるためのグローブポート(ベークライト製)が取り付けられている。グローブポートには、グローブをグローブポートに直接取り付けるタイプと、インナーリングと呼ばれる塩ビ製の環に取り付けたグローブをグローブポートに挿入して取り付けるタイプ(以下、押し込み式グローブポート)の2種類が使われている。平成28年4月に、押し込み式グローブポートの1基に2ヵ所の割れが東海再処理施設において初めて確認された。なお、割れによるGB内の負圧の異常や、GB外への放射性物質の漏えいは確認されなかった。グローブポートは、ポートとポート押さえでパネルを挟み込む形で、ポートとポート押さえをネジで固定することによりGBパネルに取り付けられている。このため、固定ネジを取外すことでグローブポートは取り外しが可能な構造ではあるが、グローブポートをそのまま取外した場合、閉じ込め機能が破れ、GB内の放射性物質を拡散させる恐れがあるため、拡散防止措置を講じた上で、グローブポートの交換を実施する必要があった。そこで今回、GB内部の汚染をコントロールしながらグローブポートを更新する手法を確立した。本発表では、その交換手法について報告する。
堀籠 和志; 田口 茂郎; 山本 昌彦; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
JAEA-Technology 2017-016, 20 Pages, 2017/07
使用済核燃料の再処理工程を経て得られたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX粉末)の同位体希釈質量分析用混合スパイクを最適化して調製した。本スパイクは、金属ウランNBL CRM116と金属プルトニウムNBL CRM126をそれぞれ正確に秤量した後、硝酸に溶解し、ウランとプルトニウムの重量比が1:2となるように混合した。スパイク中のウラン及びプルトニウム調製値は、それぞれ1.05300.0008mg/g (k=2) (U: 93.114wt%)、2.00460.0019mg/g (k=2)(Pu: 97.934wt%)であった。バリデーションとして、U, Puをトレーサとする逆IDMSによる濃度検定並びに、硝酸ウラニル溶液と硝酸プルトニウム溶液を混合調製した模擬MOX溶解液の平行分析により、調製濃度の妥当性を評価し、本スパイクが問題なく調製されていることを確認した。本スパイクは、MOX溶解液の同位体質量分析によるウラン及びプルトニウムの含有量の測定に適用し、良好な結果を得ることができた。
堀籠 和志; 田口 茂郎; 石橋 篤; 稲田 聡; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
JAEA-Technology 2017-008, 14 Pages, 2017/05
東海再処理施設のプルトニウム転換技術開発施設では、硝酸プルトニウム溶液を安定な形態のウラン・プルトニウム混合酸化物に転換し、硝酸プルトニウム溶液が有する水素発生などの潜在的ハザードを低減するための安定化処理を平成26年4月から開始し、平成28年7月に終了した。本処理を円滑に進めるため、同分析設備では、ウラン・プルトニウム混合酸化物粉末及びその原料となる硝酸ウラニル溶液、硝酸プルトニウム溶液等の分析を実施してきた。本報告書は、本処理に係わる平成27年12月から平成28年10月までに実施した約2,200件の分析業務及び分析設備の保守・点検などの関連業務の実績についてまとめたものである。
堀籠 和志; 鈴木 久規; 鈴木 快昌; 石橋 篤; 田口 茂郎; 稲田 聡; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
JAEA-Technology 2016-026, 21 Pages, 2016/12
東海再処理施設のプルトニウム転換技術開発施設では、平成26年4月から硝酸プルトニウム溶液を安定な形態のウラン・プルトニウム混合酸化物に転換し、硝酸プルトニウム溶液が有する水素発生などの潜在的ハザードを低減するための安定化処理を実施してきた。本処理を円滑に進めるため、同分析設備では、ウラン・プルトニウム混合酸化物粉末及びその原料となる硝酸ウラニル溶液、硝酸プルトニウム溶液を試料とした各種の分析業務を実施してきた。本報告書は、平成26年4月から平成27年12月までに実施した約3,500件の分析及び分析設備の保守・点検などの関連する業務の実績についてまとめたものである。
松木 拓也; 舛井 健司; 関根 恵; 谷川 聖史; 安田 猛; 蔦木 浩一; 石山 港一; 西田 直樹; 堀籠 和志; 向 泰宣; et al.
Proceedings of INMM 57th Annual Meeting (Internet), 9 Pages, 2016/07
東海再処理施設(TRP)では、高放射性廃液貯槽(HAW貯槽)で貯蔵している核分裂生成物(FP)を含んだ高放射性廃液(HALW)中に含まれるプルトニウム(Pu)量の監視を目的に新たな検出器の開発を2015年から2017年までの計画で進めている。これにより、HALW中のPu量をリアルタイムに監視することが可能となるため、国際原子力機関が長期課題として掲げている「より効果的・効率的な再処理施設の保障措置」に貢献することが可能となる。本計画の第1段階では、HALWから放出される放射線(中性子/線)の強度及びエネルギーの調査として、HALWの線スペクトル分析及びHAW貯槽が設置されているセル外壁での放射線測定を実施した。本論文では、検出器への適用の可能性のあるPu及びPu由来の線ピークの詳細及びセル外壁での放射線測定結果について報告する。
鈴木 久規; 永山 哲也; 堀籠 和志; 石橋 篤; 北尾 貴彦; 駿河谷 直樹
日本保全学会第11回学術講演会要旨集, p.214 - 219, 2014/07
東海再処理施設は、使用済み燃料からウランやプルトニウムを抽出する技術開発を行っている。この中で分析設備は、1977年から使用を開始しておりプロセスの管理分析を担っている。各プロセスから得られたサンプルは、高放射性試料分析用セルライン設備、低放射性試料分析用グローブボックス設備、極低レベル試料分析用ヒュームフード設備を使用して、様々な分析手法によって分析を行っている。本報告では、これまで実施してきた分析設備に対する保全実績として、幾つかの作業実例を紹介する。
堀籠 和志; 後藤 雄一; 西田 直樹; 山本 昌彦
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【課題】グローブボックス内の汚染物質の漏洩を防止したうえで、短時間且つ低コストでグローブポートを交換する方法を提供する。 【解決手段】グローブポートの交換方法は、グローブパネルに第1外側ボックス及び第1内側ボックスを取り付ける第1取付工程と、グローブポートを構成する複数の部品を第1外側ボックス側又は第1内側ボックス側に取り外すポート取外工程と、閉止板で取付開口を閉止する閉止工程と、第1外側ボックス及び第1内側ボックスを取り外す第1取外工程と、グローブパネルに第2外側ボックス及び第2内側ボックスを取り付ける第2取付工程と、取付開口を開放する開放工程と、第2外側ボックス及び第2内側ボックス内の部品で新たなグローブポートを構成するポート取付工程と、第2外側ボックス及び第2内側ボックスを取り外す第2取外工程とを含む。
河野 壮馬; 堀籠 和志; 山本 昌彦; 田口 茂郎
no journal, ,
ウラン(U),プルトニウム(Pu)の非破壊分析法の一つである蛍光X線(XRF)分析法は、据置型装置による測定が一般的であるものの、測定可能な試料の寸法が制限されるため、試料室の大きさに合わせ、試料の分取や測定容器への移し替えが必要となる。また、放射性試料中のPuのXRF測定は、汚染や被ばく管理の観点から、試料をグローブボックスへ搬入したのち、試料を密封している塩化ビニル製の袋を開封し、測定容器への移し替え等を実施するため、熟練技術と時間を要する課題があった。本研究では、試料寸法の制約を受けないハンドヘルド型XRF装置を用いて、塩化ビニル製の袋内に密封された試料について、袋の外側からX線照射部を対象試料に密着させてのU, Puの簡易定量を試みた。その結果、Puから発生する放射壊変由来のX線の影響を補正することで、試料のグローブボックスへの搬入や開封等の手間が不要な、U, Puの分析に適用できることを確認した。
真崎 祐次*; 宮内 啓成*; 田口 茂郎; 堀籠 和志; 石橋 篤; 山本 昌彦; 舛井 健司; 西田 直樹; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
no journal, ,
再処理施設技術開発センターでは、放射線の取扱いに対し長年の経験を有しており、機構外の要求に応え放射性核物質取扱に関する現場分析技術の習得を目指した支援を行っている。本発表では放射性物質取扱に関する分析技術を紹介すると共に、その習得に向けた近年の成果について述べる。
佐藤 日向; 堀籠 和志; 山本 昌彦; 田口 茂郎
no journal, ,
東海再処理施設は廃止措置の第1段階となるプラント内に残存する核物質(Pu、U)を集約する工程洗浄に着手した。工程洗浄段階において計量管理が重要となる貯槽のPu、Uの計量分析には、高精度分析手法の一つである同位体希釈質量分析法を適用した。本法は分析試料とは同位体組成の異なる標準試料(スパイク)を混合し、混合前後の同位体組成の変化から目的元素の濃度を算出する手法であり、精確な分析結果を得るためには濃度と同位体組成が既知であるスパイクが重要な役割を果たす。今回の工程洗浄にあたっては、当グループにおいてMOX(U・Pu混合酸化物)分析用に開発した液体状のスパイクを新たに調製し、工程洗浄の実試料に適用した。本件では、調製したスパイクの不確かさ評価、実試料に適用した結果について報告する。
山本 昌彦; 駿河谷 直樹; 田口 茂郎; 石橋 篤; 堀籠 和志; 山崎 斉; 小椋 浩; 綿引 博美; 渡辺 将久; 黒沢 明; et al.
no journal, ,
東海再処理施設では、施設側が行う計量管理分析の高度化、及び保障措置にかかわる技術支援としてさまざまな分析技術の開発が行われてきた。最近では同位体希釈質量分析法における計量管理分析精度の向上,保障措置分析を対象とした産業用ロボットによる分析前処理の自動化,ネオジム内標準吸光光度法による高放射性廃液中のプルトニウム濃度分析,Kエッジデンシトメトリーによるプルトニウム製品溶液の非破壊分析などの開発,改良が行われてきた。本報告では、これらの分析法の概要について報告する。
堀籠 和志; 田口 茂郎; 山本 昌彦; 稲田 聡; 久野 剛彦
no journal, ,
同位体希釈質量分析法によるU・Pu混合酸化物(MOX)中のU, Pu濃度分析に最適化したPu, Uを内標準とする混合スパイクを調製し、MOX粉末中のU, Pu濃度を高精度に分析できる結果が得られた。
三枝 祐; 小高 典康; 山本 昌彦; 堀籠 和志; 稲田 聡; 久野 剛彦
no journal, ,
長寿命放射性核種であるIは、処理処分における環境影響の把握のため、排気中及び廃液中における微量濃度測定のニーズが高い核種である。しかし、従来法である線スペクトロメトリや液体シンチレーション測定法、誘導結合プラズマ質量分析法では低い測定感度や同重体干渉のため、排気中及び廃液中の微量Iの濃度測定への適用は難しい。そこで本研究では、質量分離部の前段のコリジョンリアクションセル中にガスを導入することで、測定対象イオンや同重体イオンと反応させ、化学形態を変化させることで同重体の影響を排除可能なコリジョンリアクションセル搭載型誘導結合プラズマ質量分析装置(CRC-ICP-MS)を用いたI分析法について検討した。本発表では、東海再処理施設の廃液処理施設から採取したヨウ素吸着用フィルター中のIの測定結果について報告する。