Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
片貝 秋雄*; 四元 俊郎*; 高橋 明男*; 植木 悠二; 瀬古 典明
JAEA-Review 2012-046, JAEA Takasaki Annual Report 2011, P. 43, 2013/01
現在、ホウ素及びその化合物の排出基準は10mg/L(水質汚濁防止法)であるが、今後は規制がより強化されるものと予想される。それゆえ、安価で効果的なホウ素捕集材の開発が必須である。本研究では、より経済的な捕集材合成法を検討するとともに、その捕集性能をホウ素含有模擬廃水により評価した。その結果、不織布基材に必要なモノマー量を含有させる含浸重合法により、照射線量を従来法の10分の1(20kGy)に低減可能なことを見いだし、実用化に向けた捕集材製造コストの削減を達成した。実工場廃水中に含まれるホウ素の除去/回収を目的として、捕集材を充填した吸着塔(内径:10cm,長さ:240cm,捕集材重量:3.5kg)にSV 5.5hでホウ素含有模擬廃水を通液した結果、11.5g-ホウ素/kg-捕集材の破過容量を示した。また、温塩酸水溶液(30
C)により吸着したホウ素の溶離を試みたところ、捕集材体積の1.5倍の液量によりほぼ100%のホウ素を溶離することができた。さらに、ここで得られた溶離液を5
C以下に冷却することにより、ホウ酸を結晶として回収することに成功した。
溝手 範人*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
Journal of Applied Polymer Science, 123(4), p.2172 - 2176, 2012/02
被引用回数:5 パーセンタイル:16.09(Polymer Science)天然ゴムの表面硬度,ドライ摩擦,払拭性,摩耗性を改善するため、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を天然ゴムの表面層に放射線グラフト重合した。ゴムの表層のHEMAの組成は、FT-IRで評価し、組成比として表現した。この組成比は、0.29から0.93まで、グラフト重合時のHEMA濃度及び線量で制御することができ、組成比が0.7より高いとき、表面硬度は64以上、ドライ摩擦係数は0.65以下となり、市販の塩素処理ゴムより、ガラスに対する摩耗と摩擦に対して優れた特性を示した。そのため、耐摩耗性は塩素処理ゴムの10倍に達した。しかし、HEMAをグラフトしたゴムは、湿潤状態では表面硬度は62.5となるため、95%以上の払拭率を実現した。
溝手 範人*; 片貝 秋雄*; 玉田 正男
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 47, 2011/01
ゴム製品は、ゴム表面の摩擦低減・耐摩耗性の向上を目的とした塩素化処理やコーティングが行われている。しかし、これらの表面処理は、塩素による環境負荷の問題があり、より環境に優しい表面改質技術が求められている。本研究では、電子線同時照射共グラフト法における親水性・疎水性モノマーの組成比が撥水性などのゴム表面特性へ及ぼす影響について検討を行った。その結果、疎水性モノマーのみをグラフト重合により付与するよりも、親水性モノマーを10%程度添加した系の方が、親水性モノマーのグラフト層に疎水性モノマーが選択的に取り込まれやすくなり、ゴム表面から10m程度の領域に疎水性モノマーが偏在することがわかった。
溝手 範人*; 片貝 秋雄; 玉田 正男; 松岡 広成*
Journal of Applied Polymer Science, 117(5), p.2825 - 2830, 2010/09
自動車用ワイパーゴムの表面改質として塩素処理が行われているが、この処理プロセスは、塩素,酸廃液の発生など環境負荷の問題を抱えている。一方、ゴムの滑り摩擦において、ウェット摩擦状態からドライ摩擦状態へ移行する瞬間に、摩擦極大ピークが起こるセミドライ摩擦は、雨上がりに自動車のワイパー払拭において見られる現象で、駆動モーターに負荷を与える。本研究では、これらの問題を解決する新規な技術として、親水性モノマーである2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA),疎水性モノマーである3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(MPTS)を電子線同時照射グラフト重合により加硫ゴム表面の親水化及び疎水化を行い、組成比と水の接触角及びセミドライ摩擦との相関を調べた。HEMAとMPTSのグラフト重合の結果、モノマー濃度と照射線量が増加するのにしたがって、組成比は増大した。HEMAのグラフト重合で接触角は約70まで減少し、MPTSのグラフト重合で接触角は約108
まで増加した。セミドライの瞬間における摩擦挙動は、最大摩擦とドライ摩擦係数の差、
で評価した。MPTSのグラフト重合によって疎水化した加硫ゴムの接触角は増加し、
は減少した。一方、HEMAのグラフト重合によって親水化した加硫ゴムの接触角は減少し、
は増加した。
郷 康弘*; 吉田 裕美*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
Proceedings of 2008 Conference on Ion Exchange Technology (IEX 2008), p.353 - 361, 2008/07
工業的規模のカラムで利用される樹脂の直径は、圧損を軽減するため0.5mm程度と大きく、この樹脂を充填したカラムに硝酸で汚染された水を空間速度(SV)1000h以上の高速で通液しても効率よく硝酸イオンを除去できない。そこで、SV3000h
程度の高速通液条件下でも硝酸イオンを迅速に補足可能な陰イオン交換繊維(FBDA)をクロロメチルスチレン(CMS)をグラフトした繊維にn-ブチルジメチルアミン(BDA)を導入して合成した。得られたFBDAの陰イオン交換容量は2.2meq/gであった。この湿潤FBDAを充填したカラムに、1mMの硝酸ナトリウム溶液をSV1000から3000h
で通液したところ、硝酸イオンの破過曲線はSVに依存せず良い一致を示した。そのときの破過容量は1.1mmol/gと一定であった。共存陰イオンとしての塩化物イオンと硫酸イオンの影響をSV1000h
で検討した。等モル並びに5倍モル濃度の塩化物イオンの共存下では、硝酸イオンの破過容量はそれぞれ0.83並びに0.48mmol/gとなった。一方、等モル濃度の硫酸イオンの共存下では0.43mmol/gとなった。以上の結果から、共存陰イオン濃度が河川水の平均濃度以下の場合には、14ppm程度の低濃度の硝酸イオン含有水を極めて迅速に浄化できることがわかった。
Awual, Md. R.*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 18(4), p.422 - 427, 2007/10
ホスホン酸イオンとスルホン酸イオンの双方を交換基として有する二官能性陽イオン交換繊維にZr(IV)を担持して繊維状ヒ酸イオン吸着剤を調製した。この二官能性陽イオン交換繊維は前駆体繊維へホスホン酸基とスルホン酸基を導入して合成した。前駆体繊維はポリエチレン被覆ポリプロピレン繊維へクロロメチルスチレンとスチレンを共グラフト重合して得た。Zr(IV)を担持した繊維のヒ酸イオン吸着剤としての性能はカラム法によって評価した。Zr(IV)担持繊維を充填したカラムは0.016mM(1.2mg of As/dm)のヒ酸イオンを含む酸性溶液を流速200h
で通液した場合でもヒ酸イオンを除去できた。塩化物イオン,硝酸イオン並びに硫酸イオンのナトリウム塩はヒ酸イオンの吸着を妨害しないのみならず、ヒ酸イオンの吸着を10%程促進した。吸着されたヒ酸イオンは水酸化ナトリウムによって定量的に溶離された。
植木 悠二; 梅村 知也*; 岩下 義和*; 堀田 弘樹*; 小竹 玉緒*; 角田 欣一*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 58, 2007/02
近年、高速液体クロマトグラフィーにおいて高速・高性能分離を達成するために、数m程度の貫通孔を持った連続多孔質分離媒体(モノリス)を利用するモノリスカラムの研究・開発が精力的に行われている。本研究では、
線を利用することにより細孔径が制御された均質なメタクリル酸ヘキシル製モノリスカラムを細管内で直接作製することができた。最適なカラム作製条件を検討した結果、線量を10kGy/h,モノマー濃度を20%,モノマー中の架橋剤割合を25%とした場合、低分子化合物に対して実用的に十分な分離能を有し、かつ圧力損失が低い(線流速が1mm s
のとき、カラム背圧は2.0MPa/200mm)カラムの作製に成功した。このときのアルキルベンゼン化合物に対する理論段高は30
m程度となった。また、モノリスゲルは、粒径1
m以下の微粒子ポリマー同士が結合したネットワーク構造を形成していた。
城 昭典*; 柴田 良和*; 玉田 正男; 瀬古 典明; 片貝 秋雄
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 43, 2007/02
アミノメチルホスホン酸とスルホン酸基の2つの官能基をグラフト重合によりポリエチレン繊維に導入し、二官能性キレート繊維を合成した。0.01Mの亜鉛溶液を合成したキレート繊維を充填したカラムに流したところ、pH2においても、1000hの空間速度での破過特性は、50h
亜鉛の場合と変わらず、高速に亜鉛イオンを吸着できることがわかった。また、この場合の吸着容量は0.72-0.85mmol/g-吸着材で、吸着した亜鉛は1Mの塩酸で定量的に溶離可能であった。
片貝 秋雄; 玉田 正男; 永本 浩之*; 小野 佐由理*; 宮川 博*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 49, 2007/02
アミドキシム基を有するキレート繊維の放射線グラフト重合法による経済的な合成法と得られたキレート繊維の重金属除去性能を亜鉛,カドミウム、又は鉛を含むモデル汚染水を用いて検討した。モノマー溶液として用いるアクリロニトリル溶液を5回繰り返し使用した結果、初回のグラフト率(180%)の90%を維持していた。このことからモノマー溶液の繰り返し使用によるキレート繊維の製造コスト低減化に見通しが得られた。キレート繊維の吸着性能は市販のキレート樹脂(0.33mmol/g-ad)に比べ、3.6倍と高い吸着容量を示した。汚染土壌の洗浄水から鉛イオンを除去する試験をバッチ法で行った。鉛イオンの残存量は撹拌開始30分で環境基準(0.01mg/L)以下までに低下し、本キレート繊維が低濃度で高度な処理が必要な重金属汚染水の浄化材料として適していることが明らかになった。
和田 勇生; 三友 宏志*; 粕谷 健一*; 長澤 尚胤; 瀬古 典明; 片貝 秋雄; 玉田 正男
Journal of Applied Polymer Science, 101(6), p.3856 - 3861, 2006/09
被引用回数:22 パーセンタイル:54.25(Polymer Science)放射線グラフト重合法により、生分解性ポリマーであるポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)フィルムにアクリル酸をグラフトした。グラフト率が5%を超えると、酵素分解性が失われた。酵素分解性を失ったグラフトフィルムを再加熱成形することにより、酵素分解性は再現した。その場合グラフト率が10%に増加すると加熱成形したフィルムは、PHBフィルムに比べ酵素分解性が向上した。酵素分解性が失われるのは、フィルム表面にアクリル酸がグラフトし、PHB部分に酵素が接触できなくなったためである。また、再加熱により酵素分解性が再現するのは、グラフト鎖がフィルム内に混合され、フィルム表面部分にPHBが現れ、その部分から酵素分解されるためだと考えられる。
片貝 秋雄; 玉田 正男; 永本 浩之*; 宮川 博*
日本イオン交換学会誌, 16(2), p.122 - 126, 2005/05
アクリロニトリルとメタクリル酸との放射線共グラフト重合法及びグラフト鎖中のシアノ基のアミドキシム基への変換によって、キレート形成基としてアミドキシム基を持つキレート繊維を作製した。放射線共グラフト重合法でのモノマーを繰り返し使用して、グラフト鎖の組成及び重金属イオン吸着容量に及ぼす効果を調べた。共グラフト重合で生じるホモポリマーの量が0.15g/Lと無視できるほど少ないために、4回モノマーを繰り返し使用しても共グラフト率の低下は初回の170%に比べて10%程度であった。アミドキシム基密度,亜鉛及びカドミウムの吸着容量への影響は小さかった。4回モノマーを繰り返し使用することにより、50%コストダウンすることができた。
瀬古 典明; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 片貝 秋雄; 須郷 高信*
JAERI-Tech 2004-076, 78 Pages, 2005/01
放射線グラフト重合法を応用した繊維状アミドキシム樹脂の実海域での有用希少金属捕集性能を評価するため、200kgの捕集材を浸漬する試験を1999年9月から開始した。分別溶離試験装置は本試験で実海域に浸漬した捕集材から有用金属を効率よく分別溶離回収する装置であり、むつ事業所内関根浜岸壁に設置した。本装置は海から引き上げた捕集材カセット(290290
160mm)の前処理を行う前処理設備と有用金属を溶離回収する分別溶離設備から構成される。本報告ではこの分別溶離試験装置の設計,製作,設置について記載した。前処理では実海域から引き上げた捕集材カセットを洗浄し、付着した海洋生物や汚泥等の除去を行った。次いで、72個単位で捕集材カセットを溶離ユニット(1210
1210
H1460mm)に充填し、溶離液のリークがないよう不織布をパッキンとして隙間に充填した。分別溶離では溶離ユニットを分別溶離装置内に装填した後、低濃度塩酸溶液(0.01M)でのアルカリ,アルカリ土類金属の除去回収、次いで高濃度塩酸溶液(0.5M)で有用金属(特にウラン)の溶離回収を行った。
瀬古 典明; 武田 隼人*; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 片貝 秋雄; 須郷 高信*
JAERI-Tech 2004-075, 51 Pages, 2005/01
放射線グラフト重合技術を利用して合成した繊維状捕集材は、極低濃度の重金属や有害気体成分に対する選択吸着特性に優れている。液相グラフト重合反応によって不織布や織布などの基材に各種金属に対して選択性の高い官能基を導入するためのグラフト重合装置として捕集材合成反応装置を設置した。また、グラフト重合反応と洗浄工程を連続的に処理可能な装置としてガス吸着材合成反応装置を設置した。これら両装置は、グラフト重合の反応可能な酸素濃度までの制御を可能にし、定量的にグラフト物を得ることができた。槽内温度も反応に必要な温度範囲を満たした。連続処理の重要課題である基材の走行は110m/minの範囲での運転を可能にしたことで、この面からもグラフト率の制御を可能なものにした。GMAのグラフト重合反応を行った結果、グラフト率は40
70パーセントの範囲で制御できることを確認できた。
瀬古 典明; 片貝 秋雄; 玉田 正男; 須郷 高信*; 吉井 文男
Separation Science and Technology, 39(16), p.3753 - 3767, 2004/00
被引用回数:84 パーセンタイル:90.20(Chemistry, Multidisciplinary)繊維状のアミドキシム吸着材を放射線グラフト重合法により作製した。得られた吸着材を用いて海水中に溶存するウランの吸脱着試験を繰り返して行った。溶離剤として塩酸を用いて吸脱着を繰り返し行うと使用回数5回でウランの吸着性能は失われた。しかし、溶離後の吸着材にアルカリ処理を施すことで25%程度その減少を抑えることができた。さらに、溶離剤に酒石酸などの有機酸を用いることで初期吸着量の80%程度ではあるものの劣化の程度を抑制することが可能になった。
瀬古 典明; 片貝 秋雄; 長谷川 伸; 玉田 正男; 笠井 昇; 武田 隼人*; 須郷 高信; 斎藤 恭一*
Nuclear Technology, 144(2), p.274 - 278, 2003/11
被引用回数:138 パーセンタイル:98.80(Nuclear Science & Technology)海水中に溶存するウランの濃度は3mg/mであるが、世界全体の海水ウランの総量は45億トンにのぼる。海水中のウランの回収に高い性能を有する高分子捕集材(ウラン捕集材)を用いる吸着法は、従来法に比べ経済的にすぐれる。吸着法ではウラン捕集材は吸着床に充填して使用する。原研は日本沖合7kmの太平洋で、深さ20mの海域で、上面サイズが16m
、高さが16cmの吸着床を浸漬した。吸着床には総重量350kg,52000枚のウラン捕集材で構成される捕集材カセットを充填した。総浸漬期間240日の実海域試験でイエロケーキとして1kgのウランを回収することに成功した。
Kugara, J.*; Trobradovic, H.*; 城 昭典*; 須郷 高信; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 14(Suppl.), p.77 - 80, 2003/00
クロロメチルスチレンを放射線グラフト重合したポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘構造不織布(12m)をイミノジ酢酸ジエチルと反応させ、機能化した。得られたイミノジ酢酸型キレート繊維(FIDA-f)の酸容量は4.3meq/gであった。FIDA-fカラムのコンディショニングpHの増加により、試料溶液の供給最大許流量は減少したが、鉛イオン(II)の破過曲線特性は800h
の空間速度まで変化は見られなかった。FIDA-fは5ppmの鉛イオン(II)濃度に調整した河川水から、定量的に鉛イオン(II)を400h
の空間速度で600ベッドボリューム除去できることを確認した。
城 昭典*; 岡田 健治*; 中尾 光弘*; 須郷 高信; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 14(Suppl.), p.69 - 72, 2003/00
ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘構造不織布にビニルビフェニールを放射線グラフトして作製した繊維をトリエチル亜リン酸,クロロスルホン酸,濃塩酸で処理し、二官能性のホスホン酸繊維(FVCPS-f)を得た。FVCPS-f中のホスホン基と硫黄の含有量はそれぞれ1.8と0.7mmol/gで酸容量は4.2meq/gであった。鉄(III)の破過容量は通液速度が空間速度で20hから1000h
まで増加するにつれて徐々に減少した。空間速度が1000h
のとき、吸着容量は0.12mmol/gであった。市販されているホスホン酸樹脂及びホスホン酸単独の繊維ではこのような高い空間速度では吸着容量の測定はできず、本研究で得た材料が極めて優れている。
片貝 秋雄; 笠井 昇; 玉田 正男; 長谷川 伸; 瀬古 典明; 川端 幸哉*; 大沼 謙二*; 武田 隼人*; 須郷 高信
JAERI-Tech 2002-040, 79 Pages, 2002/03
放射線グラフト重合法により作製した有用金属捕集材の性能を実海域で評価するため設置した有用金属捕集材実海域試験装置における捕集工程,溶離工程,捕集及び装置の特性試験結果について記載した。捕集工程では、捕集材カセットを吸着床に充填し、実海域試験装置から20mの深さに係留し、一定期間の係留後、引き上げる。捕集材カセットは、ウラン吸着分布分析を行うため吸着床中のアドレスを明確にした。係留期間中の海水温度,流速,波高を測定した。溶離工程では、係留中に付着した海洋生物を除去した捕集材カセットを溶離ユニットに充填し、分別溶離装置を使用してアルカリ金属と有用金属とを2段階で溶離した。溶離後の捕集材カセットは同装置で再生処理した。溶離した有用金属は分離精製施設へ輸送するため、市販のキレート樹脂に再吸着させた。捕集特性試験では吸着床内のアドレスの違いによる捕集材カセット毎の吸着量の差はほとんど認められなかった。また、捕集材カセット内のウランの層及び面分布は、ほぼ均一であることから、海水のカセット内への流入についてはほぼ一様な特性であることがわかった。また、捕集工程から溶離工程までの一連の特性試験を行った結果、有用金属捕集材実海域試験装置はすべての工程で正常に動作することを確認した。
玉田 正男; 笠井 昇; 瀬古 典明; 長谷川 伸; 川端 幸哉*; 大沼 謙二*; 武田 隼人*; 片貝 秋雄; 須郷 高信
JAERI-Tech 2001-065, 39 Pages, 2001/11
有用金属捕集材の性能評価のために設置した実海域試験装置の海上設備の安全に配慮するため、その位置を監視する装置を設計・製作した。位置監視装置は海上設備の浮体である鋼管フレームに取付け、その測位情報をGPSにより取得したのち、衛星通信回線を経て、むつ事業所及び高崎へ送信することにより、位置をモニターできるようにした。位置監視装置は損傷を避けるため、捕集材の引上・浸漬作業の終了後、鋼管フレームのコーナー上方に設置した。実海域での20日間の特性試験で、2時間毎に262データを取得し、9回の誤信号が発生した。実測精度は、223.7mであった。測位精度を向上させるため、位置監視装置用ファームウェアの改良を行った。測位分解能を0.001から0.00001
とするとともに、定時刻に連続5回の測位を行い緯度・経度毎に5回の測位結果から最大値、最小値を除いた計3回の測位結果を平均化することとした。この変更にともない、標体のサイズを大きくして電池容量を大きくし、ファームウエアの作動を可能にした。改良により、誤信号は計測されなくなり、測位の平均値は6.74mまで向上し、鋼管フレームの測位をおこなうことにより、事前に漂流などを阻止可能なレベルに達した。
武田 隼人*; 大沼 謙二*; 玉田 正男; 笠井 昇; 片貝 秋雄; 長谷川 伸; 瀬古 典明; 川端 幸哉*; 須郷 高信
JAERI-Tech 2001-062, 66 Pages, 2001/10
放射線グラフト重合法によって合成した金属捕集材の実海域での適応性を調査検証するため、海水中に極低濃度で溶存するウラン、バナジウム等の有用金属の捕集試験をむつ事業所沖合いの実海域で実施している。捕集材から溶離した有用金属はキレート樹脂に再吸着して分離・精製施設に輸送して精製した。キレート樹脂はPVC製の樹脂筒に収納しさらにステンレススチール製の輸送容器に収納してトラックで専用積載として輸送した。本試験で取り扱うウランの量は、1回の試験当り150g(1.92MBq)以下としたので、ウランの濃度は最大で60Bq/gであり、取り扱い量も濃度も法規制の対象外である。したがって、輸送も一般の物質として行うことができるが、自主的にL型輸送物に準拠して輸送することにした。L型輸送物は法令上輸送容器に関する構造強度上の要求はないが、輸送に当って安全を期すため上位輸送区分であるIP-2型相当の強度を有することをあらかじめ解析評価して、通常の取扱い条件において輸送容器の健全性を確保できることを確認した。また、輸送に当っては、あらかじめ輸送計画書を作成し、これに従って実施した。