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大場 恭子; 吉澤 厚文*; 北村 正晴*
工学教育, 69(3), p.3 - 10, 2021/05
技術者倫理教育は、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する貢献と責任に関する理解することを目的に行われている。そのため、技術者を取り巻く問題を学生がより理解しやすいように、事例を用いた教育方法が行なわれている。しかしながら、扱われている事例のほとんどは、技術者が安全を実現できなかった失敗事例となっている。一方、人間工学の分野では、人の失敗(ヒューマンエラー)や組織文化に事故原因を求め再発防止を図る安全対策への批判から、レジリエンスエンジニアリングという手法が提案され、以後、その研究や実践が行なわれている。このレジリエンスエンジニアリングの特徴には、安全の概念を拡張した上で、人を危険なシステムのなかで安全を実現している存在として捉えていることと、そうした安全概念を拡張したからこそ注目できる良好事例の分析がある。本論文は、今まで失敗事例を中心に行われてきた技術者倫理教育の改善に、レジリエンスエンジニアリングの考え方を活用で、技術者倫理教育が改善できることを示した。
吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*
日本原子力学会和文論文誌, 18(2), p.55 - 68, 2019/06
本研究は、東京電力福島第一原子力発電所の緊急時対策本部における事故時のワークロードマネジメントを分析することにより、緊急時対応力向上を目的としたものである。選定した事象は、緊急時対応力が求められた福島第一原子力発電所の3号機におけるHPCIの停止による原子炉注水停止から、原子炉への注水回復を暫定的に回復することに成功した時間帯の緊急時対策本部の対応である。テレビ会議システムの映像を文字起こししたデータを基本データとし、会議録では事実関係の把握が難しい時には、各報告書や調書を参照した。また、ワークロードマネジメントを評価する手法は、Crew Resource Managementの手法を参照した。本研究により、発電所対策本部のワークロードマネジメントの実態が明らかになるとともに、緊急対応力向上のために、発電所対策本部および関係する外部組織に求められる課題が明らかになった。
吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*
人間工学, 54(3), p.124 - 134, 2018/06
東日本大震災に端を発し、東京電力福島第一原子力発電所は、放射性物質を大量に放出する過酷事故となったが、その後冷温停止状態を達成した。しかし、福島第一原子力発電所事故に関するさまざまな機関による調査報告書は、事故に至った過程に着目している一方で、事故の拡大の防止や被害の減少についてはほとんど着目していない。本研究は、福島第一原子力発電所の3号機における、冷温停止状態達成までの過程に着目した。公開データに基づき、事故の発生から冷温停止状態達成に至るまでの時列を整理し、それらを人間工学的視点によって行為群を分類した上で、状況の回復に重要な意味をもつ対処をm-SHELモデルを援用して分析した。このようなアプローチにより、状況の回復に必要な行為に関する新たな教訓を得た。
吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*
人間工学, 54(1), p.1 - 13, 2018/02
複雑化した社会技術システムの安全を確保する概念として、Hollnagelは2種類のアプローチを提言している。すなわち、リスクを低減するSafety-I並びに成功を拡張するSafety-IIという安全の概念である。また、Safety-IIを具現化する手法としてレジリエンスエンジニアリングが提唱されている。本研究は、これまで失敗や過誤に注目して分析されてきた福島第一原子力発電所事故対応の「さらなる事故進展を食い止めた」側面に着目し、レジリエンスエンジニアリングを用いて3号機の注水回復の事例を分析した。その結果から、既存の事故調査の事故対応の捉え方と異なった視点をもつ安全性向上の学習の在り方を明らかにした。
吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*
日本機械学会論文集(インターネット), 83(856), p.17-00263_1 - 17-00263_17, 2017/12
This research aims to develop capability of on-site staffs that can respond to beyond design basis accident in the sophisticater socio-technical system, in which ensuring safety has been more complicated. The authors focused on the actions to prevent the accident progression undertaken by on-site staffs, which were hardly evaluated in existing accident analyses and reports. With reference to the concept of resilience engineering, "Responding" of the four cornerstones was particularly analyzed. Based on the precedent studies, causal factors of modeling "Responding" where pointed out the importance of "Attitude" that is a new lesson learned from on-site response at the accident. In addition, new lessons learned on improvement of skills indicated the limit of the concept of risk removal type safety as a safety goal that human is defined as "a safety hazard element". This led the necessity of the success expansion type of safety as a new safety goal that human is defined as "a resource necessary for system flexibility and resilience". Thus, new lessons learned successfully derived introduced for human resource development of the next generation to lead technologies in the society.
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; et al.
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 40(4), p.359 - 362, 2015/12
ナノ構造制御したアニオン交換膜を作製するため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜に塩化ビニルベンジルモノマーのイオン飛跡グラフト重合を行った。低フルエンスの照射の下でグラフト率をできる限り高めるため、グラフト重合における反応媒質の影響を検討した。反応媒質として純水(HO)とイソプロピルアルコール(
PrOH)の混合液を用いた場合、560MeV
Xeビームによるグラフト率は、H
O/
PrOH比の増大とともに高くなり、H
Oのみのとき最大となった。この結果は、いわゆるゲル効果に類似した現象を考えれば理解できる。すなわち、グラフト鎖は貧溶媒の存在下で反応媒質に不溶となって凝集し、他の鎖との再結合(言い換えれば停止反応)が抑制されることに起因すると考えられる。
篠原 慶邦; 北村 正晴*
JAERI-M 5664, 34 Pages, 1974/04
高中性子束熱中性子炉の炉停止後におけるサマリウム蓄積による原子炉毒作用を最小化するための最適中性子束プログラムについて述べている。連続系の問題を時間的に制約をつけて半連続系の問題に変換し、多次元ユークリッド空間内の最適点検索の問題として扱っている。この問題に対して、統計的検索法の一種であるランダム・リワード法を用いて数値的に最適解を求めた。またよく知られた方法の1つであるPowellの方法によっても数値解を求め、両者の比較も行なった。
庄野 彰; 黒田 義輝*; 角田 十三男*; 田中 守*; 北村 正晴*
日本原子力学会誌, 27(08), 94 Pages,
原子炉雑音解析とその応用である異常診断技術の分野では、20年を超える期間にわたり着実に研究努力が蓄積されてきているが、現在もなお急速な発展が続いている。原子力発電支援システムや計装高度化の試みとも密接に関係して重要性の認識が一層広まりつつあるこの分野の最近の進歩につき、昨1984年秋に行われた「原子炉雑音に関する専門家会議」での話題を中心に紹介する。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春*; 澤田 真一; 喜多村 茜; 前川 康成; Kay-Obbe, V.*; Severin, D.*; Seidl, T.*; et al.
no journal, ,
本研究では、より速く効率的にポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜を作製することを目指し、"その場"かつ"オンライン"分析によって、潜在飛跡内に存在する化学種の構造や反応性を調べた。その結果、照射と同時に生成したラジカルを介して、PVDF鎖中および切断末端の不飽和結合が主に生成することがわかった。このような飛跡内の生成物にのみ作用しエッチングを加速するための改質過程として、潜在飛跡の酸化に着目したエッチング前処理法を提案できた。この手法は、飛跡内に不飽和結合が形成されるすべての高分子に適用できると考えられることから、PVDF以外のフッ素系高分子からなるイオン穿孔膜の実現可能性についても展望する。
大場 恭子; 吉澤 厚文*; 北村 正晴*
no journal, ,
本研究は、福島事故の現場の方々のRespondingの背景にあるものとして文献等調査より抽出されたAttitude、すなわち、使命感, 誇り, リーダーシップ/フォロワーシップ, マイプラント意識, 家族や地元への愛着が、より高い安全を目指す組織が行う通常の業務にどのように関係しているのか。また、より高い安全(Safety-II)の実現に繋がっているのかを検討した。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 浅野 雅春*; 前川 康成; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
no journal, ,
燃料電池用アニオン交換膜の開発手法としてイオン飛跡グラフト重合を利用している。この手法では、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜へイオン照射した後、その潜在飛跡の一つひとつに塩化ビニルベンジル(VBC)をグラフト重合する。本研究では、種々のイオンを照射したETFE膜における飛跡内ラジカルの挙動とVBCグラフト率との相関を調べた。イオンの質量数とエネルギーに対する依存性から、LETだけでなく飛跡内動径方向の線量分布を考慮する必要があることが初めて見出された。このような飛跡構造を制御することによって、得られるアニオン交換膜のさらなる性能向上が期待できる。
吉澤 厚文*; 松本 敦史*; 大場 恭子; 北村 正晴*
no journal, ,
本研究では、「リスク除去型安全(Safety-I)」から、「成功を高める安全(Safety-II)」を目指し、レジリエンスエンジニアリング(RE)の提唱する4つのコア能力(Learning, Anticipating, Responding, Monitoring)のうち、Respondingに着目し、この背後要因を分析することでこの能力を高めるための方法(実装)について検討を行ってきたことを受け、原燃輸送における実装に向けた活動を紹介するとともに、活動への参加者に活動実施後に行ったアンケートを分析した。
北村 正晴*; 大場 恭子; 吉澤 厚文*
no journal, ,
The central issue for application of resilience engineering for maintaining and improving safety of large-scale socio-technical systems, i.e. use of appropriate set of performance indicators, is discussed in this paper. In order to supplement the conventional approaches to safety management largely based on lagging indicators, incorporation of process-based leading indicators can be a natural and logical solution. However, actual implementation of dependable leading indicators is often hindered by practical difficulties in defining and validating a candidate set of leading indicators. This report summarizes observations from our preliminary attempt to resolve the key issue of incorporating appropriate leading indicators within the framework of resilience engineering.
吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*
no journal, ,
The conventional concept of safety had the objective to eliminate risk. However, the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident exemplified that there is a region of safety that cannot be covered by such an approach. As is evident from the first author's experience on site during the Fukushima Accident, systems need to be resilient in order to secure safety even amidst large disturbances. Also, people in the field showed the ability to make an effort to achieve success (recovery) even when plagued by problems or adversity (resilience). This paper introduces a model for explaining the difference between conventional and new safety concepts. As this model requires the analysis of success cases, this paper focuses on incidents within the Fukushima Accident and analyzes two incidents that can be considered successes based on Resilience Engineering methodology. Based on this analysis, we attempt to structuralize the relationship between the four core capabilities of Resilience Engineering (Learning, Responding, Monitoring, and Anticipating) and complementary traits in order to utilize Resilience Engineering in real-world situations.
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 晶大*; et al.
no journal, ,
ナノ構造制御したアニオン交換膜を作製するため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体膜に塩化ビニルベンジルモノマーのイオン飛跡グラフト重合を行った。低フルエンスの照射の下でグラフト率をできる限り高めるため、グラフト重合における反応媒質の影響を検討するとともに、放射線化学的な興味から線グラフト重合との比較を試みた。反応媒質として純水(H
O)とイソプロピルアルコール(iPrOH)の混合液を用いた場合、560MeV
Xeビームによるグラフト率は、H
O/iPrOH比の増大とともに高くなり、H
Oのみのとき最大となった。
線グラフト重合においても、反応媒質の影響は同じ傾向を示したが、グラフト率自体は同線量の前照射の下で低く、イオンビームとの線種の違いが確認された。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 喜多村 茜; 前川 康成; 勝村 庸介*
no journal, ,
本研究では、ポリフッ化ビニリデン膜の穿孔形成過程をコンダクトメトリーによって解析し、測定セルへの印加電圧がエッチング挙動に及ぼす影響を調べた。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、セル電圧を高く維持することによって大きく加速された。それに対して、最終的に得られる穿孔の孔径を走査型電子顕微鏡観察で調べたところ、電圧印加により増大したものの、セル電圧にそれほど依存せず若干の減少傾向が確認された。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 喜多村 茜; 越川 博; 吉村 公男; 澤田 真一; 浅野 雅春*; 前川 康成; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*
no journal, ,
イオン飛跡グラフト重合を利用した燃料電池用アニオン交換膜の開発では、照射イオンのフルエンスを低くした上で、いかにグラフト率(DOG)を増加させ十分なイオン交換容量を確保するかが鍵である。本研究では、DOGを高める試みとして、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜への塩化ビニルベンジル(VBC)のイオン飛跡グラフト重合を異なる反応媒質で行い、その効果をDOGの経時変化から速度論に基づいて解析した。具体的には、反応媒質である水-イソプロピルアルコール溶液の混合比を変化させ、そのときに初期重合速度(r)、ラジカル再結合速度(
)、グラフト効率(r
/
)が受ける影響を追跡した。ETFE鎖上のラジカルはVBCグラフト重合とイソプロピルアルコールへの連鎖移動との競合反応により消費されると仮定した上で、ゲル効果やETFE膜の膨潤を考慮すると、各因子の挙動はすべて説明することができた。
吉澤 厚文*; 國頭 晋*; 大場 恭子; 北村 正晴*
no journal, ,
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、15:40全交流電源喪失となった福島第一原子力発電所5号機は、9日後の同20日14:30冷温停止を達成した。本稿では、この5号機の冷温停止までの過程を、現場で事故対応をした人々の行動に着目して振り返りを行った。具体的には、レジリエンスエンジニアリング手法を参照し、そのコア能力の一つであるRespondingが5号機の冷温停止までの過程のなかでどのように発揮されていたのかを分析し、冷温停止を可能とした重要項目の抽出を試みたものである。
大場 恭子; 吉澤 厚文*; 北村 正晴*
no journal, ,
原子力施設の安全の考え方の基本である深層防護は、顕在化されたリスクの除去および予防型アプローチによって安全を確保しようとするSafety-Iに近い考え方である。他方、Safety-IIは、Safety-Iの必要性を認めた上で、破局を避けることを目的とした安全概念である。本稿では、深層防護に基づいた取り組みの歴史と現状を整理するともに、さらなる安全に向けてSafety-IIの必要性を述べる。
大場 恭子; 吉澤 厚文*; 北村 正晴*
no journal, ,
レジリエンスエンジニアリングの概念と指針を参照しつつ福島事故現場の行為の総体に注目し、その背景要因を整理・検討した。さらに背景要素のひとつであるAttitudeに焦点を絞って、東海第二発電所および事故前の福島第一原子力発電所の事例を調査した。その結果を通じて、Safety-IIの概念の重要性を実証できた。また、より高い安全を目指す組織は、組織構成員およびその周辺にSafety-IIの概念の浸透、ならびに、レジリエンスエンジニアリングの4能力の発揮を生むAttitudeを醸成する施策を導入する必要性を明らかにできた。