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論文

Circulation in the northern Japan Sea studied chiefly with radiocarbon

荒巻 能史*; 千手 智晴*; 外川 織彦; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 北村 敏勝; 天野 光; Volkov, Y. N.*

Radiocarbon, 49(2), p.915 - 924, 2007/10

 被引用回数:9 パーセンタイル:25.41(Geochemistry & Geophysics)

2002年夏季に日本海北部海域における放射性炭素を測定した。北緯45度以北の表層海水では、高水温と低塩分とともに50‰という高い$$Delta$$$$^{14}$$Cが観測された。これは、対馬暖水が北部海域まで北上していることを意味する。深層海水における$$Delta$$$$^{14}$$Cは海水密度とともに小さくなり、最小値は-70‰であった。この結果から、この海域における深層水の滞留時間は短いことが示唆される。北部海域で冬季に形成されると考えられる高密度水は北緯47度以北の表層海水で観測されたが、海水の深層への沈み込みを示す指標は見られなかった。

論文

Determination of $$^{129}$$I in environmental samples by AMS and NAA using an anion exchange resin disk

鈴木 崇史; 伴場 滋*; 北村 敏勝; 甲 昭二*; 磯貝 啓介*; 天野 光

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 259(1), p.370 - 373, 2007/06

 被引用回数:14 パーセンタイル:67.69(Instruments & Instrumentation)

大型再処理工場が稼動すると$$^{129}$$Iが環境中に放出される可能性があり、環境影響評価のためには精度の良い測定が重要である。そこで環境試料中の$$^{129}$$Iを加速器質量分析法(AMS)と従来法である放射化分析法(NAA)の両方で測定し相互比較を行った。環境試料は北海道,岩手,秋田,兵庫,大分の5地点で土壌,海藻,原乳を採取した。土壌は表層(0$$sim$$5cm)と深層(5-20cm)に分けた。土壌と海藻は燃焼法と陰イオン交換樹脂ディスクを用いて抽出した。原乳は陰イオン交換樹脂ディスクを用いると目詰まりを起こすため、陰イオン交換樹脂によるバッチ法とその溶媒抽出法の組合せで抽出した。抽出した溶液はAMSとNAA用にそれぞれAgIとPdI$$_{2}$$の化学形で沈殿させた。NAAによる測定結果はほとんど検出限界以下であったが、幾つかの土壌サンプルで$$^{129}$$Iを検出できた。例えば、北海道の表層土壌ではAMSとNAAの測定結果はヨウ素同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)でそれぞれ(2.4$$pm$$0.04)$$times$$10$$^{-8}$$, (2.4$$pm$$0.26)$$times$$10$$^{-8}$$であった。これら原理の異なる方法での測定結果はよく一致しており、両測定方法は環境試料中の$$^{129}$$Iを測定するのに有効な分析方法であることがわかった。またAMSは測定時間,感度,利便性の点で優れている。

論文

原子力機構むつ・タンデトロン加速器の現状

天野 光; 甲 昭二; 木下 尚喜; 鈴木 崇史; 田中 孝幸; 乙坂 重嘉; 桑原 潤; 北田 慶信*; 渡部 幸也*; 北村 敏勝

第19回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.1 - 4, 2007/01

日本原子力研究開発機構むつ事業所タンデトロン加速器質量分析装置(JAEA-AMS-MUTSU: High Voltage Engineering Europa製 Model 4130-AMS)は、最大加速電圧3MVのタンデム型加速器と炭素及びヨウ素同位体比測定用の2本のビームラインから構成されている。これまで海洋環境における放射性核種の移行挙動にかかわる研究等におもに利用され、平成17年度末までに約6,000試料(原子力機構:80%,原子力機構以外20%)を測定した。本発表では、17年度の運転及び維持管理状況,前処理技術開発等について報告するとともに、18年度から開始した施設共用についても報告する。

論文

High sensitivity measurement of Iodine-129/Iodine-127 ratio by accelerator mass spectrometry

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 甲 昭二*; 外川 織彦; 天野 光

Journal of Nuclear Science and Technology, 43(11), p.1431 - 1435, 2006/11

 被引用回数:13 パーセンタイル:65.10(Nuclear Science & Technology)

日本原子力研究開発機構の加速器質量分析装置にヨウ素ラインを設置した。このヨウ素ラインは高分解能の分析電磁石及び高エネルギー分解能の静電ディフレクターによって妨害イオンを除去するシステムになっている。ヨウ素ラインを設置後、さまざまなトラブルに見舞われたが修理,改善を行った結果、0.53%の再現性と1.1%の精度に達した。10$$^{-10}$$から10$$^{-12}$$までのヨウ素同位体比を持つ標準試料を測定した結果、このヨウ素ラインは$$^{129}$$Iを精度よく測定できることを実証した。低レベルの$$^{129}$$Iを測定する際、メモリー効果が観測されたので、検出限界を再度見積もった。検出限界値はヨウ素同位体比で10$$^{-14}$$レベルであった。これらの結果から判断するとこのヨウ素ラインは原子力施設のモニタリングだけでなく年代測定やトレーサー利用といった地球環境科学分野に応用できる可能性を有している。

報告書

加速器質量分析装置ヨウ素ラインの性能

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 甲 昭二; 外川 織彦; 木下 尚喜; 天野 光

JAEA-Technology 2006-018, 40 Pages, 2006/03

JAEA-Technology-2006-018.pdf:4.33MB

日本原子力研究開発機構むつ事業所には1997年に加速器質量分析装置(JAEA-AMS)が設置された。この加速器質量分析装置は炭素同位体比測定用とヨウ素同位体比測定用の独立したビームラインを有している。ヨウ素測定について、2000年7月に行われたアクセプタンステストの結果では精度が2.0$$sim$$1.5%、再現性が1.5$$sim$$0.7%であった。その後、マルチチャンネルプレート(MCP)の交換や再アライメントを行い、現在では精度0.6%,再現性0.26%に達した。さまざまなヨウ素同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)を持つ標準物質を測定した結果、$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iが10$$^{-10}$$から10$$^{-12}$$の間で理論値と測定値がよく一致したことから、測定値の信頼性が確認された。$$^{129}$$Iをほとんど含まない市販試薬を用いてこのヨウ素ラインの検出限界を見積もった結果、実質的には$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iで10$$^{-13}$$以下であることが確認された。現在、市販されている低レベルの$$^{129}$$I標準試料はNIST SRM 3230がAMS用として利用できるが、高価であり少量しか使用できない。そこで2次標準物質を作製しNIST SRM 3230で規格化した。2次標準物質の$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは、Iso Trace Lab.の標準物質で(1.21$$pm$$0.01)$$times$$10$$^{-10}$$, Standard No. 3Kで(7.22$$pm$$0.03)$$times$$10$$^{-11}$$, Standard No. 3iで(2.77$$pm$$0.03)$$times$$10$$^{-11}$$であった。

論文

Status and future plan of JAEA Mutsu tandetron AMS facilities

天野 光; 甲 昭二; 木下 尚喜; 鈴木 崇史; 北村 敏勝

UTTAC-74, p.77 - 81, 2006/00

加速器質量分析装置(AMS: Accelerator Mass Spectrometer)は、タンデム型加速器と質量分析装置を組合せた装置である。1997年4月に原研むつ事業所に導入されたAMSは、High Voltage Engineering Europa社製の小型タンデム加速器を用いた新世代型で、炭素の同位体比測定とヨウ素等の重イオンの同位体比測定が可能なイオンビーム入射方式の異なる2つのビームラインを持っている世界で唯一のAMS施設である。炭素については、測定試料に含まれる炭素を二酸化炭素ガスとして分離・抽出した後、鉄触媒で水素ガスによりグラファイト(炭素)に還元して測定する。ヨウ素については、試料中のヨウ素を化学処理してヨウ化銀にして測定する。試料はAl製円柱状ホルダーの先端にプレスして詰め込み、ターゲットホルダーに59個まで装着、自動的に連続測定ができる。イオン源は2つのビームラインともセシウムスパッター型負イオン源である。測定について炭素ラインではC-12, C-13イオンビームはファラディーカップ,C-14イオンはパルス電離箱型検出器,ヨウ素ラインでは、I-127イオンビームはファラディーカップ,I-129イオンは飛行時間型(TOF)検出器でそれぞれ測定している。2005年末までに、約5000個の炭素,約400個のヨウ素試料を測定した。2006年4月よりは共用施設として外部機関からの測定も受け付ける。

論文

原研むつ・タンデトロン加速器の現状

北村 敏勝; 甲 昭二*; 鈴木 崇史; 天野 光; 北田 慶信*; 渡部 幸也*

第17回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.52 - 55, 2004/12

日本原子力研究所むつ事業所では、海洋環境における放射性核種の移行挙動にかかわる研究を目的として、平成9年4月にタンデトロン加速器質量分析装置(JAERI-AMS:High Voltage Engineering Huropa製 Model 4130-AMS)を設置した。本装置は、最大加速電圧3MVのタンデム型加速器と炭素及びヨウ素同位体比測定用の2本のビームラインから構成される。炭素ラインは、平成11年12月に$$^{14}$$C定常測定を開始してから海洋環境における物質循環の解明等に関する研究に利用され、これまでに約4000試料の測定を行った。一方、ヨウ素ラインは、再現性及び感度試験を行い、$$^{129}$$Iを高精度で測定できることを確認し、昨年5月から定常測定を開始した。本講演では、平成15年度の運転状況等のほか、$$^{129}$$I測定の現状について紹介する。

論文

加速器質量分析装置による$$^{129}$$I測定法の確立

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 甲 昭二*; 外川 織彦; 天野 光

第46回環境放射能調査研究成果論文抄録集,平成15年度, p.109 - 110, 2004/12

$$^{129}$$Iは原子力施設から放出される可能性の高い長半減期放射性核種である。環境中には天然で生成される$$^{129}$$Iや大気圏内核実験により生成された$$^{129}$$Iが既に存在している。従来、$$^{129}$$Iは中性子放射化分析法により測定されてきたが検出感度が高く、環境中の$$^{129}$$Iを測定するには満足できる分析方法ではなかった。そこで日本原子力研究所では加速器質量分析装置を用いた$$^{129}$$Iの高感度測定法の確立を目指した。原研むつ事業所に設置してある加速器質量分析装置は2本の独立したビームラインを有しており、一方を$$^{129}$$Iにセットアップし、性能評価を行った。このヨウ素ラインの精度,正確さ,検出限界を検討した結果、環境試料を測定するために十分な性能を有していることが実証された。六ヶ所村に建設されている再処理工場から$$^{129}$$Iが海洋環境中に放出されると予想される。六ヶ所周辺海域の$$^{129}$$I濃度を測定することは$$^{129}$$Iの環境影響評価だけでなく、海水循環のトレーサーになると考えらる。今後は再処理工場稼動前の周辺海域における$$^{129}$$Iの濃度分布を明らかにする予定である。

論文

AMS measurement of $$^{129}$$I and its application as an oceanographic tracer

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 甲 昭二*; 外川 織彦; 天野 光

IAEA-CN-118/84P, p.529 - 530, 2004/10

ヨーロッパの再処理工場から$$^{129}$$Iが放出されており、その$$^{129}$$Iは海水循環のトレーサーとして使われている。日本では将来六ヶ所村にて再処理工場が稼動予定であることから、われわれはこの再処理工場から放出される$$^{129}$$Iが太平洋のトレーサーになるのではないかと考えている。そこで日本原子力研究所むつ事業所に設置している加速器質量分析計のヨウ素ラインの性能を評価した。ヨウ素同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)が10$$^{-10}$$程度であれば1%程度の精度で測定可能であった。ヨウ素同位体比が10$$^{-10}$$-10$$^{-12}$$の間には、理論値と測定値に良い直線関係があった。市販試薬のヨウ化銀中のヨウ素同位体比を測定したところ(3.9$$pm$$0.3)$$times$$10$$^{-13}$$であった。またこの時の検出器でのスペクトルは$$^{129}$$Iのピーク周辺には妨害となるピークが見られないことから、検出限界はさらに一桁近く下げられると考えている。海水中のヨウ素同位体比を測定するためには、ヨウ素をヨウ化銀の形にする前処理をほどこさなければならない。そこで四塩化炭素による溶媒抽出でヨウ素を抽出し、硝酸銀を加えることによりヨウ化銀とした。この方法で抽出したヨウ化銀はほとんど不純物を含まないことをSEM-EDXで確認した。

論文

Performance of the new iodine-129 beamline at JAERI-AMS

鈴木 崇史; 荒巻 能史; 北村 敏勝; 外川 織彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 223-224(1-4), p.87 - 91, 2004/08

 被引用回数:13 パーセンタイル:63.33(Instruments & Instrumentation)

日本原子力研究所のむつ事業所に設置されている加速器質量分析計は$$^{14}$$Cと$$^{129}$$Iを測定できる2つの独立したビームラインを持っている。本研究ではこのヨウ素ラインの精度,正確さ,検出限界を測定した。$$^{129}$$I測定のアクセプタンステストは連続した2日間で行われ、この2日間で得られた$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比はそれぞれ(7.497$$pm$$0.119)$$times$$10$$^{-11}$$と(7.209$$pm$$0.050)$$times$$10$$^{-11}$$であり、相対標準偏差はそれぞれ1.6%, 0.7%であった。海水試料は再処理工場稼動前の西部北太平洋と六ヶ所沖で採水した。AMS測定のための海水サンプル処理は溶媒抽出法によって行われた。本論文はAMSヨウ素ラインの性能と海水試料中の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比の測定結果をまとめたものである。

論文

JAERI-AMSヨウ素ラインの性能

鈴木 崇史; 荒巻 能史*; 北村 敏勝; 外川 織彦

第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.162 - 165, 2004/02

日本原子力研究所むつ事業所に設置されている加速器質量分析計(JAERI-AMS)は炭素($$^{14}$$C/$$^{12}$$C)とヨウ素の同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)を測定するための独立したビームラインを有している。炭素ラインは既に定常測定を開始しており、ヨウ素ラインは2003年5月から定常測定を開始した。トロント大学Iso trace研究所で作成した標準試料(1.1e-10)でJAERI-AMSの性能確認テストを行ったところ、ヨウ素ラインの再現性は0.52%、精度は約1%で測定可能であった。また感度はヨウ素同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I)で2.3e-13まで測定可能であった。本講演では精度,確度,検出限界等のJAERI-AMSの基本的性能について報告する。

論文

原研むつ・タンデトロン加速器の現状

北村 敏勝; 甲 昭二*; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 北田 慶信*; 渡部 幸也*

第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.27 - 31, 2004/02

日本原子力研究所むつ事業所では、平成9年4月、海洋環境における放射性核種の移行挙動にかかわる研究を目的としてタンデトロン加速器質量分析装置(HVEE製 Model 4130-AMS)を導入した。平成11年12月に$$^{14}$$C定常測定を開始してから$$^{14}$$Cを化学トレーサーとした海洋環境における物質循環の解明等に関する研究に利用され、これまでに約3000試料の$$^{14}$$C測定を行った。一方、ヨウ素ラインはスリット装置の修理,HE側Y-Steerer等の最適化,飛行時間(TOF: Time of Flight)型検出器のBent Magnet等の最適化を行い、測定の見通しが得られたので装置の再現性試験及び感度測定を行った。再現性(相対標準偏差)は0.52%であり、ACROS AgIの$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比は2.3$$times$$10$$^{-13}$$であった。この結果、$$^{129}$$Iを高精度で測定できることが確認されたので測定条件等の検討を行い、平成15年5月から$$^{129}$$Iの定常測定を開始した。本講演では、平成14年度の運転状況,整備状況等のほかヨウ素ラインの調整結果等について紹介する。

論文

日本海における放射性炭素の分布(速報)

荒巻 能史*; 外川 織彦; 北村 敏勝

第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.170 - 172, 2004/02

1993年に、ロシアによる放射性廃棄物の極東海域への投棄が明らかになった。これを受けて、原研では日本海における人工放射性核種の移行挙動を調査してきた。従来の人工放射性核種濃度のモニタリングに加え、1998年より日本海の海洋学的特徴を詳細に解明し、周辺地域における原子力施設の増加,放射性廃棄物投棄などの何らかの原因による放射性核種の海洋への流入に対応する海洋環境評価システムの構築に役立てることを目的として日本海研究を遂行してきた。本講演では、これまでの調査において採取・分析された放射性炭素濃度分布の一部を速報的に報告するとともに、日本海海水、特に深層水の循環について考察を加える。

論文

JAERI-AMSによるヨウ素-129の測定法及び海洋学への応用

鈴木 崇史; 北村 敏勝; 外川 織彦; 天野 光

UTNST-SMP-12, p.116 - 121, 2003/12

日本原子力研究所むつ事業所に設置してある加速器質量分析計は炭素同位体比とヨウ素同位体比を測定する2本の独立したビームラインを有している。ヨウ素ラインは2003年5月から定常測定を開始した。ヨウ素ラインの性能は同位体比($$^{129}$$I/$$^{127}$$I=10$$^{-10}$$程度)で、精度約1%再現性0.52%と安定して測定可能であった。さまざまな濃度を持つ標準試料を測定した結果10$$^{-10}$$から10$$^{-12}$$まで十分な正確さで測定できることが確認された。市販試薬中のヨウ素同位体比を測定したところ2.3$$times$$10$$^{-13}$$であった。本講演ではさらに海洋調査研究室における海水中のヨウ素129測定,調査状況についても報告する。

論文

Anthropogenic radionuclides in the Japan Sea; Their distributions and transport processes

伊藤 集通; 荒巻 能史; 北村 敏勝; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 小林 卓也; 千手 智晴*; Chaykovskaya, E. L.*; Karasev, E. V.*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 68(3), p.249 - 267, 2003/07

 被引用回数:41 パーセンタイル:63.10(Environmental Sciences)

1997-2000年の期間、日本海の海水中における$$^{90}$$Sr,$$^{137}$$Cs並びに$$^{239+240}$$Puが計測された。放射性核種濃度の鉛直分布は、$$^{90}$$Srと$$^{137}$$Csでは表層から深度方向に指数関数的減衰を示し、$$^{239+240}$$Puでは表層最小,中層最大となっていて、それぞれ典型的分布を示した。過去の測定例と比較しても本質的な差異は検出されなかった。また、日本海における緯度帯別平均濃度及びインベントリは北西太平洋に比べ高くなっていた。さらに空間分布では、高インベントリ域が日本海盆側から大和海盆へ貫入している様子が描かれた。このことは、日本海盆で鉛直輸送された放射性核種が大和堆を迂回後に大和海盆に入り、日本海の深層水中に放射性核種が蓄積されていることを示唆するものである。

論文

原研むつ・タンデトロン加速器の現状

北村 敏勝; 外川 織彦; 荒巻 能史; 鈴木 崇史; 甲 昭二*

第15回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.1 - 6, 2003/03

平成9年4月、海洋環境における放射性核種の移行挙動にかかわる研究を目的としてタンデトロン加速器質量分析装置(HVEE社製 Model 4130-AMS)を導入した。本装置は最大加速電圧3MVのタンデム加速器で炭素及びヨウ素の同位体比測定に用いられる。炭素ラインは、平成10年6月、$$^{13}$$C/$$^{12}$$C比及び$$^{14}$$C/$$^{12}$$Cの測定精度を確認(0.5%以下)し、平成11年12月から$$^{14}$$Cの定常測定を開始した。また、ヨウ素ラインは、平成12年7月に$$^{129}$$I/$$^{127}$$I比の繰返し測定精度を確認(~1.6%)した。昨年10月、$$^{129}$$Iの定常運転を行うため調整を開始したが飛行時間(TOF:Time of Flight)型検出器のMCP(Micro Channel Plate)に不具合が見つかり調整を中断した。本講演では、平成13年度の運転状況,整備状況等について紹介する。

論文

原研むつ・タンデトロン加速器の現状

北村 敏勝; 外川 織彦; 荒巻 能史; 鈴木 崇史; 水谷 義彦*; 甲 昭二*; 須藤 一彦*

JNC TN7200 2001-001, p.31 - 34, 2002/01

平成9年4月に海洋環境における放射性核種の移行挙動に係わる研究を目的としてタンデトロン加速器質量分析装置(HVEE社製 Model 4130-AMS)を導入した。その後炭素ラインの調整を進め、平成10年6月に測定精度0.5%を達成し、平成11年12月からC-14測定を開始した。一方、ヨウ素ラインの調整も並行して行い、平成12年7月、TOF検出器によるI-129アクセプタンステストを行い、その繰返し測定精度が1.1%であることを確認した。テスト終了後、加速器の内部点検、真空ポンプの解放点検等の保守点検を行いC-14測定を再開したが、イオン源に起因すると思われる幾つかのトラブルが発生したため測定を一時中断し、トラブルの原因を究明するとともにその対策を講じ、測定に向けた調整を進めた。本講演では、平成12年度の運転状況、整備状況、I-129測定精度の結果等及び今後の予定について紹介する。

論文

原研むつ・タンデトロン加速器の現状

北村 敏勝; 荒巻 能史; 水谷 義彦*; 外川 織彦; 水島 俊彦; 甲 昭二*; 須藤 一彦*

JAERI-Conf 2000-019, p.26 - 29, 2001/02

原研は、1997年4月むつ事業所にタンデトロン加速器質量分析装置を導入した。本装置は、炭素及びヨウ素同位体比測定ラインから構成される。炭素ラインは、1998年10月測定精度確認後、昨年12月から本格的な運転を開始し、本年4月までに海水試料等約620個を測定した。一方、ヨウ素ラインは、1999年10月に重イオン検出器を用いて測定精度確認試験を行い、相対標準偏差が1.0%以内であることを確認した。現在は飛行時間型検出器による繰返し精度確認のための調整を行っている。今後はヨウ素同位体比の精度確認を行った後、測定条件を検討するとともに炭素同位体比測定を行う予定である。本講演では、炭素同位体比測定の現状、重イオン検出器を用いたヨウ素同位体比測定精度確認試験結果等について紹介する。

論文

A 3 MV heavy element AMS system using a unique TOF set-up

Gottdang, A.*; Klein, M.*; Mous, D. J. W.*; 北村 敏勝; 水谷 義彦*; 鈴木 崇史; 荒巻 能史; 外川 織彦; 甲 昭二*; 須藤 一彦*

AIP Conference Proceedings 576, p.403 - 406, 2001/00

3MVタンデトロンを用いた重元素測定用AMSシステムは、原研むつにおいて運用を開始している。本システムは、イオン入射システムに逐次入射法を採用している。高エネルギー質量分析部には、エネルギー弁別機能を持った独立する二つのフォイルにより対象となる同位体を測定する独特なTOFシステムを採用している。この方法は$$^{36}$$Clや$$^{41}$$Ca測定のように同重体の影響を受ける元素分析に適しており、フォイルに起因する散乱ビームを処理するため大きな散乱ビームにも対応できるように設計されている。本講演では、システムの構成及び特徴について議論するとともに、テストの結果得られたI-129の測定精度及び装置のバックグラウドについて報告する。

論文

New AMS system at the JAERI-Mutsu

荒巻 能史; 外川 織彦; 北村 敏勝

Proceedings of the International Workshop on Distribution and Speciation of Radionuclides in the Environment, p.350 - 353, 2000/00

日本原子力研究所では、海洋環境研究をその主目的とした$$^{14}$$C及び$$^{129}$$I測定が可能な新しいAMSを1997年に、むつ事業所に設置した。同装置は、$$^{14}$$C測定用ラインのほか、世界ではじめて$$^{129}$$Iのような重イオンの測定が可能なラインを併設した。$$^{14}$$Cラインでは、精度確認が終了し、ほかの機関で達成している高精度測定実績と同等以上の精度を持つことがわかった。海水試料から溶存する無機炭酸を抽出し、その$$^{14}$$C測定を行うための自動分析装置も新たに開発され、その「正確さ」が、国際標準試料を用いて確かめられた。一方$$^{129}$$Iラインでは、最終的な精度確認に向けた調整を行っており、講演ではその予備的結果について紹介する。

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