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Favuzza, P.*; Antonelli, A.*; 古川 智弘; Groeschel, F.*; Heidinger, R.*; 東 拓真*; 平川 康; 飯島 稔; 伊藤 譲; 金村 卓治; et al.
Fusion Engineering and Design, 107, p.13 - 24, 2016/06
被引用回数:10 パーセンタイル:65.38(Nuclear Science & Technology)固体リチウムサンプルに含まれる窒素不純物濃度を決定する分析手順の妥当性評価に関するラウンドロビン試験が2014年から2015年の間に、3つの異なる協力機関であるENEAと日本原子力研究開発機構及び東京大学によって実施された。ここではリチウム中の窒素濃度が桁で異なる2種類のサンプル(約230wppm、約20-30wpmm)がクロスチェック分析のために選定された。窒素濃度が高いリチウムサンプルに対する分析で行われた各機関の作業手順は適切であり、本質的に良好な値を得ることができ、相対誤差が数%で大変良い一致を示した。一方、窒素濃度が低いリチウムサンプルの分析では、低い一致を示し、環境から混入する不純物源をできる限り低減することに注意を払わなければならないことが指摘され、適切なブランク値を差し引く重要性が強調された。
奥村 義和; Gobin, R.*; Knaster, J.*; Heidinger, R.*; Ayala, J.-M.*; Bolzon, B.*; Cara, P.*; Chauvin, N.*; Chel, S.*; Gex, D.*; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02A739_1 - 02A739_3, 2016/02
被引用回数:8 パーセンタイル:37.19(Instruments & Instrumentation)IFMIFは40MeV/125mAの重水素ビームを発生する2基の線形加速器を用いた核融合材料照射施設である。日欧の幅広いアプローチ活動のもとで、原型加速器(LIPAc)を用いた実証試験が開始されており、その目標は9MeV/125mAの連続重水素ビームを発生することである。フランスで開発された入射器は、既に日本の六ヶ所の国際核融合研究開発センターに搬入され、2014年から運転と試験が開始されている。これまでに、100keV/120mAの連続水素ビームを0.2.mm.mradのエミッタンスのもとで生成することに成功している。
奥村 義和; Ayala, J.-M.*; Bolzon, B.*; Cara, P.*; Chauvin, N.*; Chel, S.*; Gex, D.*; Gobin, R.*; Harrault, F.*; Heidinger, R.*; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.203 - 205, 2015/09
日欧協力のもと、国際核融合中性子照射施設(IFMIF)の工学設計工学実証活動(EVEDA)が2007年から開始されている。IFMIFにおける最大の開発課題は、40MeV/250mA/CWの重水素イオンビームを発生できる大電流加速器であり、現在、その原型加速器(9MeV/125mA/CW)の試験を六ヶ所村の国際核融合研究センターにおいて段階的に実施している。試験は日欧の事業チームメンバーと、入射器を担当したフランスサクレー研究所などの欧州ホームチーム,日本ホームチームのメンバーから構成される原型加速器統合チームが担当している。入射器については、2014年から試験を開始し、現在までに100keV/120mA/CWの水素イオンビームを0.3mm.mrad以下のエミッタンスで生成することに成功している。2015年には、高周波四重極加速器(RFQ)用高周波電源の搬入据付が開始され、入射器の試験の終了とともにRFQ本体の据付も開始される予定である。本稿では、入射器の実証試験の結果とともに、RFQ,超伝導リニアック,高周波電源,ビームダンプ等の現状について報告する。
Knaster, J.*; Ibarra, A.*; 井田 瑞穂*; 近藤 恵太郎; 菊地 孝行; 大平 茂; 杉本 昌義; 若井 栄一; 渡邊 和仁; 他58名*
Nuclear Fusion, 55(8), p.086003_1 - 086003_30, 2015/08
被引用回数:66 パーセンタイル:95.53(Physics, Fluids & Plasmas)国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、現在、日欧間の幅広いアプローチ協定の基で工学実証・工学設計活動(EVEDA)フェーズにおける研究開発か進行中である。工学設計活動(EDA)は2013年夏、予定通りに終了し、IFMIF中間工学設計書(The IFMIF Intermediate Engineering Design Report: IIEDR)を刊行した。先行フェーズに比べ、多くの点で設計の改善が行われた。特に、超伝導加速器の概念により、ビームロスの低減と運転コストの低減が実現された。照射施設の設計においては、照射モジュールと放射線遮蔽構造体を分離することによって、照射試験の柔軟性、遠隔操作機器の信頼性の向上とコストの削減が実現された。刊行されたIFMIF中間工学設計書は、EVEDA事業が開始された2007年より実施されている工学実証活動(EVA)の成果を補完し、建設判断を行うに足る情報を提供する。またさらに、益々増す核融合分野からの要求に合致した次の目標を定める上での基礎となる。
若井 栄一; 近藤 浩夫; 金村 卓治; 平川 康; 古川 智弘; 帆足 英二*; 深田 智*; 鈴木 晶大*; 八木 重郎*; 辻 義之*; et al.
Proceedings of Plasma Conference 2014 (PLASMA 2014) (CD-ROM), 2 Pages, 2014/11
IFMF/EVEDA(国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動)において、世界最大流量率(3000リットル/分)を持つリチウム試験ループを用い、幅100mmで厚さ25mmの自由表面を持つ高速(15m/s)リチウム流を、IFMIFの運転条件(250C、約10
Pa)で安定なリチウム流の形成を示す実証試験に成功した。また、リチウム施設開発におけるリチウム純化、リチウム安全や遠隔操作技術を含む最近の工学実証においても、いくつかの優れた結果が得られるとともに、リチウム施設に関する工学設計を併せて評価した。これらの研究開発で得られた成果は、核融合炉材料の開発に重要なキーテクノロジーとなる核融合炉の照射環境を模擬する加速器駆動型中性子源の開発を大きく進展させるものである。
若井 栄一; 近藤 浩夫; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; 渡辺 一慶; 井田 瑞穂*; 伊藤 譲; 新妻 重人; 枝尾 祐希; et al.
Fusion Science and Technology, 66(1), p.46 - 56, 2014/07
被引用回数:4 パーセンタイル:29.41(Nuclear Science & Technology)EVEDA Lithium Test Loop (ELTL) has been designed and constructed, has operated a liquid lithium flow test facility with the world's highest flow rate and has succeeded in generating a 100-mm-wide and 25-mm-thick free-surface lithium flow along a concave back plate steadily at a high speed of 20 m/s at 300C for the first time in the world. This result will greatly advance the development of an accelerator-based neutron source to high energy and high density, one of the key objectives of the fusion reactor materials development under the BA (Broader Approach) Activities. Recent related engineering validation and engineering design of the lithium facility has been evaluated.
堀 利彦; 千代 悦司; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 森下 卓俊; 近藤 恭弘; 二ツ川 健太*; 福井 佑治*; 川村 真人*; 杉村 高志*; et al.
Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1240 - 1242, 2013/08
J-PARCリニアックの運転当初から使用しているRFQは、2008年に放電が頻発し大出力ビームを長時間安定に加速することが困難な状況となったため、そのバックアップ機としてRFQ2号機を製作するに至った。RFQ2号機は2011年3月に製作を終え、早い時期に大電力試験を行う予定であったが、同年3月11日に発生した東日本大震災の影響で、試験スケジュールは白紙の状況となった。震災後の高周波源グループは機器の復旧とビーム運転の再開を最優先課題としたが、この大電力試験を早期に行えるよう本テストスタンドの整備を2012年1月より本格的に開始した。ハード機器の整備、低電力システムの構築、高圧電源の試運転、クライストロンから空洞までの導波管接続などの作業を4月下旬には完了した。空洞サイドからの主な要求としては、パルス繰り返し数: 50pps、RFパルス幅: 600s(連続可変)、最大供給電力: 400kWなどであったが、5月下旬までの実稼働日数で19日間、高圧印加時間で約150時間の大電力試験を大きなトラブルなく消化した。
若井 栄一; Kim, B. J.; 野澤 貴史; 菊地 孝行; 平野 美智子*; 木村 晃彦*; 笠田 竜太*; 横峯 健彦*; 吉田 崇英*; 野上 修平*; et al.
Proceedings of 24th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2012) (CD-ROM), 6 Pages, 2013/03
Recent progress of small specimen test technique and the engineering design and engineering validation tests of high flux test module (HFTM) for the IFMIF test cell is mainly summarized and evaluated in the IFMIF/EVEDA (Engineering validation and engineering design activities) projects under Broader Approach Agreement between EURATOM and Japan. Effects of specimen size on mechanical properties such as impact properties and ductile-to-brittle transition temperature are known to occur in ferritic/martensitic steels, and some parts of them have been prepared in the guideline and standard of mechanical tests by ASTM-international and ISO. However, our research of ferritic/martensitic steel F82H showed that it did not match with our data, i.e., master curve method for fracture in ductile-to-brittle transition behaviour of F82H steel. Accordingly, we need to modify and develop these standards for the tests including small size specimens of fusion materials in IFMIF. Also, some designs were prepared in the design of HFTM.
若井 栄一; 近藤 浩夫; 杉本 昌義; 深田 智*; 八木 重郎*; 井田 瑞穂; 金村 卓治; 古川 智弘; 平川 康; 渡辺 一慶; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 88(12), p.691 - 705, 2012/12
核融合エネルギーの早期実現を目指す幅広いアプローチ活動のもと、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動(EVEDA)を2007年より実施している。この活動の中で実機のリチウムターゲットを実証する目的で世界最大流量率(3000リットル/分)を有し、幅100mmで厚さ25mmの形状で最速20メートル/秒までの範囲で安定したリチウム流を実証試験を行うために液体リチウム流動試験装置を原子力機構大洗研究開発センターに建設し、その実証試験を開始したところである。本試験装置の各種機器の機能性試験及びそれに続く、ターゲット部でリチウム自由表面を持つ15m/sの流動試験までに関する第一段階確証試験を成功させた所である。また、これ関係する工学実証試験及び工学設計の活動状況を示すとともに、その成果内容について併せて解説したものである。
秋田 祐介; 北村 智; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 石坂 宏*; 近藤 恵美子*; 亀有 直子*; 中山 真義*; 谷川 奈津*; 森田 裕将*; et al.
Planta, 234(6), p.1127 - 1136, 2011/12
被引用回数:43 パーセンタイル:75.96(Plant Sciences)Anthocyanin -methyltransferase (OMT) is one of the key enzymes for anthocyanin modification and flower pigmentation. We previously bred a novel red-purple-flowered fragrant cyclamen (KMrp) from the purple-flowered fragrant cyclamen "Kaori-no-mai" (KM) by ion-beam irradiation. Since the major anthocyanins in KMrp and KM petals were delphinidin 3,5-diglucoside and malvidin 3,5-diglucoside, respectively, inactivation of a methylation step in the anthocyanin biosynthetic pathway was indicated in KMrp. We isolated and compared
genes expressed in KM and KMrp petals. RT-PCR analysis revealed that
was expressed in the petals of KM but not in KMrp. Three additional
s with identical sequences were expressed in petals of both KM and KMrp. Genomic PCR analysis revealed that
was not amplified from the KMrp genome, indicating that ion-beam irradiation caused a loss of the entire
region in KMrp. In vitro enzyme assay demonstrated that CkmOMT2 catalyzes the 3' or 3',5'
-methylation of the B-ring of anthocyanin substrates. These results suggest that CkmOMT2 is functional for anthocyanin methylation, and defective expression of
is responsible for changes in anthocyanin composition and flower coloration in KMrp.
近藤 恵美子*; 中山 真義*; 亀有 直子*; 谷川 奈津*; 森田 裕将*; 秋田 祐介; 長谷 純宏; 田中 淳; 石坂 宏*
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 65, 2011/01
埼玉県では、シクラメンの栽培種と芳香性野生種の種間交雑と染色体倍加により、バラやスズランと同様の香気成分を持つ複二倍体の芳香性シクラメンを育成した。しかし、芳香性シクラメンは色や形が限定されているため、幅広い消費者の要望に応じるために、イオンビームによる突然変異育種を試みた。芳香性シクラメン「香りの舞い」に炭素イオンビームを2Gy照射して得られたM2個体の中から、花色変異体が得られた。「香りの舞い」の主要色素がマルビジン3.5-ジグルコサイドであるのに対して、変異体の主要色素はシクラメンでは今までに見いだされていないデルフィニジン3,5-ジグルコサイドであった。以上の結果は、変異体では、デルフィニジンの3'位及び5'位の水酸基のメチル化酵素をコードする遺伝子が、イオンビームの影響を受け、マルビジンへの代謝が阻害されていることを示唆している。
近藤 恵美子*; 中山 真義*; 亀有 直子*; 谷川 奈津*; 森田 裕将*; 秋田 祐介; 長谷 純宏; 田中 淳; 石坂 宏*
Plant Biotechnology, 26(5), p.565 - 569, 2009/01
被引用回数:36 パーセンタイル:68.53(Biotechnology & Applied Microbiology)香りシクラメンシリーズのバリエーションの増加のために、紫の花が咲き、主要アントシアニンとしてマルビジン3,5-ジグルコサイドを含む香りシクラメン品種(
)「香りの舞」の黄化葉柄に320MeVの炭素イオンビームを0
16Gyの強さで照射した。M1植物の自家受粉により得られたM2植物から変異体が選抜された。そのうち、2Gyを照射して得られたM2植物68個体中9個体は、これまでの紫の花と葉は異なる赤紫の花が咲いた。その花の色素を抽出し液体クロマトグラフィー(HPLC)で解析したところ、その主要アントシアニンは、デルフィニジン3,5-ジグルコサイドであった。花の形態や香り成分等、花の色以外の要素はこれまでのシクラメン品種とは大差がなかったことから、この変異体は花の色素合成にかかわる遺伝子にのみ変異が生じたと考えられる。デルフィニジン3,5-ジグルコサイドを主な色素として持つシクラメンはこれまで報告されておらず、この変異個体は商業的な価値があるだけでなく、シクラメンの貴重な遺伝子資源としても有用である。
長谷川 和男; 浅野 博之; 千代 悦司; 堀 利彦; 伊藤 崇; 小林 鉄也; 近藤 恭弘; 滑川 裕矢; 小栗 英知; 大越 清紀; et al.
Proceedings of 24th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2008) (CD-ROM), p.55 - 57, 2009/00
J-PARCリニアックは2006年11月にビームコミッショニングを開始し、2007年1月には所定のエネルギーである181MeVの加速に成功した。その後、リニアックは後段の3GeVシンクロトロンのビームコミッショニングのためのビームを供給し、さらに下流の50GeVシンクロトロンや中性子ターゲットのコミッショニングにもビームが用いられた。イオン源はセシウム不使用の負水素イオン源であり、安定なビームを供給し運転時間は3,000時間を越えた。高周波源としては20台の324MHzクライストロンを使用し、平均で6000時間以上、大きなトラブルなく運転を実証した。ここでは、こうしたJ-PARCリニアックの運転経験について報告する。
中村 博雄; Agostini, P.*; 荒 邦章; Cevolani, S.*; 千田 輝夫*; Ciotti, M.*; 深田 智*; 古谷 一幸*; Garin, P.*; Gessii, A.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.1007 - 1014, 2008/12
被引用回数:20 パーセンタイル:76.67(Nuclear Science & Technology)本報告では、国際核融合材料照射施設(IFMIF)の液体リチウム(Li)ターゲットの最近の設計について述べる。IFMIFは、核融合材料照射のための加速器型中性子源である。中性子は、重陽子ビームを液体Li流に照射して発生させる。ターゲット系の主な設計要求は、1GW/mの熱負荷除熱のための流速10m/sから20m/sで安定なLi流を実現することである。そのため、2段絞りのノズル及び曲面流が採用され、流動特性は水とLi流実験で確証された。純化系は、コールドトラップ及び2種類のホットトラップから構成されており、トリチウム,ベリリウム7,酸素,窒素,炭素等を、許容量以下に制御する。窒素は10ppm以下に、トリチウムは1ppm以下である。また、信頼性のある長期運転のため、自由表面計測など種々の計測器が設置される。ターゲットアセンブリの背面壁は、50dpa/yの中性子照射を受けるため、遠隔操作で交換可能な構造が不可欠であり、2つの方式が検討中である。
近藤 正剛*; 小池 洋介*; 奥原 宏之*; 小田 正之*; 長谷 純宏; 吉原 亮平; 小林 仁*
JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 67, 2008/11
ユリは、我が国における切り花の粗生産額でキク,バラについて第3位の地位を占め、球根出荷量でもチューリップに次ぐ第2位であり、園芸植物として重要な花卉である。新潟県農業総合研究所では、アグロバクテリウム法によるユリの形質転換系を確立し、花色改変による新品種の作出に取り組んでいる。遺伝子組み換えにより作出した植物を普及するためには、花粉の飛散による環境への遺伝子拡散を管理しなくてはならないため、雄性不稔であることが望ましい。そこで、ユリの不稔化を目的として、組織培養系とイオンビーム照射を組合せた突然変異育種による共同研究を進めている。テッポウユリ(品種:ホワイト阿賀)のカルスに、100MeVのヘリウムイオンビームを0から2Gy照射したものを育成し、葯の形態異常によって花粉が少ない10個体を選抜した。このうち、0.8Gy照射したものから得られた変異体は、葯が捻れて花粉が少ないほかは、ホワイト阿賀と同様の形質を示した。今後、この変異体について花粉の稔性を調査する予定である。
近藤 正剛*; 小池 洋介*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 小林 仁*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 75, 2008/03
ユリは、我が国における切り花の粗生産額でキク,バラについて第3位の地位を占め、球根出荷量でもチューリップに次ぐ第2位であり、園芸植物として重要な花卉である。新潟県農業総合研究所では、アグロバクテリウム法によるユリの形質転換系を確立し、花色改変による新品種の作出に取り組んでいる。遺伝子組み換えにより作出した植物を普及するためには、花粉の飛散による環境への遺伝子拡散を管理しなくてはならないため、雄性不稔であることが望ましい。そこで、ユリの不稔化を目的として、組織培養系とイオンビーム照射を組合せた突然変異育種による共同研究を進めている。今回は、リン片に50MeVのヘリウムイオンビームを0から2Gy照射し、球根の再生に与える影響を調査した。その結果、0.2から0.6Gyが変異体を作出するための最適線量であると見積ることができた。
近藤 正剛*; 小潟 慶司*; 長谷 純宏; 横田 裕一郎; 鳴海 一成; 小林 仁*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 89, 2007/02
ユリは、我が国における切り花の粗生産額でキク,バラについて第3位の地位を占め、球根出荷量でもチューリップに次ぐ第2位であり、園芸植物として重要な花卉である。新潟県農業総合研究所では、組換え技術により青色ユリを作製したが、市場化に際しては、花粉の飛散を防止するための不稔化が必要である。そこで、組織培養系とイオンビーム照射を組合せた突然変異育種を行い、ユリのカルスにイオンビームを照射し、カルスの増殖に与える影響を調査した。その結果、ユリへの変異処理に適したイオンビーム照射条件は、0.2から0.6Gyの50MeVヘリウム、あるいは、0.25から0.5Gyの100MeVヘリウムであると推定できた。現在、不稔変異体を取得するために、照射区の試料の再生,順化,圃場栽培を継続中である。
竹内 浩; 杉本 昌義; 中村 博雄; 湯谷 順明*; 井田 瑞穂*; 實川 資朗; 近藤 達男; 松田 慎三郎; 松井 秀樹*; Shannon, T. E.*; et al.
Fusion Energy 2000 (CD-ROM), 5 Pages, 2001/00
本論文は、FPCCの要請に基づき作成したIFMIFの段階的建設計画を基本とする建設コストの削減と平準化に関するものである。全コストは、当初の目標を減じることなく、概念設計時の全コストから約40%減の487.8Mドルに合理化された。段階的建設は、核融合炉開発と整合させた3段階の開発整備計画とし、第一段階の建設コストは、概念設計時の全コストの62%減となり、303.6Mドルで実現できることを示した。なお、第一段階では、50mAの運転による照射試験によりITER増殖ブランケット材料の選定を行い、第二段階では125mAに増力して原型炉設計のための工学データの取得を行う。また、第三段階では加速器の2台に増設し250mAの運転により原型炉材料の寿命評価のための100-200dpaの工学データの取得を行い、当初の目的を達成する。
大野 英雄; 杉本 昌義; 加藤 義夫; 野田 健治; 近藤 達男
日本原子力学会誌, 34(1), p.33 - 40, 1992/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)材料の中性子照射研究の新展開による基盤の強化と核融合炉材料開発の進展とを念頭に、重陽子加速器をベースとするエネルギー選択型中性子照射試験施設(ESNIT:Energy Selective Neutron Irradiation Test Facility)の構想と技術検討の現状を要約した。本稿では、ESNITの概念、重陽子加速器システムならびに液体金属Liターゲットシステムの技術的検討、ESNITを用いる材料研究とその特徴などについてまとめた。
野田 健治; 杉本 昌義; 加藤 義夫; 松尾 秀人; 渡辺 勝利; 菊池 輝男; 薄井 洸; 大山 幸夫; 大野 英雄; 近藤 達男
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1367 - 1371, 1992/00
被引用回数:9 パーセンタイル:64.87(Materials Science, Multidisciplinary)重陽子加速器をベースとするエネルギー選択型中性子照射実験装置(ESNIT)は高中性子エネルギー・高中性子束の照射場での材料試験が可能な施設であり、しかもこの中性子源がつくる照射場における中性子エネルギースペクトルが約5~15MeVの間でピーク性とピークエネルギーの選択性とを有している。このエネルギー領域の中性子による材料重照射試験が核融合炉材料開発にとって必須の手段として期待され、現在の要素技術検討が進められている。本稿ではESNITを用いる核融合炉材料研究とその特徴、ESNITの技術的検討の現状についてのべる。