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箱田 照幸; 松本 加奈江*; 水野 彰*; 広田 耕一
International Journal of Plasma Environmental Science & Technology, 4(1), p.65 - 70, 2010/03
環境材料プロセシング研究グループでは、これまでに電子線と触媒を併用した揮発性有機化合物の無機化技術の開発を進めている。本研究では、Ptをアルミナに担持した熱触媒やAgをアルミナに担持したプラズマ反応との親和性の高い触媒について、熱分解が生じない100Cの温度条件下でキシレンの分解に対する触媒の効果を調べた。具体的には、アルミナ単独の触媒及び金属担持アルミナ触媒について、それぞれの触媒層が、電子線に照射される条件から照射されない条件まで段階的に変化させ、キシレンや生成するCO
やCO濃度変化を調べた。その結果、アルミナ単独の場合に比べて、Pt担持アルミナでは電子線に照射される条件において分解活性が低下し、Ag担持アルミナでは電子線に照射されない条件において分解活性が向上できることを見いだした。また、この分解活性の反応機構についても考察した。本研究の結果から、電子線照射と組合せるアルミナ系触媒として、熱触媒であるPt担持触媒は触媒効果が極めて小さく、プラズマ反応触媒であるAg担持触媒がその効果が高いことを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江*; 水野 彰*; 広田 耕一
Applied Catalysis A; General, 357(2), p.244 - 249, 2009/04
被引用回数:16 パーセンタイル:37.05(Chemistry, Physical)当グループでは空気中の揮発性有機化合物(VOC)を電子ビーム照射により効率よく酸化分解するために、触媒を併用したVOC分解処理技術の開発を進めている。これまでに、この併用触媒の一つとして光触媒であるTiOが有効であり、さらにこれに電子親和力の大きなAgやPtなどの金属を担持することによりこのVOCの酸化分解が促進することがわかっている。本研究では、空気中キシレンの電子ビーム分解に、TiO
やAg, Pt, AuやMnを担持したTiO
を併用し、その結果を比較することによりVOC酸化分解促進における担持金属の役割を調べた。その結果、電子ビームが直接触媒表面に入射せずに、照射後のガスが到達する位置にAg担持TiO
を設置した場合のVOC酸化促進効果が最も大きく、この効果はAgがオゾンを分解して活性酸素を生成する効果と有機物の吸着能力を向上させる効果の2つの効果の相乗効果として引き起こされることを明らかにした。
箱田 照幸; 島田 明彦; 松本 加奈江*; 広田 耕一
Plasma Chemistry and Plasma Processing, 29(1), p.69 - 78, 2009/02
被引用回数:6 パーセンタイル:26.32(Engineering, Chemical)本研究では、水分を含む窒素ガスに、最大10kGyで電子ビーム照射した際に生成するOHラジカルの量を、OHラジカルとCOとの反応により生成するCO濃度から評価した。OHラジカルは、水分子と窒素ガスの電子ビーム照射により生じる窒素イオンとの反応で生成するため、事前に10kGy以下の線量でOHラジカルの生成に必要な水分濃度や、このOHラジカルの補足に必要なCO濃度を調べた。その結果、水分濃度は6000ppmv以上,CO濃度は2000ppmv以上が必要であることがわかった。この条件でCO
濃度を測定した結果、CO
濃度は線量に対して比例関係があり、この傾きから求めたOHラジカルの生成のG値は4.9であることを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 成田 正*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
IEEE Transactions on Industry Applications, 44(6), p.1950 - 1956, 2008/11
被引用回数:3 パーセンタイル:33.65(Engineering, Multidisciplinary)塗料工場からの換気ガス中に含まれるキシレンなどの電子ビーム(EB)照射による分解処理技術の開発のために、EB照射と触媒であるAg担持TiOを併用して、キシレンやその照射副生成物の分解を促進する触媒設置条件を明らかにするととともに、触媒表面上の酸化反応を定量した。その結果、照射空間の下流への触媒導入により、照射副生成物のCO
への選択的な酸化が認められ、特にAg担持量が5wt%以上の場合に最大のCO
生成量が得られることがわかった。さらに、非照射空間における副生成物の酸化反応では照射由来のO
から解離した活性酸素が照射副生成物の酸化分解に関与している可能性があることを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江*; 水野 彰*; 広田 耕一
Journal of Physics D; Applied Physics, 41(15), p.155202_1 - 155202_7, 2008/08
被引用回数:3 パーセンタイル:14.15(Physics, Applied)換気ガス中に含まれる塗料溶剤の電子ビーム(EB)分解促進効果を目的として、触媒の基材として用いられる-アルミナ(Al
O
)との併用による空気中キシレンやその照射副生成物の酸化分解について調べた。その結果、アルミナ表面に電子が直接入射する照射空間にアルミナ層を設置した場合に、キシレンや副生成物などがアルミナ表面上で分解し高濃度のCO
が得られることがわかった。このCO
は、照射によりアルミナ上に生成した酸化力の大きな正孔により有機物が分解することにより生成することが推察された。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 島田 明彦; 成田 正*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
Radiation Physics and Chemistry, 77(5), p.585 - 590, 2008/05
被引用回数:9 パーセンタイル:51.63(Chemistry, Physical)当グループでは、塗料工場からの換気ガスに含まれる芳香族有機物を電子ビーム照射により分解除去する技術の開発を進めている。電子ビーム照射した汚染空気には、ガス中では有機物とほとんど反応しないオゾンが残存していることから、本研究では、このオゾンを活性化するとともに、この活性酸素により芳香族有機化合物やその照射生成物を酸化分解する技術の開発に着手した。具体的には、オゾンを活性化する方法としてオゾンの分解能力の高い二酸化マンガンを選定し、電子ビーム照射したキシレン含有空気をこの触媒に通じることにより、キシレン及び照射生成物の触媒酸化反応について調べた。その結果、触媒上でオゾンが解離して生じた活性酸素により、照射生成物のみを選択的に二酸化炭素にまで分解でき、またオゾンの分解量と同量の二酸化炭素が生成することがわかった。さらに、二酸化炭素となる照射生成物は、ギ酸などの低級な有機物であることを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
Plasma Chemistry and Plasma Processing, 28(1), p.25 - 37, 2008/02
被引用回数:22 パーセンタイル:62.74(Engineering, Chemical)塗料工場からの換気ガスに含まれる芳香族有機化合物の分解、並びに分解生成物の選択的なCOへの酸化を目的として、電子ビーム照射と触媒との併用による換気ガスの無害化処理技術の開発を進めている。本研究では、水溶性を有する副生成物の酸化促進を目的として、数十ppmvのキシレンを含む空気に線量10kGyで電子ビーム照射し、照射空間あるいは非照射空間に導入した親水性表面を有するTiO
触媒との併用によるキシレンやその照射生成物の酸化分解挙動を調べた。この結果、TiO
を非照射空間に導入することにより高濃度のCO
が得られ、この濃度は触媒を併用せずに線量17kGyで照射した場合と同程度であることがわかった。さらに、TiO
と同形状の触媒作用を有しないステンレス球を用いて行った照射実験の結果との比較から、照射及び非照射空間におけるTiO
表面上の酸化反応を定量した。
箱田 照幸; 島田 明彦; 松本 加奈江*; 広田 耕一
no journal, ,
本研究では、水分を含む窒素ガスに、最大10kGyで電子ビーム照射した際に生成するOHラジカルの量を、OHラジカルとCOとの反応により生成するCO濃度から評価した。OHラジカルはN
の電子ビーム照射により生じる窒素イオンと水分との反応で生成するため、事前に、10kGy以下の線量でOHラジカルの生成に必要な水分濃度や、このOHラジカルの捕捉に必要なCO濃度を調べた結果、水分濃度は8000ppm以上,CO濃度は2000ppm以上が必要であることがわかった。そこで、この条件でCO
濃度を測定したところ、CO
濃度は線量に対して比例関係にあり、この傾きからOHラジカルの生成のG値は4.9であることを明らかにした。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 広田 耕一
no journal, ,
塗料工場などからの換気ガス中に含まれる塗料溶剤の分解技術の開発を目的として、電子ビーム照射と吸着剤である-Al
O
(以下、アルミナ)との併用による空気中のキシレンの分解について調べた。具体的には、電子ビームの発生方向に試料ガスを流通させた状態で、これと同方向に照射窓から異なる距離に設置したアルミナ層に照射した試料ガスを流通させて、試料ガス成分の分析を行った。その結果、10kGyの照射のみあるいは10kGyの照射場の後段にアルミナ層を設置した場合に比べて、アルミナ層を、直接、電子ビームで照射される10kG相当の照射場に設置した場合に高濃度のCO
生成が観察された。例えば、電子ビームのエネルギーの半分程度がアルミナ層に付与される条件におけるCO
濃度は80.5ppmvであり、この濃度を照射のみで得るためには24.7kGyの線量が必要であり、このことから照射空間に設置したアルミナ層との併用によりCO
への分解に必要な線量を約40%まで低減できることがわかった。
箱田 照幸; 松本 加奈江*; 水野 彰*; 広田 耕一
no journal, ,
塗料工場からの換気ガス中に含まれるキシレンなどの電子ビーム(EB)照射による分解処理技術の開発のために、本研究ではEB照射と貴金属を担持していない-Al
O
を併用して、キシレンやその副生成物の分解を促進する触媒設置条件を明らかにするととともに、触媒表面上の酸化反応を定量した。その結果、電子が直接入射する位置に
-Al
O
層を設置した場合に、主に副生成物が
-Al
O
表面上で分解し高濃度のCO
が得られることがわかった。このCO
は、照射によりアルミナ上に生成した酸化力の大きな正孔により有機物が分解することにより生成することが推察された。
松本 加奈江; 箱田 照幸; 島田 明彦; 成田 正*; 小嶋 拓治
no journal, ,
電子ビーム照射空気中では、極微量の有機物とでも反応することができる活性種のほかに、そのままではほとんど反応しないオゾンが生成する。このオゾンを活性化し、有機物やその分解生成物の酸化分解に利用することができれば高効率な処理技術が可能となる。そこで、本研究ではオゾンを再活性化するための手段としてオゾン分解触媒であるMnO触媒を室温及び120
Cで用い、その存在下でキシレンを含む空気に電子ビーム照射を行った。触媒前後での照射ガス中のCO
濃度変化から、分解生成物などからCO
への転化率を求めた。この結果、触媒加熱温度が120
Cでは、水分や硝酸による触媒表面への付着が抑制されることによりオゾン分解活性が持続し、照射のみで得られた初期キシレンの2.5%に相当するCO
生成量が、13%に向上した。これらから、照射ガス中のオゾンの再活性化ひいては分解生成物の酸化にMnO
触媒の使用が有効な手段の一つであることがわかった。
松本 加奈江; 島田 明彦; 箱田 照幸; 成田 正*; 小嶋 拓治
no journal, ,
電子ビーム照射空気中では、高反応性の活性種の他に、低反応性のOが生成する。このO
を解離・活性化させることにより、VOCの酸化分解を向上することが期待できる。そこで、本研究では、キシレンを処理対象VOCとして選び、電子ビーム照射を行うとともに、このガスをオゾン分解触媒であるMnO
に通過させ、酸化分解反応の挙動を調べた。触媒は、HNO
が付着しにくい温度である120
Cに加熱して実験を行った。この結果、キシレン及びCO濃度が触媒通過前後において同一でありCO
のみが増加した。これから、キシレンからの分解生成物がさらに分解されてCO
となると考えられる。また、O
がすべて解離する触媒量を用いた場合では、未分解キシレン及びCOの酸化量も増加し、O
分解量と同量のCO
が生成することがわかった。さらに、拡散反射型FT-IRによる分析結果から、CO
となる中間生成物はカルボキシル基を持つ有機物であると考えられる。以上の結果から、電子ビーム照射後のキシレン含有空気をEB照射とオゾン分解触媒とを併用して処理することにより、少ないエネルギーでCO
に酸化分解できることがわかった。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
no journal, ,
塗料工場からの換気ガス中に含まれる数十ppmv程度の芳香族有機化合物の分解、並びに分解生成物の選択的なCOへの酸化促進を目的として、電子ビーム照射と触媒との併用による換気ガスの無害化処理技術の開発を進めている。本研究では、親水性の特徴を有する照射生成物の選択的なCO
への酸化を主たる目的として、親水性表面を有するTiO
、さらにその表面における電荷分離効果による酸化促進が期待できるAg担持TiO
を併用触媒として用いた。具体的には、数十ppmvのキシレンを含む空気に電子ビームを照射するとともに、照射場あるいは非照射場に導入した触媒との併用によるキシレン及びその照射生成物の酸化分解挙動を調べた。この結果、これらの触媒を電子ビーム照射場の近傍に導入することにより、キシレン由来照射生成物が選択的にCO
へ酸化され、また、Ag担持量が5wt%以上において最大濃度のCO
を得ることができた。さらに、このAg担持によるCO
生成促進は、Agによるオゾン解離から生じた活性酸素による酸化に基づくことを明らかにした。
箱田 照幸; 島田 明彦; 松本 加奈江; 小嶋 拓治
no journal, ,
換気ガス中に含まれる有害な芳香族有機化合物の電子ビーム(EB)分解除去を目的として、空気層での酸化分解が困難なキシレン由来の中間生成物を触媒との併用により酸化・無害化する付加技術の研究開発に着手した。本研究では、中間生成物の吸着性や水への溶解性が高い親水性触媒であるTiO、及びTiO
表面における電荷分離やオゾン触媒酸化などが期待できる3-10%w Ag担持TiO
を触媒として、数十keVのEB発生器の照射窓から異なる距離の位置に設置して、EB照射下における空気中のキシレン及びその中間生成物の酸化挙動を調べた。この結果、触媒に直接EBが照射されなくてもキシレンからの中間生成物のCO
への選択的な酸化が促進される可能性があること、及びAg担持量としては5%w以上が有効であることが明らかとなった。
松本 加奈江; 箱田 照幸; 小嶋 拓治; 広田 耕一; 成田 正*
no journal, ,
電子ビーム(EB)を利用した空気中の揮発性有機化合物(VOC)の分解技術の実用化を目指して、キシレンの効率的分解と触媒によるキシレンからの照射中間生成物の選択的酸化を目的とした複合分解技術の開発を進めている。この中間生成物は水溶性であることから、本研究ではこの触媒として親水性の表面を有するTiOを用い、触媒設置条件や触媒反応などについて調べた。その結果、TiO
をEB照射場近傍に設置することにより、触媒層に電子が直接入射されなくても、TiO
表面でキシレンからの中間生成物のみ選択的にCO
へ酸化分解していることがわかった。また、触媒表面上での反応を定量するため、TiO
と同形状であり、触媒作用を有しないステンレス球を用いた結果とTiO
での結果を比較した。その結果、TiO
の表面上では、O
によってキシレンからの中間生成物が酸化分解するとともに、直接電子が入射する領域では電子による酸化も生じていることを明らかにした。
箱田 照幸; 島田 明彦; 松本 加奈江; 伊藤 久義
no journal, ,
換気ガス中に含まれる有害な芳香族有機化合物の電子ビーム(EB)分解除去を目的として、空気層での酸化分解が困難なキシレン由来の分解生成物を触媒との併用により酸化・無害化する付加技術の研究開発に着手した。本研究では、中間生成物の吸着性や水への溶解性が高い親水性触媒であるTiO、及び表面における電荷分離やオゾン触媒酸化などが期待できる3-10w%のAg担持TiO
を触媒として用いて、数十keVのEB発生器を用いて、照射窓から異なる距離の位置にTiO
及びAg/TiO
層を設置して、照射空気中のキシレン及びその中間生成物の酸化挙動を調べた。この結果、電子の飛程と同程度の27mmの距離、及び5w%のAg担時量においてCO
濃度が最大となった。このことから、触媒上でイオンやオゾンとの反応によりキシレンからの中間生成物への選択的な酸化が促進されること、さらに担時されたAgによる電荷分離やオゾン分解効果によりこの反応を促進できることが明らかとなった。
松本 加奈江; 箱田 照幸; 伊藤 久義; 小嶋 拓治
no journal, ,
換気空気中に含まれる芳香族有機化合物を分解するため、電子ビーム(EB)を用いた技術の開発を行っている。EB照射空気中では、極微量の有機物とでも反応する活性種のほかに、気相中では反応性の低いOが生成する。このO
を活性化し、照射由来分解生成物の酸化分解に利用することにより従来のEB照射処理効率が向上すると期待できる。本研究では、オゾン分解触媒であるMnO
触媒を用い、照射後のキシレン含有空気を120
Cに保ったMnO
触媒に通過させ、分解生成物の触媒酸化反応を調べた。この結果、生成したO
が分解生成物を分解し、O
と同量のCO
が生成することがわかった。さらに、数十keVのEB発生器を用いて、照射窓から異なる距離の位置に100
Cに保ったMnO
を設置し、分解生成物の酸化について調べた結果、電子及びイオンなどが届かない非照射位置においてCO
生成量が最大となった。このことから、電子,イオンは分解生成物の酸化に関与せず、オゾンが分解生成物のCO
への酸化を促進することが明らかとなった。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 広田 耕一
no journal, ,
塗料工場からの換気ガス中に含まれるキシレンなどの電子ビーム(EB)照射による分解処理技術の開発のために、EB照射と触媒であるTiO及び3-10wt%Ag担時TiO
を併用して、キシレンやその副生成物の分解を促進する触媒設置条件を明らかにするととともに、触媒表面上の酸化反応を定量した。その結果、照射空間の下流への触媒導入により、照射副生成物のCO
への選択的な酸化が認められ、特にAg担持量が5wt%以上の場合に最大のCO
生成量が得られることがわかった。さらに、非照射空間における副生成物の酸化反応では、O
が関与している可能性があることを明らかにした。
松本 加奈江; 箱田 照幸; 成田 正*; 広田 耕一
no journal, ,
原子力機構では、空気中の揮発性有機化合物(VOC)を分解するため、キシレンを用いて、電子ビーム(EB)と触媒による複合処理技術の開発を行っている。この触媒としては、キシレン照射中間生成物が親水性であることから、親水性であるTiOや5%のAg, Pt及びAuをそれぞれ担持したTiO
が有効であると考えられる。本研究では、照射空間(照射窓から触媒表面上までの距離を7及び17mm)及び非照射空間(27及び47mm)に触媒層を設置し、数十keVのEB発生器を用いて、照射空気中のキシレン及びその照射中間生成物の酸化について調べた。その結果、いずれの触媒でも非照射空間に設置することにより、照射空間よりも高いCO
濃度が得られた。また、非照射空間におけるCO
濃度はEB単独よりも高い結果であった。CO
濃度はAg/TiO
の場合において最も高く、非照射空間では68及び69ppmv生成した。このCO
濃度をEB照射単独で得るためには24kGyの線量が必要であることから、EB照射と触媒を併用することにより、低吸収線量でCO
にまで酸化分解できることがわかった。
箱田 照幸; 松本 加奈江; 水野 彰*; 広田 耕一
no journal, ,
換気ガス中に含まれる塗料溶剤の電子ビーム(EB)分解除去を目的として、触媒の基材として用いられる-アルミナの併用による空気中キシレンやその照射副生成物の酸化分解について調べた。その結果、アルミナ表面に電子が直接入射する照射空間にアルミナを設置した場合に、キシレンや副生成物などがアルミナ表面上で分解し高濃度のCO
が得られることがわかった。このCO
は、照射によりアルミナ上に生成した酸化力の大きな正孔で有機物が分解することにより生成することが推察された。
箱田 照幸; 島田 明彦; 松本 加奈江*; 広田 耕一
no journal, ,
本研究では、水分を含む窒素ガスに、最大10kGyで電子ビーム照射した際に生成するOHラジカルの量を、OHラジカルとCOとの反応により生成するCO濃度から評価した。事前に、10kGy以下の線量で生成する窒素イオンと反応してOHラジカルを生成するために必要な水分濃度や、このOHラジカルをほぼ完全に捕捉するために必要なCO濃度を調べた結果、水分濃度は6000ppmv以上、CO濃度は2000ppmv以上が必要であることがわかった。この条件でCO
濃度を測定した結果、CO
濃度は線量に対して比例関係があり、この傾きから求めたOHラジカルの生成のG値は4.9であることを明らかにした。