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宮原 信哉; 清野 裕; 大野 修司; 小西 賢介
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05
CONTAIN-LMRコードは、1982年に米国サンディア国立研究所(SNL)からそのオリジナルコードが導入されて以来、液体金属高速炉の確率論的リスク評価へ適用するために日本原子力研究開発機構(JAEA)において開発されてきた。CONTAIN-LMRコードは、高速炉の炉容器溶融貫通を伴う過酷事故時の格納容器内で起こる物理、化学、放射能状態を予測するための最確統合解析ツールである。また、本コードは事故時に環境中へ放出されるソースタームも予測することが可能である。本コードは、複数セル体系下でのセル間の熱と物質移行を考慮しつつ、事故時に起こるナトリウム燃焼、放射性エアロゾル挙動、ナトリウム-コンクリート反応やデブリ-コンクリート相互作用などのあらゆる重要な現象を相互の影響を考慮しつつ同時に扱うことができる。本論文では、原子力機構での開発経緯を簡単に紹介し、その後計算モデルの概要とコード検証例、コードの適用に関する今後の計画について述べる。
清野 裕; 大野 修司; 山本 郁夫*; 宮原 信哉
Proceedings of 8th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-8) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2012/12
雰囲気に酸素が存在する条件下におけるナトリウム-コンクリート反応を模擬した水素燃焼試験を実施した。その結果、ナトリウムの燃焼熱が着火エネルギーとなって、ナトリウムプール表面において水素が燃焼されること、さらに、雰囲気中の酸素濃度が高いほど、水素の燃焼割合が大きくなることがわかった。
大野 修司; 清野 裕; 宮原 信哉
Proceedings of 8th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-8) (CD-ROM), 12 Pages, 2010/10
ナトリウム冷却高速炉のレベル2PSAを実施するために必要な技術的根拠を整備した。事故影響が冷却材バウンダリ外に及ぶ場合における格納容器内の重要現象を対象として、現象の支配因子に関する既往知見の調査整理を行うとともに、現象が格納容器へ与える負荷を把握するための実験的知見及び解析的知見を蓄積した。
大野 修司; 清野 裕; 宮原 信哉
Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), p.9110_1 - 9110_9, 2009/05
ナトリウム冷却大型高速炉の炉心損傷事故の影響が原子炉容器外まで及ぶ場合における事故進展を検討し、CONTAIN/LMRコードを使用した感度解析によって事故進展の支配現象・支配因子を調べた。除熱源喪失時に想定される事故進展を対象とした解析から、ナトリウム蒸気の漏えい速度及びナトリウム・コンクリート反応の規模が重要な支配因子であることを明らかにするとともに、それらが格納容器へ与える圧力負荷に関して定量的な情報を整理することができた。
西村 正弘; 二神 敏; 大野 修司; 宮原 信哉
日本原子力学会和文論文誌, 6(2), p.149 - 160, 2007/06
1995年の12月に発生した原型炉「もんじゅ」事故に関して実施された一連の事故原因究明作業の過程において、小規模な漏えい(100kg/h)に対する安全対策設備、特にナトリウムとコンクリートの間の直接接触を防止するための床ライナ設備の健全性が注目された。床ライナの健全性に影響を与える重要な因子としては、構造強度に影響する温度が挙げられる。もんじゅ事故のように小規模な漏えい時は、燃焼の全体のエネルギーは大規模な漏えいに比べて小さいものの、熱が限定された領域に移行することにより、ライナ最高温度を上昇させる要因となりうる。しかし、このような影響については、これまで実験的に把握されていなかった。本研究では、ナトリウム小規模漏えい時のライナ最高温度とこれに影響を及ぼす因子である燃焼速度とナトリウムプール拡がり挙動を明らかにするために、漏えい高さ,湿度,漏えい率をパラメータとした一連の実験を行い、その成果をまとめた。
大野 修司; 宮原 信哉; 倉田 有司
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/04
鉛ビスマス中のPo, Cs, Teなど揮発性放射性物質が気相へ移行する挙動を調べるために平衡蒸発試験を実施してきた。試験では、典型的な蒸気圧測定法である「トランスパイレーション法」を用いている。この方法を使ったナトリウム体系での試験研究によって、過去にナトリウムプール中のCs, NaI, Teなど核分裂生成物の蒸発挙動も調べられているため、鉛ビスマスとナトリウムの2種類の冷却材に対する放射性不純物の揮発性を比較することも可能である。本論文では、まずナトリウム中の核分裂生成物の蒸発特性をレビューし、次に鉛ビスマス中の核分裂生成物や放射化生成物の蒸発試験結果を報告する。また、鉛ビスマス冷却型原子炉システムのカバーガス空間における蒸気量を見積もり、Poの蒸発挙動の重要性に言及する。さらに、ナトリウムと鉛ビスマスの2種類の冷却材を対象として、それに混入したCsとTeの揮発性を試験データに基づいて比較する。これらの実験で蓄積された知見は、液体金属冷却型原子炉システムの安全評価ツールに活用される重要なデータベースとなるものである。
大野 修司; 倉田 有司; 宮原 信哉; 桂 了英*; 吉田 茂*
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(11), p.1359 - 1369, 2006/11
被引用回数:18 パーセンタイル:76.2(Nuclear Science & Technology)液体鉛ビスマス(LBE)冷却型原子炉システムにおいて生成・蓄積される放射性ポロニウム(Po)の平衡蒸発挙動に関する実験研究をトランスパイレーション法によって実施した。実験は2種類すなわち、同族元素テルル(Te)を対象とした予備的な蒸発実験及び中性子照射によってPoを蓄積させたLBEの蒸発実験から成る。LBE中のTeを対象とした蒸発実験から、Po試験技術・試験条件の妥当性を確認するための知見を得るとともに、気相中においてTeはPbTeの化学形態で存在するとの示唆を得た。LBE中Poの蒸発実験では、気相中のPoの蒸気濃度と蒸気分圧,LBE中のPoの熱力学的活量係数と気液平衡分配係数などの基礎データを取得し、450-750Cの温度範囲における実験相関式を導出した。また、得られた実験結果をもとに、典型的なLBE冷却原子炉システムの冷却材カバーガス空間におけるPoとBiの放射能蒸気濃度を見積もり、その結果からPoの蒸発挙動の重要性を示した。
大野 修司; 宮原 信哉; 倉田 有司; 桂 了英*; 吉田 茂*
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 7 Pages, 2006/07
液体鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の放射性不純物の移行挙動を明らかにするために、LBE中のポロニウム(Po-210)及び希土類元素(Gd, Eu)を対象とした平衡蒸発実験を実施した。実験では、等温容器中に生成した飽和蒸気を不活性ガスで容器外へ移送・捕集する「トランスパイレーション法」を用いた。LBE及びLBE中テルルの蒸発挙動についてはICONE12-49111にて報告済みであるが、今回は液体LBE中に放射化生成物や核破砕生成物として蓄積されるPo-210と希土類元素に関する実験の概要と結果をまとめる。希土類元素の実験では非放射性の同位体を使用した。LBEプールは質量約330670g、4cm14cmの表面積を有する。Po-210実験では小型の実験装置を使用し、Po-210は材料試験炉JMTRにおけるLBEの中性子照射で作成した。本実験研究を通じて、Po-210の蒸気濃度,蒸気分圧,LBE中の不純物の気液平衡分配係数などの基礎的かつ有益な蒸発データを450750Cの温度条件で取得した。Po-210実験では、PoはLBE中において保持され蒸発しにくくなる特徴を有するが、その揮発性はLBE溶媒に比べれば高いことが明らかとなった。また、Eu実験の一部では、Poに匹敵する高い揮発性が示唆された。この傾向は、プール表面付近に溶質濃度の高い部分が形成されたことに起因するものと考えられるが、さらに調査が必要である。本実験研究で得られた結果は、LBE冷却型原子炉システムにおいて放射性物質がガス空間へ移行する挙動を評価するにあたり重要かつ不可欠なものである。
宮原 信哉; 大野 修司; 山本 信弘; 斉藤 淳一; 平林 勝
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 7 Pages, 2006/07
ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器伝熱管破損事故によるナトリウム-水反応を防止するため、ナトリウムと水との間に液体鉛ビスマス(LBE)を熱媒体として用いる中間熱交換器(AIHX)の概念がある。しかし、AIHXにおけるナトリウム-LBE間の伝熱管が破損した場合には、LBEがナトリウム系に漏えいすることが考えられる。そこで本研究では、400Cの流動するナトリウム中に同温度のLBEを漏えいさせ、その反応挙動及び反応生成物の移行と沈降挙動を実験的に調べた。その結果、漏えいしたLBEは流動するナトリウムと発熱反応することによりBiNaを主成分とする固体粒子状の反応生成物が生じること,これら粒子は凝集してナトリウムループ底部に沈降し濃度は徐々に減衰すること,超音波を利用したLBEの漏えい検出は熱電対による温度上昇測定と同様に有効な漏えい検出器となりうること等を明らかにした。
大野 修司; 宮原 信哉; 倉田 有司*
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(7), p.593 - 599, 2005/08
被引用回数:19 パーセンタイル:76.29(Nuclear Science & Technology)鉛ビスマス合金の液相から気相への移行挙動に関する基礎データを取得するために蒸発試験を実施した。試験は、等温容器中の飽和蒸気をキャリアガスで容器外へ移送・採取する「トランスパイレーション法」により実施した。鉛ビスマスの量は約500g、試験温度は450から750とした。この試験により、鉛ビスマスの蒸気圧、飽和蒸気中の鉛とビスマスの濃度、鉛の活量係数、鉛ビスマスの蒸発速度など、有意義なデータが得られた。鉛ビスマスの蒸気圧は、550から750の温度範囲において、鉛、ビスマス、二原子分子状ビスマスの蒸気分圧の和の形でlogP[Pa]=10.2-10100/T[K]と定式化した。
大野 修司*; 宮原 信哉*; 倉田 有司
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(7), p.593 - 599, 2005/07
鉛ビスマス共晶合金(LBE)の蒸発について基礎的な知識を得るため、LBEの平衡蒸発実験を行った。実験には、等温蒸発容器中に飽和させた蒸気を不活性のキャリアーガスによって移行させ、容器の外で捕集するトランスパイレーション法を用いた。実験温度範囲は450Cから750Cであった。LBEの飽和蒸気圧,LBEで飽和したガス中のPb, Bi, Biの蒸気濃度,LBE中の鉛の活量係数及びLBE蒸発速度に関する実験データを取得した。550Cから750Cの温度範囲で、LBE蒸気圧の評価式を得た。
堂田 哲広; 石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
JNC TN9400 2005-048, 52 Pages, 2005/04
ナトリウム漏えい燃焼形態の一つであるスプレイ燃焼の燃焼挙動に対する理解の向上、現象のメカニズムに基づく評価手法の確立を目的として、単一ナトリウム液滴の落下燃焼挙動を研究している。本研究では、同実験シリーズのFD-2実験とは異なる初期径(3.34mm、5.85mm)のナトリウム液滴を用いた落下燃焼実験、不活性雰囲気下でのナトリウム液滴の落下実験、ナトリウムと近い密度のポリプロピレン球の落下実験を行い、初期液滴径変化が燃焼に与える影響、燃焼が液滴の落下運動に与える影響を調べた。得られた結果を、以下に示す。(1)燃焼ナトリウム液滴の抵抗係数は、同直径剛体球の1.42.2倍に相当する。(2)ナトリウム液滴の空気抵抗が剛体球よりも大きい主な要因は、燃焼発熱に伴う液滴周囲ガスの粘性増加である。ナトリウム液滴は約8m落下時で縦横比0.89の楕円体に変形するが、その影響はほとんどない。また、液滴の蒸発および浮力の影響についても同様に無視できる。(3)ナトリウム液滴の燃焼は初期液滴径が変化した場合でもD則に従うことが確認された。ナトリウム燃焼量を測定値に一致させる条件でD則燃焼モデルを用いた計算を行った場合、反応生成物中のNaO割合は0.510.75となる。
豊原 大輔*; 大野 修司; 松木 卓夫*; 浜田 広次; 宮原 信哉
JNC TN9520 2004-004, 151 Pages, 2005/01
高速炉の燃料破損時に冷却材ナトリウム中に放出され、カバーガス空間へ移行する核分裂生成物(FP)の種類と量すなわち炉内ソースタームを機構論的に評価するための解析コードとして、TRACER(Transport phenomena of Radio-nuclides for Accident Consequence Evaluation of Reactor)を開発している。 TRACER Version 2.3では、TRACER Version 2.0に対して以下に示すモデル追加・修正を行った。 a) 燃料からのFP放出モデルにBoothモデルを追加 b) 放出FPの気泡及び冷却材への移行モデルを修正 c) 気泡移行挙動モデルの修正 本報告書は、TRACER Version 2.3の使用説明書として、同コードで扱われる計算モデル、インプット、アウトプットについて取りまとめたものである。
大野 修司; 西村 正弘; 浜田 広次; 宮原 信哉; 佐々 敏信*; 倉田 有司*
JNC TN9400 2004-072, 52 Pages, 2005/01
鉛ビスマス及び鉛ビスマス中の微量不純物テルルが液相から気相へ蒸発移行する挙動について基礎的な知見やデータを取得するために、それらを対象とする平衡蒸発試験を実施した。試験には、等温加熱された蒸発容器内の飽和蒸気をキャリアガスによって外部細管内に導き捕集する「トランスパイレーション法」を用いた。蒸発容器のサイズは内径8cm、長さ15cmであり、容器内の鉛ビスマスの量は約500gである。試験温度は450から750とした。 この試験から、鉛ビスマス蒸気圧、飽和蒸気中のPb、Bi、Bi2の濃度、鉛の活量係数など、鉛ビスマスの蒸発挙動を理解するために必要で利用価値の高いデータを得ることができた。鉛ビスマスの蒸気圧はPb、Bi、Bi2の蒸気分圧の和として、550から750の温度範囲においてlogP[Pa]=10.2-10100/T[K]と表される。鉛ビスマス中のテルルの気液平衡分配係数は450から750において明確な温度依存性は持たず、その値は10100の範囲である。
大野 修司; 佐藤 勇; 中桐 俊男; 廣沢 孝志; 宮原 信哉; 滑川 卓志
JAERI-Review-2004-021, p.199 - 208, 2004/10
過渡加熱条件下における混合酸化物燃料からの核分裂生成物(FP)の放出に関する炉外実験を実施した。実験に使用した燃料はプルトニウム割合が30質量%であり、高速実験炉「常陽」で65GWd/tまで照射したものである。実験は2回(FP-1とFP-2)実施した。FP-1では燃料サンプルをまず2000Cに、次に3000Cまで加熱し、30分間保持した。FP-2では加熱温度を1500C、2500Cとし保持時間は同様に30分間とした。揮発性FPであるCsの放出は、燃料サンプルの加熱後すぐに検出された。放出速度は、数分後にピークを持った後、燃料マトリックス中の拡散過程により徐々に低下した。見かけの拡散係数は軽水炉燃料を使った既往実験で報告されている結果に良く一致した。放出割合は両実験で同じ結果であり、Csは約100%、Sbは約100%、Ruは約10%、CeとEuは約0%であった。
斉藤 淳一; 佐川 憲彦; 大野 修司; 浜田 広次; 宮原 信哉
JNC TN9400 2004-059, 133 Pages, 2004/09
高速炉実用化戦略調査研究(フェーズI)では、鉛ビスマスを中間熱媒体として利用する二次系簡素化概念が一つの候補として選定されている。本研究では実用化戦略調査研究(フェーズII)で鉛ビスマスのナトリウム中移行挙動を実験により明らかにすることを目的としている。液体ナトリウム中に液体鉛ビスマスを滴下する試験を試験温度と鉛ビスマス量を変えて実施した。その結果より、試験温度と鉛ビスマス滴下量がナトリウムと鉛ビスマスの反応挙動に及ぼす影響を明らかにした。試験により得られた結果を以下に示す。(1)試験温度が低い方が、ナトリウムと鉛ビスマスが反応し発熱するまでに時間を要する。このことは試験温度がナトリウムと鉛ビスマスの反応挙動に影響していることを示している。(2)鉛ビスマス滴下量はナトリウムと鉛ビスマスの反応により生成する反応生成物の量と種類に影響している。(3)ナトリウムと鉛ビスマスの反応による発熱量は、主に生成しているBiNaの生成エンタルピーから算出した生成熱とおおむね一致している。
石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
JNC TN9400 2004-038, 84 Pages, 2004/04
液体金属ナトリウムを冷却材として用いる原子炉において、ナトリウムが空気雰囲気中に漏えいし、燃焼するような事故の場合に、その燃焼を抑制あるいは停止させるための一つの手段として窒素ガス雰囲気とすることが考えられる。しかし、ナトリウムの燃焼を窒素ガスにより途中で停止させた場合、未燃焼ナトリウムを含む燃焼残渣が室温まで冷却するのを待って再び空気雰囲気とすると瞬時に再着火することがある。そこで、本試験研究においては、再着火防止のために湿り炭酸ガスで安定化する方法に関して確証試験を実施した。 実験は、FRAT-1試験装置を用い、ナトリウム漏えい燃焼時の空気中湿分濃度および安定化確認のための湿分濃度条件だけを変更して2回実施した。まず、約2.5kgのナトリウムを空気中に漏えいさせ、そのナトリウム燃焼を途中で窒素ガスにより停止させた。次に、燃焼残渣を窒素ガス雰囲気のまま冷却し、炭酸ガス濃度が4%、湿分濃度が6000vppm、酸素が3%の窒素ガスベースの混合ガスを用いて燃焼残渣を安定化(炭酸化)処理した。最後に燃焼残渣を再び空気雰囲気にさらしても再着火しないことを確認した。これらにより、本試験研究で確立した湿り炭酸ガスによる安定化の方法が有効であることを確認できた。
石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
火災, 54(6), 43-49 Pages, 2004/00
旧動燃時代を含め、これまでにサイクル機構で行ってきたナトリウム火災研究に関して解説記事としてまとめた前半分の内容。
大野 修司*; 宮原 信哉*; 倉田 有司
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-12) (CD-ROM), 6 Pages, 2004/00
加速器駆動核変換システムのターゲット及び冷却材に関する基礎データを得るため、液体鉛ビスマス共晶(LBE)からの鉛,ビスマス,テルルの蒸発挙動を調べた。テルルは鉛ビスマスを用いるとき安全評価上問題となるポロニウムの模擬物質として使用した。実験では等温の蒸発容器上に一定量のキャリアーガスを流し、蒸気を飽和させるトランスパイレーション法を使用した。450Cから750Cの温度で、LBEからの鉛及びビスマスの蒸気圧が得られた。蒸気中のビスマスと鉛の比は約3であった。LBEへのテルルの添加により、ガス相中の鉛の量が増加し、LBE中ではテルルはPbTeとして存在することが示唆された。
斉藤 淳一; 高井 俊秀; 佐川 憲彦; 大野 修司; 浜田 広次; 宮原 信哉
JNC TN9400 2003-057, 87 Pages, 2003/06
高速炉実用化戦略調査研究(フェーズI)では、鉛ビスマスを中間熱媒体として利用する二次系簡素化概念が一つの候補として選定されている。本研究では実用化戦略調査研究(フェーズII)で鉛ビスマスのナトリウム中移行挙動を実験により明らかにすることを目的とする。二次系簡素化の成立性を評価するための基礎データを取得する。摂氏400度で液体ナトリウム中に液体の鉛ビスマスを滴下する試験を2回実施している。以下の結果が得られている。(1)L1-1試験およびL1-2試験後のICPによる分析結果から、ナトリウム中の鉛濃度はビスマス濃度よりも高くなっている。ナトリウム中の鉛の溶解量はビスマスのそれよりも多いことを示している。これらの結果は従来の溶解度の測定結果と一致する。また、残渣中にはビスマスが最も多く含まれていることがわかった。(2)ナトリウム中に鉛ビスマスが滴下するとナトリウム液温は上昇する。装置の各部の温度変化から算出した総発熱量は、L1-2試験で137kJ/mol-LBEである。これらの反応熱はリーク検出に応用できる可能性がある。(3)L1-1試験およびL1-2試験後、ナトリウム中に黒い粒状固形物(反応生成物)が観察された。サンプリングフィンガー内の反応生成物を観察した結果、反応生成物は上部で510m程度の微細な粒状である。下部では50100m程度の大きさである。(4)EDXによる成分分析の結果、反応生成物の主な構成元素はナトリウムとビスマスである。XRDによりBiNa3金属間化合物の回折ピークが検出されている。主要な反応生成物はBiNa3といえる。XRDによりPb4Na15の回折ピークも検出されている。しかしながら、SEMにおいてPb4Na15は観察できていない。さらに、これらの試験および分析結果より、鉛ビスマスのナトリウム中への移行挙動モデルを提案する。