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岡田 祐次; 馬籠 博克; 塙 博; 近江 正男; 菅野 勝; 飯田 一広; 安藤 均; 柴田 光敦; 米川 昭久; 上田 晴康
JAEA-Technology 2013-019, 236 Pages, 2013/10
日本原子力研究開発機構では、軽水炉利用の高度化及び高経年化に対応するため、軽水炉燃料及び材料の照射試験を実施する準備を進めている。JMTRは第165運転サイクル後の2006年8月に停止し、再稼働に向けて照射施設の整備を進めており、燃料・材料の中性子照射試験を行うための燃料異常過渡試験装置及び材料照射試験装置を2008年度から2012年度の間に製作、設置する予定である。本報告書は、2008年度から2010年度までに実施した照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion)研究のための材料照射試験装置の水環境調整設備等の整備についてまとめたものである。
岡田 祐次; 馬籠 博克; 飯田 一広; 塙 博; 近江 正男
UTNL-R-0483, p.10_4_1 - 10_4_10, 2013/03
原子力機構において、軽水炉(BWR)の長期利用にかかわる原子炉圧力容器の照射脆化及び炉心構成機器の応力腐食割れに関して、BWRの温度,圧力,水質等の影響を確認する目的で、JMTR(Japan Materials Testing Reactor:材料試験炉)にBWR照射環境下における照射誘起応力腐食割れ(IASCC)評価を行う水環境調整設備の整備を実施した。本報告では、JMTR再稼働後に飽和温度キャプセルを利用した照射試験のために使用する水環境調整設備の整備の概要について報告する。
岡村 浩樹*; 土田 崇*; 岡田 正男*; 山縣 諒平; 清藤 一; 春山 保幸; 金子 広久
2011年(第29回)電気設備学会全国大会講演論文集, p.367 - 368, 2011/09
加速器施設・材料照射施設・核融合施設・核燃料再処理施設等は、高放射線環境となるエリアを有する。高放射線環境化では多くの電気設備は寿命が著しく短くなるなど、使用に際しては制約が多い。照明器具も例外ではなく、高放射線環境下では安定器の絶縁劣化による安定器の損傷・光源部の光束低下などにより、本来の機能を保てなくなる。これまでに筆者らは、放射線環境下で使用できるように独自の改良を加えた照明器具を開発している。今回、開発中の照明器具の実証試験を行ったので報告する。試験は、実際に放射線照射施設で運用した状況下で通電・点灯状態を継続することにより行い、照明器具の機能性・安全性を検証した。
余語 覚文; 前田 拓也; 堀 利彦; 榊 泰直; 小倉 浩一; 西内 満美子; 匂坂 明人; 桐山 博光; 岡田 大; 金沢 修平; et al.
Applied Physics Letters, 98(5), p.053701_1 - 053701_3, 2011/02
被引用回数:101 パーセンタイル:94.24(Physics, Applied)Human cancer cells are irradiated by laser-driven quasi-monoenergetic protons. Laser pulse intensities at the W/cm level provide the source and acceleration field for protons that are subsequently transported by four energy-selective dipole magnets. The transport line delivers 2.25 MeV protons with an energy spread of 0.66 MeV and a bunch duration of 20 ns. The survival fraction of in-vitro cells from a human salivary gland tumor is measured with a colony formation assay following proton irradiation at dose levels up to 8 Gy, for which the single bunch does rate is Gy/s and the effective dose rate is 0.2 Gy/s for 1-Hz repetition of irradiation. Relative biological effectiveness at the 10% survival fraction is measured to be using protons with a linear energy transfer of 17.1 keV/m.
余語 覚文; 佐藤 克俊; 錦野 将元; 森 道昭; 手島 昭樹*; 沼崎 穂高*; 村上 昌雄*; 出水 祐介*; 赤城 卓*; 永山 伸一*; et al.
Applied Physics Letters, 94(18), p.181502_1 - 181502_3, 2009/05
被引用回数:111 パーセンタイル:94.57(Physics, Applied)We report the demonstrated irradiation effect of laser-accelerated protons on human cancer cells. (living) A549 cells are irradiated with quasi-monoenergetic proton bunches of 0.8-2.4 MeV with a single bunch duration of 15 ns. Irradiation with the proton dose of 20 Gy results in a distinct formation of -H2AX foci as an indicator of DNA double-strand breaks generated in the cancer cells. This is a pioneering result in view of future investigations on the radiobiological effects of laser-driven ion beams. Unique high-current and short-bunch features make laser-driven proton bunches an excitation source for time-resolved determination of radical yields.
弥富 洋介; 尾方 伸久; 杉原 弘造; 瀬古 典明; 保科 宏行; 岡田 健治*; 玉田 正男
JAEA-Technology 2008-056, 12 Pages, 2008/08
東濃地科学センター瑞浪超深地層研究所における研究坑道掘削工事において、掘削に伴って発生する湧水には、天然由来のふっ素(7.29.5mg/L),ほう素(0.81.5mg/L)が含まれている。そのため、環境基準値(ふっ素0.8mg/L,ほう素1mg/L)まで除去した後、河川に放流している。そこで、湧水処理の効率化のため、放射線グラフト捕集材を利用した湧水からのふっ素・ほう素の除去について検討を行った。放射線グラフト捕集材を用いたカラム試験及び排水処理設備における現場通水試験を行った結果、ほう素については、通液速度50hにおいて、捕集材体積の760倍の湧水量について湧水中濃度の95%除去が可能であった。ふっ素についても、通液速度36hにおいて、捕集材体積の320倍の湧水量について湧水中濃度の95%除去が可能であった。しかし、湧水中のふっ素のように高濃度の物質を低濃度まで吸着する場合は、捕集材の吸着性能が十分に発揮されず、ふっ素除去効率化を図るためには今後も検討が必要である。今後は、長時間処理の捕集材の耐久性・吸着性能の評価を行う予定である。
岡田 健治*; 瀬古 典明; 玉田 正男; 城 昭典*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 44, 2007/02
電子線前照射法により、クロロメチルスチレンとスチレンを共グラフト重合を行った後、ホスホン酸基とスルホン酸基を導入し、二官能性型吸着材を合成した。pH=1.8の酸性域において、鉄の吸着試験を行ったところ、一官能性の場合と比較して約40倍の破過容量を示した。これは、スルホン酸基が全pH範囲で解離するため、繊維がスルホン酸イオン間の反発により膨潤し、鉄の繊維内拡散が容易になるとともに、ホスホン酸基との錯形成において立体障害が減少できたことを示している。このことから、両官能基が金属イオン選択性に関与し、酸性領域においても吸着可能であることが明らかとなった。
岡田 健治*; 瀬古 典明; 玉田 正男
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 40, 2007/02
放射線グラフト重合により界面活性剤濃度(SDS)5%,スチレンモノマー濃度10%の水系の溶液中でエマルション重合を行ったところ、重合速度が極めて速く、グラフト率の制御が困難であったため、モノマー濃度1%におけるグラフト重合を検討した。界面活性剤の濃度を0.1から5%としてグラフト重合を行った結果、3から5%において界面活性剤の種類によらず1時間で100%程度のグラフト率が得られた。また、これらの重合反応に用いたエマルションについて粒径アナライザーを用いて動的光散乱法により粒径測定を行ったところ、界面活性剤濃度が高いものほど平均粒径が小さく、重合速度が速いことがわかった。
城 昭典*; 岡田 健治*; 玉田 正男; 久米 民和; 須郷 高信; 田崎 正人*
Chemistry for the Protection of the Environment 4; Environmental Science Research, Vol. 59, p.49 - 62, 2005/00
ポリエチレンで被覆したポリプロピレン繊維にスチレンとクロロメチルスチレンを電子線前照射により共グラフト重合した後、Arbuzov反応によりクロロメチル部位へのホスホン酸エステルの導入,スチレン部位へのスルホン酸基の導入,濃塩酸によるホスホン基の加水分解を経て、ホスホン基とスルホン酸基を有する2官能性繊維の金属イオン交換繊維を合成した。比較の目的でホスホン酸基のみを有する単官能性繊維も合成した。2官能性の繊維の金属イオン選択性は、両官能基が金属イオン選択性に寄与することにより、スルホン基,ホスホン基のそれぞれを有する単官能性イオン交換体の中間的な特性を示すことがわかった。カラム法におけるPb(II)の吸着において2官能繊維は単官能性繊維より大きな漏出容量を示し、空間速度が900hまでは漏出曲線の形状は通液速度の影響を受けないことから、迅速な吸着特性があることが明らかとなった。
城 昭典*; 岡田 健治*; 中尾 光弘*; 須郷 高信; 玉田 正男; 片貝 秋雄
日本イオン交換学会誌, 14(Suppl.), p.69 - 72, 2003/00
ポリエチレン/ポリプロピレン芯鞘構造不織布にビニルビフェニールを放射線グラフトして作製した繊維をトリエチル亜リン酸,クロロスルホン酸,濃塩酸で処理し、二官能性のホスホン酸繊維(FVCPS-f)を得た。FVCPS-f中のホスホン基と硫黄の含有量はそれぞれ1.8と0.7mmol/gで酸容量は4.2meq/gであった。鉄(III)の破過容量は通液速度が空間速度で20hから1000hまで増加するにつれて徐々に減少した。空間速度が1000hのとき、吸着容量は0.12mmol/gであった。市販されているホスホン酸樹脂及びホスホン酸単独の繊維ではこのような高い空間速度では吸着容量の測定はできず、本研究で得た材料が極めて優れている。
余語 覚文; 佐藤 克俊; 錦野 将元; 前田 拓也; 西内 満美子; 榊 泰直; 堀 利彦; 森 道昭; 小倉 浩一; 織茂 聡; et al.
no journal, ,
レーザー駆動加速装置が治療に用いられることを想定して、レーザー駆動による陽子線を用いた細胞生物学実験を実施した。実験では、機構のJ-KAREN装置からの超短パルスレーザー(パルス幅:40fs,エネルギー:1.8J,中心波長:800nm)を510W/cmの集光強度で厚さ12.5mのポリイミド薄膜に照射し、最大エネルギー4MeVの連続スペクトルを持つ陽子線を発生させ、磁場分析器でエネルギーを選別した後、薄膜窓を介して培養状態のヒト肺腺がん細胞株に照射した。陽子線バンチの時間幅は20ns、ビームフラックスは10cms、1バンチによる吸収線量は約1Gyであった。この結果、吸収線量あたりの2本鎖切断収量を測定して、生物効果を示す指標である、生物学的効果比(RBE: Relative Biological Effectiveness)を、レーザー駆動粒子線として初めて評価することができた。
奥 隆之; 酒井 健二; 廣井 孝介; 渡辺 真朗; 篠原 武尚; 相澤 一也; 加倉井 和久; 吉良 弘*; 林田 洋寿*; 桐山 幸治*; et al.
no journal, ,
パルス中性子散乱実験への応用を目的として、He中性子偏極フィルターの実用化研究を行っている。He中性子偏極フィルターは、広いエネルギー範囲の中性子に有効である他、発散度の大きな中性子ビームの偏極も可能であるなど、優れた特徴を兼ね備えている。これまでに我々は、Volume Holographic Grating(VHG)素子を用いて、スピン交換光ポンピング(SEOP)用の小型レーザー光学系を開発し、シンプルで使いやすいオンビームSEOP型He偏極フィルターシステムを構築した。そして、そのシステムを用いて、J-PARCのパルス中性子ビームを用いて、小角散乱装置や反射率計における偏極度解析実験、偏極中性子イメージング試験などを行ってきた。現在、このシステムの適用範囲を拡張するため、Heフィルターセルの短波長中性子対応やセルサイズの大型化、レーザー光学系他周辺技術の改良、施設整備などを進めている。学会では、開発の現状と今後の開発・整備計画について発表する予定である。
岡田 健治; 瀬古 典明; 玉田 正男
no journal, ,
放射線グラフト重合法により合成したホスホン酸-スルホン酸型二官能性繊維は、樹脂に比べ100倍以上の通液速度に対しても良好な金属吸着が可能であり、pH1付近の酸性領域においても3価の鉄イオンなどを高速で吸着可能であることが確認されている。また、リン酸基,ホスホン酸基にジルコニウムを担持させた吸着剤はフッ化物イオン,リン酸イオン,ヒ酸,亜ヒ酸イオンなどを高選択的に吸着することが知られている。本研究ではフッ化物イオン吸着剤の開発を目的として、ジルコニウムがリンのオキシ酸イオンと強く結合する特性をいかし、ホスホン酸-スルホン酸型二官能性繊維にジルコニウムを担持させた新規吸着剤のフッ化物イオン吸着挙動を検討した。その結果、10ppmのフッ素溶液からフッ素を吸着除去可能なことがわかった。
岡田 健治; 瀬古 典明; 玉田 正男
no journal, ,
放射線グラフト重合技術を用いて作製したイオン交換繊維は、水中の金属イオンや大気中の有害ガスを効率的に除去することが可能であり、従来のイオン交換樹脂と比較して、吸着容量や吸着速度が著しく向上することが知られている。本研究ではイオン交換繊維の製造コストの低減化及び環境負荷の低減化を目的として、スチレン又はクロロメチルスチレンを水系でグラフト重合を行い、その合成条件の探索を行った。その結果、線量50kGy,界面活性剤濃度3%,モノマー濃度1%においてグラフト率100%に至った。これらのより低線量でモノマー濃度を大幅に削減することが可能となった。
岡田 健治; 瀬古 典明; 玉田 正男; 城 昭典*
no journal, ,
これまでに放射線グラフト重合技術により多種のイオン交換繊維が開発され、従来のイオン交換樹脂では不可能であった超高速吸着が可能となった。しかし、弱酸性型吸着材であるホスホン酸型吸着材ではpH2以下の酸性領域ではホスホン酸基が解離せず繊維の収縮が起こるため吸着容量・速度の双方が低下する。本研究では、ホスホン酸型繊維に強酸性基であるスルホン酸基を導入し、二種の官能基の相乗作用により発現する金属吸着特性を評価した。その結果、Fe(III)の吸着試験においてホスホン酸基のみを有する繊維では、通液直後にFe(III)は漏出したが、二官能性繊維においては30通液容量まで漏出容量が増加した。Pb(II)の金属吸着特性でも同様に、二官能性繊維においては2倍の漏出容量を示した。
岡田 健治; 瀬古 典明; 玉田 正男
no journal, ,
イオン交換繊維の製造コストの低減化及び環境負荷の低減化を目的として、スチレン(St)又はクロロメチルスチレン(CMS)を水系でグラフト重合を行い、その合成条件の探索を行った。基材のポリエチレン被覆ポリプロピレン繊維に電子線を50100kGy照射後、反応温度40Cにおいてモノマー溶液と接触させてエマルショングラフト重合を行った。モノマー濃度1%,界面活性剤の濃度を0.15%としてグラフト重合を行った結果、35%において界面活性剤の種類によらず1時間で100%程度のグラフト率(dg)が得られた。これは、これまでの有機溶媒を用いた系と比較して線量,モノマー使用量,反応時間を大幅に削減可能であることを示す。また、粒径アナライザーを用いて動的光散乱法により粒径測定を行った結果、界面活性剤濃度が高いものほど平均粒径が小さく、重合速度が速いことがわかった。
保科 宏行; 瀬古 典明; 笠井 昇; 岡田 健治; 植木 悠二; 玉田 正男; 弥富 洋介; 尾方 伸久
no journal, ,
地層処分のための地質調査研究では、坑道の掘削に伴う地下水の湧出が問題に挙げられている。東濃瑞浪超深地層研究所の立て坑からの湧水(30m/h)には環境基準値を超えるフッ素・ホウ素が含有しており、大規模な排水処理設備を設けて処理を行っている。一方、放射線グラフト重合法により作製した繊維状のグルカミン型吸着材はホウ素に対して良好な性能を示し、かつ高速での除去処理が可能である。そこで、本吸着材を用いて、地下湧水中に溶存するホウ素除去試験を行った結果、空間速度50hから500hの広範囲においてホウ素除去が可能であった。
余語 覚文; 西内 満美子; 榊 泰直; 堀 利彦; 佐藤 克俊; 錦野 将元; 前田 拓也; 森 道昭; 小倉 浩一; 織茂 聡; et al.
no journal, ,
高強度・短パルスのレーザーを用いたイオン加速は、1MV/mに及ぶ急峻な電場勾配を発生するため、従来のイオン加速器を大幅に小型化する技術として注目されている。レーザー駆動イオン加速装置の特徴の1つとして、シンクロトロンなど通常のがん治療に使われている加速器と比較して、高電流・短時間幅のイオンビームを発生することが挙げられる。将来的に、レーザー駆動加速装置が治療に用いられることを想定して、前述のような特徴を持つレーザー駆動陽子線の生物学的効果を、実験的に究明する必要がある。この目的のために、レーザー駆動による陽子線の細胞照射装置を開発し、生物学的影響を評価する実験を開始した。照射装置の開発の現状と、ヒト由来のがん細胞に対して照射実験を行った結果について報告する。
奥 隆之; 酒井 健二; 廣井 孝介; 渡辺 真朗; 篠原 武尚; 相澤 一也; 加倉井 和久*; 吉良 弘*; 林田 洋寿*; 桐山 幸治*; et al.
no journal, ,
パルス中性子散乱実験への応用を目的として、He中性子偏極フィルターの実用化研究を行っている。He中性子偏極フィルターは、広いエネルギー範囲の中性子に有効である他、発散度の大きな中性子ビームの偏極も可能であるなど、優れた特徴を兼ね備えている。これまでに我々は、Volume Holographic Grating (VHG)素子を用いて、スピン交換光ポンピング(SEOP)用の小型レーザー光学系を開発し、シンプルで使いやすいオンビームSEOP型He偏極フィルターシステムを構築した。そして、そのシステムを用いて、J-PACのパルス中性子ビームを用いて、小角散乱装置や反射率計における偏極度解析実験、偏極中性子イメージング試験などを行ってきた。現在、このシステムの適用範囲を拡張するため、Heフィルターセルの短波長中性子対応やセルサイズの大型化、レーザー光学系他周辺技術の改良、施設整備などを進めている。学会では、開発の現状と今後の開発・整備計画について発表する予定である。
弥富 洋介; 尾方 伸久; 杉原 弘造; 瀬古 典明; 保科 宏行; 岡田 健治*; 玉田 正男
no journal, ,
東濃地科学センター瑞浪超深地層研究所では、研究坑道掘削工事に伴う湧水に含まれるフッ素,ホウ素について、排水処理設備における凝集沈殿処理(フッ素除去)及びイオン交換処理(ホウ素除去)によって環境基準以下の濃度まで除去した後、排水している。一方、量子ビーム応用研究部門環境産業研究開発ユニットでは、放射線グラフト重合法で作製した捕集材により、温泉などに含まれる低濃度の希少金属捕集の実績があることから、地層処分研究開発部門東濃地科学研究ユニットと量子ビーム応用研究部門環境産業研究開発ユニットが融合して湧水中のフッ素・ホウ素除去方法について検討することとなった。工事現場における捕集材を用いた湧水処理カラム試験を行った結果、ホウ素については捕集材体積の760倍の湧水量に対して、95%以上の除去が可能であり、かつ、一般的なイオン交換樹脂と比べて5倍の通液速度で除去が可能であった。また、フッ素については捕集材体積の280倍の湧水量に対して除去可能であったが、湧水中のフッ素濃度を1/10まで除去する必要があり、低濃度における捕集効果が強い捕集材の効果が十分発揮されておらず、効率化を図るためには今後も検討が必要である。今後は試験装置を用いた試験により、捕集材の耐久性の評価や再生利用試験を行う予定である。
弥富 洋介; 瀬古 典明; 保科 宏行; 岡田 健治*; 玉田 正男; 尾方 伸久; 杉原 弘造
no journal, ,
地層処分研究開発部門の東濃地科学研究ユニットでは、結晶質岩を対象として瑞浪超深地層研究所(以下、研究所)における研究を進めている。研究所における研究坑道掘削工事に伴って発生する湧水にはふっ素,ほう素が含まれており、排水処理設備において、環境基準以下まで濃度を下げて排水している。一方、量子ビーム応用研究部門の環境・産業研究開発ユニットでは、放射線グラフト重合法で作製した捕集材により、海水に含まれる低濃度の希少金属捕集の実績があることから、両ユニットが共同で湧水に含まれるふっ素・ほう素の処理について検討することとなった。捕集材を用いた湧水処理カラム試験を行った結果、ほう素については捕集材体積の約760倍の湧水量に対して、湧水中濃度の95%以上の除去が可能であり、かつ、一般的なイオン交換樹脂と比べて5倍の通液速度で除去が可能であった。また、ふっ素については捕集材体積の280倍の湧水量に対して除去可能であったが、湧水中のふっ素濃度が高いことから、低濃度における吸着効果が強い捕集材では吸着効率が低く、効率化を図るためには今後も検討が必要である。今後は試験装置を用いた試験により、捕集材の耐久性の評価や再生利用試験を行う予定である。