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報告書

福島・茨城県境に位置する塩ノ平断層,車断層の活動性評価研究

青木 和弘; 今井 宏太朗; 瀬下 和芳; 木村 恵; 桐田 史生; 中西 龍二

JAEA-Research 2024-005, 177 Pages, 2024/10

JAEA-Research-2024-005.pdf:12.02MB

塩ノ平断層は福島・茨城県境付近に位置し、2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(Mw6.7)によって出現した。一方、その南方延長上の車断層ではこの地震による地表変状は認められなかった。上載層が存在しない場合や断層との切断関係を検討できる鉱物脈・岩脈が見つからない場合の断層の活動性評価について、破砕帯の性状に着目した新たな手法の開発を目的に塩ノ平断層(塩ノ平地点、別当地点)と車断層(水上北地点)の3箇所で地質調査、試錐調査、化学分析、水理・力学試験を実施し、評価すべき物性データの抽出・分析を行った。回転せん断式低速$$sim$$高速摩擦試験機を用い、断層ガウジのすべり速度Vと摩擦係数$$mu_{ss}$$との関係を調べた。塩ノ平地点と別当地点の試料では$$mu_{ss}$$$$V$$にほとんど依存しない低速域、$$mu_{ss}$$$$V$$の増加とともに増加する中速域、$$mu_{ss}$$がすべりとともに劇的に低下する高速域に区分された。一方、水上北地点の試料では速度に対する依存性は認められなかった。地下の割れ目に高圧注水を行うことで断層の三次元変位($$mu$$m$$sim$$mm)を測定するSIMFIP法による断層スリップ試験を実施した。塩ノ平地点では断層すべりはクーロン破壊としてモデル化でき、すべり速度に対して摩擦の依存性を示した。一方、水上北地点では断層すべりはクーロン破壊で表現できず、複数の亀裂やすべり面を利用した複雑な応答が確認された。水圧モニタリング孔での水圧応答から、断層部を挟む領域の水理特性をGRFモデル(Barker、1988)により評価し、透水係数、比貯留量、流れ次元などを明らかにした。透水係数および比貯留量は塩ノ平が水上北よりも大きく、流れ次元は塩ノ平が概ね三次元流であり、水上北が二次元フラクショナル流となった。塩ノ平地点と水上北地点のコア試料からせん断面の姿勢やせん断センスなどの断層スリップデータを取得し、多重逆解法による応力解析を行った。破砕帯を形成した運動と応力履歴を分析した結果、塩ノ平地点において5つ、水上北地点において2つの活動ステージが復元された。本研究では断層ガウジの摩擦特性、断層破壊モードや破砕部の水理特性、断層の活動ステージなどで、塩ノ平地点と水上北地点で顕著な違いが確認された。当該断層内での調査地点を増やすだけでなく、他地域の断層への適用を通じて断層活動性評価手法としての信頼性向上を計る必要がある。

報告書

原子力施設耐震設計における福島・茨城県境を震源とする長周期地震動評価の高度化研究

桐田 史生; 冨永 昌宏; 山崎 敏彦; 瀬下 和芳; 瓜生 満

JAEA-Research 2022-006, 61 Pages, 2023/02

JAEA-Research-2022-006.pdf:6.24MB

核燃料サイクル工学研究所(以下、サイクル研)では、1990年代より地震観測を行っている。内陸地殻内地震について、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(以下、3.11地震)までは、茨城県北部$$sim$$福島県において発生頻度が低い状況であったが、3.11地震後、この地域で余震が頻発するようになり、福島県浜通り付近で発生した地震(2011年4月11日福島県浜通りの地震等)では、サイクル研の地震観測記録に顕著な長周期成分が観測された。この地震の震源付近の観測地点の記録には長周期成分は含まれておらず、サイクル研までの伝搬過程で、長周期成分が生成されたものと考えられる。敷地周辺の地下構造探査結果から深部の地震基盤には、盆地状構造が確認されており、この基盤形状を起因とした長周期成分の生成と評価した。原子力施設の耐震設計に用いる地震動評価では、敷地で得られた観測記録を要素地震に用いた経験的グリーン関数法により評価を行っており、サイクル研の観測記録を要素地震に用いて地震動評価を行った場合、震源ではわずかな長周期成分を伝搬過程で増幅したものを震源に戻し波形合成することとなり、長周期成分が過度に増幅される結果となる。このため本検討では、地震動の長周期成分の評価を精緻化するために、震源及び敷地周辺を含む広域の深部地盤の形状を反映できる三次元地盤構造モデルによる地震動評価を実施した。モデルは、浜通り地震の震源域付近から茨城県北部沿岸域を範囲(幅約80km$$times$$長さ約110km)とし、本研究における長周期地震動評価を適切に行えるよう2秒以上の周期帯の精度を担保するようなメッシュサイズを調整した。三次元地盤構造モデル構築にあたっては、複数の観測記録や震源モデルを用いて、最適な三次元地盤構造モデルを作成し、複数の地震のシミュレーション解析、分析等を行い、その適切性、有用性を確認した。これらの研究成果を実際の許認可業務の基礎資料として活用した。

論文

東海再処理施設における津波による漂流物の影響評価

西野 紗樹; 坪井 雅俊; 岡田 純平; 三枝 祐; 大森 一樹; 安尾 清志; 瀬下 和芳; 堂村 和幸; 山本 昌彦

日本保全学会第17回学術講演会要旨集, p.541 - 548, 2021/07

廃止措置を進めている東海再処理施設では、安全上リスクが高い高放射性廃液を取扱う高放射性廃液貯蔵場(HAW)及びガラス固化技術開発施設(TVF)の地震・津波等に対する安全対策を最優先で進めている。本発表では、複数の安全対策のうち、津波防護対策について、東海再処理施設に津波が襲来した際に漂流物化する可能性のある建物・設備等を調査後、津波の流況及び漂流物の軌跡解析結果から、両施設への漂流物の到達の有無を評価した。

論文

2011年福島県浜通りの地震で活動した塩ノ平断層と活動しなかった車断層の断層破砕帯の特徴

青木 和弘; 田中 遊雲; 吉田 拓海; 島田 耕史; 酒井 亨*; 亀高 正男*; 瀬下 和芳

応用地質, 62(2), p.64 - 81, 2021/06

塩ノ平断層は、2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(Mw6.7)によって、いわき市田人町旅人滑石から石住綱木北西に至る約14kmの区間に出現した、北北西から南南東へ延びる地表地震断層である。車断層は、塩ノ平断層の南方5kmに認められる断層であり、この地震時に地表変位は現れていない。最近活動した断層の近くに、同様の走向を持ちながらも活動しなかった断層があることから、新たな断層活動性評価手法の可能性を探るため、塩ノ平断層で2ヶ所、車断層で1ヶ所を調査地点として選定した。本稿では、それぞれの地域でこれまで実施してきた調査のうち、野外地質調査・ボーリング調査・コア観察・XRD分析・同位体分析・流体包有物分析・透水試験の結果について報告する。断層破砕帯の地質・鉱物・透水性などの特徴として取りまとめられた3地点で得られた成果は、断層の活動性を検討するための基礎的なデータとして活用される。

論文

断層面の形態観察に基づく断層活動性評価手法の検討

田中 義浩*; 亀高 正男*; 岡崎 和彦*; 鈴木 一成*; 瀬下 和芳; 青木 和弘; 島田 耕史; 渡邊 貴央; 中山 一彦

応用地質, 59(1), p.13 - 27, 2018/04

上載地層法が適用できない断層の活動性評価に資するため、活断層と非活断層の断層露頭で断層面の形態観察を実施し、断層活動性評価の指標を検討した。活断層としては五助橋断層の五助ダム上流露頭と六甲断層の船坂西露頭を、非活断層として六甲蓬莱峡のK地点を対象に、断層面の「連続性」,「切断関係」,「平滑性」に着目した。連続性は「断面形状の連続区間率測定」、切断関係は「周辺構造の切断率測定」を行った。平滑性については「断面形状の平面区間率測定」、「粗さ/うねり形状の測定」及び「写真解析による算術平均粗さ測定」という3種類の測定を行い、合計5つの測定手法を検討した。本研究結果から、「断面形状の連続区間率測定」、「周辺構造の切断率測定」、「断面形状の平面区間率測定」について、活断層と非活断層を見分ける識別基準値を有する可能性が示された。なお、引き続き、識別基準値の明確化とその検証のために測定事例の追加・検討、議論が必要である。

論文

走査型電子顕微鏡(SEM)用の断層中軸部小型定方位試料の作製法

島田 耕史; 亀高 正男*; 中山 一彦; 瀬下 和芳; 田中 義浩; 林 俊夫*; 田中 遊雲; 下釜 耕太*; 岡崎 和彦*

地質学雑誌, 119(11), p.727 - 731, 2013/11

脆弱で細粒かつ少量の断層中軸部の試料から、できるだけ多くの微細構造観察機会を得ると共に、化学分析等に供せられる試料量を確保する観点から、微小な試料の走査型電子顕微鏡(SEM)の利用は有効と考えられる。その際に課題となるのは、脆弱な試料の定方位情報を保持させたまま、SEMの試料室へ入れる方法の確立であり、実用上可能とされ得る迅速な試料採取方法の確立である。本稿では、ステープラー(ホチキス)の針を、互いに直角な小平面を持っている事を活かした定方位用の枠として用い、特殊な薬品や高度な備品類の使用を抑え、野外での迅速な定方位試料採取、貴重な試料からの採取を可能とする、SEM観察用定方位試料作製手法の手順を紹介する。

論文

J-PARCの緑化計画; 保全と再生への取り組み

山西 毅; 瀬下 和芳; 北見 俊幸; 丹 左京*

日本緑化工学会誌, 32(1), p.191 - 194, 2006/08

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の建設では、3.3haに及ぶ松林の伐採が行われている。当地は、保安林と自然環境保全地域に指定されており、その復旧にあたっては、環境保全に十分配慮することが求められているため、貴重植物の保護や森林植栽等、さまざまな試みを行っている。試験植栽については、第35回大会において口頭発表を行ったが、その後の追跡調査結果、伐採から復旧までの経緯と環境保全,再生への取り組みについて報告をする。

論文

J-PARCにおける高次団粒緑化工によるクロマツ成林の試み

山西 毅; 瀬下 和芳; 北見 俊幸; 成瀬 日出夫; 丹 左京*

日本緑化工学会誌, 30(1), p.227 - 230, 2004/08

日本原子力研究所東海研究所における大強度陽子加速器施設(J-PARC)建設にあたっては、大規模な松林の伐採が行われるが、その復旧植栽の一手法として高次団粒方式によるクロマツ種子の吹き付けを試みており、構内において実施している植栽試験について紹介する。

口頭

塩ノ平断層及び南方延長部の破砕帯の特徴

亀高 正男*; 酒井 亨*; 田中 由美子*; 青木 和弘; 田中 義浩*; 瀬下 和芳; 丹羽 正和; 増田 祐輝

no journal, , 

2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(Mj7.0; 以下、4.11地震)によって、福島県いわき市田人町旅人滑石から石住綱木北西に、北北西-南南東に約14kmにわたって延びる地表地震断層が出現し、塩ノ平断層と命名された(石山ほか、2011)(ここでは活動区間と呼ぶ)。4.11地震以前の研究として、「新編 日本の活断層」(活断層研究会編、1991)などにより井戸沢断層の一部をなす「活断層の疑いのあるリニアメント」が図示されていた。塩ノ平断層は、このトレースとほぼ一致するが、「新編 日本の活断層」では、4.11地震の地表地震断層の出現位置の南端よりも南方まで線が描かれ、常磐炭田地質図(須貝ほか、1957)において車断層として示されている地質断層が連続している(ここでは非活動区間と呼ぶ)。われわれは、4.11地震の活動区間と非活動区間の違いに着目した調査・研究を進めている(例えば、亀高ほか、2015; 青木ほか、2015など)。本発表では、活動区間と非活動区間のボーリング掘削調査の結果と、得られたコア試料の破砕帯の性状を中心に報告する。

口頭

塩ノ平断層における断層ガウジの摩擦特性,2; 車断層(塩ノ平断層南方延長部)における断層ガウジとの比較

青木 和弘; 瀬下 和芳; 田中 義浩*; 丹羽 正和; 増田 祐輝; 亀高 正男*; 酒井 亨*; 嶋本 利彦*

no journal, , 

2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(2011年の東北沖地震の最大余震)によって、東北日本南東部の福島県いわき市で、北北西から南南東へ延びる地表地震断層が出現した。石山ほか(2011)によって塩ノ平断層と命名された(以下活動区間と呼ぶ)。この断層の南方延長部では同方向のリニアメントが識別され車断層と呼ばれているが、この区間には地表変位は現れなかった(以下非活動区間と呼ぶ)。われわれは4.11地震による活動区間と非活動区間との違いに注目した調査・研究を進めており、2015年の連合大会では活動区間の露頭サンプルを用いた摩擦実験結果を報告した。今回の発表では、活動区間と非活動区間の両方で掘削した浅層試錐コアから採取した断層ガウジを用いた低速$$sim$$高速摩擦実験結果について報告する。

口頭

Frictional properties of Main Fault Gouge of Mont Terri, Switzerland

青木 和弘; 瀬下 和芳; Guglielmi, Y.*; Nussbaum, C.*; 嶋本 利彦*; Ma, S.*; Yao, L.*; 亀高 正男*; 酒井 亨*

no journal, , 

JAEA participated in the Fault Slip Experiment of Mont Terri Project which aims at understanding (1) the conditions for slip activation and stability of clay faults, and (2) the evolution of the coupling between fault slip, pore pressure and fluids migration. The experiment uses SIMFIP probe to estimate (1) the hydraulic and elastic properties of fault zone elements, (2) the state of stresses across the fault zone and (3) the fault zone apparent strength properties (friction coefficient and cohesion). To elaborate on the Fault Slip Experiment, JAEA performed friction experiment of borehole cores of depths 47.2m and 37.3m using a rotary-shear low to high-velocity friction apparatus at Institute of Geology, China Earthquake Administration.

口頭

Frictional properties of Shionohira Fault Gouge, 2; A Comparison with Kuruma Fault Gouge at the southern extension of Shionohira Fault

瀬下 和芳; 青木 和弘; 田中 遊雲; 丹羽 正和; 嶋本 利彦*; Ma, S.*; Yao, L.*; 亀高 正男*

no journal, , 

The April 11, 2011 Fukushima-ken Hamadori Earthquake (the largest aftershock of the 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake) formed co-seismic surface ruptures in NNW-SSE direction in Iwaki City, Fukushima Prefecture, Japan, named Shionohira Fault (hereafter called active segment). A N-S trending geological fault with lineaments (Kuruma Fault) along the southern extension of Shionohira Fault showed no surface ruptures (hereafter called non-active segment). The current report discusses differences of active and non-active segments by conducting low to high-velocity friction experiments on the gouge from shallow borehole cores.

口頭

JRR-3の新規制基準適合について,3; 耐震設計と津波評価

川村 奨; 小林 哲也; 田中 遊雲; 桐田 史生; 瀬下 和芳; 和田 茂

no journal, , 

平成25年11月に新たに制定された試験研究炉の新規制基準を受け、JRR-3においても既存の施設に対するバックフィットとして新規制基準に適合するために耐震設計の見直し及び津波評価を実施した。その内容について発表する。

口頭

Difference of microscopic texture between fault gouges and hydrothermal clay veins

丹羽 正和; 島田 耕史; 青木 和弘; 瀬下 和芳; 田中 義浩; 大久保 成彰; 近藤 啓悦; 安江 健一; 石丸 恒存; 梅田 浩司

no journal, , 

断層活動が繰り返し起きている部分では、破砕・細粒化に伴い断層ガウジが発達する。断層ガウジはその後の変質により、粘土鉱物に富むことが多い。一方、花崗岩中には過去の熱水活動に伴い粘土脈がしばしば形成されているが、それらは露頭での性状が断層ガウジと類似している場合がある。活断層の影響評価を行う際には、活断層に伴って発達する断層ガウジと(最近の断層活動の影響を受けていない)粘土脈とを正確に区分することが重要である。本研究では、敦賀半島の白木-丹生断層に沿って発達する断層ガウジとその周辺に発達する粘土脈について詳細な電子顕微鏡観察や粒度分析等を行い、両者の識別を試みた。その結果、粒子の摩耗・溶解の影響により、粒子の形状が両者で大きく異なることが明らかとなった。

口頭

塩ノ平断層及び車断層の断層破砕帯をターゲットとした定方位ボーリング

鈴木 悠爾*; 亀高 正男*; 青木 和弘; 瀬下 和芳; 村田 誠一*

no journal, , 

車断層を対象に断層調査を目的として行った定方位ボーリング調査、特に面構造の計測手法について検討した。定方位コアを三点測定及びゴニオメーターで測定した結果と、ボアホールカメラ調査の測定結果をそれぞれ比較した。走向のずれは、比較した全データのうちの約半数が10$$^{circ}$$以下で、残りのデータも概ね20 $$^{circ}$$以下のずれで収まっていた。傾斜のずれは、全データのうち3分の1強が10$$^{circ}$$以下で、残りのデータのうち3分の1弱が20$$^{circ}$$以下であった。定方位コアの計測及びボアホールカメラ観察による面構造の姿勢の測定結果を比較したところ、大幅な差異は認められなかったことから、定方位ボーリングの精度が高いことを報告する。

口頭

塩ノ平断層の破砕部性状と変位センス

酒井 亨*; 亀高 正男*; 田中 由美子*; 青木 和弘; 田中 義浩; 丹羽 正和; 瀬下 和芳

no journal, , 

2011年4月11日の福島県浜通りの地震(以下、4.11地震)によって、全長約14kmにわたり地表地震断層が出現した(塩ノ平断層:石山ほか、2012)。この地表地震断層は西落ちの正断層センスで、最大変位量は約2mである。塩ノ平断層の出現位置には4.11地震よりも以前からすでに断層トレースが判読されており、一括して井戸沢断層と呼ばれていた(活断層研究会編、1991)。4.11地震により地表に現れた塩ノ平断層は井戸沢断層の西側トレースの一部にあたる。著者らは4.11地震による井戸沢断層の活動区間(塩ノ平断層)と非活動区間の違いに着目した断層破砕部の調査を行っており、地表地震断層に沿って複数の断層露頭が出現し、代表的な露頭として、活動区間から3地点(清道川,塩ノ平,別当)、非活動区間から1地点(滑石南)で調査を行った。今回の発表では、活動区間である塩ノ平,別当の2地点における露頭観察、断層破砕部の研磨片・薄片観察の結果を中心に報告する。

口頭

堆積軟岩中の面なし断層を横断する小構造の例

瀬下 和芳; 田中 遊雲; 島田 耕史; 渡邊 貴央

no journal, , 

面なし断層は、落差はあるが、断層面が失われているか、断層面が癒着し、断層の両盤の間の物質が周囲の岩石と同程度に固結したものをいう(例えば、衣笠等、地学団体研究会編)。その形成条件について、衣笠等は、「堆積後まもない、大量に水を含んだ未凝固の場合と、地下深部に埋没されて封圧の増した場合の、2つの条件下で生じうる」と推定されており、さらに面なし断層周辺の小構造を含んだ解析を実施することで、その判断の確実性を高めうる可能性がある。会場において研磨片と薄片の観察結果などを解説する。

口頭

Shionohira Fault characterization using a SIMFIP protocole

瀬下 和芳; 渡邊 貴央; 青木 和弘; 田中 遊雲; Guqlielmi, Y.*; Cook, P.*

no journal, , 

The SIMFIP (Step-Rate Injection Method for Fracture In-situ Properties) was tested for the first time on an active fault. One high level objective of this study is to estimate how efficient this new hydro-mechanical test might be to help estimating the seismic activation potential of faults in Japan The SIMFIP (Step-Rate Injection Method for Fracture In-situ Properties) was tested for the first time on an active fault. One high level objective of this study is to estimate how efficient this new hydro-mechanical test might be to help estimating the seismic activation potential of faults in Japan. The Shionohira fault caused the April 11, 2011 Fukushima-ken Hamadori Earthquake of Mw 6.7 which occurred one month after the Tohoku-Oki earthquake of Mw 9.0. Co-seismic surface ruptures trending NNW-SSE allowed to estimate a normal slip faulting with a 2 m maximum displacement.

口頭

Injection test results on fault stability using a 3-components borehole deformation sensor in the non-active segment extending south of Shionohira Fault, NE Japan

青木 和弘; 田中 遊雲; 吉田 拓海; 瀬下 和芳; Guglielmi, Y.*; Cook, P.*; Soom, F.*

no journal, , 

A slip in the Shionohira Fault caused the April 11, 2011 Fukushima-ken Hamadori Earthquake of Mw 6.7, the biggest aftershock occurring a month after the Mw 9.0 Tohoku-Oki earthquake. Co-seismic surface ruptures trending NNW-SSE indicate a normal slip faulting of maximum 2 m displacement. However, an N-S trending Kuruma Fault with lineaments along the southern extension of Shionohira Fault showed no surface ruptures. The key question of importance in better assessing the risk of seismic fault activation in Japan is to understand why some fault segments were activated and ruptured the land surface while others remained inactive although closely aligned on the same fault zone and most likely affected by the same stress conditions. Following up on the injection experiment using a 3 components borehole deformation sensor (SIMFIP probe: Step-Rate Injection Method for Fracture In-situ Properties) in the active segment of Shionohira Fault (Aoki, et al., 2018), this study reports on the second injection test in Minakami-kita, the non-active segment of Kuruma Fault extending south of Shionohira Fault.Kuruma Fault runs North-South with a dip of 70 degrees to the west. A borehole of 30 meters from the surface was excavated to the east with 50 degrees inclination. Test interval of injection was decided based on core observation, borehole TV, and caliper logging data at 19.75-21.70 m (Test 1) and at 21.65-23.6 m (Test 2). Clear fault reactivations have been observed in test 1 and 2 located across the main shear zones. The results of tests 1 and 2 show considerable difference from earlier test results of the active segment (given in parentheses): fracture opening pressures were 11.0 and 10.2 bars (2.0 to 2.3 bar), hydraulic permeability at 3.0$$times$$10$$^{-10}$$ and 2.3$$times$$10$$^{-8}$$ m$$^{2}$$, and fault displacements at 0.20 and 0.12 mm (1.39 mm), respectively. Detailed activated structures and modes will be explained in the poster.

口頭

塩ノ平断層-車断層の破砕帯にみられる熱水変質作用

亀高 正男*; 田中 由美子*; 岩崎 悦夫*; 青木 和弘; 田中 遊雲; 吉田 拓海; 瀬下 和芳

no journal, , 

2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震に伴い地表地震断層が出現したいわき市の塩ノ平断層の塩ノ平地域と,その南方延長にあたる車断層の水上北地域において,破砕帯の性状比較などを行っている。ボーリング調査の結果などから,塩ノ平断層及び車断層が古第三系堆積前に活動を開始したことが示唆された(亀高ほか,2016)。そこで,地質調査及びコア分析により破砕帯の分布や性状を把握し,熱水変質作用の実態を明らかにした。塩ノ平断層の塩ノ平地点では,破砕帯の断層中軸部は断層ガウジ及び断層角礫からなり,その東側にカタクレーサイト化した熱水変質岩が分布する。カタクレーサイト化した熱水変質岩は結晶片岩を原岩とし,石英の再結晶化,炭酸塩鉱物(主に方解石)脈の貫入と破砕を繰り返し受けている。破砕帯近傍の結晶片岩には,特徴的に電気石片岩が認められ,ホウ素に富む流体の関与が疑われる。車断層の水上北地点では,断層通過位置付近にのみ断層角礫やカタクレーサイト化した熱水変質岩が認められる。断層中軸部は断層ガウジ及び断層角礫からなり,断層の東側にはカタクレーサイト化した熱水変質岩が伴われる。カタクレーサイト化した熱水変質岩は,塩ノ平地点と良く似た性状を示している。ボーリングコアのXRD分析では,地表部の古第三系の試料には風化の影響が認められる。断層ガウジの粘土鉱物は緑泥石, スメクタイト及びイライトを含む。破砕帯には熱水変質起源の鉱物が伴われ,塩ノ平では炭酸塩鉱物として方解石やドロマイトが含まれる。水上北では炭酸塩鉱物は方解石が多い。鉱物脈及び脈起源の炭酸塩鉱物の同位体分析の結果から,塩ノ平断層及び車断層の破砕帯にはマントル由来のCO$$_{2}$$の関与が示唆される。このほか,水上北地点では有機物の分解によるCO$$_{2}$$が酸化した炭酸イオンの関与が示唆される。石英及び方解石の流体包有物分析では,水上北の方解石中の流体包有物の均質化温度が約220-230$$^{circ}$$Cと見積もられた。調査結果から,御斎所変成岩のなかで熱水変質を受けている部分は断層近傍に限られることが明らかになった。塩ノ平断層と車断層はともに,地下深部において活動を開始した古い破砕帯を起源としていることが示された。その活動開始時期は,断層に接する古第三系が熱水変質を受けていないことから古第三系の堆積以前まで遡り,電気石片岩の存在から変成時に既に水みちが形成されていた可能性まで考えられる。

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