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河野 恭彦; 田中 雅人*; 田中 仁美*; 下 道國*; 鳥居 寛之*; 宇野 加津子*
Journal of Radiation Protection and Research, 47(3), p.167 - 179, 2022/09
福島第一原子力発電所の事故では、放射性セシウムやヨウ素などの人工放射性核種が環境中に放出された。この事実が福島第一原子力発電所の周辺だけでなく、世界の他の地域においても大きな不安をもたらした。放射線防護の分野で日本を代表する学会である日本保健物理学会(JHPS)のメンバーは、放射線の健康影響に対する住民の不安を軽減するために、事故直後にボランティアで「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」というウェブサイトを開設した。2011年8月には、JHPSに「暮らしの放射線Q&A活動委員会」が設置され、ウェブサイトに関する活動はJHPSの責任で行われることになった。本ウェブサイトでは、一般の方からの質問に専門的かつ真摯に対応してきたが、時間の経過とともに質問の数が徐々に減少してきたため、2013年2月に委員会メンバーが活動の終了を決定した。本稿では、2011年から2013年の2年間のQ&Aサイトの活動内容、活動のスタンス、サイトの活動に関連する情報、Twitterデータの分析について報告する。
河野 恭彦; 下 道國*; 早川 博信*; 谷口 和史*; 田中 雅人*; 田中 仁美*; 尾上 洋介*; 長屋 弘*; 鳥居 寛之*; 宇野 賀津子*
保健物理(インターネット), 55(4), p.226 - 238, 2020/12
福島第一原子力発電所事故後、放射性セシウムや放射性ヨウ素等の人工放射性核種が環境中に放出され、福島第一原子力発電所周辺だけではなく、日本各地の方々に大きな不安を与える結果となった。日本保健物理学会の会員がボランティアとして、住民の方々からの放射線の健康影響に関する不安を軽減させるために、福島第一原発事故直後、暮らしの放射線Q&Aウェブサイトを立ち上げ、住民の方々からの放射線に関する質問に回答をする活動を行ってきた。その後、2011年8月からは学会の常設委員会の1つとして「暮らしの放射線Q&A活動委員会」が設置され、学会の責任のもとに本活動を2013年2月まで実施してきた。その結果、われわれがウェブサイト活動を通じて、一般の方々の質問に対応してきたことが、放射線の健康影響に関する不安軽減に一定の貢献を果たしてきたといえるのでないかと思っている。本論文では、暮らしの放射線Q&Aウェブサイトの約2年間の活動を振り返り、われわれの活動スタンス、得られた課題、そして本ウェブサイトに関連する情報に基づき、Twitterの解析結果等をまとめた。また、そこからこれらの活動により得られた知見や経験をもとに得られた、放射線防護の専門家だけでなく、他分野の専門家の間でも緊急時の初期対応の場面において活用できる課題や経験を示した。
齋藤 龍郎; 小林 愼一*; 財津 知久*; 下 道國*; 麓 弘道*
保健物理(インターネット), 55(2), p.86 - 91, 2020/06
ウラン廃棄物およびウランを含む鉱さい等廃棄物処分安全の考え方は、まだ完全には確立されていない。その理由は、子孫核種の放射能が蓄積し、数十万年以後に線量のピークが生じるウラン安全性評価の不確実性と、遠い将来発生するラドンによる被ばくである。我々「自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会」は、ウラン含有廃棄物と鉱さい等廃棄物に含まれる核種、U-235, U-238とその子孫の処分に関する安全事例を研究し、ICRPやIAEAなどの国際機関の考え方と比較しながら、処分の現状を総括的に議論し、不確実性及びラドン被ばくの取り組むべき重要な問題を提言した。
山田 純也; 橋本 周; 瀬谷 夏美; 羽場 梨沙; 武藤 保信; 清水 武彦; 高崎 浩司; 横山 須美*; 下 道國*
保健物理, 52(1), p.5 - 12, 2017/03
本研究では、現在開発が進められているモニタリングポスト測定値を用いた迅速性のある空気中I濃度推定手法を改良することを目的としている。本推定手法はモニタリングポストのNaI(Tl)検出器で測定した空気由来の
I計数率に、濃度換算係数を乗ずることで空気中
I濃度を推定するものである。先行研究では、空気由来の
I計数率を弁別するために必要となるプルーム通過時間帯の決定方法の不確定性により、推定精度が低下することが指摘されていた。本研究では、沈着のない
Xe計数率の時間変化からプルーム通過時間帯を決定する方法を考案し、開発中の空気中
I濃度推定手法に適用した。その結果、空気中
I濃度の推定値は実測値に対しファクタ3以内になることを示した。
山田 純也; 橋本 周; 瀬谷 夏美; 羽場 梨沙; 武藤 保信; 清水 武彦; 高崎 浩司; 横山 須美*; 下 道國*
Radioisotopes, 65(10), p.403 - 408, 2016/10
モニタリングポストの測定データを利用した迅速性のある空気中I濃度推定手法の開発を目指している。本手法はモニタリングポストのNaI(Tl)検出器で測定した
Iの全吸収ピーク計数率に濃度換算係数を掛け算することで空気中
I濃度を推定する。モンテカルロ計算コードEGS5を用いて原子力機構大洗研究開発センターのモニタリングポストに対する濃度換算係数を計算した。計算の結果、無限空気線源に対する濃度換算係数は25.7Bq/m
/cpsと評価された。
下 道國*; 石森 有; 細田 正洋*; 床次 眞司*
Radiation Protection Dosimetry, 141(4), p.473 - 476, 2010/09
被引用回数:3 パーセンタイル:24.99(Environmental Sciences)日本の7つの県、33の地域において、新たに製作したポータブル測定器によりトロン散逸率を測定した。トロン散逸率は49から4890mBq m s
の範囲だった。測定ポイントの多くの場所でラドン散逸率も同時に測定し、そしてそれらは、2.1から11mBq m
s
の範囲だった。トロンの散逸率は、ラドン散逸率と大まかな関連性を示した。両方の散逸率は、地質学上の特徴とも大まかな関連性を示した。
米原 英典*; 石森 有; 秋葉 澄伯*; 飯田 孝夫*; 飯本 武志*; 甲斐 倫明*; 下 道國*; 床次 眞司*; 山田 裕司*; 吉永 信治*; et al.
保健物理, 42(3), p.201 - 213, 2007/09
日本保健物理学会では、屋内ラドンの肺がんリスクにかかわる最近の研究論文や国際的な動きに対応するため「屋内ラドンのリスク評価とその対応に関する専門研究会」を設置し、2005年4月から2007年3月まで活動した。近年の屋内ラドンのリスク評価に関する欧州及び北米での疫学調査研究結果の内容を検討し、それを我が国への適用の観点から評価し「屋内ラドンリスクに関する疫学研究とその評価」としてまとめた。
山崎 敬三*; 沖 雄一*; 長田 直之*; 横山 須美; 山田 裕司*; 床次 眞司*; 福津 久美子*; 飯田 孝夫*; Rahman, N. M.*; 下 道國*
no journal, ,
本研究は、京都大学原子炉実験所の加速器駆動未臨界炉(ADSR)の安全管理の基礎研究の一環として、誘導放射能の発生と挙動解明を目的として実施した。実験では、高強度高エネルギー放射線場を模擬するため、Taターゲットに30MeV,平均電流90Aの電子線を照射することにより、n,
混在場となる電子線型加速器ターゲット室内において、空気中の微粒子及び誘導放射能を測定した。走査型モビリティパーティクルサイザーにより、ターゲット室内空気中のエアロゾル濃度及び粒径分布を測定した結果、照射開始直後、数ナノメートルの微粒子が発生し、時間の経過とともに粒径が大きくなり、粒子濃度は減少することを明らかにした。また、誘導全ベータ放射能から得られた放射能分布,自然放射性核種であるラドン子孫核種の粒径分布及びレーザー式粒子カウンタで測定したエアロゾルの粒径分布を比較した結果、ほぼ同様な傾向を示しており、照射開始からの経過時間にしたがって粒径がより大きいほうへ移行していくことを明らかにした。
山崎 敬三*; 沖 雄一*; 長田 直之*; 飯田 孝夫*; 下 道國*; 山田 裕司*; 床次 眞司*; 福津 久美子*; 横山 須美
no journal, ,
大型加速器施設の安全管理や内部被ばく線量を評価するうえで、加速器周辺で発生する浮遊性放射性核種の性状や挙動は重要となる。京都大学原子炉実験所では加速器駆動未臨界炉(ADSR)の基礎的検討を行うプロジェクトが進められている。この一環として、加速器周辺の誘導放射能とその挙動を明らかにすることを目的とした研究を実施した。本研究では、高強度,高エネルギー放射線場でのエアロゾル生成を模擬するため、LINACのターゲット室内において、ビーム輸送中の空気中に発生した自然及び人工放射性核種の物理化学的特性を調べた。その結果、全ベータ放射能及びラドン子孫核種の放射能を基準とした粒径分布はビーム照射開始から時間とともに大きい方へ移行した。このことから、高強度,高エネルギー放射線場で生成されるベータ線放出核種についてもラドンエアロゾルの生成と同様に、エアロゾルへの付着により粒子状のものが生成されることを明らかにした。このような放射性エアロゾルの生成は、他の大型加速器周辺の高エネルギー放射線場においても、同様なメカニズムであると考えられる。
河野 恭彦; 荻野 晴之*; 早川 博信*; 下 道國*; 谷口 和史*; 伴 信彦*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故(以下、「福島事故」という)による放射性物質の放出に伴う人々の不安に答えるため、インターネットを通して放射線・放射能に関する正しい情報を多くの人々に発信してきた。事故直後は、当学会のボランティアが中心となって、「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」ウエブサイトを立ち上げ、投稿者から寄せられた質問に一つ一つ回答してきた。2011年8月以降には、当学会に「暮らしの放射線Q&A活動委員会」が正式に発足し、学会の責任のもとに、暮らしの放射線Q&Aウエブサイトを用いた一般公衆へのリスクコミュニケーション活動を現在もなお継続して実施している。本発表では、福島事故後約1年間において暮らしの放射線Q&Aウエブサイトに寄せられた約1500問の質問内容や、投稿者の属性傾向等を時系列的に整理して分析した結果について述べる。
河野 恭彦; 荻野 晴之*; 早川 博信*; 下 道國*; 谷口 和史*; 伴 信彦*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故(以下、「福島事故」という)による放射性物質の放出に伴う人々の不安に答えるため、インターネットを通して放射線・放射能に関する正しい情報を多くの人々に発信してきた。事故直後は、日本保健物理学会のボランティアが中心となって、「専門家が答える暮らしの放射線Q&A」(以下、「暮らしの放射線Q&A」という)ウエブサイトを立ち上げ、投稿者から寄せられた質問に一つ一つ丁寧に回答してきた。本発表では、福島事故後約1年間で暮らしの放射線Q&Aウエブサイトに寄せられた約1500問の質問内容や、投稿者の属性傾向等を時系列的に整理して分析した結果について述べる。分析した結果、全期間を通して、子供を持つ専業主婦の方々から多くの質問が寄せられ、子供に対する健康影響の有無についての関心の非常に高いことがわかった。
山田 純也; 瀬谷 夏美; 羽場 梨沙; 武藤 保信; 清水 武彦; 高崎 浩司; 横山 須美*; 下 道國*
no journal, ,
原子力発電所事故に伴い環境放出された放射性ヨウ素の大気中濃度の把握は、被ばく線量評価を行う上で重要である。平成23年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故時に日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターのモニタリングポスト(以下、「MP」)で測定されたNaI(Tl)検出器の波高データを、モンテカルロコードEGS5を用いて解析することで、放射性プルーム中のヨウ素濃度の定量を試みた。
山田 純也; 瀬谷 夏美; 羽場 梨沙; 武藤 保信; 橋本 周; 清水 武彦; 高崎 浩司; 横山 須美*; 下 道國*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故初期における大気中I-131濃度の同一地点における連続的な測定データは非常に限られたものであった。このことは原子力災害時のような混乱した状況下で、空気サンプリング試料の線核種分析に基づく大気中I-131濃度の評価が容易でないことを示している。このような背景を踏まえ,比較的容易に測定できるモニタリングポストの測定値から大気中I-131濃度を推定する手法について検討した。本手法では測定値としてNaI(Tl)検出器の波高分布から得られるI-131の364keVの光電ピークカウントを用いた。この測定値に放射線輸送計算コードEGS5により計算した濃度換算係数を乗じることで大気中I-131濃度の推定を試みた。本発表では濃度換算係数の計算結果を中心に報告する。
山田 純也; 瀬谷 夏美; 羽場 梨沙; 武藤 保信; 橋本 周; 清水 武彦; 高崎 浩司; 横山 須美*; 下 道國*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故時における大気中I-131濃度の同一地点の連続的な実測データは非常に限られたものであった。このことは原子力災害時のような混乱した状況下で、空気サンプリング試料の線核種分析に基づく大気中I-131濃度の評価が容易でないことを示唆している。比較的容易に測定できるモニタリングポストの測定値から大気中I-131濃度を推定する手法について検討した。この手法を用いて推定した大気中I-131濃度の推定値と空気サンプリング試料による実測値を比較した。実測値には原子力機構大洗から約20kmの地点に位置する原子力機構東海でサンプリング・評価された大気中I-131濃度を用いた。2011年3月15, 16, 21日のプルームの飛来による大気中I-131濃度の上昇を本手法による推定値はよく追従している。本手法による大気中I-131濃度の評価値は実測値に対してファクタ4以内であった。
保田 浩志*; 齋藤 龍郎; 麓 弘道*; 笠井 篤*; 下 道國*; 菅原 慎悦*; 土田 昭司*; 古田 定昭*
no journal, ,
自然起源の放射性核種であるウラン及びその子孫核種によって汚染されたもの、いわゆる「ウラン廃棄物」の取扱いについて、われわれは、その放射能減衰に要する時間が数十万年と極めて長く将来世代に相当の負担をもたらし得ることを踏まえ、これまで行われてきたような理工学的視点からの検討だけでなく、哲学や歴史学等の人文・社会科学的な視点からの考察が重要であると考え、2020年度に日本保健物理学会に「人文・社会科学的視点から考察する自然起源放射性物質含有廃棄物の取扱い専門研究会」を立ち上げ、関連する分野の専門家を交えて議論を行ってきた。本セッションでは、本専研におけるこれまでの活動の経緯と今後の見通しについて報告する。