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住野 公造; 須藤 正義; 田中 明広
UTNL-R-0483, p.7_1 - 7_10, 2013/03
高速実験炉「常陽」では、建家及び敷地周辺における地震観測を行うため、SMAC型強震計が約38年間に渡り継続して供用されてきた。しかしながら、設備の老朽化に加え、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生により耐震安全性の観点で原子炉施設の地震観測データの重要性が高まったことから、旧観測用地震計(SMAC型強震計)の観測データとの整合性を図りつつ最新の技術・知見を反映した地震観測システムに更新を行った。更新により、旧観測用地震計の諸問題を改善するとともに、耐震安全性評価において重要となる場所に新たに観測点を設けることによりデータを拡充し、「常陽」の地震観測及び評価の信頼性をさらに向上した。
須藤 正義; 菅谷 孝; 住野 公造
日本保全学会第7回学術講演会要旨集, p.258 - 262, 2010/07
高速実験炉「常陽」では、冷却材に使用している液体金属ナトリウムの循環に機械式ポンプと電磁ポンプを用いている。このうち、電磁ポンプについては、高速炉特有の機器で他のプラントでの使用例が少ないことから、「常陽」に設置した5基についてその特徴を踏まえた開放点検を計画的に行うことにより、健全性を確保するとともにその結果を踏まえて長期的な保守計画を検討した。電磁ポンプの開放点検を行った結果、ほこりの付着等により一部に絶縁低下が確認されたが、清掃や絶縁テープの補強・交換等により回復できる程度のものであった。また、性能を害する変色,変形等はなく、銅エンドバーの異常な減肉がないことも確認でき、これまで行ってきた保全活動により健全性が確保されていることを実証した。
住野 公造; 小林 哲彦; 礒崎 和則; 吉田 昌宏
日本保全学会第7回学術講演会要旨集, p.255 - 257, 2010/07
高速実験炉「常陽」では、安全上の重要度分類に基づき、これまでの経験・知見を反映して、効率的・効果的な保全計画を策定して30年以上に渡り保守業務を展開してきた。その結果、系統が複雑で遠隔操作に確実性が求められ、放射性Na付着等が伴う燃料取扱系の保守業務の比重が大きいものの、Na冷却系に関しては、保守範囲が駆動部等の冷却材に接しない部分に限られていることに加え、Naの純度管理を適切に行うことにより、腐食に起因する保全活動も負担とならないことが実証された。また、高経年化に関する評価を行い、中長期保全計画を策定し、これに基づく保全業務を展開した結果、主な経年劣化事象は、冷却水及び大気環境による材料の腐食・侵食,絶縁劣化によるものであり、高速炉プラント特有のものはないことが確認された。
須藤 正義; 菅谷 孝; 住野 公造
UTNL-R-0475, p.7_1 - 7_11, 2010/03
高速実験炉「常陽」では、冷却材に使用している金属ナトリウムの循環に機械式ポンプと電磁ポンプを用いている。このうち、電磁ポンプについては、高速炉特有の機器で他のプラントでの使用例が少ないことから、「常陽」に設置した5基についてその特徴を踏まえた分解点検を計画的に行うことにより、健全性を確保するとともにその結果を踏まえて長期的な保守計画を検討した。電磁ポンプの開放点検を行った結果、ほこりの付着等により一部に絶縁低下が確認されたが、清掃や絶縁テープの補強・交換等により絶縁が回復できた。また、性能を害する変色,変形等はなく、銅エンドバーの異常な減肉がないことも確認でき、健全性を確保できた。今後も運転状態等を考慮し、同様の頻度で開放点検を実施していく。1次補助電磁ポンプについては、同様の開放点検は必要ないと判断しているが、第15回定検中に外観検査を中心とした簡易点検を計画している。今後とも、電磁ポンプの健全性を維持し、原子炉施設の安全性・信頼性確保に努めていく。
伊藤 主税; 礒崎 和則; 芦田 貴志; 住野 公造; 川原 啓孝
IAEA-TECDOC-1633 (Internet), p.45 - 56, 2009/11
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飛田 茂治; 西野 一成; 住野 公造; 小川 徹
UTNL-R-0453, p.2_1 - 2_10, 2006/03
「常陽」では、試験炉規則第14条の2に定められた原子炉施設の定期的な評価に基づき、昭和50年4月24日(保安規定認可日)平成15年3月31日を対象に高経年化に関する評価を実施した。高経年化に関する評価では、ナトリウム冷却型高速炉である高速実験炉「常陽」の特徴を踏まえつつ、考えられる経年変化事象を抽出した後、これらの代表となるべき評価対象機器を選定し、これまでの点検結果、改造・取替工事での経年変化に対する観察結果,測定データ,補修・交換の実績調査を行い、現状の保全活動が適切であるかを評価した。抽出した経年変化事象は、(1)放射線劣化、(2)腐食、(3)磨耗・侵食、(4)熱時効、(5)クリープ・疲労、(6)応力腐食割れ、(7)絶縁劣化、(8)一般劣化であり、経年変化に対する実績を調査した結果、「常陽」において問題となる経年変化事象は、定期的に分解点検を実施する際に交換する部品等の一般劣化を除けば、放射線劣化,冷却水及び大気環境による材料の腐食,絶縁劣化にほぼ集約でき、安全機能上問題となるような経年変化傾向はなかったものの、腐食を中心とした定期的な監視,一部機器・部品等の計画的な更新等を行っていく必要があると評価した。評価結果を受けて抽出した経年変化事象に対して、平成17年度から平成26年度(10か年)までの長期保全計画を策定した。ここでは、冷却水環境の腐食対策として、これまでの点検結果及び長期保全計画に基づき、最近実施した遮蔽コンクリート冷却器及び1次Na純化用コールドトラップ冷却器の更新について報告する。
礒崎 和則; 小川 徹; 西野 一成; 皆藤 泰昭; 市毛 聡; 住野 公造; 須藤 正義; 川原 啓孝; 鈴木 寿章; 高松 操; et al.
JNC TN9440 2005-003, 708 Pages, 2005/05
高速実験炉「常陽」では、定期的な評価(高経年化に関する評価)として、「経年変化に関する技術的評価」及び「長期保全計画の策定」について、平成17年4月までに実施した。(1)経年変化に関する技術的評価 「常陽」における経年変化事象として、(1)放射線劣化、(2)腐食、(3)磨耗、侵食、(4)熱時効、(5)クリープ、疲労、(6)応力腐食割れ、(7)絶縁劣化、(8)一般劣化を抽出し、当該項目に係る技術的評価を実施した。その結果、定期的な監視もしくは更新を実施することで、安全機能上問題となるような経年変化がないことを確認した。(2)長期保全計画の策定 経年変化に関する技術的評価の結果に基づき、平成17年度平成26年度までの長期保全計画を策定した。 今後、高速実験炉「常陽」の設置者長期自主検査計画書における施設定期検査計画に加え、長期保全計画に基づく点検・更新等を実施していくことで、機器・構築物の健全性を確保し、その機能喪失を未然に防止することができると評価した。
住野 公造; 礒崎 和則; 芦田 貴志; 仲井 悟
Nuclear Technology, 150(1), p.56 - 66, 2005/04
被引用回数:5 パーセンタイル:35.10(Nuclear Science & Technology)高速実験炉「常陽」におけるMK-III計画では、熱出力がMK-II炉心の100MWtから140MWtに増大する。冷却系除熱能力を高めるためのMK-III冷却系改造工事では、主中間熱交換器(IHX)、主冷却器(DHX)等を交換した。モックアップによる最適作業要領の選定及び作業員に対する訓練、高線量率での作業の低減、仮設遮へい体の使用による作業場所の雰囲気線量率の低減による被ばく線量の低減を図った。また、シールバッグの使用とシールバッグ内の酸素濃度管理、系統内カバーガス中の窒素濃度管理、極低圧でのカバーガス圧力制御による系統への酸素混入量の抑制を行った。これらの手法により、冷却系構造工事は大きなトラブルがなく1年間で完了し、改造に適用された手法の有効性を確認した。
住野 公造; 芦田 貴志; 川原 啓孝; 市毛 聡; 礒崎 和則; 仲井 悟
2004 ANS International Topical Meeting on Operatin, p.204 - 216, 2004/11
高速実験炉「常陽」で進めているMK-III計画では、熱応力がMK-II炉心の100MWtから140MWtに増大する。冷却系除熱能力を高めるため主中間熱交換器(IHX)及び主冷却器(DHX)の交換を行うとともに、冷却系の出入口ナトリウム温度差の増大に伴う原子炉緊急停止時の熱過渡応力を緩和するため流量制限系及び安全保護系の改良を行った。改造工事は、冷却系への不純物混入防止対策、被ばく線量の低減化及び新旧配管溶接部の健全性等に関して様々な対策を講じて実施した。これらの対策により、改造工事は大きなトラブルなく1年間で完了した。改造工事完了後に実施した単体及び総合機能試験を通して、改造部分が所期の性能を有していること及び改造工事で実施した対策の有効性を確認した。
礒崎 和則; 齊藤 隆一; 住野 公造; 山崎 裕治*; 軽部 浩二; 寺野 壽洋; 坂場 秀男; 仲井 悟
JNC TN9410 2004-014, 162 Pages, 2004/06
本報告書は,1次主循環ポンプに関係するMK-Ⅲ総合機能試験をまとめたものである。MK-Ⅲ炉心構成前の総合機能試験(SKS-1)は,2001年10月17日2001年10月22日の間で実施し,MK-Ⅲ炉心構成後の総合機能試験(SKS-2)は,2003年1月27日
2003年2月13日の間に実施した。試験結果は,以下のとおりであった。(1)1次主循環ポンプの流量調節設備は,CASモード及びMANモードとも安定に制御できることを確認した。また,ステップ状の流量変化に対しても流量及び回転数に発散する傾向がないことを確認した。(2)ランバック制御は,手動スクラム後,約54secで移行することを確認した。移行後のランバック運転は,A側:167m3/h,117rpm,B側:185m3/h,118rpmであり,ランバック運転回転数128rpm
8rpmの範囲にあること,定格流量の10%以上を確保していることを確認した。(3)ポニーモータへの引継は,1次主循環ポンプトリップ事象発生後,約39secで行われることを確認した。引継後のポニーモータ運転は,A側:180m3/h,124rpm,B側:190m3/h,123rpmであり,ポニーモータの許容回転数である93rpm以上であること,定格流量の10%以上を確保していることを確認した。(4)フリーフローコーストダウン特性は,1次主循環ポンプトリップ時及びランバック時とも時定数10sec以上を確保していることを確認した。(5)1次主循環ポンプ定格運転中におけるオーバフローカラム液面は,A側:NL-1,550mmNa,B側:NL-1,468mmNaであり,予想していたNL-1,581mmNaより小さく,設計時における新主中間熱交換器の圧損計算結果は,保守的な値であった。(6)1次主循環ポンプは,瞬停時間0.6secまでスクラムせずに定格流量に復旧できることを確認した。
大嶋 淳; 芦田 貴志; 礒崎 和則; 住野 公造; 山口 明; 坂場 秀男; 小澤 健二; 冨田 直樹
JNC TN9410 2004-011, 279 Pages, 2004/04
高速実験炉「常陽」の照射能力の高度化を目的としたMK-III計画では、炉心の高速中性子束を高めることで熱出力がMK-IIの100MWtから140MWtに増大した。冷却系の改造は、除熱能力の向上を目的として大型ナトリウム機器を交換するものであり、1次冷却系では、主中間熱交換器(IHX)及びIHX接続配管の交換を行った。本改造は、既設プラントの冷却系バウンダリを維持した状態で放射性ナトリウムが付着した大型機器を交換する我が国初めての工事であり、さらに限られた作業エリア、高放射線環境下での作業等、多くの制約条件があった。このため、従来の「常陽」における運転・保守に関する経験、知見、ナトリウム取扱技術に関する研究開発成果等を参考にしつつ、工事準備段階で綿密な検討を行い、改造工事を実施した。MK-III冷却系改造のうち、1次冷却系機械設備(主中間熱交換器)の改造工事で得られた成果は以下のとおりである。(1)モックアップ試験による基本工法の確認、最適な作業と作業条件の選定、トレーニングによる作業習熟等を図り、的確な工事方法と作業時間短縮により、作業員の被ばく線量を低減することができた。(2)ナトリウムバウンダリを開放する作業(配管切断、ナトリウム除去・洗浄、配管溶接)時のシールバッグによる雰囲気隔離方法の有効性を実証した。(3)冷却材バウンダリ開放時間を低減する適切な切断順序の策定、各切断部位に応じた適切な切断工法(バイト切断+押切り等)の選定により、内外管を含む計44箇所の配管切断時における異物混入を防止できた。(4)配管切断開口部に取付けた線用の仮閉止治具(閉止キャップ、固定治具、ヘキサプラグ)により、工事期間中、冷却材バウンダリを確実に維持することができた。(5)配管切断部に残留したナトリウムの掻きだし及び内面付着ナトリウムの拭き取り方法の有効性を実証すると共に、効率的な作業方法を見出した。(6)配管溶接時の差圧管理(バックシールガスとシールバッグ内圧)と配管表面温度の監視によるシールバッグ内溶接作業の施工方法を確立した。1次冷却系機械設備(主中間熱交換器)の改造工事は、2000年10月30日に開始し、大きなトラブルもなしにほぼ計画通り2001年9月21日に完了した。これらの成果は、今後同様な工事を実施する場合に十分反映できるものと考えられる。
礒崎 和則; 市毛 聡; 大嶋 淳; 川原 啓孝; 芦田 貴志; 齊藤 隆一; 住野 公造
JNC TN9410 2002-007, 142 Pages, 2002/07
高速実験炉「常陽」では、照射能力の高度化に向けたプロジェクト(MK-III)を進めている。MK-III計画では、炉心の高速中性子束を高めることで熱出力がMK-II炉心の100MWtから140MWtに増大する。冷却系除熱能力を高めるためのMK-III冷却系改造工事実施内容は、主中間熱交換器(IHX)の交換、主冷却器(DHX) の交換、IHX及びDHX接続配管の交換、1次及び2次主循環ポンプモーターの交換である。既存プラントにおける限られたスペースでの大型ナトリウム機器の交換、原子炉に燃料を装荷並びにナトリウムを充填した状態での工事、 1次冷却系では高放射線線量率環境での放射化されたナトリウム取扱作業等、世界でもほとんど経験のないものであった。このため、従来の「常陽」における運転・保守に関する知見、関連するナトリウム取扱技術に関する研究開発成果、先行して実施されたナトリウムを用いた研究開発施設における経験等を参考にしつつ、工事体制、実施方法、安全管理事項を定め工事に着手した。MK-III冷却系改造工事にてその有効性を確認した手法を下記に示す。1)要素モデル及びフルモックアップによる最適作業要領の選定及び作業員に対する訓練による作業時間の短縮化と高線量率域での作業の低減、仮設遮へい体の使用による作業場所の雰囲気線量率の低減による被ばく線量の低減、また、シールバック使用による汚染拡大防止。2)ナトリウムバウンダリを開放する作業におけるシールバックの使用とシールバック内の酸素濃度管理、系統内カバーガス中の窒素濃度管理、極低圧でのカバーガス圧力制御による系統への酸素混入量の抑制。3)系統内への切粉混入防止のためのバイトによる切削及びシールバック内でのローラーカッターによる押切り、系統内への治工具落下防止策による異物混入の防止。4)機械的Na掻き出しとアルコール水によるNaの除去によるNa残留量の低減化。5)構造解析による配管切断時のコールドスプリングの解放評価、仮設サポートによる配管切断後の既設配管移動防止、材料試験による数十年使用した旧配管と新配管溶接部の構造健全性の確認によ工事時の健全性確保。6)配管溶接時におけるバックシールガスに用いる系統内カバーガスの低圧化、残留Naの除去とNa残存部の温度関しによる作業安全性の向上。これらの手法により、冷却系改造工事は平成12年10月30日に開
伊藤 主税; 有吉 昌彦; 住野 公造
原子力eye, 48(10), 58 Pages, 2002/00
光ファイバによる革新的なセンシング技術を高速実験炉「常陽」の冷却系機器・配管の温度分布及び放射線分布測定に適用した。光ファイバ温度計は、入射したレーザの後方散乱光を測定し,その伝播時間に対応する位置での温度を測るものである。しかし、光ファイバセンサに放射線を当てると光の伝送損失にによる信号低下が生じ、みかけ上温度が低下するが、同一経路で光ファイバを往復させ,伝送損失分を実測して温度補正することにより、高速炉プラント等の放射線環境下における温度計測に実用できることを実証した。また、プラスチックシンチレーション光ファイバを検出素子に用いて線の強度分布を測定する光ファイバ放射線検出器を「常陽」の一次冷却系配管・機器表面の
線量率分布の測定に適用した。ここで、検出器固有の位置分解能より微細な空間分布を測定する場合には,応答関数を用いたアンフォールディング法を適用することによりこれを再現でき
住野 公造; 大嶋 淳; 飯塚 透; 小川 徹; 高津戸 裕司; 小澤 健二
JNC TN9410 2001-008, 47 Pages, 2001/03
「常陽」窒素ガス供給系の窒素ガス気化器(蒸気式)は、プラントへ窒素ガスを常時供給するというその性格から供用開始後メンテナンスされることなく連続して運転されてきた。しかしながら、近年加温用の水・蒸気を内包する外槽(水槽)の腐食が進行しこれ以上の使用が不可能となったため、窒素ガス気化器の更新を行う必要が生じた。更新においては、既設の蒸気式窒素ガス気化器を外槽の腐食対策を施した同等の構造・性能を有するものに交換するとともに、蒸気式窒素ガス気化器のメンテナンス(停止)時にプラントへ窒素ガスを供給するための空温式窒素ガス気化器を新たに設置した。さらに従来からの懸案事項であった外槽内の水温及び供給窒素ガス温度の監視を中央制御室からできるようにした。更新工事終了後、これらの改良点の機能確認、運転参考データ採取を目的に性能試験を行い、更新した窒素ガス気化器が所期の性能を有していることを確認した。性能試験により得られた主な成果を以下に示す。(1)蒸気式窒素ガス気化器が更新前の気化器と同等以上の性能を有していることを確認した。(2)空温式窒素ガス気化器の運転により、1次系配管・機器を内包する原子炉格納容器内床下エリアを窒素雰囲気(酸素濃度4%以下)に維持できることを実証した。(3)通常運転及び負荷運転(原子炉格納容器内床下エリアの窒素置換)時の外槽内の水温と供給窒素ガス温度の関係が明らかとなった。
青山 卓史; 住野 公造; 江本 武彦; 大戸 敏弘
Proceedings of 12th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-12), p.1095 - 1105, 2000/00
高速炉プラントにおける放射性腐食生成物(CP)の1次冷却系内の移行挙動を精度良く把握することは、プラントの保守・点検や補修作業時の放射線被ばくを低減させる上で極めて重要であり、「常陽」では定期検査ごとに主要CP核種の機器・配管への付着密度とそれによる線量率分布の測定を実施してきている。本測定に近年実用化が進んでいるプラスチックシンチレーション光ファイバ(PSF)検出器を適用した。「常陽」実機の放射線場への適用にあたっては、ファイバ素子の太さや本数を変えて検出感度を調整した他、ポジション・センシティブな検出器としてのPSFの特徴を最大限に活かすため、応答関数を用いたアンフォールディング技術を適用し、高速炉1次冷却の
線量率分布のような微細な空間分布測定にも適用可能な高い位置分解能を得るようにした。本測定手法を従来の熱蛍光線量計(TLD)による測定結果と比較した結果、測定取得までの所要時間をTLD
住野 公造; 市毛 聡; 深見 明宏*; 前田 幸基; 鈴木 惣十
PNC TN9430 98-008, 40 Pages, 1998/09
光ファイバ温度計(ラマン散乱型温度分布センサー)は、光ファイバに入射したレーザー光の後方散乱光のうち、2つのラマン散乱光の強度比が散乱点の温度に依存する性質を利用したもので、長距離に亘る温度分布を迅速かつ簡便に精度よく測定することができるシステムである。本技術の高速炉プラントの1次系機器・配管への適用性を評価するために、高速実験炉「常陽」1次主冷却系配管の外管の外装板表面に約100mの光ファイバを50mmピッチで螺旋状に巻き付け、100MW第3032サイクルの定格運転3サイクルに亘り温度分布測定試験を実施した。また、この試験で見られた周期性を持った温度分布の原因を検討するため、主に施工状況による温度測定への影響に着目し、2次主冷却系配管を用いた補助試験を実施した。この結果、以下の成果を得た。(1)高速炉実機の放射線環境下における最大積算照射線量3
10の7乗Rまでの光ファイバ温度計の使用実績を得るとともにその間の温度データを取得した。(2)
線照射による伝送損失が積算照射線量に対し一定となる特性を有する等、放射線環境下での光ファイバの特性を明らかにした。(3)複数の校正用熱電対の測定データを用いた伝送損失補正法が適用できることを確認し、光ファイバ温度計により高速炉1次主冷却系配管の外管の外装板表面の温度分布を
3
Cの精度で測定できることを実証した。(4)光ファイバや保温材の施工条件が、温度測定に与える影響の程度を把握した。
住野 公造; 根本 昌明; 前田 幸基; 青山 卓史; 吉田 昌宏; 鈴木 惣十
PNC TN9430 98-006, 141 Pages, 1998/09
本レポートは、実験炉部技術課が実施している研究開発の成果のうち、平成10年4月6月に技術課メモとして発行されたものをまとめたものである。主な内容は以下のとおりである。・炉心核熱特性の測定と解析「常陽」MK-2炉心の反射体効果及びB5D試験時の中性子と
線の発熱割合を評価した。また、MK-2標準炉心における原子炉容器内熱流動解析を実施した。・プラント特性の測定と解析・評価、プラント動特性解析コード"MIMIR-N2"によるステップ応答試験時の反応度解析を実施した。・炉心の機械的挙動及び耐震評価、中性子源集合体及び制御棒下部案内管の耐震計算を実施した。・中性子照射量の測定と解析・評価、炉上部材料照射装置に装荷したドシメータの反応率側定およびC型特殊燃料集合体(C3M)の損傷指標計算を実施した。・異常監視技術の開発100MW第32サイクルの炉雑音解析及び燃料集合体の照射変形による冷却材流量変化の簡易計算を実施した。・燃料破損診断技術の開発カバーガスパージ試験結果を基にカバーガス中の放射性希ガス及び不純物ガスの挙動を評価した。・冷却材・カバーガスの分析・評価
線計測法でNAボンド型制御棒洗浄性試験での缶詰缶内水中のNA含有量を評価、中和適定法による結果と比較した。・その他の試験研究「常陽」燃料融点見直しおよび238Uを長期間放置した場合の238Uの放射能濃度と毒性の計算を実施した。
菅谷 和司*; 前田 幸基; 住野 公造; 鈴木 惣十
PNC TN9430 98-005, 96 Pages, 1998/07
高速実験炉「常陽」のMK-3標準炉心における定格出力(140MW)運転時の原子炉容器内冷却材の流動状況を把握する目的で、単相多事元熱流動解析コードAQUAを用いて「常陽」MK-3標準炉心における原子炉容器内熱流動解析を実施した。本解析より、以下の結果が得られた。1、「常陽」MK-3標準炉心における原子炉容器内の冷却材の流動状況が、MK-2炉心の流動状況と同じであることがわかった。2、各集合領域の流量が「「常陽」MK-3炉心の熱流力設計に関する解析」で報告されている必要最小量を満足していることを確認した。3、各集合体の炉心頂部と熱電対(集合体出口温度速度)位置の冷却材および原子炉容器内の冷却材分布が詳細に得られた。
住野 公造; 根本 昌明; 前田 幸基; 青山 卓史; 吉田 昌宏; 鈴木 惣十
PNC TN9430 98-003, 139 Pages, 1998/06
本レポートは、実験炉技術課が実施している研究開発の成果のうち、平成10年1月3月に技術課メモとして発行されたものをまとめたものである。主な内容は以下のとおりである。・炉心核熱特性の測定と解析・評価高速実験炉「常陽」100MW第32サイクル炉心核熱特性に係る運転特性試験を実施した。また、
発熱定数の変更に伴う炉心燃料の燃焼度の見直しおよび原子炉崩壊熱計算を実施した。・プラント特性の測定と解析・評価100MW第32サイクルのプラント特性に係る運転特性試験を実施した。また、光ファイバ温度計による1次および2次主冷却配管表面の温度分布測定を実施した。・炉心の機械的挙動および耐震評価
発熱定数の変化に伴うMK-2炉心湾曲解析を実施した。また、遮蔽集合体及び反射体の耐震計算を実施した。・プラント構造健全性評価、サーベイランス材の実機評価位置と試験体位置のまとめを行った。・異常監視技術の開発100MW第32サイクル系統昇温時の炉雑音解析を実施しした。・燃料破損診断技術の開発、100MW第32サイクル中の温度制御型材料照射装置(MARICO)試料の破断に伴う放射化タグガスの分析とFFD特性試験装置の機能確認を実施した。・線源挙動評価100MW第32サイクルのトリチウム分析に使用そている液体シンチレーションカウンタの計測精度の確認を実施した。・その他の試験研究MK-1調整棒中のナトリウム生成量評価および放射性廃棄物のクリアランスレベル検討のための放射化量評価を実施した。
青山 卓史; 升井 智彦*; 住野 公造; 佐井川 拓也*
PNC TN9410 98-004, 74 Pages, 1997/12
高速炉プラントの保守・補修作業時の主要な被ばく源となる放射性腐食生成物(CP)の挙動解明と解析手法の整備に資するため、高速実験炉「常陽」において、第11回定期検査中の平成7年10月11月(積算原子炉熱出力:約14.3万MWd)に、1次冷却系の配管および主要機器を対象に、CPの付着密度と
線量率を測定した。今回は、新放射線計測技術として近年実用化が進んでいるプラスチックシンチレーション光ファイバ(PSF)検出器を
線量率分布測定に適用し、CP挙動測定の高精度化と迅速化を図った。本研究の主要な成果は以下のとおりである。(1)1次冷却系における主要なCP核種は、54Mnと60Coであり、これらの付着分布には以下の特徴がみられ、過去の測定結果と概ね同じ傾向であった。1)1次主冷却系配管(Aループ)のCP付着密度は、原子炉容器出口から主中間熱交換器までのホットレグ、主中間熱交換器から主循環ポンプまでのコールドレグ(1)、主循環ポンプから原子炉容器入口までのコールドレグ(2)について、それぞれ、54Mnが約15kBq/cm2乗、約33kBq/cm2乗、約46kBq/cm2乗であり、60Coが約8kBq/cm2乗、約5kBq/cm2乗、約7kBq/cm2乗であった。54Mnの付着密度は、60Coに比べて、ホットレグで約2倍、コールドレグで約7倍であり、54Mnの方が
線量率に占める割合が大きい。2)1次主冷却系配管表面の
線量率は、ホットレグで約0.3mSv/h、コールドレグ(1)で約0.2mSv/hおよびコールドレグ(2)で約0.4mSv/hであった。(2)今回の測定では、前回測定した第10回定期検査以降の原子炉運転時間が少なかったCPの生成量よりも減衰量が上回り、付着密度が減少した。また、原子炉停止後の冷却期間が長かったため、主に54Mnの減衰により
線量率も低下した。(3)PSFにより、10mまでの範囲で位置分解能の高い連続的な空間分布が数分間で得られた。また、狭隘で人のアクセスが容易でない保守作業エリアにおける
線量率分布が詳細に測定でき、空間線量率のデータを大幅に拡充できた。