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永岡 美佳; 横山 裕也; 藤田 博喜; 中野 政尚; 渡辺 均; 住谷 秀一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1305 - 1308, 2015/02
被引用回数:16 パーセンタイル:78.98(Chemistry, Analytical)東京電力福島第一原子力発電所事故により、さまざまな種類の放射性核種が大気や海に放出され、それらは核燃料サイクル工学研究所周辺にも到達した。そのため、海底土中のCs, Cs, Sr及びプルトニウム同位体濃度の測定を行い、周辺環境における事故影響を調査した。海底土中のCs濃度は6.1300Bq/kg・乾の範囲であり、Cs /Cs放射能比は0.480.77の範囲であった。また、今回採取した最北地点(北茨城市沖)でCs濃度は一番高く、その濃度は文部科学省が公表している値と同様であった。
永岡 美佳; 横山 裕也; 藤田 博喜; 中野 政尚; 渡辺 均; 住谷 秀一
KEK Proceedings 2014-7, p.194 - 200, 2014/11
東京電力福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性物質の海洋環境への影響は、国,地方自治体等によるモニタリングにおいて調査されている。原子力機構においても、福島県沿岸における海洋モニタリングに協力するとともに、茨城県沿岸において、海底土, 海水, 海産生物等の試料中に含まれる放射能調査を行っている。これらの調査において、茨城県沿岸の海洋試料でも原発事故の影響が確認されている。このため、原発事故による海洋への影響を詳細に把握することを目的に、茨城県沿岸で51地点の海底土を独自に採取し、それらに含まれる放射性核種(Cs, Cs, Sr, Pu同位体)濃度を調査した。2012年におけるCsの濃度範囲は6.1300Bq/kg・dry、2013年は、3.693Bq/kg・dryであり、一年前に比べて減少傾向にあった。また、2012年に採取した試料のうちCs濃度の高い5地点におけるSr及びPu分析を行ったところ、Sr濃度は0.130.26Bq/kg・dryであり原発事故の影響が認められたが、Pu濃度は、原発事故の影響は認められなかった。
竹安 正則; 住谷 秀一
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.64 - 67, 2014/04
福島第一原子力発電所後に核燃料サイクル工学研究所で測定されたI-131とセシウム同位体の大気中放射性物質濃度と大気降下量データをもとに、大気中放射性物質の地表への沈着速度を見積もった。その結果、沈着速度は10m/sオーダーであった。東海再処理施設周辺でのこれまでの環境放射線モニタリング結果から見積もられたI-129の沈着速度、及びチェルノブイリ事故後に当研究所でのモニタリング結果から見積もられたI-131の沈着速度と同じオーダーであった。福島原発事故により放出されたI-131とセシウム同位体にはガス状の成分が含まれており、その成分の比率により沈着速度がばらついたことが推測された。
住谷 秀一; 渡辺 均; 宮河 直人; 中野 政尚; 中田 陽; 藤田 博喜; 竹安 正則; 磯崎 徳重; 森澤 正人; 水谷 朋子; et al.
JAEA-Review 2013-056, 181 Pages, 2014/03
核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV編 環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2012年4月から2013年3月までの間に実施した環境モニタリングの結果、及び大気、海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものであり、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、東電福島第一原発事故)の影響が多くの項目でみられた。なお、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、東電福島第一原発事故の影響による平常の変動幅を外れた値の評価について付録として収録した。
住谷 秀一; 渡辺 均; 宮河 直人; 中野 政尚; 藤田 博喜; 河野 恭彦; 井上 和美; 吉井 秀樹; 大谷 和義*; 檜山 佳典*; et al.
JAEA-Review 2013-041, 115 Pages, 2014/01
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設、プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
國分 祐司; 横山 裕也; 藤田 博喜; 中野 政尚; 住谷 秀一
保健物理, 48(4), p.193 - 199, 2013/12
2006年3月の電気事業者との役務再処理の完遂を機に、AMS法による、東海再処理施設周辺10km圏内の土壌中Iの水平分布及び施設南西約2km地点における深度分布を測定した。その結果、再処理施設からの大気放出に起因するI濃度が観測されたものの、安全審査で用いられた拡散計算による計算値とおおむね一致しており、安全審査で用いた拡散計算の妥当性が確認された。また、深度分布試料の測定結果からIは一旦土壌に吸着されると移動しにくく、数十年間はそこに留まっていることが示唆された。
永岡 美佳; 藤田 博喜; 中野 政尚; 渡辺 均; 住谷 秀一
保健物理, 48(4), p.165 - 166, 2013/12
「東海再処理施設周辺における東電福島第一原発事故後の降下じん中放射性物質濃度調査結果」(保健物理 48(2), p.104-113 (2013))において、東京電力福島第一原子力発電所事故由来の降下じん中I濃度及びI/Cs放射能比を、1.4E+03 Bq m month、0.1とそれぞれ本文中及び表中で報告した。しかし、これらの数値について、読者から、放射能比が低すぎるとの質問があり、補足説明をする。
中野 政尚; 渡辺 均; 住谷 秀一
JAEA-Testing 2013-003, 29 Pages, 2013/11
近年、ドップラーライダは気象観測におけるリモートセンシング技術の発達とともに、市販されるようになった。それに伴い、種々の試験機関によってその手法及び適用について検討試験等がなされ、おおむね良好な結果が報告されている。しかしながら、ほとんどの検討試験は、短期間に限定されており、原子力発電所等における長期間の気象観測に適用できるかどうかは不明であった。そのため、ドップラーライダ(Leosphere社製、Windcube WLS7)について、その性能及び実用性を長期間にわたって検討評価することを目的として、当研究所の気象観測鉄塔に設置した風車型風向風速計との比較測定を1年間行い、気象指針で要求される基本性能(年間欠測率10%以下、連続30日欠測率30%以下)を確認するとともに、風車型風向風速計で取得した風向風速データと比較し、同等の結果が取得できるかどうかを検討した。その結果、高度180m以下の高度においては、気象指針で要求される欠測性能を満たすとともに、高度68m(海抜100m)における比較測定結果における風向・風速の相関も良好であることから、本試験で使用したドップラーライダは、原子力施設からの一般公衆の線量評価を目的にした気象観測装置として、実用性のある装置であると考えられる。
竹安 正則; 住谷 秀一; 古田 定昭
保健物理, 48(3), p.141 - 149, 2013/11
核燃料サイクル工学研究所での大気中放射性物質濃度測定結果をもとに、線量評価にかかわるパラメータ値として現実的な値を設定し、東海村での吸入摂取にかかわる成人の預託実効線量及び小児甲状腺の預託等価線量を試算し、予測線量の安全裕度を検討した。その結果、試算された線量は、予測線量に対し、成人の預託実効線量について約7分の1、小児甲状腺の預託等価線量について約10分の1であった。これらのことから、予測線量は成人の預託実効線量についてファクター7程度、小児甲状腺の預託等価線量についてファクター10程度の安全裕度があることが示唆された。なお、試算された線量が予測線量に対し低く見積もられた要因として、屋内の空気中濃度を屋外の濃度より低く設定したことが考えられた。
住谷 秀一; 渡辺 均; 中野 政尚; 竹安 正則; 中田 陽; 藤田 博喜; 磯崎 徳重; 森澤 正人; 水谷 朋子; 永岡 美佳; et al.
JAEA-Review 2013-009, 195 Pages, 2013/06
核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV編 環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2011年4月から2012年3月までの間に実施した環境モニタリングの結果、及び大気,海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものであり、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、東電福島第一原発事故)の影響が一部の試料にみられた。なお、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、東電福島第一原発事故の影響による平常の変動幅を外れた値の評価、再処理施設主排気筒ダクトの貫通孔の確認に関する線量評価結果について付録として収録した。
永岡 美佳; 藤田 博喜; 中野 政尚; 渡辺 均; 住谷 秀一
保健物理, 48(2), p.104 - 113, 2013/06
東海再処理施設周辺の環境放射線モニタリングの一環として、採取している降下じん試料の放射性核種濃度について、平成23年3月11日の東電福島第一原子力発電所事故の影響を調査した。平成24年9月時点では、降下じんから検出される線放出核種はCs及びCsのみであるが、事故後の平成23年3月にはI, Te, Te, Te等の短半減期の放射性核種が検出された。事故から約1年間(平成23年3月平成24年2月)の年間降下量(Cs: 19,000Bq/m、Cs: 17,000Bq/m)及びCs /Cs放射能比(約1)からは、東電福島第一原子力発電所事故によって、ほぼ同程度のCs及びCsが降下したことがわかった。一部降下じん試料からは、Srが最大で5.1Bq/m.月(平成23年3月)観測され、その後濃度は減少していった。一方プルトニウムにおいては、Puは検出されたが、Puは検出されず、測定値からは事故影響は認められなかった。
住谷 秀一; 渡辺 均; 宮河 直人; 中野 政尚; 藤田 博喜; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 吉井 秀樹*; 大谷 和義*; 後藤 一郎*; et al.
JAEA-Review 2013-005, 116 Pages, 2013/05
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成23年4月1日から平成24年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設,プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
永岡 美佳; 中野 政尚; 藤田 博喜; 渡辺 均; 住谷 秀一
第55回環境放射能調査研究成果論文抄録集(平成23年度), p.7 - 8, 2013/03
日本原子力研究開発機構では、旧原子力安全委員会が定める環境放射線モニタリング計画に基づき、東海再処理施設周辺の環境放射線(能)モニタリングを実施している。本報告では、平成23年度の環境放射線(能)モニタリング結果において、福島第一原子力発電所事故の影響により平常の変動幅を外れた項目及びその影響の程度(線量あるいは濃度,期間)に関する調査結果を述べる。
竹安 正則; 小沼 利光; 住谷 秀一
JAEA-Data/Code 2012-021, 29 Pages, 2012/09
ORION-WINは、複数の核燃料サイクル施設から平常運転に伴い大気中に放出される放射性物質の環境中における濃度及び一般公衆への線量を評価するために開発された汎用計算コードである。放射性物質の大気中における拡散は、ガウス型拡散式を基本として計算し、拡散過程における減少補正として、重力沈降,乾性沈着,降水洗浄及び放射性崩壊が考慮されている。また、沈着後の再浮遊及び環境中における崩壊連鎖に伴う壊変生成物についても考慮することができる。内部被ばく経路として吸入及び経口摂取を、外部被ばく経路として浸漬線量及び地表面沈着からの外部被ばくを計算する。線量は、公衆個人の線量として与えられる。ORION-WINはFORTRAN-77で書かれたORION-IIをベースに、Windows OSを有するPC環境で動作可能にし、かつ入力パラメータ作成及び出力ファイル参照等をGUI化したものである。
竹安 正則; 小沼 利光; 住谷 秀一
JAEA-Data/Code 2012-011, 28 Pages, 2012/07
ORION-WINは、複数の核燃料サイクル施設から平常運転に伴い大気中に放出される放射性物質の環境中における濃度及び一般公衆の線量を評価するために開発された汎用計算コードである。放射性物質の大気中における拡散は、ガウス型拡散式を基本として計算し、拡散過程における減少補正として、重力沈降,乾性沈着,降水洗浄及び放射性崩壊が考慮されている。また、沈着後の再浮遊及び環境中における崩壊連鎖に伴う壊変生成物についても考慮することができる。内部被ばく経路として吸入及び経口摂取を、外部被ばく経路として浸漬線量及び地表面沈着からの外部被ばくを計算する。線量は、公衆個人の線量として与えられる。ORION-WINは、各種モデルをオプションとして有していることから、核燃料サイクル諸施設の安全審査にかかわるケーススタディ、あるいは放出実績に基づく線量評価等に適用することが可能である。ORION-WINはFORTRAN-77で書かれたORION-II(PNC TN8410 87-17)をベースに、Windows OSを有するPC環境で動作可能にし、かつ入力パラメータ作成及び出力ファイル参照等をGUI化したものである。
住谷 秀一; 渡辺 均; 中野 政尚; 竹安 正則; 中田 陽; 藤田 博喜; 磯崎 徳重; 森澤 正人; 水谷 朋子; 國分 祐司; et al.
JAEA-Review 2012-015, 166 Pages, 2012/05
核燃料サイクル工学研究所では、「日本原子力研究開発機構東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所再処理施設保安規定、第IV編環境監視」に基づき、再処理施設周辺の環境放射線モニタリングを実施している。本報告書は、2010年4月から2011年3月までの間に実施した環境モニタリングの結果、及び大気,海洋への放射性物質の放出に起因する周辺公衆の線量算出結果について、取りまとめたものであり、2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、東電福島第一原発事故)の影響が一部の試料にみられた。なお、環境監視計画の概要、測定方法の概要、測定結果及びその経時変化、気象統計結果、放射性廃棄物の放出状況、東電福島第一原発事故の影響による平常の変動幅を外れた値の評価について付録として収録した。
藤田 博喜; 永岡 美佳; 河野 恭彦; 竹安 正則; 川崎 将亜; 大倉 毅史; 辻村 憲雄; 住谷 秀一; 百瀬 琢麿; 古田 定昭
Proceedings of 13th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-13) (Internet), 7 Pages, 2012/05
福島第一原子力発電所事故が発生し、その事故により放出された放射性物質が、われわれの研究所まで到達し、その周辺における環境モニタリングを強化した。その特別モニタリングにおいては、線量率の監視,大気中塵埃及び降下塵の採取,測定を独自に行った。さらに、通常の環境モニタリングで行っている雨水や大気中水分についても分析を行った。幾つかの試料では、福島第一原発から放出された放射能を含んでSr, I, CsやCsが検出された。また、通常の環境モニタリングとして行っている海水や海底土等でも福島原発事故の影響が見られた。
住谷 秀一; 渡辺 均; 中野 政尚; 藤田 博喜; 河野 恭彦; 檜山 佳典; 吉井 秀樹*; 菊地 政昭*; 大谷 和義*; 後藤 一郎*
JAEA-Review 2012-006, 114 Pages, 2012/03
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」,「核燃料物質使用施設保安規定」,「放射線障害予防規程」,「放射線保安規則」及び「茨城県等との原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」,「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、平成22年4月1日から平成23年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設、プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
竹安 正則; 中野 政尚; 藤田 博喜; 中田 陽; 渡辺 均; 住谷 秀一; 古田 定昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(3), p.281 - 286, 2012/03
被引用回数:25 パーセンタイル:85.66(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所事故への対応として、核燃料サイクル工学研究所において特別環境放射線モニタリングを実施した。本報告は、2011年5月31日までに得られた空間線量率,空気中放射性物質濃度、及び降下じん中放射性物質濃度の測定結果について速報的にとりまとめた。空間線量率は、3月15日1時前頃から徐々に上昇し始め、3月15日7時過ぎ、3月16日5時過ぎ、及び3月21日4時過ぎに、数千Gy/hほどの3つのピークがある上昇を示した。空気中放射性物質濃度及び降下量は、空間線量率と同様な経時変化を示した。空気中のI及びCsの揮発性及び粒子状の合計の濃度の比(I/Cs)は、日によって大きく変動した。3月15日から4月15日の1か月間の降下量は、Csについて、1986年5月のチェルノブイリ事故後と比較して約120倍、1963年6月の東京都高円寺(旧気象研究所)での大気圏内核実験フォールアウト時と比較して約30倍であった。核燃料サイクル工学研究所で屋外に居たと仮定して吸入摂取にかかわる内部被ばくにかかわる線量を試算した。
古田 定昭; 住谷 秀一; 渡辺 均; 中野 政尚; 今泉 謙二; 竹安 正則; 中田 陽; 藤田 博喜; 水谷 朋子; 森澤 正人; et al.
JAEA-Review 2011-035, 89 Pages, 2011/08
東京電力福島第一原子力発電所事故への対応として、核燃料サイクル工学研究所において特別環境放射線モニタリングを実施した。本報告は、平成23年5月31日までに得られた空間線量率,空気中放射性物質濃度,降下じん中放射性物質濃度の測定結果、並びに気象観測結果について速報的にとりまとめた。空間線量率は、3月15日7時過ぎ、3月16日5時過ぎ、及び3月21日4時過ぎに、数千nGy/hほどの3つのピークがある上昇を示した。空気中放射性物質濃度及び降下量は、空間線量率と同様な経時変化を示した。空気中のI-131/Cs-137の濃度比は、100程度まで上昇した。揮発性のTe-132, Cs-134, Cs-137は、3月30日以降定量下限値未満となった。Te-132とCsの揮発性/粒子状の濃度比は、濃度が上昇した際、値が小さくなった。3月15日から4月15日の1か月間の降下量は、Cs-137について、チェルノブイリ事故時に同敷地内で観測された降下量と比較して約100倍であった。吸入摂取による内部被ばくにかかわる線量を試算した結果、暫定値として、成人及び小児の実効線量はそれぞれ0.6mSv, 0.9mSv、甲状腺の等価線量はそれぞれ8mSv, 20mSvと見積もられた。