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大和田 謙二*; 塚田 慎也*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 水木 純一郎*; 大和 英弘*; 安田 直彦*; 寺内 暉*
Physical Review B, 98(5), p.054106_1 - 054106_10, 2018/08
被引用回数:4 パーセンタイル:18.80(Materials Science, Multidisciplinary)The effect of -site randomness on the antiferroelectric/relaxor nature of the ground state was investigated by studying diffuse and inelastic X-ray scattering from ordered and disordered Pb(InNb)O (O- and D-PIN) single crystals. The diffuse scattering measurement of O-PIN (antiferroelectric at ) shows the existence of ferroelectrically interactive local polarization above . Inelastic X-ray scattering shows that the transverse-acoustic (TA) and transverse-optic (TO) modes are dominant at 800 K, while the central peak (CP) and TA modes are coupled and majorly contribute to the critical behavior of the diffuse scattering at . Upon these results, the -site randomness is discussed in terms of suppressing the antiferroelectric instability and enhancing the polarization fluctuation.
大和田 謙二; 福田 竜生; 水木 純一郎; 廣田 和馬*; 寺内 暉*; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 大和 英弘*; 安田 直彦*
Journal of the Korean Physical Society, 59(3), p.2509 - 2514, 2011/09
被引用回数:2 パーセンタイル:19.77(Physics, Multidisciplinary)Pb(InNb)O(PIN)はペロヴスカイトBサイトの秩序度により反強誘電状態,強誘電状態,リラクサー状態を取りうる物質である。秩序PINは鉛複合ペロヴスカイトPb(B'B'')OにおいてBサイトランダムネスのない系であり、Bサイトランダムネスによる反強誘電状態/リラクサー状態の起源を探るには理想的な物質である。われわれはX線非弾性散乱実験を行った。準弾性散乱(QE)は臨界スローダウンを示し横波音響(TA)フォノンは反強誘電転移点()までソフト化を示す一方、横波光学モードは低温までソフト化を続けた。これらの結果は、反強誘電相転移はQEの起源とTAフォノンによるものであるが、強誘電相関は確固としてその背後に存在していることを示している。これらの結果を元に、Bサイトランダムネスの効果について議論する。
大和田 謙二; 廣田 和馬*; 寺内 暉*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 水木 純一郎; 大和 英弘*; 安田 直彦*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(1), p.19 - 22, 2009/03
Pb(InNb)O(PIN)はBサイトの秩序度を変えることにより、反強誘電体(完全秩序化),強誘電体(部分秩序化),リラクサー(完全無秩序化)の状態を取りうる。筆者らがこれまでに行ったX線非弾性散乱の結果から、PINにおいては反強誘電,強誘電不安定性が共存しBサイトのランダムネスによってその不安定性が制御され、反強誘電からリラクサーまでの各相が現れるモデルを提案した。今回われわれは、このモデルの妥当性を調べるためにリラクサーPINのフォノン,反強誘電PINの散漫散乱に注目した。リラクサーPINのフォノンはゾーン境界で反強誘電相関を示す弱いソフト化を示した。一方、反強誘電PINにおいてはゾーン中心において散漫散乱が観測され強誘電相関の存在を示唆する結果を得た。これらの結果は、われわれの提案した反強誘電相関と強誘電相関の共存を示すものである。
大和田 謙二; 廣田 和馬*; 寺内 暉*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 水木 純一郎; 大和 英弘*; 安田 直彦*
Physical Review B, 77(9), p.094136_1 - 094136_8, 2008/03
被引用回数:19 パーセンタイル:60.41(Materials Science, Multidisciplinary)Pb(InNb)Oは、Bサイトのランダムネスの効果により反強誘電から強誘電リラクサーまで幅広い状態を取りうる。われわれは基底状態がBサイトイトランダムネスの影響で大きく変わることについての理由を探るべく、高分解能X線非弾性散乱を用いてBサイトランダムネスとフォノンの関係を調べた結果、反強誘電領域においても強い強誘電ソフトモードが存在することを明らかにし、次のようなストリーを提案した。PINにおいては反強誘電不安定性と強誘電不安定性が共存しており、perfectly ordered PINの場合反強誘電不安定性が優勢となっている。そこに、Bサイトランダムネスが導入されると反強誘電不安定性が真っ先に抑制される。一方、強誘電不安定性はランダムネスの影響を受けにくいため、Bサイトランダムネスが導入されても強誘電不安定性は残り、そこで初めて強誘電性が顔を出す。しかし、Bサイトが完全無秩序の場合は長距離秩序に至らないため、ナノスケール強誘電領域にとどまりリラクサー状態が発現する。
大和田 謙二; 廣田 和馬*; 寺内 暉*; 大和 英弘*; 安田 直彦*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(2), p.024606_1 - 024606_6, 2006/12
被引用回数:6 パーセンタイル:41.48(Physics, Multidisciplinary)今回われわれはas-grown Pb(InNb)O(PIN)についてのX線・中性子散乱実験を行った。as-grown PINは既に大和らによって、その結晶内部の秩序度の大きなばらつきの存在が報告されている。X線と中性子線ではその透過率が違うため、その相補利用により表面からバルクまでの構造的情報を得ることができる。われわれは、室温においてPINからのフォノンブランチの観測に初めて成功した。その振る舞いは強誘電的と考えられる。また、逆空間をスキャンすることによって、反強誘電起源の(h/4, k/4, 0)反射を観測した。分解能に迫る半値幅を有することからマクロな反強誘電領域の存在が示唆される。一方、同じ結晶でX線散乱実験を行うとブラッグ散乱の裾に強い散漫散乱が観測された。リラクサー状態であるときに現れるこの特徴的な散漫散乱はプロファイルや温度変化が野村らの報告と矛盾しない。われわれの用いたX線(0.71)ではPIN結晶の表層数十ミクロンしか観測できないため、as-grown PIN結晶の表層はリラクサー的であることがわかった。このようなmulti-structureともいうべき結晶内部の構造分布はPb(ZnNb)Oなどでも既に報告されており、リラクサーの特徴の一つと言えるのではないか。
米田 安宏; 水木 純一郎; 片山 良子*; 八木 健一郎*; 寺内 暉*; 濱崎 真一*; 高重 正明*
Applied Physics Letters, 83(2), p.275 - 277, 2003/07
被引用回数:18 パーセンタイル:56.94(Physics, Applied)チタン酸ビスマス(BiTiO)を急冷してアモルファス化すると、再結晶過程で、BiTiOとは異なる中間構造が出現する。この中間構造は二成分からなっており、一つはパイロクロア型のBiTiOで、もう一つはパイロクロア相の出現によって過剰となったビスマスの積層欠陥によって生じている、本来は安定な構造をとらないBiWO-likeな構造であることがわかった。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Surface Science, 529(3), p.283 - 287, 2003/04
被引用回数:8 パーセンタイル:42.27(Chemistry, Physical)強誘電体であるチタン酸バリウム薄膜を厚さ10モノレイヤーでチタン酸ストロンチウム基板上にMBEを用いて作製した。作製は同時蒸着と交互蒸着の2種類の方法で行った。成長中はRHEED観察によって薄膜がエピ成長していることを確認し、成長後はX線回折によって、良質の単結晶薄膜であることを確かめた。
米田 安宏; 松本 徳真; 寺内 暉*; 安田 直彦*
Journal of Physics; Condensed Matter, 15(3), p.467 - 474, 2003/01
被引用回数:6 パーセンタイル:35.08(Physics, Condensed Matter)Pb(InNb)O単結晶の熱分析を行った。秩序相と無秩序相における相転移温度の不安定性は、格子欠陥モデルを導入することによって説明できることがわかった。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 40(12), p.6888 - 6892, 2001/12
被引用回数:2 パーセンタイル:11.60(Physics, Applied)リラクサー強誘電体の強誘電物性の本質は、微視的構造にあるのか、それとも巨視的構造にあるのかは依然として議論の分かれるところであるが、最近になって、非常に細かいドメインを形成したリラクサーの誘電率が著しく小さくなることがわかった。これは、強誘電体としての物性がドメインサイズによって支配され得ることを意味している。そこで、強誘電体におけるドメインサイズ効果を実験的に確かめるため、リラクサーで実現されたドメインサイズとほぼ同じサイズのユニットをもつ多層膜を作製し、その誘電特性を調べた。その結果、作製した多層膜はナノオーダーサイズであるにもかかわらず、強誘電性を示したが、誘電率は小さく、膜厚の大きな単層膜でみられたような温度特性は観測されなかった。これによって、ドメインサイズを小さくすることによって、強誘電性が鈍化することが、リラクサー以外の典型的な強誘電体においても観測された。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Journal of Physics; Condensed Matter, 13(42), p.9575 - 9582, 2001/10
被引用回数:19 パーセンタイル:67.49(Physics, Condensed Matter)リラクサー強誘電体に代表されるようなマイクロドメイン強誘電体では、強誘電体内に生じる強誘電ドメインサイズが物性と密接な関係をもつことがわかってきた。しかし、現在のところ、バルク状態での強誘電的ドメインサイズを制御する方法は見つかっていない。そこで、薄膜にすることによってドメインサイズを1次元的に制御し、物性がどのように変化していくかを研究してきた。バルクの典型的な物性である相転移をマーカーにして、チタン酸バリウム薄膜の作製条件を変えて詳細に調べたところ、薄膜のサイズ、つまりドメインサイズがナノオーダーとなったとき、バルク物性を失い、薄膜特有の物性が現れることがわかった。この結果はマイクロドメイン強誘電体のドメインサイズ効果とよく一致しており、誘電体分野において、薄膜とバルクの架け橋となることを示唆している。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Journal of Physics; Condensed Matter, 12(39), p.8523 - 8529, 2000/10
被引用回数:9 パーセンタイル:47.32(Physics, Condensed Matter)チタン酸バリウム(BaTiO)は、典型的な変移型相転移を起こす強誘電体としてさまざまな基礎研究が行われる一方で、誘電率が非常に大きな値を示すことからデバイスへの応用が期待され、薄膜作製のための研究が数多く行われてきた。ところがBaTiOは薄膜にすると、特徴的な物性の一つである相転移が消失するという報告があった。われわれは熱分析によって分子線エピタキシー成長した薄膜の相転移の有無を調べた。実験には膜厚が67Åの薄膜を用いた。このような薄さでは相転移は起こさないものと思われてきたが、われわれの測定では相転移を示す明瞭な示差熱異常が観測された。これらの結果から薄膜の成長条件が相転移の際の振舞に大きな影響を与えることがわかり、これらの技術を応用することによって相転移のコントロールの可能性が示唆された。
米田 安宏; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 39(8), p.4839 - 4842, 2000/08
被引用回数:16 パーセンタイル:57.17(Physics, Applied)チタン酸バリウムはペロブスカイト型の強誘電体で、その誘電特性は古くから調べられてきた。しかし薄膜に関しては電極を付けてその誘電特性を調べることができるほどの良質の薄膜を得ることが困難であるため、薄膜の構造はバルクとはちがった性質を持っているにもかかわらず、誘電率測定によってその電気的性質が明らかになることはなかった。しかし近年、薄膜作製技術の進歩によってナノスケールオーダーの薄膜をも電極を付けて薄膜コンデンサーを作ることができるようになった。この薄膜コンデンサーの誘電率測定と自発分極測定を行ったところ、バルクとは明らかにちがい性質であることが、電気的測定からも明らかとなった。またチタン酸バリウムは微粒子にすると誘電的性質が変わるとされているが、微粒子の誘電測定は非常に困難であるため、薄膜の誘電測定によって有限サイズ効果の知見を得ることが期待される。
笠谷 祐史*; 大村 正志*; 横山 克美*; 小林 久理真*; 西畑 保雄; 八木 健一郎*; 寺内 暉*
Japanese Journal of Applied Physics, 38(Suppl.38-1), p.433 - 435, 1999/06
被引用回数:3 パーセンタイル:18.73(Physics, Applied)高エネルギー領域でのXAFSによる研究がSmFeN(x=0-1)のSm-K吸収端近傍で行われた。Sm原子の周りの局所構造と窒素原子の存在による磁気特性の間の関係を明らかにするために室温で実験が行われた。XANES領域において、吸収端スペクトルの形状変化として窒化によるSmの電子状態の変化が初めて見い出された。EXAFSの解析により、Sm-Fe原子間距離が窒素原子の固溶量に単調に依存して伸びることを確認した。
恒川 信*; 福田 承生*; 尾崎 徹*; 米田 安宏; 岡部 達*; 寺内 暉*
Journal of Applied Physics, 84(2), p.999 - 1002, 1998/06
被引用回数:16 パーセンタイル:59.24(Physics, Applied)チタン酸バリウムは薄膜にすると成長方向にc軸が配向するために、X線や光学顕微鏡などでは面内のドメインを観察することはできない。そこで、面内のドメイン観察を行うために原子間力顕微鏡(AFM)と走査型電子顕微鏡(STM)を用いた。その結果、バルクと同じ90°ドメインの存在が明らかになる一方で、180°ドメインが円形状に分布するなどの薄膜特有のドメインパターンが観察された。
米田 安宏*; 岡部 達*; 阪上 潔*; 寺内 暉*; 笠谷 祐史*; 出口 潔*
Journal of Applied Physics, 83(5), p.2458 - 2461, 1998/03
被引用回数:97 パーセンタイル:94.39(Physics, Applied)ペロフスカイト型の強誘電体であるチタン酸バリウムは分子線エピタキシー法を用いた交互蒸着によって良質の薄膜が得られる。薄膜化したチタン酸バリウムはエピタキシャル効果によってバルクとは異なった構造をもつと考えられるが、それをX線回折を用いて明らかにした。薄膜のX線回折は、成長後に室温・大気中で行った。得られたプロファイルから格子定数が求まったが、膜厚が薄ければ薄いほど基板効果は大きく格子は大きく歪んでいた。この歪みはバルクの体積を保持するもので、面内の格子定数が大きく基板効果によって押し縮められた薄膜は成長方向に大きく伸びていた。基板上に50層(約200積層させるとほぼバルクと同じ格子定数となるが、面内の反射のロッキングカーブは依然としてブロードニングを起こしており、基板からの歪みは解消されていない。このようなエピタキシャル効果は誘電体でしかみられない現象である。
米田 安宏*; 岡部 達*; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Journal of the Korean Physical Society, 32, p.S1393 - S1396, 1998/02
120C付近で常誘電体-強誘電体相転移を起こすチタン酸バリウムは種々の方法で薄膜化が試みられている。なかでも原子層オーダーで成膜コントロールが可能な反応性蒸着法は、チタン酸バリウムを薄膜化する際に生じる基板効果をエンハンストさせることが期待される。誘電体薄膜における基板効果を明らかにするために異なるミスマッチの基板上に同じ成長条件で薄膜を成長させ、成長中のRHEEDによるその場観察、及び成長後に行ったX線回折により、その違いを調べた。
米田 安宏*; 岡部 達*; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Journal of the Korean Physical Society, 32, p.S1636 - S1638, 1998/02
チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムは同じペロフスカイト型の構造をしており、しかもミスマッチが小さいことから、良質の多層膜の作製が可能である。誘電体における、多層膜構造内のエピタキシャル効果を調べるために、MBE法を用いた反応性蒸着によってモジュレーションを変えた数種類の多層膜を作製した。X線回折によって格子定数を精密に調べたところ、明瞭な周期長依存性があり、作製した多層膜の中にはバルクのPoisson比を保持できなくなるくらい、格子定数が大きく歪んだものがあった。
米田 安宏*; 岡部 達*; 阪上 潔*; 寺内 暉*
Surface Science, 410(1), p.62 - 69, 1998/00
被引用回数:20 パーセンタイル:68.79(Chemistry, Physical)BaTiOは酸化物であるために通常のMBE法では単結晶薄膜は得られない。マテリアルが蒸気圧の低いBaと、反対に蒸気圧の高いTiを組合せなければならないことと、酸素雰囲気中で反応させなければならないために、成長条件のコントロールが難しい。さらにBaとTiでは酸化力が異なるために、Ba,Ti,Oの成分比を一定に保たせるのにも、困難を伴う。この問題をBaとTiを交互にとばすことによってBaO層とTiO層を交互に積層させ、BaTiOを得るということで解決した。酸化物薄膜は、結合力がイオン性結合であるために、基板とのミスマッチに非常に敏感であるが、この方法を用いることによって、格子整合条件の良好なSrTiO基板にも、格子整合条件の厳しいMgO基板にも単結晶薄膜を成長することができた。
大和田 謙二; 廣田 和馬*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 水木 純一郎; 寺内 暉*; 大和 英弘*; 安田 直彦*
no journal, ,
今回われわれは、BサイトのInとNbが秩序化したOrdered-Pb(InNb)O(O-PIN、反強誘電体TN=465K)において、散漫散乱とフォノンの温度変化(10-800K)を測定した。散漫散乱は800Kで点(3, 0, 0)まわりに存在していた。散漫散乱強度は温度低下とともに[110]上に凝縮しつつ強くなり、その上をM点方向に移動し、最終的には(3, 0, 0)(1/4, 1/4, 0)において超格子反射を形成した。X線非弾性散乱の結果から散漫散乱の主体はTに向けて臨界的に強くなるセントラルピークであった。また、点に近い散漫散乱強度も順調に成長し、その温度変化は誘電率の振る舞いをよく説明した。
大和田 謙二; 廣田 和馬*; 福田 竜生; 筒井 智嗣*; Baron, A. Q. R.*; 寺内 暉*; 安田 直彦*; 大和 英弘*; 水木 純一郎
no journal, ,
Bサイトに1:1で異種元素の入るリラクサーPb(InNb)O(PIN)は秩序度をアニールにより制御できる。フォノン分散に及ぼす化学的秩序度の影響を調べることは、Bサイトの化学的秩序度とリラクサー発現の相関関係を調べるうえで重要である。今回、初めてフォノンの秩序度依存性を室温において測定することができた。今回、点近傍のフォノンモードは弾性散乱の裾の影響で求められなかったが、両者の30meVまでの全体的な分散関係はよく類似していた。単純立方格子を単位胞に取ると、Disordered-, Ordered-PINともに強誘電モードである横波光学モード(TO1)が点に向けて5meV程度のソフト化傾向を示しており、反強誘電体といえども強誘電不安定性を内在していることがわかった。この結果はリラクサー発現プロセスを考えるうえで重要である。