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永石 隆二; 山田 禮司; 青柳 登; 須郷 由美
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 161, 2008/03
固体酸化物が共存あるいは接触した水溶液,有機溶媒と水溶液を持つ溶媒系といった互いに混じり合わない非均質系での放射線分解や放射線誘起反応について、放射性廃棄物の処理・処分や使用済燃料の分離プロセスの高度化の観点から基礎と応用の研究を、電子線又は線を用いて進めている。これまでに、微少量の酸化物微粒子の添加による水溶液中の金属イオン還元や水素発生の反応促進、並びに、接触する水溶液に依存する有機溶媒中の抽出剤の分解挙動を明らかにしてきた。平成18年度は、酸化物粉末などを添加した水溶液中の水素の発生や有害・有用物質の処理・回収に関する反応促進,有機溶媒中の抽出剤の分解挙動などを研究した。ここで水溶液中の研究では、白金族元素の関与する反応促進,アスベスト材料の粒状化とそれに伴う顕著な水素発生が見いだされた。
渡辺 智; 石岡 典子; 松橋 信平
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 129, 2008/03
Endohedral fullerenes encapsulating a radioisotope within a fullerene cage have a possibility of being new radiopharmaceuticals. We have prepared endohedral Xe -fullerenes by ion implantation. Xenon-133 (T
= 5.243 d) would be useful for cancer therapy because it emits 0.346-MeV
rays. However, we could not obtain efficient production of endohedral
Xe -fullerene. To achieve more efficient production, conditions of the ion implantation, especially incident energy, has to be studied. In the present paper, we describe incident energy effect on the production yield of endohedral
Xe -fullerene. The results of this study show that the yields of endohedral
Xe -fullerenes were found to increase with decreasing incident energy. The yields of the endohedral
Xe -fullerenes should be more increased by decreasing incident energy.
飯田 靖彦*; 花岡 宏史*; 片渕 竜也*; 渡邉 茂樹; 石岡 典子; 渡辺 智; 松橋 信平; 樋口 徹也*; 織内 昇*; 遠藤 啓吾*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 128, 2008/03
PET is superior in quantitative measurement, so F-FDG-PET is most valuable tool for tumor diagnosis. Although several positron emitters have been used for PET, their uses are limited for their short half-lives. Compared with these radionuclides,
Cu and
Br have appropriate properties (
Br: T
= 16.1hr,
Cu: T
= 12.7hr) and they may have great potentials for PET utility. In this study, we synthesized monoclonal antibody (mAb) labeled with
Cu or
Br and evaluated their potential for tumor diagnosis with PET. The results of tumor localization studies show that
Cu or
Br labeled mAb were highly accumulated to tumor. From these data, the use of
Cu and
Br has great advantage for PET utility.
金子 広久; 花屋 博秋; 羽田 徳之; 山縣 諒平; 清藤 一; 金沢 孝夫; 小嶋 拓治; 小山 茂*; 山口 敏行*; 川島 郁男*; et al.
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 209, 2008/03
1号電子加速器は、新材料開発のためのグラフト重合,半導体の照射効果,外部ユーザーの種々の実験等に利用されている。電子加速器の年間運転時間は、597.4時間であった。コバルト60線照射施設は、3つの照射棟に合計8つの照射室があり、0.04kGy/hから20kGy/hまでの、広い範囲の線量率で照射が可能である。コバルト第1照射棟,コバルト第2照射棟及び食品照射棟のそれぞれの年間運転時間は、20,844h, 6,335h, 3,150hであった。
広田 耕一; Zhao, C.*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 56, 2008/03
ダイオキシン類分析廃液分解技術の開発を目的として、本研究では分析溶媒としてエタノール,n-ノナン,トルエン中8塩素化ダイオキシン(OCDD)の線分解挙動や毒性変化について調べた。その結果、OCDDの分解率はエタノール
n-ノナン
トルエンの順となり、これが各溶媒中溶媒和電子の生成G値の大小関係と一致したことから、OCDDの分解には溶媒和電子が関与していることがわかった。また、0から8塩素化ダイオキシン類(PCDD)総濃度で分解率を比較すると、その順序はエタノール
トルエン
n-ノナンとなった。反応したOCDDの脱塩素化率がn-ノナン中で80%、トルエン中で20-30%であることから、n-ノナン中のOCDDは溶媒和電子との反応によりおもに脱塩素反応を起こし、低塩素化ダイオキシン類を生成するのに対し、トルエン中では酸化反応が支配的に起こることが明らかになった。
小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 金子 広久; 佐波 俊哉*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 9, 2008/03
中性子が誘起するシングルイベント過渡電流は、中性子の「核反応」によって生じる重イオンの「電離」が原因となって引き起こされると考えられている。今回は、核生成粒子の「電離」による相互作用を模擬するために、中性子がシリコンと核反応することによって生成し得る核種(HeP:最大十数MeV)の中からC(炭素),O(酸素)、及びSi(シリコン)イオンのマイクロビームを利用し、核反応生成粒子が原因となり発生するシングルイベント過渡電流の電圧依存性を調べた。その結果、電荷量はエネルギーにほぼ比例して増加し、電圧依存性がないことがわかった。一方、電圧が増加するに従い、ピーク電流値が増加し、立下り及び立上り時間が短くなることがわかった。これらの結果は、印加電圧が高くなるに従い空乏層中の電界強度が強くなるため、高速の電荷収集が起こっていることを示している。また、イオンの原子番号が大きくなるに従い、ピーク電流値が減少することがわかった。これは、原子番号が大きくなるに従い、電離された電子・正孔対の密度が高くなるため、静電遮蔽効果が強く現れていることに起因する。
田口 光正; 木村 敦; 広田 耕一; 倉島 俊; Baldacchino, G.*; 勝村 庸介*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 158, 2008/03
重イオン照射による特異的な化学反応は、トラックと呼ばれる不均一エネルギー付与領域で起こる不均一化学反応に起因する。トラック内不均一反応を詳細に理解するためには、トラック内の活性種挙動を直接観測することが重要である。そこで、電気的なチョッパーによりパルス化した重イオンを用いた、オンラインで活性種挙動を直接観測する分光システムの開発を行った。超純水にKSCNを溶解し、金属製のセルに封入したものを試料とし、220MeV Cイオンを照射した。パルスジェネレーターからの信号によりサイクロトロン上流のPチョッパーを制御し、パルスイオン照射を行った。重イオンのビーム軸に対し約30度で観測光を導き、セル底面のミラーで反射させることで照射試料を2回通過させた光をフォトダイオードにより検出した。照射をオン/オフした時の光強度変化から、照射によって生成した活性種に由来する吸光度が得られた。光源や検出器のノイズ対策や電気回路の改善を行った結果、10以下の吸光度が測定可能となった。
近藤 孝文*; Yang, J.*; 菅 晃一*; 吉田 陽一*; 柴田 裕実*; 田口 光正; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 160, 2008/03
試料溶液の上面にモニター光を発するためのCaF2(Eu)を設置した、発光観測による初期活性種測定法の開発を行った。重イオンが光源であると同時に照射源であることが原因となっている、分析光強度測定の困難を克服するために、測定する波長領域で吸収も発光もほとんどない塩化メチレンを溶媒として用いた。溶質として100mMピレンを用いた。重イオン特有の効果を解明するために、電子線パルスラジオリシスも行いその結果を比較検討した。220MeV Cイオン照射と30MeV電子線照射で得られた、440nmでの過渡光吸収を比較すると減衰特性に顕著な違いが見られた。電子線照射の場合長寿命成分が現れるのに対し、高速重イオンビームでは指数関数に近い、比較的速い減衰が観測された。重イオン照射では、ピレンカチオンラジカルとカウンターとなる電子も同時に高密度に生成するために再結合反応が優位に起こりやすく、電子線照射の場合と比較して短寿命で消滅すると思われる。また、過渡吸収はピレン濃度に依存して増加した。
中川 清子*; 太田 伸昭*; 田口 光正; 広田 耕一
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 159, 2008/03
ヒドロキシマレイミドを2-プロパノールに溶かし脱酸素した後、TIARA施設において重イオン照射し、生成物収量を調べた。吸収線量あたりのヒドロキシマレイミドの減少割合から分解効率を求めた。得られた分解効率をイオンの入射エネルギーあたりで規格化すると、見かけのG値が得られる。初期エネルギーの増加に伴い、G値は増加した。これは、溶媒分子のラジカルなど、生成物の反応に関与する活性種の生成量のLET依存性に対応すると考えられる。アルミ箔によるエネルギー減少過程で微分G値が一定とみなし、見かけのG値から微分G値を概算した。Heイオン照射では、50MeVと100MeVで得られた微分G値はほぼ直線関係にあるが、CやNeイオン照射ではHeイオンの延長線上よりも大きな値が得られた。これは、溶媒をメタノールに代えた場合、より明確に観測された。
関本 均*; 河地 有木; 本田 修三*; 山口 良恵*; 加藤 翔太*; 米山 香織*; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 石井 里美; 渡辺 智; et al.
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 124, 2008/03
ハマウツボ科の根寄生植物であるオロバンキは、クロロフィルを持たず、ホスト植物と養水分をシェアしながら生育する全寄生植物である。根寄生植物の生存では、ホスト植物の光合成産物及びホスト植物根からの吸収窒素の誘因・収奪・貯留が重要な栄養獲得戦略の一つと考えられる。そこで、オロバンキを寄生させた植物根系を作成し、ポジトロン放出核種N-13で標識した硝酸イオンあるいはアンモニウムイオンを投与し、根系及び茎葉部への硝酸イオンの移行と寄生植物による誘因・収奪と貯留の様子をPETISによる可視化を試みた。その結果、硝酸イオンの茎葉部への分配割合は、オロバンキ非寄生系と寄生系に差は見られなかったが、アンモニウムイオンの茎葉部への分配割合は、非寄生系では60%であったのに対し、寄生系では20%と著しく低下していることが明らかとなり、オロバンキ塊茎は硝酸イオンではなくアンモニウムイオンを選択的に収奪していることが示唆された。
笠井 昇; 吉井 文男; 湯浅 淳一*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 54, 2008/03
近年、上下水道配管は強度や腐食性を考慮して、ポリエチレン(PE)管が広く使われている。PE管の曲げ加工は、直管を融点近傍の温度に加熱して成型している。しかし、時間の経過により曲げ戻りが生じ、問題になっている。PE管の曲げ加工前に、電子線や線を50
80kGy照射して放射線橋かけにより耐熱性を向上させることで、融点以上で曲げ加工が可能で、曲げ戻りの少ないPE曲管が得られることが明らかになった。
鈴井 伸郎; 河地 有木; 石井 里美; 中村 進一*; 松橋 信平; 藤巻 秀
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 121, 2008/03
In this study, we estimated a phloem flow under Cd stress using the positron emitting tracer imaging system (PETIS), quantitatively and non-invasively. In an experiment, CO
was supplied to leaves of rice plants and the translocations of
C-photoassimilates were monitored. We performed 6 sets of PETIS experiments using 5
6 different rice plants treated with 0, 1, 10, 100
M of Cd. The arrival times of
C-photoassimilates to the basal region of each plant were analyzed. Phloem flow velocities were also estimated using the
C-arrival time and the distance from the bottom of gas-cell to the basal region. Arrival time of 100
M Cd-treated plants was significantly different from that of control and 10
M Cd-treated plants (p
0.05). This result indicates that Cd exposure to the root for 1 day causes the decrease of phloem flow velocity in rice plant.
山田 圭介; 宇野 定則; 大越 清紀; 千葉 敦也; 齋藤 勇一; 石井 保行; 佐藤 隆博; 水橋 清
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 194, 2008/03
TIARA静電加速器において平成18年度に行ったビーム発生及び照射技術の開発の結果を報告する。タンデム加速器では共鳴核反応Mg(p,
)
Alを利用したビームエネルギー幅の測定技術を開発した。本技術により荷電変換ガス圧力を変えてビームエネルギー幅を測定した結果、10
の精度で測定できることがわかった。また、新たにGeクラスターイオンの生成試験を行いGe
までの負クラスターイオンをnA以上の電流量で確認した。シングルエンド加速器ではヘリウムビームと酸素の後方共鳴散乱を利用し、最大定格電圧3MV付近でエネルギー校正が可能な手法を開発した。これを用いて、高抵抗測定法で測定した値との差が1%であることを確認した。イオン注入装置では、現在のクラスター用ファラデーカップ(FC)は2次電子や2次イオンの損失を抑えるために大型でビームラインに設置できないことから、既存FCに外部より磁場を与えることにより小型化する方法を開発した。
小嶋 拓治; 金子 広久; 羽田 徳之; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 金沢 孝夫; 小山 茂*; 山口 敏行*; 川島 郁男*; et al.
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 208, 2008/03
1台の電子加速器及び3棟の線照射施設を、年間の運転計画に基づいて照射利用に供した。18年度の利用件数は1号電子加速器が544件,コバルト第1照射棟は159件,コバルト第2照射棟は622件,食品照射棟は357件であり、研究成果の創出に寄与している。
花屋 博秋; 上松 敬; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 197, 2008/03
高フルエンスのイオンビームの簡便な2次元相対線量分布の測定を目的として、ラジオクロミックフィルム線量計の中でも測定可能線量域が高いB3フィルム線量計とパソコン用画像スキャナを組合せた測定技術の開発を行った。アルミパッケージに入れたB3を用い、イオンビームに代わり、電子線で予備試験を行った結果、本測定方法では、B3の標準的な手順として行う測定前の加熱処理をしない場合の方が、線量域5100kGyの範囲で直線的な応答特性が得られた。しかし、加熱処理をしないことが照射後の着色の安定性に影響を与える可能性があり、本報告ではこれについて調べた。また、飛程が短いイオンビーム照射における測定では、パッケージをしたままの照射では線量測定上の誤差要因となるため、パッケージを用いない場合についても応答特性を調べた。電子線を用いて調べた結果、加熱処理しない場合、吸光度は、照射後の時間経過に伴い増加するが、パッケージあり・なしのいずれでも40kGyまでは直線的な応答特性を示した。実際の使用条件では、測定時間が非常に短いので、これらの結果から相対分布の測定としては十分有用であることがわかった。
鵜飼 光子*; 松浦 昌彰*; 小川 聡子*; 久米 民和; 菊地 正博; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 118, 2008/03
食品の放射線照射は、非加熱処理であるため低温殺菌法となる。この殺菌技術によって食品が収穫され生産された時と同じ品質に保つことができる。最近では、線・X線や電子線で照射することによって滅菌する技術が広く使われてきている。多くの食品の照射歴有無の判定には電子スピン共鳴(ESR)分光法が適用できる。これまでにわれわれは、照射食品を分析できる新しいESR測定法を報告してきた。この研究では、小麦粉に含まれる放射線誘起ラジカルをESR分光法を用いて測定した結果について報告し、非照射小麦粉との比較によって明らかにされた照射小麦粉中の新規ラジカル種について述べる。
藤里 俊哉*; 菊地 正博; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 舩本 誠一*; 木村 剛*; 岸田 晶夫*; 山岡 哲二*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 119, 2008/03
人工物であるePTFEやDacronは小動脈の再構築には適していない。それとは対照的に、組織工学的な移植片は近年注目を集めている。組織工学移植片に期待できる利用法の一つに脱細胞組織の使用がある。脱細胞スキャホールドは通常組織と同じ構造的特徴を持ち、宿主組織として置換される。この研究では、線照射による細胞のアポトーシス誘導を利用して脱細胞スキャホールドの調製を行った。
長谷 純宏; 吉原 亮平; 横田 裕一郎; 鳴海 一成
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 67, 2008/03
イオンビームは、突然変異率が高いこと、欠失型変異を誘発しやすいこと、変異スペクトルが広いこと、劣悪形質を伴わないワンポイント改良に適していることが実証されている。しかしながら、イオンビームの特性と変異率及び変異の特徴との関係、組織部位の違いによる変異誘発効果の違い、培養物に照射した場合に照射当代で劣性ホモ様の形質が得られる仕組みなど、イオンビームの突然変異誘発効果には不明な点が多く残されている。本研究では、マーカー遺伝子に起きる突然変異を指標としてイオンビームの突然変異誘発効果を調査することを目的として、変異した遺伝子だけをポジティブに選抜・解析できるマーカー遺伝子(及び
)の利用を進めている。今回、マーカー遺伝子を導入した種子について、炭素イオンと
線感受性を調べた結果、shoulder doseは
線で930Gy, 320MeV及び220MeVの炭素イオンで、それぞれ240Gy, 180Gyであった。
清藤 一; 市川 達也*; 羽田 徳之; 金子 広久; 佐藤 良成*; 渡辺 宏*; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 200, 2008/03
透明及び着色PMMA線量計は5-50kGyの線量範囲の測定を行う線量計であり、医療機器の滅菌を始めとする放射線プロセスで広く用いられている。食品照射や医療機器の滅菌における線量保証及び線量を決定するための検定線量を評価するために必要な線量範囲1-10kGyへの適用拡大を目的として、透明PMMA線量計(Radix W)の特性試験を行った。波長が短い領域(270-320nm)における線量応答特性,照射後の安定性,照射中の温度影響について調べた。いずれの線量点においても短い読み取り波長での線量応答値は、長い読み取り波長での線量応答値よりも大きい。これから、従来の読み取り波長320nmよりも短い280nmで測ることにより、1-10kGyの線量測定可能範囲が得られた。照射後の吸光度安定性については、照射後24時間以内において5%以内となった。-40-40Cの範囲における照射温度依存性試験では20
Cにおける線量応答に対して+0.23%/
Cの温度補正係数を持つことがわかった。
島田 明彦; 広田 耕一
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 55, 2008/03
薫蒸殺菌使用後のホルマリンガス(HCHOとCHOHを含む空気)の、短時間無害化処理技術として、電子ビーム(EB)法が考えられる。本研究では、100-1060ppmvのHCHO、1%の水分を含む10L/minの空気試料に吸収線量5-80kGyで照射を行った。その結果、初期濃度100, 280, 480, 1060ppmvのHCHOに対して、0-5kGyでの単位吸収線量あたりのHCHO濃度減少量は、それぞれ19, 35, 50, 64ppmv/kGyであった。これらの値は、OHラジカルの生成量10ppmv/kGyに比べ高いことから、連鎖反応が起きていると考えられる。HCHOの分解によりHCOOH, CO, CO
が生成していることがわかった。CO, CO
については線量とともに直線的に濃度が増加したが、HCOOHは5kGy以上で増加が緩やかとなったことから、OHラジカルはHCHOだけでなく、HCOOHとも反応すると考えられる。