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遠藤 章
ESI-News, 43(2), p.37 - 41, 2025/04
国際放射線単位・測定委員会(ICRU)は、2020年に外部被ばくに係るモニタリング量(実用量)を改定するICRU Report 95を発表した。本稿では、ICRU、国際放射線防護委員会(ICRP)、日本の専門家等による議論の発展を概観し、ICRUが実用量を見直すに至った背景と経緯、さらには今後の対応や課題を解説する。これにより、新たな実用量に対する線量測定に携わる実務者の理解を深め、将来の円滑な導入に寄与する。
真辺 健太郎; 室田 修平; 高橋 史明
Journal of Nuclear Science and Technology, 10 Pages, 2025/00
被引用回数:0ICRP 2007年勧告に準拠した最新の線量評価手法に基づく内部被ばく線量評価コード(IDCC)を開発した。本コードは、作業者の内部被ばくに対し、短寿命核種を含む全ての放射性核種について核崩壊データ、体内動態モデル、比吸収割合(SAF)等の線量評価用モデル・データを用いて実効線量係数を算出可能であるほか、ホールボディカウンタ等の個人モニタリングの結果からの摂取量推定に最尤推定法を適用している。開発したコードの妥当性は、ICRPが公開する線量係数データベースや複数の文献事例との比較により確認された。今後、公衆被ばくに対する評価機能も整備する予定であり、放射線防護に関する規制基準値の改定や、新基準に基づく実務的な線量評価ツールとしての活用が期待される。
遠藤 章
Annals of the ICRP, 52(4), p.5 - 7, 2024/12
国際放射線防護委員会(ICRP)は、Publication 155において、新生児、1歳、5歳、10歳、15歳の標準男性及び女性の比吸収割合(SAF)データを開発した。SAFは、内部被ばくにおいて、放射性核種が分布する組織及び臓器から放出された放射線のエネルギーのうち、標的となる組織及び臓器の質量あたりに吸収される割合を表し、内部被ばく線量を計算するために不可欠なデータである。このPublication 155で提供されるデータを、すでにPublication 133として公表されている標準成人男性及び女性のSAFデータと組み合わせることにより、環境における公衆の放射性核種の摂取に対して、年齢に応じた線量係数を計算するためのSAFデータセットが完成した。これにより、改良された生物動態モデル及び放射性核種壊変データとともに、新しい線量係数を計算するための重要な構成要素が整った。その成果は、「一般公衆による放射性核種の摂取に対する線量係数」の一連のICRP Publicationとして間もなく提供される予定である。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.656 - 664, 2022/05
被引用回数:1 パーセンタイル:9.12(Nuclear Science & Technology)内部被ばく線量は、評価対象の体格特性に依存することが知られている。標準的コーカソイドの体格特性に基づく人体モデルを用いて評価された国際放射線防護委員会(ICRP)の線量係数を日本人に適用するにあたっては、コーカソイドと日本人の体格特性の違いによる線量係数の変動幅について把握しておくことが重要である。本研究では、平均的成人日本人モデルに基づく既存の比吸収割合データ(SAF)に対しICRP 2007年勧告に完全に準拠した最新の線量評価手法に合致するよう追加計算を伴う修正を行うとともに、平均的な日本人体格特性を反映した実効線量係数を評価し、ICRPの線量係数と比較した。その結果、8割程度の摂取条件については差違が
10%以内となった。ただし、一部の摂取条件では、臓器質量の違いや胸腔周辺の皮下脂肪量の違いにより、
40%程度変動することが確認された。本研究により得られた知見は、ICRPの線量係数を異なる体格特性を持つ集団に適用する際に有用である。なお、本研究で整備した日本人SAFの電子ファイルは付録として公開される。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(5), p.385 - 393, 2019/05
被引用回数:5 パーセンタイル:32.79(Nuclear Science & Technology)高エネルギー加速器施設では、高エネルギー粒子と施設構造物、施設内の空気等との核反応によって様々な放射性核種が生成され、施設作業者に対する潜在的な内部被ばく源となる。しかしながら、国際放射線防護委員会(ICRP)が公開しているICRP 2007年勧告に従う線量係数(放射性核種1Bq摂取当たりの預託実効線量)の中には、半減期が10分未満の短半減期核種は含まれていない。そこで、本研究では対応する元素の体内動態モデル等に基づき、このような短半減期核種の吸入摂取及び経口摂取に対するICRP 2007年勧告に従う線量係数を評価した。その結果をICRP 1990年勧告に従う線量係数と比較したところ、吸入摂取では線量係数が減少し、経口摂取では増加する傾向が見られた。こうした線量係数の変化は、線量計算手順の変更や消化管モデルの改訂等が原因であることが明らかになった。この結果は、高エネルギー加速器施設におけるICRP 2007年勧告に対応した放射線防護計画の立案に有用なものとなる。
遠藤 章
保健物理, 52(1), p.39 - 41, 2017/03
放射線の影響からヒトを防護するためには、被ばくの程度を定量化する必要がある。この目的のために、国際放射線防護委員会(ICRP)と国際放射線単位測定委員会(ICRU)は、防護量と実用量からなる線量の評価・測定の体系を提案した。この線量体系は、放射線防護の実務に広く定着し、利用されている。しかし、加速器の普及による高エネルギー放射線への対応など、現在の線量体系にはいくつかの解決すべき課題がある。これらの課題について、ICRPとICRUは連携して検討を進めており、近く、新たな線量体系を提案しようとしている。本発表では、現行の線量体系の見直しに関するICRPとICRUの検討の過程を概観し、今後導入されようとしている新たな線量体系について紹介する。
遠藤 章
Isotope News, (736), p.34 - 37, 2015/08
2015年3月、日本アイソトープ協会から、「外部被ばくに対する放射線防護量のための換算係数」が出版された。本書は、国際放射線防護委員会ICRP Publication 116 (ICRP116) "Conversion Coefficients for Radiological Protection Quantities for External Radiation Exposures"の翻訳書で、放射線防護に関するICRP 2007年基本勧告に基づいて計算された外部被ばくに対する人体の臓器ごとの吸収線量や実効線量の換算係数を収録したものである。本書で提供される換算係数は、線量評価や遮へい計算などの放射線防護の実務はもとより、添付されたCD-ROMで提供されるデータは研究資料としても有用である。本稿では、ICRP116の内容を放射線防護の実務との関係に触れながら紹介する。
高橋 史明; 佐藤 薫; 嶋 洋佑*; 真辺 健太郎
no journal, ,
原子力機構では、国際放射線防護委員会(ICRP)の新しい2007年勧告に対応した内部被ばく線量評価コードの開発を進めている。平成30年度は、ICRPのOIR part 3へ対応するための線量係数計算機能の改良を行うとともに、新規データを取り込むための設計を進めた。OIR part 3へ対応するため、掲載された体内動態を表すモデル等を実装し、系列核種(ウラン、トリウム等)の計算を可能とするためにアルゴリズムを見直した。改良した機能は、OIR Data Viewerの実効線量係数をほぼ全ての条件で正確に再現した。また、組織系動態モデルの情報については、ID番号の付与等により認識できるファイルで与え、新しくICRPが公開を予定している線量評価モデルやデータへ継続的に対応することを可能とした。さらに、1990年勧告に準拠した線量評価モデルやデータ及び日本人パラメータによる計算も可能なディレクトリ構造とした。
真辺 健太郎; 嶋 洋佑*; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
放射線施設等における個人線量管理や、事故等で放射性核種を体内に取り込んだ際の内部被ばく線量評価では、全身カウンタやバイオアッセイ等のモニタリング結果から核種の摂取量を推定する。本研究では、国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告に従う内部被ばく線量評価コードの開発の中で、最新の体内動態モデルを用いて、モニタリング結果から核種の摂取量を推定する機能の開発を進めている。平成30年度は、平成29年度に実施した概念設計に基づき、1回又は複数回の急性摂取及び慢性摂取を対象とし、最尤推定法により摂取量を推定する基本機能を開発した。また、本機能の妥当性の検証は、核種摂取量推定に関する先行研究を例題とし、本機能による推定結果を文献値と比較することにより行うこととした。当日の発表では、本機能が採用した摂取量推定手法と数例の比較結果について報告する。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
原子力機構安全研究センターでは、平成29年度より原子力規制委員会放射線安全規制研究推進事業として、ICRPの2007年勧告に基づく内部被ばく線量評価コードの開発を進めている。このコードは、2007年勧告の国内法令取入れに伴う内部被ばく防護基準値の見直しにおける実効線量係数の計算を行うための機能とともに、体外計測やバイオアッセイによるモニタリング値から放射性核種の摂取量を推定する機能を実装する計画となっている。本発表では、核種摂取量推定機能の概要や想定される適用方法について報告する。
版の開発真辺 健太郎; 渡嘉敷 雄士*; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
原子力機構安全研究センターでは、原子力規制委員会放射線安全規制研究戦略的推進事業として、平成29年度からの4ヶ年計画で、国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告に基づく内部被ばく線量評価コードの開発を進めている。事業3年目となる平成31年度は、放射性核種1Bq摂取当たりの預託実効線量(線量係数)を計算する機能とモニタリング値から核種の摂取量を推定する機能を統合し、計算条件等を指定するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を開発することで、コードのプロトタイプ(
版)を完成させた。
版は、JavaアプリケーションとしてWindows, Linux及びmacOSマシンで動作する。GUIによる操作では、計算対象核種, 摂取経路, 化学形の他、核種摂取量推定機能では摂取時期及びモニタリング値も入力する。さらに、使用する体内動態モデルに関する移行経路の追加や移行係数の変更、1990年勧告対応のモデルやデータの使用も可能とした。本発表では、
版の概要とコードの完成及び公開までの計画について報告する。
高橋 史明; 真辺 健太郎; 田窪 一也*; 佐藤 薫
no journal, ,
原子力機構では、原子力規制庁からの委託事業により、ICRP2007年勧告に対応した内部被ばく線量評価コードを平成29年度からの4ヶ年計画で開発している。最終年度となる2020年度は、2019年度までに開発した
版に関して、内部被ばく線量評価モニタリングの経験を有する機関の専門家より、操作性や機能に関する意見を聴取した。その後、この結果を反映して、入力に用いるGUI画面の改良、出力機能の追加などの改良を進めた。また、2020年にICRP Publ.141として公開された新しい線量評価モデルの調査、コードへの実装を進め、実効線量係数の導出に係る検証を進めた。本発表では、
版を改良したコードについて、基本機能や操作方法などの全体概要を報告し、国内における放射線安全規制の見直しや内部被ばく線量評価における活用策などを示す。
高橋 史明
no journal, ,
放射線防護の目的を達成するため、ICRU(国際放射線単位測定委員会)及びICRP(国際放射線防護委員会)は多様な線量を定義している。また、これらの線量は最新知見の反映や放射線の利用拡大への対応等のために定義が変更されており、ICRU及びICRPは2020年に外部被ばく線量測定に用いる実用量の変更を公知した。このような背景に鑑み、放射線被ばくに関する多様で複雑な「量」の体系について整理し、専門的な視点での最新の動向を共有し、今後取り組むべき課題,論点を抽出することを目的とした研究会が執り行われることとなった。本講演では、ICRU及びICRPが定義する線量をレビューするとともに、放射線防護の履行における適用方法等を解説する。さらに、ICRP2007年勧告の主旨を国内の放射線基準に取り入れた際の課題や留意点を紹介する。
真辺 健太郎; 佐藤 薫; 高橋 史明
no journal, ,
原子力機構は、我が国の内部被ばくに係る放射線安全基準に国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の主旨を取り入れるための基盤技術として、内部被ばく線量評価コードを開発してきた。今後、2007年勧告に基づく線量管理が必要となった際に幅広い人々が利用しやすいコード簡易版を開発するにあたり、仕様の検討を行った。簡易版は、主要な核種の既定条件における摂取についてあらかじめ体内放射能推移や線量係数をデータベース化し、これを参照する方式として計算負荷の低減を行うこととした。また、スマートフォンやタブレット等の様々なモバイルデバイスでの利用を想定し、不具合のリスクや維持管理コストの低減のためにウェブアプリとして開発することとした。簡易版の開発期間は令和4年度から4年間を予定しており、開発と並行して提供方法についても検討を進めていく。
藤田 博喜
no journal, ,
ICRPは、「2007年勧告」のレビューと改訂を開始した。この目的のために、ICRPは2つの論文(Keeping the ICRP recommendations fit for purpose; Areas of research to support the system of radiological protection)を発表した。最初の論文の目的は、「放射線防護コミュニティ全体およびそれを超えて、防護体系のどの領域が詳細なレビューと改良から最大の利益を得る可能性があるかについての議論を奨励すること」「優先分野を調査し、改善を進めるための共同作業を開始および形成すること」「今後数年間のICRPの作業プログラムの定義を支援すること」である。2番目の論文は、2017年に発表された「放射線防護体系を支援するための研究分野」に関するICRPの最新ビジョンを示したものである。さらに、2021年10月に、ICRPはデジタルワークショップを、上記の2つのオープンアクセス記事に基づいて、放射線防護体系のレビューと改訂に関係者の関与を推奨するために開催した。同様のイベントが今後も開催される。システムに関する隔年のICRPシンポジウムは、この過程のマイルストーンイベントになる。本発表では、レビューと改訂の現状を紹介する。
高橋 史明; 真辺 健太郎
no journal, ,
国内の放射線規制へ国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告を取り入れた場合、被ばく線量評価に係る規制基準値も改正される。そこで、規制基準値の改正における論点の整理等を目的として、2007年勧告に準拠する被ばく線量評価データ等の調査を進めた。線量限度を定める実効線量等の定義に関して、2007年勧告は1990年勧告の内容をほぼ踏襲している。一方、2007年勧告に準拠する外部被ばく線量評価に用いる実効線量への換算係数は、現行の法令等よりも放射線種やエネルギーを拡張して整備された。また、職業被ばくに伴う内部被ばく線量評価に必要な新しい実効線量係数が与えられているが、ここで考慮されている放射性同位元素の種類は最新の知見に基づいて見直された。これらのデータは被ばく線量評価に係る規制基準値の改正で参照されるが、放射線施設等における被ばく状況を鑑みた採否の検討が必要不可欠となるであろう。また、2007年勧告に置き換わる次期主勧告の策定へ向けて、組織反応の防止に係る諸量の見直し等が示唆されており、放射線規制への将来的な取入れを想定した検討や対応を進めることは有益になると考えられる。
真辺 健太郎; 高橋 史明
no journal, ,
原子力機構では、内部被ばくに対する放射線安全基準に国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告を取り入れるための技術的基盤として内部被ばく線量評価コードを開発するとともに、2007年勧告に基づく簡易的な事前評価及び事後評価、並びに教育目的でのニーズに応えるため、コードの簡易版としてウェブアプリの開発を進めてきた。ウェブアプリは、ユーザがウェブブラウザ上で指定した摂取条件に応じてサーバ上のデータベースから対応する情報を抽出し、ブラウザ上に表示させたりデータファイルをダウンロードさせたりするものである。今年度は、令和3年度に検討した仕様に基づき、ウェブアプリのプロトタイプを開発した。本発表では、開発したプロトタイプの機能及び入出力項目を説明するとともに、今後の計画を報告する。
遠藤 章
no journal, ,
本発表では、国際放射線防護委員会(ICRP)第2専門委員会の最近の活動について報告する。2016年の主な活動として、2月の第2専門委員会シンポジウム(東京)、9月の第2専門委員会会議(オックスフォード)が挙げられる。第2専門委員会シンポジウム「ICRP Symposium on Radiological Protection Dosimetry」では、ICRPが現在取り組んでいる線量係数改訂のための一連の活動を紹介するとともに、今後必要な研究について議論した。第2専門委員会会議では、出版が予定されているICRP刊行物「「線量計算用ファントムの開発」、「作業者・公衆に対する内部被ばく線量係数」、「実効線量の使用に関するガイダンス」、「環境放射性核種に対する線量換算係数」の作成状況と今後の予定、国際放射線単位・測定委員会(ICRU)と協力して進める線量測定の実用量に関する検討を行った。
真辺 健太郎
no journal, ,
原子力機構では、内部被ばくに対する防護基準値に国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告を取り入れるための技術的基盤となる内部被ばく線量評価コードIDCCの開発を進めている。現在、職業被ばくに関する内部被ばく評価を実行するための体内動態モデルや放射線吸収割合データがすべて組み込まれた状況である。保健物理・環境科学部会の企画セッションにおける本発表では、IDCCの開発経緯、現状、今後の計画等を報告するとともに、作業者による内部被ばく評価の課題として放射線事故時等の遡及的線量評価における標準モデルが求められていることを問題提起し、議論を行う。