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論文

Development of a phoswich detector for low-energy gamma rays emitted from alpha emitters

森下 祐樹; 山田 勉*; 中曽根 孝政*; 菅野 麻里奈*; 佐々木 美雪; 眞田 幸尚; 鳥居 建男*

Radiation Measurements, 188, p.107502_1 - 107502_7, 2025/11

福島第一原子力発電所の廃止措置では、アルファ核種を含む配管の汚染検査は重要である。アルファ粒子の外部からの測定は非現実的であるため、検出はアルファ核種によって放出されるガンマ線を測定する方法がとられている。そのため、低エネルギーガンマ線を検出するためのフォスウィッチ検出器を開発し、実験的に検証した。検出器はエネルギー付与特性を考慮して設計され、YAP:CeまたはHR-GAGGシンチレータとBGOシンチレータの組み合わせで構成され、信号増幅には光電子増倍管を使用した。異なるガンマ線エネルギーを入射したとき、1層目と2層目のシンチレータ内のエネルギー付与の違いを示すことができた。この違いを識別し、低エネルギーガンマ線と高エネルギーガンマ線を効果的に識別することができた。

論文

Weathering promotes the sorption of radiocesium in mafic minerals of river sediments in the Fukushima Prefecture, Japan

萩原 大樹; 渡辺 勇輔; 小西 博巳*; 舟木 泰智; 藤原 健壮; 飯島 和毅

Applied Geochemistry, 190, p.106490_1 - 106490_10, 2025/10

Radiocesium ($$^{134}$$Cs and $$^{137}$$Cs) was sorbed on minerals and transported to river systems due to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident. Recently, the authors have reported that mafic minerals sorb $$^{137}$$Cs equally or more strongly than micaceous minerals in fine sands. We characterized mafic minerals and elucidated their weathering using electron microscopy to determine whether they can sorb $$^{137}$$Cs. The surface of hornblende particles is weathered and altered to vermiculite. The surface of micas is less weathered than that of hornblende, indicating the $$^{137}$$Cs activity concentrations of highly weathered mafic minerals are higher than those of micas in part of sampling site. The results indicate that the effects of $$^{137}$$Cs sorption for hornblende depend on the weathering product at the surface.

報告書

福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2025-015, 73 Pages, 2025/09

JAEA-Review-2025-015.pdf:5.9MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一原子力発電所の廃止措置における放射性エアロゾル制御及び除染に関する研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、英国研究者との協力の下、高度な粒子検出及び特性評価システムとエアロゾルの分散制御を同時に組み込んだ安全なレーザー除染システムの開発を目指している。エアロゾル分散制御については、単純な機械的封じ込めフードから光学レーザーシールドに至るまでの新しい封じ込め方法を共同で調査する。日本側は、レーザー切断及び除染用途での放射線リスクを低減するため、ウォーターミストとウォータースプレーの利用に基づく放射性分散制御方法を開発する。英国側から提供されたエアロゾル粒子のデータに基づき、エアロゾルスクラビングの効率を高める可能性を調査する。また、エアロゾル粒子とウォーターミスト粒子の間の引力向上させるための電荷付与の効果を確認する。英国側は、エアロゾルのレーザー閉じ込め法を開発しており、スプレースクラビングにおいてエアロゾル粒子とミストの凝縮を改善するための実験を行う。エアロゾル除去技術と戦略の開発は、包括的な実験と計算研究によって実行される。実験はUTARTS(東京大学エアロゾル除去試験施設)で行われ、レーザー除染や切断とスプレー操作の同時作業等を検証する。また、CFDモデルのより適切な検証を実行できる高空間分解能データを取得するためエアロゾル測定を実施する。検証済みのCFDモデルは、効果的で安全な除染及び廃炉計画を作成するために、様々なレーザー操作シナリオで確認する。最終年度においては、実スケールでの作業及び除染効果を検証するため、モックアップ試験を実施し、本研究により構築した除染システムを評価検証する。

報告書

燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データベースの高度化(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 福井大学*

JAEA-Review 2025-007, 120 Pages, 2025/09

JAEA-Review-2025-007.pdf:8.13MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ周辺物質の分析結果に基づく模擬デブリの合成による実機デブリ形成メカニズムの解明と事故進展解析結果の検証によるデブリ特性データベースの高度化」の令和3年度から令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、酸化物デブリの形成条件の推定研究として、ガス浮遊法や微小な穴を持つタングステンパイプから溶融・噴出させる方法によりウランを含有する模擬燃料粒子を合成し、その生成条件と性状をまとめた。また、JAEAによりサンプリングデータに基づき作成された凝固パス図を再現し、鉄の挙動が熱力学予測と少し異なる結果などを得た。金属デブリの混合・溶融・凝固状態の評価では、溶融させた金属デブリのステンレスへの落下試験や溶融ステンレスの模擬金属デブリへの落下試験を行いその生成物を分析した。その結果ステンレス鋼温度が1000$$^{circ}$$C程度の場合は溶融金属のZr濃度に関わらず薄い反応相を形成してステンレス鋼損傷が抑制されることがわかり、またB$$_{4}$$C及びジルカロイのステンレス鋼融体への溶出速度を定量化した。さらに、ステンレス鋼とZrの混合物の各種圧力容器部材や溶接部材との反応速度データを拡充し、大型試験体系での解析可能な簡素化反応速度式を提案した。また、圧力容器下部の材質を参照した大型試験体の実験と反応速度式より、溶融金属と圧力容器構造材との反応による圧力容器下部破損挙動や溶融物流出挙動を評価した。さらに、圧力容器下部におけるデブリ再溶融過程でのウラン化合物とステンレス鋼等の金属物質の反応試験データを拡充し、金属デブリ層へのウラン移行挙動を評価した。また、試験技術の整備として、二酸化ウランとZrと金属との半溶融模擬デブリの合成と分析、CCIM炉とガス浮遊炉を用いた少量のウランの模擬燃料デブリ合成試験の検討を行った。

報告書

令和6年度研究開発・評価報告書 評価課題「東京電力福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発」のうち「環境動態研究に関する成果」(事後評価)

福島廃炉安全工学研究所*

JAEA-Evaluation 2025-001, 23 Pages, 2025/09

JAEA-Evaluation-2025-001.pdf:0.72MB
JAEA-Evaluation-2025-001-appendix(CD-ROM).zip:185.38MB

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」という)は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成28年12月21日内閣総理大臣決定)及びこの大綱的指針を受けて作成された「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成29年4月1日文部科学大臣決定)並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」(平成17年10月1日制定、令和2年4月22日改正)等に基づき、令和7年1月10日に「東京電力福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発」のうち「環境動態研究に関する成果」に関する事後評価を福島研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、福島研究開発・評価委員会は、委員会において定められた評価方法に従い、原子力機構から提出された第4期中長期計画期間(令和4年4月$$sim$$令和11年3月)における研究開発計画について評価を実施した。本報告書は、福島研究開発・評価委員会より提出された事後評価の内容を取りまとめたものである。

報告書

福島総合環境情報サイトによる環境動態研究の成果発信の取り組み

長尾 郁弥; 大木 法子*; 沢田 憲良*; 蔀 雅章*; 丸山 廉太*; 上川 努*; 伊藤 聡美; 新里 忠史; 操上 広志

JAEA-Data/Code 2025-008, 60 Pages, 2025/09

JAEA-Data-Code-2025-008.pdf:3.0MB
JAEA-Data-Code-2025-008-appendix(CD-ROM).zip:351.97MB

平成23(2011)年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴って発生した津波により東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出された。そのため、日本原子力研究開発機構(以下、機構)は環境中の放射性物質の動態研究を開始し、機構のWebサイト「根拠情報Q&Aサイト(以下、QAサイト)」上で成果発信を行った。また、機構の環境動態研究に加え、種々の機関が取得・公開した環境中の放射性物質や空間線量率のモニタリングデータを収集・整形して集約したデータベースサイト「放射性物質モニタリングデータの情報公開サイト」を開設した。その後、研究により得られた知見と、実際のモニタリングデータを一体のものとして公開するため、ポータルサイト「福島総合環境情報サイト」(FaCE!S;フェイシス)として取りまとめて運用した。福島国際研究教育機構(F-REI)の発足に伴い、機構の環境動態研究は終了し、F-REIへ移管されることとなった。そのため、環境動態研究の情報公開サイトであるQAサイトも令和7(2025)年度以降F-REIへ移管されることとなった。本報告書は、令和6(2024)年度時点までのFaCE!Sに関する取り組みをまとめるとともに、令和6(2024)年度時点のQAサイトをアーカイブとして保存するものである。

論文

Detection of beta-emitting radioactive hotspots inside the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 3 reactor building using an optical fiber radiation sensor based on wavelength-resolving analysis

寺阪 祐太; 佐藤 優樹; 一場 雄太*

Radiation Measurements, 187, p.107486_1 - 107486_8, 2025/09

We measured the distribution of beta-ray emitters inside the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 3 reactor building using a novel optical fiber-based position-sensitive radiation sensor designed for operation in high dose rate environments. Plastic scintillation fibers (PSFs) were installed inside the Unit 3 reactor building, where scintillation light generated through interactions between radiation and the PSFs was detected by a spectrometer to obtain the wavelength spectrum. By applying an unfolding method to the wavelength spectrum, we estimated the distribution of beta ray emitters along the PSFs. To isolate the beta ray contribution in a high gamma dose rate field, we compared measurements taken with and without a stainless steel tube serving as a beta ray shield. As a result, we identified a hotspot predominantly influenced by beta rays for the first time in the high dose rate area on the southern side of the first floor of the Unit 3 reactor building.

報告書

連携計測による線源探査ロボットシステムの開発研究(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2025-011, 74 Pages, 2025/08

JAEA-Review-2025-011.pdf:5.31MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「連携計測による線源探査ロボットシステムの開発研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、ガンマ線の飛来方向を検出可能な検出器を開発し、これを搭載した複数のロボットの連携により、単一センサーでは得られない広視野・迅速・安価な放射線源探査を実現するロボットシステム(Cooperative Operation Robot system for RAdiation Source Exploration: CORRASE、コラッセ)を開発することを目的とする。令和5年度は、これまでの研究で得られた成果を結集させて線源探査に関する実証試験を中心に研究を実施した。ガンマ線の飛来方向を検出可能な指向性検出器として、8個のBGOシンチレータと遮蔽体を用いた多面体型指向性検出器を製作した。この検出器とIMU(Inertial Measurement Unit)、LiDAR(Light Detection And Ranging)を多脚ロボットに搭載したシステムを3組構築し、連携計測による線源探査実験を行った。7.8$$times$$5.3m$$^{2}$$の部屋に障害物及び模擬放射能汚染源として10MBqの$$^{137}$$Cs密封線源を配置して線源探査実験のための未知環境とした。本システムを用いて環境地図の作成、探索計画の立案、放射線カウントのヒートマップ作成、計算された最適観測配置からの線源イメージングを行った。得られた環境地図と線源イメージを融合させて表示することに成功し、3台のロボットシステムの連携により模擬放射能汚染源の位置の特定に成功した。以上の成果から、本研究では広視野・迅速・安価な放射線源探査を実現するロボットシステムの開発に成功し、当初の目標は達成されたと結論できる。

報告書

非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*

JAEA-Review 2025-010, 62 Pages, 2025/08

JAEA-Review-2025-010.pdf:3.63MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「非接触測定法を用いた燃料デブリ臨界解析技術の高度化」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、非接触のアクティブ中性子法により燃料デブリの臨界安全上の特性を評価する測定システムの開発と、燃料デブリ取り出し作業員の安全確保方策の確立に資する基盤技術として多領域積分型動特性解析コードの開発により燃料デブリ臨界解析技術を高度化することを目的としており、東京科学大学、東京都市大学、産業技術総合研究所、長岡技術科学大学が連携して実施した。燃料デブリの臨界特性システムの開発・性能評価では、ポリエチレン減速材と$$^{3}$$He比例計数管から構築される2層構造の検出器を開発し、検出器の動作検証及び性能試験を実施した。開発した検出器を用いて得られる測定データから燃料デブリに含まれる核分裂核種量、水素含有量、臨界安全上の特性を導出するための手法を検討・評価し、検出限界、精度、適応可能なデブリ形状を評価した。燃料デブリ弱結合炉体系臨界影響評価手法の高度化では、本研究を通じて、遅発中性子による核分裂の効果を考慮することができ、燃料デブリの動きにも対応可能なMIK2.0-MVPコードの基本機能を開発した。MIK2.0-MVPコードは、C$$_{rm ij}$$($$tau$$)関数のタリー計算を並列化すれば、スパコンを活用することによって、燃料デブリ多粒子体系を含む弱結合炉体系のような複雑な体系であっても、粒子法との弱連成計算の範囲内で、動特性計算が実行可能となる見通しを得た。

報告書

福島第一原子力発電所における生体遮へいの放射能濃度の推定に関する研究(委託研究)

廃炉環境国際共同研究センター 分析研究グループ; NAIS*

JAEA-Research 2025-004, 102 Pages, 2025/08

JAEA-Research-2025-004.pdf:3.33MB

東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所にて発生する放射性廃棄物の管理を計画する上で、廃棄物中の放射能量の推算が不可欠である。核燃料の損傷に伴う汚染とともに原子炉運転中の放射化による寄与を考慮するが、後者に関して生体遮へいコンクリートは物量が多く重要な対象である。生体遮へいに含まれる放射化生成物の放射能濃度を求めるに当たって、福島第一原子力発電所では現地調査や分析試料の採取が困難であるので、放射能濃度を計算解析により求めることとなる。ここで、実際の構成材料の条件を考慮した検討のためには、微量に含まれる成分の放射化や水による中性子束への影響を考慮する必要があり、計算解析に係わる不確実性の評価が重要となる。本研究では、生体遮へいコンクリートが含む微量な成分及び水分量を調査するとともに、福島第一原子力発電所の2号機原子炉建屋を対象とした3次元の計算モデルを構築し、放射能濃度を推定した。この推定結果に含まれる不確実性を評価するために、不確実性に寄与する因子を抽出し、それらの因子が計算結果に及ぼす不確実性、すなわち、計算モデルの多様性及び計算モデルに用いるパラメータの変動幅が計算結果に及ぼす影響を検討した。その結果に基づいて、不確実性に寄与する支配的な要因を抽出するとともに、コンクリートを廃棄物として取り扱う方策を検討した。

論文

Characteristics of droplet evaporation on high-temperature porous surfaces for estimating cooling time of fuel debris

結城 光平*; 堀口 直樹; 吉田 啓之; 結城 和久*

Mechanical Engineering Journal (Internet), 12(4), p.24-00451_1 - 24-00451_8, 2025/08

福島第一原子力発電所の燃料デブリは通常、浸漬状態で冷却される。しかし、予期せぬ水位低下が発生した場合、冷却水が多孔質構造を持つ高温の燃料デブリに接触する。このような場合、燃料デブリを早急に冷やす必要があるが、固液接触時の毛細管現象といった熱挙動は十分に理解されていない。本論文では、1mm以下の小孔を有する金属多孔体に接触した液滴の蒸発特性を評価した基礎研究について述べる。孔径1, 40, 100$$mu$$mのブロンズまたはステンレス多孔体を用いた実験を行い、液滴のライフタイム曲線を推定した。結果として、発生した蒸気が小孔から排出されることで、多孔質体表面ではライデンフロスト現象が抑制されることがわかった。さらに、ブロンズ多孔質体では多孔質体の温度が上昇すると微細構造を持つ酸化膜が毛細管現象を促進した。一方、ステンレス多孔体では濡れ性が低いことで毛細管現象が抑制され、孔内への液滴の吸収および分散が抑制される。したがって、燃料デブリには毛細管力が作用しないと仮定して冷却システムを構築すべきである。

論文

Complete genome sequences of ${it Micrococcus luteus}$ isolated from the radioactive element-containing water in Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 2

土津田 雄馬; 谷口 愛樹*; 後藤 恭宏*; 林 哲也*; 黒川 顕*; 藁科 友朗*; 金井 昭夫*; 北垣 徹

Microbiology Resource Announcements (Internet), p.e00769-25_1 - e00769-25_3, 2025/08

福島第一原子力発電所2号機内滞留水から分離された黄色のコロニーを形成する4つの細菌株を${it Micrococcus luteus}$と同定した。本研究では、ショートリードおよびロングリードのシーケンシング技術を組み合わせてアセンブルした、これらの菌株の全ゲノム配列を報告する。

報告書

中赤外レーザー分光によるトリチウム水連続モニタリング手法の開発(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 自然科学研究機構*

JAEA-Review 2025-009, 48 Pages, 2025/07

JAEA-Review-2025-009.pdf:2.19MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「中赤外レーザー分光によるトリチウム水連続モニタリング手法の開発」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、中赤外レーザーを用いたキャビティリングダウン計測システムによる「濃度60Bq/ccレベル」トリチウム水短時間計測の原理実証を行った。令和5年度は、(1)キャビティリングダウン装置に関する研究及び(2)環境条件下における水素同位体組成評価と標準試料作製(再委託先: 弘前大学)を行った。(1)については、核融合科学研究所の計測実験棟2F実験室に光学ベンチを用意し、各水素同位体濃度のレーザー吸収分光を行うことで、測定感度の評価と計測指針の作成を行った。さらに、令和4年度までに実証した、量子カスケードレーザーの光増幅を発展させ、狭線幅の量子カスケードレーザー増幅と波長可変試験を行った。その結果、波長4.3$$mu$$mの量子カスケードレーザーを鉄イオン添加媒質を用いたレーザー増幅器で光増幅を行い、最大出力390mWを挟線幅30MHz以下で得た。試験結果に基づき、更なる高性能化と他分野への展開についてまとめを行った。(2)においては、標準試料の作製として市販の重水試薬をBG水(トリチウムフリー水)で希釈し、約100Bq/Lの標準試料を作製した。屋内外の同位体比計測については、トリチウム測定用高時間分解能大気水蒸気捕集装置を用いて、パッシブ法(月間)でトリチウムの測定を行い、日々の水素同位体比($$delta$$D)測定を行って、弘前市の大気水蒸気について$$delta$$Dとトリチウム濃度の関係を評価した。以上より、中赤外レーザーを用いたトリチウム水短時間計測の原理実証を行った。

報告書

建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2025-004, 186 Pages, 2025/07

JAEA-Review-2025-004.pdf:11.9MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「建屋応答モニタリングと損傷イメージング技術を活用したハイブリッド型の原子炉建屋長期健全性評価法の開発研究」の令和3年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、高放射線量率と高汚染のため、現場への接近性が極端に限られるような事故を経験した原子炉建屋の長期構造健全性の見通しを得るために必要な評価手法を開発しようとするものである。3ヵ年計画の最終年度目である令和5年度は、令和4年度までの成果を踏まえ、本研究の最終的な成果をまとめることを目的として、(1)地震等の外乱応答モニタリングによる建屋の振動性状・応答評価法の開発、(2)電磁波を用いたコンクリート構造物の損傷検知技術の開発、(3)損傷検知情報に基づくコンクリート材料・構造物の性能評価法の開発、(4)総合的な建屋安全性評価手法の開発と長期保全計画の提案、(5)研究推進の研究項目について試験、解析や活動を行い、3ヵ年計画の所期の目標を達成した。

報告書

化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 福島大学*

JAEA-Review 2025-002, 108 Pages, 2025/07

JAEA-Review-2025-002.pdf:5.25MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和元年度に採択された研究課題のうち、「化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成」の令和元年度から令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、新しい化学分析法の構築によるインフォマティックスとの融合技術の実現を目指し、少ない情報量で全体像を推定するシステムの開発を実施することを目的とする。JAEA研究者とのタイアップ方式による研究を実施することで、博士前期課程$$sim$$ポスドクまでの研究者の地域実践型の深化する横断的な人材育成を行うとともに、国際感覚豊かな人材の育成を目指し、実施した。

論文

Integrated thermal power measurement in the modified STACY for the performance inspections

荒木 祥平; 會澤 栄寿; 村上 貴彦; 新垣 優; 多田 裕太; 神川 豊; 長谷川 健太; 吉川 智輝; 住谷 正人; 関 真和; et al.

Annals of Nuclear Energy, 217, p.111323_1 - 111323_8, 2025/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

原子力機構では、臨界集合体STACYを均質溶液体系から非均質軽水減速体系へと更新した。STACY更新炉においても最大熱出力は200Wと定められており、熱出力校正は運転を行う上で重要である。熱出力測定においては、溶液系STACYで用いていたFPの分析による熱出力の評価が適応できなかったため、放射化法をベースとする実験データと数値計算を組み合わせて出力を評価する手法をSTACY更新炉の体系に適応し、測定を実施した。測定データを基に出力校正を実施した結果、校正後の指示値は放射化法による測定結果と3%以内で一致した。

論文

Evaluation of $$^{60}$$Co inventory in the core of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant; Contribution of fuel deposits to the reactor core inventory

内田 俊介*; 木野 千晶*; 唐澤 英年; 高畠 容子; 駒 義和

Journal of Nuclear Science and Technology, 17 Pages, 2025/07

福島第一原子力発電所にて発生している放射性廃棄物の放射能インベントリ評価において、放射性核種の事故時及び事故後の挙動評価は重要である。原子炉炉心のインベントリはORIGEN2解析により得られるが、放射化生成物のインベントリは親核種の量に依存する。放射化生成物の親核種は構造材などに含まれる不純物であり、これを含めた燃料付着物についてORIGEN2は考慮していない。放射化生成物のうち、Co-60は放射性廃棄物の放射能インベントリ評価を行う際に一部の放射性核種において基準核種となる可能性があるため、その初期インベントリを正確に求める必要がある。そこで本検討では、The microlayer-evaporation and drying-out model (MEDO model)を用いてCoとNiの燃料表面への析出量を求め、析出物が放射化したときのCo-60やNi-63の存在量とORIGEN2解析結果とを比較することで、原子炉炉心のインベントリへの燃料付着物の寄与を求めた。また、比較結果をもとに、原子炉炉心インベントリの推定手法に関する提案を行った。

論文

Assessment of suspended sediment and $$^{137}$$Cs sources during the flood event in the Fukushima river using $$^{13}$$C and $$^{14}$$C

中西 貴宏; 鶴田 忠彦; 舟木 泰智

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 7 Pages, 2025/07

本研究では、放射性炭素同位体比$$Delta$$$$^{14}$$Cを指標として、福島第一原子力発電所事故後に河川に流出した懸濁態$$^{137}$$Csの発生源を特定した。出水時と平水時に懸濁物質を採取し、$$^{137}$$Cs濃度、$$Delta$$$$^{14}$$C、安定炭素同位体比を測定した。その結果、出水ピーク時に森林表層土壌流出の寄与が増加することが示された。さらに、流域における$$^{137}$$Csの沈着分布は、出水時の懸濁態$$^{137}$$Cs濃度の時間的変化に反映された。この手法は、放射性セシウム、炭素それぞれの動態を理解するために有用である。

論文

アルカリ活性材料を用いた除染装置スラッジ模擬物の固化処理

松澤 一輝*; 山本 武志*; 谷口 拓海; 大杉 武史

コンクリート工学論文集, 36, p.37 - 47, 2025/07

福島第一原子力発電所の汚染水処理で発生する除染装置スラッジをアルカリ活性材料(AAM)で固化処理可能か検討するために、模擬物として硫酸バリウム(BS)とヘキサシアニドコバルト鉄酸カリウム(FCN)をAAMで固化し、物性が基準を満たす「適切な配合」を探索した。先ず、H$$_{2}$$O/母材比とSi/Al比とNa/Si比をパラメータとして固化体を作製した。メタカオリンと高炉スラグの混合物を母材としてBSを固化した系で適切な配合が見つかり、混練溶液の最適濃度(適切な液相組成)を2種類抽出した。次に、混練溶液を「適切な液相組成」に固定し、BS量と水量またはBS+FCN量と水量をパラメータとして適切な配合の範囲を明らかにした。BS系よりもBS+FCN系は固化可能な模擬物量が多かった。

論文

Non-condensable gas accumulation and distribution due to condensation in the CIGMA Facility; Implications for Fukushima Daiichi Unit 3 (1F3)

Hamdani, A.; 相馬 秀; 安部 諭; 柴本 泰照

Progress in Nuclear Energy, 185, p.105771_1 - 105771_13, 2025/07

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This study, motivated by previous TEPSYS analysis, examined how different temperatures on the 4th and 5th floors of the Fukushima Daiichi Unit 3 reactor building (R/B) influenced non-condensable gas distribution during the 2011 severe accident. Understanding this is vital for assessing risks related to gas accumulation, especially since the hydrogen explosion may have involved multiple stages. An experimental study was conducted using the CIGMA facility, designed to mimic the R/B structure, where steam and helium (as a substitute for hydrogen) were injected for 10,000 seconds to simulate leakage. Two cooling conditions were tested: 50$$^{circ}$$C (Case 1) and 90$$^{circ}$$C (Case 2). Results showed that the highest concentration of non-condensable gases was often found downstream rather than near the injection point. In Case 1, after 10,000 seconds, helium concentration reached 65% in the middle region (4th floor) and 45% in the top region (5th floor). Analysis indicated that the gas mixture in the middle region posed a potential detonation risk. This study offers crucial insights for enhancing safety measures and risk mitigation strategies in nuclear reactor designs.

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