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岡田 美智雄*; 盛谷 浩右; 福山 哲也*; 水谷 啓慶*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 笠井 俊夫*
Surface Science, 600(18), p.4228 - 4232, 2006/09
被引用回数:20 パーセンタイル:64.69(Chemistry, Physical)CuAu(100)表面での超熱酸素分子ビームの解離吸着を放射光光電子分光で調べた。Cu
Au表面での酸素吸着曲線をCuのそれと比較すると酸素分子の解離吸着がより活性障壁を持つ、すなわち、低反応性であることがわかった。低エネルギー電子線回折像(LEED)は清浄表面でC(2
2)であるが、超熱酸素分子ビームによる酸化によって1
1パターンに変化した。これは酸素の吸着で表面にCuが析出したためと解釈されている。
佐々木 政義*; 森本 泰臣*; 木村 宏美*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛; 奥野 健二*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.899 - 903, 2004/08
核融合炉用ミリ波帯高周波加熱システムのトーラス窓(高周波窓)の窓材として、CVDダイアモンドは標準となっている。トーラス窓は、トリチウム障壁としての役割も担うことから、トリチウムやヘリウム,放射性ダスト環境下にあり、したがって、ダイアモンドの化学構造に対する水素同位体等の影響を解明することは重要である。本研究では、窓と同一グレードのCVDダイアモンド試料(=10.0mm, t=0.21mm)を、アルゴンイオンビームスパッタリング(E
=1keV)による酸素等の不純物除去の後に、重水素及びヘリウムイオンを照射した。照射エネルギーはそれぞれ0.25keV, 0.45keVである。照射サンプルをX線光電子分光(XPS)測定によって調べたところ、C1ピークが低エネルギー側にシフトしていることが観測された。この結果は、ダイアモンドがC-D結合によりアモルファス化したことを示唆している。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*; 頓田 英樹*; 本間 禎一*
表面科学, 24(8), p.500 - 508, 2003/08
Ti(0001)表面の酸素分子による初期酸化過程の温度依存性を低エネルギー電子回折(LEED)とリアルタイム光電子分光で解析した。LEEDから酸化膜がエピタキシャル成長することが明らかとなった。酸素の光電子分光から酸素の拡散が温度によって促進され、400Cで7nmにもなることが明らかになった。Tiの光電子分光から表面近傍ではTiO
が主であるが界面ではTiOやTi
O
も存在することが明らかになった。
寺岡 有殿; 盛谷 浩右; 吉越 章隆
Applied Surface Science, 216(1-4), p.8 - 14, 2003/06
被引用回数:6 パーセンタイル:35.74(Chemistry, Physical)SPring-8のビームラインBL23SUに設置された表面反応分析装置を用いて、O/Si(001)表面反応系における表面酸化とSiO脱離が900Kから1000Kの表面温度範囲で共存することが見いだされた。SiOはおおむね1000K以上の温度で著しく大きな脱離収率を示す。脱離収率はO
分子の運動エネルギーが大きいほど大きい。ところが、1000K以下では逆の傾向を示した。すなわち、運動エネルギーが小さいほどSiO脱離収率は大きい。Si(001)表面の酸素の吸着曲線をO-1s光電子強度で測定した結果、SiO脱離収率の結果と整合した。これらの事実から900Kから1000Kの表面温度範囲ではSi(001)表面の酸化とSiOの脱離が共存することが明らかとなった。
吉越 章隆; 盛谷 浩右; 寺岡 有殿
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 42(6B), p.3976 - 3982, 2003/06
被引用回数:6 パーセンタイル:28.29(Physics, Applied)Si(001)表面の熱酸化過程は、MOSFETのゲート絶縁膜形成において重要な反応系であり、ULSIの微細化により、酸化膜厚を数nmまで制御することが、ますます重要になっている。Oガス圧を1
10
Pa,表面温度を870Kから1120Kと変えたときの酸化反応を放射光Si2p及びO1s光電子分光法を用いて調べた。酸素吸着量の時間発展とその際のSi酸化状態の関係が明らかとなった。酸素吸着量の時間変化は、表面温度によりLangmuirタイプと自己触媒反応モデルという反応速度論に基づいた吸着特性で説明ができることがわかった。一方、Si2p光電子スペクトルから、この2つの酸化モデルにおけるSiの酸化状態の時間発展において、反応初期にSi
の構造が観測されないことが明らかとなった。固定したエネルギーで光電子強度を測定したこれまでの研究では明らかにできなかった情報を、今回、リアルタイム光電子分光測定により初めて明らかにすることができた。
吉越 章隆; 盛谷 浩右; 寺岡 有殿
真空, 46(5), p.424 - 428, 2003/05
Si(001)表面の酸素分子(110
Pa)による初期熱酸化過程(表面温度: 870K
1120K)を明らかにするために、放射光Si-2p及びO-1sリアルタイム光電子分光観察を行った。吸着酸素量の時間変化を反応速度論に基づいて解析し、酸素吸着量に対応したSi酸化状態をSi-2p光電子スペクトルの時間発展から明らかにした。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*; 頓田 英樹*; 本間 禎一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 200, p.376 - 381, 2003/01
被引用回数:10 パーセンタイル:56.76(Instruments & Instrumentation)Tiは耐食性,耐熱性に優れた性質から今日広く使われている。Ti表面は活性であるため酸化による不動態化が必要であるが、Ti酸化膜の形成過程についてはよく理解されていない。本研究では極薄膜のTi酸化膜の形成過程における化学結合状態を調べることを目的としてTi(0001)表面の初期酸化過程を放射光を用いた時間分解光電子分光でその場観察した。実験には原研ビームラインBL23SUの表面反応分析装置を用いた。Ti-2p,O-1sの光電子スペクトルをそれぞれ40eV,10eVの広い範囲にわたって短時間で計測して時間発展を観察することに成功した。酸化の初期においては最表面Tiの酸化に伴い内殻準位のエネルギーがシフトしたTiの成分が減少し、酸化の進行に伴って再び最表面にTi層が出現するとともに酸化が再び進行することがわかった。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Applied Surface Science, 190(1-4), p.75 - 79, 2002/05
被引用回数:12 パーセンタイル:53.37(Chemistry, Physical)Si表面の酸化を原子レベルで精密に制御することは、MOSFETのゲート酸化膜の製作にとって重要である。本研究では超音速分子線と放射光光電子分光を用いてO分子の並進運動エネルギーがSi(001)表面の初期酸化に与える影響を研究している。これまでに第一原理分子動力学計算で予測されていたO
分子がSi(001)面上で解離吸着するときのエネルギー障壁を実験的に初めて検証した。1.0eVと2.6eVを境にしてSiの化学結合状態がO
分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが高分解能光電子分光で確かめられた。さらにO-1sの光電子ピークが2つの成分から構成され、その成分強度比がO
分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが新たに見いだされた。この事実はO原子の電子状態がその吸着サイトによって異なることを意味している。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
真空, 45(3), p.204 - 207, 2002/03
超音速分子線技術を用いることにより酸素分子の並進エネルギーを制御した状態で、Si(001)-12表面の酸化状態(サブ・オキサイド)の時間変化を高分解能放射光を用いた光電子分光法によって初めてリアルタイムに観察した。実験は、SPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置(SUREAC2000)で行った。並進エネルギーの表面垂直成分が2.9eVの酸素分子線を室温でSi(001)-2
1表面に照射した時の分子線照射量によるSi-2p光電子スペクトルの変化を調べた。約40秒と極めて短時間で高分解能Si-2p光電子スペクトルが測定でき、各酸化状態に対応するサテライト・ピークが明瞭に観測された。分子線照射量が増加するにつれて各酸化状態が変化し、そのピーク位置は変化しないことが明らかとなった。光電子スペクトルから求めた酸化膜厚と各酸化状態の分子線照射に伴う変化から以下のことが明らかとなった。(1)分子線照射の初期段階(34.4L)においては、Si
,Si
及びSi
の急激な増加が観測されるものの、Si
は観測されない。そのときの酸化膜厚は、0.30nmであった。(2)Si
が徐々に増加し、最終的に0.57nmに相当する酸化膜厚まで緩やかに増加した。並進エネルギーを2.9eVとすることにより通常の酸素ガスの吸着と異なり、室温において0.57nmの酸化膜を形成できることがわかった。Si
の増加に対応して膜厚の緩やかな増加が観測された。(3)Si
が増加するにつれて、Si
,Si
及びSi
が減少するが、特にSi
が急激に減少した。この結果、Si
が主にSi
が変化したものと考えられる。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Atomic Collision Research in Japan, No.28, p.97 - 99, 2002/00
入射分子の並進運動エネルギーは表面反応の誘起にとって重要な因子である。われわれは超音速シード分子線技術と高エネルギー分解能光電子分光法をシリコンの初期酸化反応の解析に適用した。われわれは水吸着Si(001)表面では飽和吸着酸素量が酸素分子の並進運動エネルギーに依存して変化することを既に見出している。二つのポテンシャルエネルギー障壁が第一原理計算結果に対応して確認されている。清浄Si(001)表面で如何なる依存性を示すのかを確認する必要がある。そこで清浄Si(001)表面上での酸素分子の解離吸着の並進運動エネルギー依存性がSi-2pとO-1sに対する光電子分光を用いて調べられ、入射エネルギーがどのように極薄酸化膜の形成に影響を与えるかが明らかにされた。
Zhao, L.-B.*; 白井 稔三
Physical Review A, 64(5), p.052704_1 - 052704_6, 2001/11
高励起状態の共鳴エネルギー領域にある二電子再結合を取り扱うために、Bell and Seaton [J. Phys. B 18, 1589 (1985)]の連続-束縛遷移理論と緊密結合R-行列法を組み合わせた計算法を開発した。この方法に加えて、我々が開発した低励起状態の共鳴エネルギー領域にある二電子再結合を取り扱う方法[Phys. Rev. A 022706 (2000)]を準安定状態 及び
にあるO
イオンの測定スペクトルを解析するために応用した。また比較のために、摂動論的方法も適用した。これらの計算法はすべて測定スペクトルを良く再現するが、
6-8eVにある二重ピーク構造のみが再現できなかった。この結果は、理論計算はもとより実験についても、さらに高精度の研究を実施する必要があることを示している。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
表面科学, 22(8), p.530 - 536, 2001/08
Si(001)面のパッシブ酸化に与えるO分子の並進運動エネルギーの影響を光電子分光法を用いて研究した。加熱ノズルを使用した超音波シードビーム法を用いて、O
分子の並進運動エネルギーを最大3eVまで制御した。第一原理計算の結果に対応するふたつの並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)が見いだされた。代表的な並進運動エネルギーで測定されたSi-2p光電子スペクトルはO
分子の直接的な解離吸着がダイマーとサブサーフェイスのバックボンドで起こることを示唆している。さらに、O原子の化学結合の違いもO-1s光電子スペクトル上で低結合エネルギー成分と高結合エネルギー成分として見いだされた。特に低結合エネルギー成分が並進運動エネルギーの増加とともに増加することが確認された。これもバックボンドの並進運動エネルギー誘起酸化を示唆している。
佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 76, p.411 - 416, 1995/00
被引用回数:10 パーセンタイル:51.07(Spectroscopy)MoS、Li
SO
、Na
S
O
のS1s
3p
、及びSi(CH
)
Cl、SiCl
(いずれも固相)のCl1s
3p
の共鳴励起に伴うスペクテータ・オージェ崩壊を調べた。1s正孔の崩壊分岐率については、KL
L
、KL
L
スペクテータ・オージェ遷移が全体の97%以上を占めることがわかった。また、これらのオージェピークは、誘電体においてピーク分裂を起こすとともに、励起光エネルギー(h
)に正比例して4.5-10eV高エネルギー側へシフトした。実験結果はオージェ共鳴ラマン散乱と解釈され、誘電体では非占軌道が連続帯に深く浸入していることを示唆する。
佐々木 貞吉; 馬場 祐治; 吉井 賢資; 山本 博之
Journal of Physics; Condensed Matter, 7, p.4385 - 4394, 1995/00
被引用回数:4 パーセンタイル:31.82(Physics, Condensed Matter)MoSのS 1s
3p
、SiCl
のCl 1s
3p
の共鳴吸収において、LVV(2p
3p
3p
)オージェピークが強度変動するとともに、新しいサテライトピークが出現することを見出した。スペクトルのh
依存性を調べた結果、K殻(1s)やL殻(2s、2p)などに2個の正孔が存在する状態を始状態とするオージェカスケードのシグナルであることがわかった。サテライトピークの強度計算を試みたところ、実測値は計算値の1/3であった。未知の内殻緩和機構の存在することが示唆された。
相良 明男*; 鎌田 耕治*; 佐々木 貞吉; 馬場 祐治
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 44, p.373 - 376, 1990/00
被引用回数:4 パーセンタイル:54.02(Instruments & Instrumentation)Al-Li(3.46%)合金箔について325~435Cにおけるリチウムの蒸発速度(真空中)をNRA(核反応分析)法により求めた。NRAには
Li(P,
)
He反応を利用し、SSDにより放出
粒子量を決定した。NRAのエネルギースペクトルからリチウム存在量のディプスプロファイルを求めたところ、表面0.2
m以内に著しいリチウム偏析が認められた。にもかかわらず、リチウム蒸発速度は元素状リチウム試料の場合に比し10
倍に低下した。なお、蒸発のさいの活性化エネルギーは1.3eVで、リチウム含有量より多いAl-Li合金及び元素状リチウムの場合とほぼ等しくなることがわかった。
武田 常夫
JAERI-M 7392, 184 Pages, 1977/11
CODAC-No.5プログラムは、核分裂生成物などを含む複雑な生成壊変Chain中の各核種存在量(生成量)を算出するためのプログラムである。既報のCODAC-No.4プログラムでは得られなかった様々の図表出力18種が準備されている。特に、各種の実験目的に応じた最適照射条件(照射時間と冷却時間の組合せ)の選定を行うときに便利な図表を出力することができる。例えば、ある核種の生成量がある指定された核種合計の生成量に対して占める割合が、どのような照射時間と冷却時間の組合せのときに最大となるかといった事柄である。これらの出力項目中には、いわゆる生成量マップ・各種の式(例えば、ある核種の生成量を照射時間と冷却時間の関数としてあらわした式)なども含まれている。このプログラムには、任意の複雑なChainを入力することができる。そして、入力法は簡便かつ容易なものである。プログラムの全文・入力手続・入出力例も合せて示した。
武田 常夫
JAERI-M 7230, 96 Pages, 1977/08
CODAC-No.4コードは、複雑な生成壊変chain中の各核種の生成量(存在量)を与えられた照射履歴にそって算出するためのコードである。任意の複雑なchainを、そして任意の照射履歴を、極めて簡便な入力formatで入力することができる。入力データ例・その出力例・コードのリスト全文および入力手続きのほか、入力データ作成例については、一般的な核データ作成はもちろんであるが、FP-transportやFP-releaseなど取扱および入力データ作成についても具体的な例を用いて述べた。このコードは、既報のCODAC-No.1コードにいくつかの改良を加え作成したコードであり、一段と使い易くなったと考えている。これらの改良点についても述べた。
藤村 卓; 田村 直幸
J.Phys.Chem., 79(17), p.1859 - 1863, 1975/00
ポリエチレン(PE)を60Cで延伸し分子鎖を十分に揃えてから、77°Kで電子線を照射する事により、ラジカル対による分離の良い
Ms=1のESRスペクトルを得ることに、高分子で初めて成功した。スペクトルの得られたラジカル対の構造を決めるために、一軸延伸試料についてMs=1スペクトルにおける微細分離の理論的な角度依存曲線を算出した。この理論曲線と実測値とを比較した結果、二つの主鎖型アルキルラジカルがPEの二分子間に生じた分子間ラジカル対よりは、一分子内に生じた分子内ラジカル対の方が実験事実とより良く一致することが分った。二つのラジカルを結ぶ方向は分子鎖に平行であり、その距離は531
である。この分子内ラジカル対は二重結合生成の先駆体であると考えられる。スペクトルが実測された分子内ラジカル対以外にも、PEには他の型のラジカル対の存在することを示す、いくつかの事実が見い出された。