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論文

ICRU Report 95で提案された外部被ばくモニタリングの実用量について

遠藤 章

ESI-News, 43(2), p.37 - 41, 2025/04

国際放射線単位・測定委員会(ICRU)は、2020年に外部被ばくに係るモニタリング量(実用量)を改定するICRU Report 95を発表した。本稿では、ICRU、国際放射線防護委員会(ICRP)、日本の専門家等による議論の発展を概観し、ICRUが実用量を見直すに至った背景と経緯、さらには今後の対応や課題を解説する。これにより、新たな実用量に対する線量測定に携わる実務者の理解を深め、将来の円滑な導入に寄与する。

論文

Development of a compact detector for measurement of alpha contamination in piping

森下 祐樹; Peschet, L.; 山田 勉*; 中曽根 孝政*; 菅野 麻里奈*; 佐々木 美雪; 眞田 幸尚; 鳥居 建男*

Radiation Measurements, 183, p.107414_1 - 107414_6, 2025/04

 被引用回数:0

原子力施設の廃止措置では、作業員がアルファ線を放出する核種に被ばくするのを防ぐために、配管の汚染を検査することが重要である。ガンマ線と中性子を使用する従来の方法では検出下限値が高いため、少量のアルファ核種の検出には不十分であった。この問題を解決するために、配管内で直接$$alpha$$核種を測定するためのコンパクトな検出器を開発した。この検出器は、アルファ粒子用のZnS(Ag)シンチレータとベータ粒子(ガンマ線)用のプラスチックシンチレータで構成され、小型の光電子増倍管に接続された。このシステムは、パルス形状弁別(PSD)によってアルファ線とベータ線を区別する高い精度を実証した。モンテカルロシミュレーションと実験測定により検出器の有効性が確認され、ベータ線とガンマ線に対する感度は無視できるほど小さく、かつ、アルファ粒子に対する検出効率は51.3%であった。この検出器は、福島第一原子力発電所の廃炉作業現場など、ベータ線とガンマ線のバックグラウンドが高い環境におけるアルファ線汚染の直接測定に効果的である。

報告書

試験研究用原子炉から発生する解体廃棄物に対するSCALE6.2.4付属のORIGENを用いた放射能評価手法の検討

富岡 大; 河内山 真美; 小曽根 健嗣; 仲田 久和; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2024-023, 38 Pages, 2025/03

JAEA-Technology-2024-023.pdf:1.54MB

日本原子力研究開発機構は、我が国の研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の浅地中埋設事業の実施主体である。これらの放射性廃棄物の放射能濃度に関する情報は、埋設事業の許可申請及びその適合性審査に向けた廃棄物埋設施設の設計や安全評価に不可欠である。このため、埋設事業センターでは、埋設対象廃棄物のうち試験研究用原子炉から発生する解体廃棄物について、放射化計算に基づく解体廃棄物の放射能評価手順の改良を進めている。今回、多群中性子スペクトルを用いてより精度の高い放射化計算が可能なORIGENコード(SCALE6.2.4に付属)の適用性を検討するため、これまで使用実績が多いORIGEN-Sコード(SCALE6.0に付属)との比較検証を行った。この検証では、炉心周辺の原子炉構造材の放射能分析データを取りまとめている立教大学研究炉の解体廃棄物を対象として両コードにより放射化計算を行った。その結果、ORIGENコードとORIGEN-Sコードの計算時間の差異はほとんどないこと、放射能濃度の評価値として前者は後者の0.8$$sim$$1.0倍の範囲となり、放射化学分析による放射能濃度と概ね0.5$$sim$$3.0倍の範囲でよく一致した結果から、ORIGENコードの適用性を確認した。さらに、原子炉構造材に含まれる微量元素の放射化を想定してORIGENコード及びORIGEN-Sコードによる放射化計算を行い、比較を行った。また、浅地中処分における被ばく線量評価上重要な170核種のうち大きな差が見られたものに対してその原因を核種毎に調べた。

報告書

令和5年度東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の分布データの集約(受託研究)

福島マップ事業対応部門横断グループ

JAEA-Technology 2024-017, 208 Pages, 2025/03

JAEA-Technology-2024-017.pdf:27.32MB

東京電力(株)福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による放射性物質の分布状況を平成23年6月より調査してきた。本報告書は、令和5年度の調査において得られた結果をまとめたものである。空間線量率については、走行サーベイ、平坦地上でのサーベイメータによる定点サーベイ、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともにその経時変化を分析した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。さらに、これまで蓄積した測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。モニタリングの重要度を相対的に評価するスコアマップを作成するとともに、スコアの年次変化について分析した。海水中のトリチウム濃度の評価結果を原子力規制庁へ報告する体制を構築・運用し、ALPS処理水の海洋への放出前後のトリチウム濃度の変動について解析評価した。令和5年度までに総合モニタリング計画に基づき実施された海域モニタリングの測定結果を集約するとともに、過去からの変動などに関して解析評価を行った。階層ベイズ統計手法を用いて、令和5年度調査での走行サーベイや歩行サーベイ等の調査により取得した空間線量率分布データを統合し、空間線量率統合マップを作成した。避難指示解除区域への帰還後に想定される複数の代表的な生活行動パターンを設定し、積算の被ばく線量を算出するとともに当該地方自治体・住民に向けた説明資料を作成した。これらの他、令和5年度測定結果のWebサイトでの公開、総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析測定データのCSV化を実施した。

報告書

原子力科学研究所等の放射線管理(2023年度)

原子力科学研究所 放射線管理部; 青森研究開発センター 保安管理課

JAEA-Review 2024-056, 113 Pages, 2025/03

JAEA-Review-2024-056.pdf:3.1MB

本報告書は、日本原子力研究開発機構の原子力科学研究部門原子力科学研究所、播磨放射光RIラボラトリー及び核燃料・バックエンド研究開発部門青森研究開発センターにおける放射線管理に関係する2023年度の活動をまとめたものである。これらの研究開発拠点で実施した放射線管理業務として、環境モニタリング、原子力施設及び放射線業務従事者の放射線管理、個人線量管理、放射線管理用機器の維持管理等について記載するとともに、放射線管理に関連する技術開発及び研究の概要を記載した。これらの研究開発拠点において、施設の運転・利用に伴って、保安規定等に定められた線量限度を超えて被ばくした放射線業務従事者はいなかった。また、各施設から放出された気体及び液体廃棄物の量とその濃度は保安規定等に定められた放出の基準値及び放出管理目標値を下回っており、これらに起因する周辺監視区域外における実効線量も保安規定等に定められた線量限度以下であった。放射線管理の実務及び放射線計測技術に関する技術開発・研究活動を継続実施した。

報告書

各事故シナリオにおける原子力サイトごとの被ばく線量と屋内退避時の被ばく低減係数の評価(受託研究)

廣内 淳; 渡邊 正敏*; 林 奈穂; 長久保 梓; 高原 省五

JAEA-Research 2024-015, 114 Pages, 2025/03

JAEA-Research-2024-015.pdf:10.03MB

原子力事故によって汚染された地域では、事故後の初期及び長期にわたって、居住環境での滞在を通じて放射線を被ばくする。同じ事故シナリオであっても、原子力サイトごとに気象条件や周辺環境が違うため被ばく線量が異なり、防護措置の一つである屋内退避をした場合の被ばく低減効果も異なる。事故初期において屋内退避をした場合に想定される被ばく線量、または想定される被ばく低減効果などの情報は、住民や原子力防災計画を策定する国・自治体にとって重要な情報となる。そこで本報告書では、日本における原子力施設を有するサイトで、過去のシビアアクシデント研究で示された3つのシナリオ、原子力規制委員会で定められている放出シナリオ、東京電力福島第一原子力発電所事故を想定したシナリオの5つの事故シナリオに対して、確率論的事故影響評価コードの一つであるOSCAARを用いて被ばく線量及び屋内退避による被ばく低減効果を評価した。被ばく低減効果はサイト間で約20%の違いが見られ、これは風速のサイト間の違いによることを示した。

論文

Comparison of radiation-related cancer risk against baseline cancer rates in 33 countries using disability-adjusted life years (DALYs), lifetime incidence risk and lifetime mortality risks

廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; Schneider, T.*; 甲斐 倫明*

Journal of Radiological Protection, 45(1), p.011508_1 - 011508_14, 2025/03

 被引用回数:0

異なる要因によるリスクを比較できるリスク指標は、国民の理解を深める上で有用である。国際放射線防護委員会(ICRP)は、低線量における放射線被ばくによる健康影響を定量化するために"デトリメント"という概念を開発した。しかし、デトリメントは放射線分野に特有のものであり、他のリスクと単純に比較することはできない。そこで本研究では、公衆衛生分野等で利用されるリスク指標(障害調整生存年数(DALY)、生涯罹患リスク、生涯死亡リスク)に着目し、放射線被ばくによるそれらのリスク指標を33カ国間で計算した。全固形がんの生涯死亡・罹患リスクとDALYは、国によって男性で1.5-2.0倍、女性で1.2-1.5倍の差が見られ、これらの値は発展途上国ほど低いことが示された。さらに、各部位のリスク指標値の大小関係はデトリメントと同様の傾向を示し、これらのリスク指標値はデトリメントの代替指標として利用できる可能性を示した。

論文

Effects of different accident scenarios and sites on the reduction factor used for expressing sheltering effectiveness

廣内 淳; 渡邊 正敏*; 林 奈穂; 長久保 梓; 高原 省五

Journal of Radiological Protection, 45(1), p.011506_1 - 011506_11, 2025/03

 被引用回数:0

原子力発電所事故によって汚染された地域に住む公衆は、初期から長期にわたって被ばくする。同じような事故シナリオであっても、放射線量や防護措置の一つである屋内退避の効果は、気象条件や周辺環境に左右される。原子力発電所事故の初期における放射線量と屋内退避の効果は、公衆だけでなく、原子力防災対策を計画する国や地方自治体にとっても重要な情報である。本研究では、レベル3PRAコードの一つであるOSCAARコードを用いて、過去のシビアアクシデント研究で利用された3つのシナリオ、原子力規制委員会が定めたシナリオ、福島第一原子力発電所事故に対応するシナリオの計5つの事故シナリオについて、日本国内の原子力施設を有するサイトにおける放射線量と屋内退避の効果を評価した。屋内退避の効果は、同一サイトにおける事故シナリオ間で最大約50%、同一事故シナリオのサイト間で約20%$$sim$$50%の差があった。事故シナリオ間の放射性核種組成の違いと、サイト間の風速の違いが、主にこのような屋内退避の効果の違いを引き起こした。

論文

Remote alpha/beta measurement system with support vector machine algorithm

森下 祐樹; 宮村 浩子; 佐藤 優樹; 松原 潤*; Sumali, B.*; 満倉 靖恵*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, p.170368_1 - 170368_16, 2025/03

原子炉施設の廃止措置には、アルファ線放出核種(Pu、Am、Cmなど)やベータ線放出核種($$^{137}$$Cs、$$^{90}$$Sr-$$^{90}$$Yなど)を含むさまざまな放射性核種が存在するため、作業員に重大な内部被ばくリスクをもたらすという課題がある。従来の測定法では、複数の測定器が必要であり、特に高ガンマ線環境では時間がかかる。これらの問題に対処するため、我々は、アルファ粒子とベータ粒子の同時検出を可能にする、シリコン光電子増倍管とスチルベンシンチレータ検出器を統合した遠隔アルファ・ベータ識別測定システムを開発した。本研究では、さらに機械学習技術、特にサポートベクターマシン(SVM)を組み込んで自動識別を行い、ユーザー定義の閾値の必要性をなくし、一貫した操作条件を確保した。このシステムは既知の放射線源でテストされ、アルファ粒子とベータ粒子に対して96%以上の分類精度を示した。また、移動中の測定でも効果的に汚染源が特定され、リアルタイム分析が可能であることが確認された。この革新的なアプローチは、放射線の安全性と原子力廃止措置作業の効率性を高め、人の立ち入りが制限されている環境では特に有益である。

論文

Development of plutonium fuel facility decommissioning technology to accelerate glovebox dismantling and reduce air-fed suits based operations

吉田 将冬; 井口 啓; 平野 宏志*; 北村 哲浩

Nuclear Engineering and Design, 431, p.113691_1 - 113691_16, 2025/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

プルトニウム燃料第二開発室は現在廃止措置段階にあり、2010年からグローブボックスの解体作業が行われている。従来のグローブボックス解体作業では、放射性核種を封じ込めるためグローブボックスをビニル製のテントで囲い、その中でエアラインスーツを着用した作業者が火花の生じる切断工具を用いて手作業で解体している。この従来の解体工法は長年使用されている実績があり、適宜改良・改善され体系化されている。しかし、作業員の負担が大きく、実作業時間を短くしなければならないこと、作業場が放射性物質で汚染されているため、万が一事故が発生した際の放射性物質吸引による内部被ばくのリスクが高いことなどいくつもの欠点が存在する。このような従来法の欠点を解消するため、現在小型油圧切断機及び遠隔操作技術を用いた新たなグローブボックス解体工法の開発を進めている。具体的には、遠隔解体装置を導入することでエアラインスーツ作業を減らし、解体作業の安全性を高めることそして、すべての機器を再利用することで廃棄物の発生を抑えることを目的としている。さらに、これらの目的の達成のためテント内で解体された資材をグローブ作業で処理するためのグローブ作業エリアを設計・検討試験を行っている。

論文

A Key element of internal dosimetry for members of the public

遠藤 章

Annals of the ICRP, 52(4), p.5 - 7, 2024/12

国際放射線防護委員会(ICRP)は、Publication 155において、新生児、1歳、5歳、10歳、15歳の標準男性及び女性の比吸収割合(SAF)データを開発した。SAFは、内部被ばくにおいて、放射性核種が分布する組織及び臓器から放出された放射線のエネルギーのうち、標的となる組織及び臓器の質量あたりに吸収される割合を表し、内部被ばく線量を計算するために不可欠なデータである。このPublication 155で提供されるデータを、すでにPublication 133として公表されている標準成人男性及び女性のSAFデータと組み合わせることにより、環境における公衆の放射性核種の摂取に対して、年齢に応じた線量係数を計算するためのSAFデータセットが完成した。これにより、改良された生物動態モデル及び放射性核種壊変データとともに、新しい線量係数を計算するための重要な構成要素が整った。その成果は、「一般公衆による放射性核種の摂取に対する線量係数」の一連のICRP Publicationとして間もなく提供される予定である。

論文

Assessment of individual external exposure doses based on environmental radiation in areas affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station accident

佐藤 里奈; 吉村 和也; 眞田 幸尚; 三上 智; 山田 勉*; 中曽根 孝政*; 金井塚 清一*; 佐藤 哲朗*; 森 翼*; 高木 毬衣*

Environment International, 194, p.109148_1 - 109148_8, 2024/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

周辺線量当量による個人の外部被ばく線量評価は、個人線量計が適用できない、予測的及び遡及的な評価に用いられる。しかし、様々なパラメータを用いるため個人線量測定による評価よりも誤差を含む傾向がある。そこで本研究では、周辺線量当量から個人の外部被ばく線量を精度良く評価するため、生活パターンと、建物や乗り物による遮蔽効果を考慮して実効線量を評価するモデルを作成した。モデルパラメータは、2020から2021年に福島第一原子力発電所の被災地域で測定した屋内外の環境放射線のロバストなデータセットを基に評価した。モデルの精度は、2020年に福島県内で測定した106人日の個人線量と比較し評価した。モデルによる推定実効線量は、実測個人線量をよく表し、モデルが個人線量計と同様に個人の被ばく線量推計に活用できることが示された。さらに、このモデルは、環境放射線データを用いることで、個人の被ばく線量を予測的及び遡及的に精度良く評価でき、放射線防護に有用なツールである。

論文

Integrated radiation air dose rate maps over the 80 km radius of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant and the entire Fukushima Prefecture during 2011-2022

佐久間 一幸; 操上 広志; Wainwright, Haruko*; 谷森 奏一郎*; 長尾 郁弥; 越智 康太郎; 眞田 幸尚; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 280, p.107554_1 - 107554_11, 2024/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

本研究では航空機サーベイ、走行サーベイ、歩行サーベイ、定点サーベイといった複数タイプの測定結果を用いて、2011年から2022年を対象に福島地区の空間線量率統合マップを作成した。福島内の避難指示解除区域を考慮しつつ、Wainwright et al. (2017, 2019)で開発されたベイズ地球統計学手法を福島第一原子力発電所から80km圏内及び福島県全域へ適用した。統合マップは森林域の空間線量率の過小評価を修正し、既往の研究に比べ、より広範かつ複数年を対象に再現性の高いマップを作成することができた。本研究の結果は一般公衆への詳細な被ばく評価に使われることが期待される。

論文

ガンマ線照射した歯エナメル質の電子スピン共鳴スペクトルの多成分解析法の改良

山下 琢磨*; 岩見 聡音*; 光安 優典*; 小野 健太*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.

KEK Proceedings 2024-6, p.85 - 90, 2024/12

東京電力・福島第一原子力発電所事故による生物への放射線影響を明らかにするためには、各個体の正確な被ばく線量推定が重要であり、我々は被ばくによって歯中に生成される炭酸ラジカルを測定することで線量推定を行っている。ESR測定で得たスペクトルから炭酸ラジカル由来の成分だけを抽出するため、乱数最適化を用いた多成分解析プログラムを整備した。

論文

宇宙居住に向けた宇宙放射線被ばく防災対策

佐藤 達彦

建築防災, (562), p.16 - 19, 2024/11

巨大な太陽フレアが発生すると、太陽風のみならず高いエネルギーを持つ陽子などの宇宙放射線が発生し、宇宙飛行士や航空機乗務員の被ばくを引き起こす。本稿では、この宇宙放射線被ばく問題に関して、その基礎知識や将来的な防災対策について解説する。

論文

ラドン温泉療法の適応症とそのメカニズムに関する最近の研究動向

片岡 隆浩*; 迫田 晃弘; 神崎 訓枝; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

日本温泉気候物理医学会雑誌, 16 Pages, 2024/11

三朝(鳥取県)の温泉療法は、バドガスタイン(オーストリア)やモンタナ(アメリカ)の坑道療法とともにラドン療法(特にラドン高濃度熱気浴療法)として世界的に有名である。ラドン療法の適応症には、活性酸素種に起因する呼吸器・疼痛・消化器・慢性変性・老年性などに関わる様々な疾患が含まれるが、その多くは経験的処方に基づいている。このため、筆者らはラドンと子孫核種に関連した被ばくの主要経路の特定や体内挙動の実験的・数理的な検討を行い、吸入などにより生じる生体反応と組織・臓器吸収線量との関係をより定量的に評価し、適応症に関わるメカニズムの解明と新たな探索の基礎研究を進めてきた。その結果、メカニズムとしては、ラドン吸入により生じる少量の酸化ストレスに伴う一連の適度な生理刺激作用に関して解明されつつある。すなわち、抗酸化・免疫調節・損傷修復機能の亢進、抗炎症・ホルモン分泌・循環代謝の促進、アポトーシス・熱ショックタンパク質の誘導などである。また、新たな適応症として、炎症性・神経障害性疼痛、炎症性浮腫、胃粘膜損傷、潰瘍性大腸炎、高尿酸血症、1型糖尿病、肝・腎障害、一過性脳虚血発作、うつ病などの可能性が示唆される。さらに、ラドン吸入と抗酸化剤や治療剤との併用による疾患の抑制効果に関して、いずれもその効果を高めることが示唆される。副作用の強い薬剤に対して減薬効果が期待できるため、通常の治療に対するラドン療法の併用効果の更なる臨床的検証が求められる。

論文

Attempt to re-estimate organ doses of victims in non-homogeneous exposure accident by means of the state-of-the-art Mesh-type Reference Computational Phantom; A Case study of an IR-192 source accident

古渡 意彦*; 吉富 寛; 谷 幸太郎*; 谷村 嘉彦; 栗原 治*

Radiation Protection Dosimetry, 200(16-18), p.1574 - 1579, 2024/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

This study attempted the reconstruction of organ doses of victims who are highly exposed to gamma rays in non-homogeneous exposure accident by a sealed $$^{192}$$Ir source in Gilan, Iran. According to the accident report by International Atomic Energy Agency (IAEA), a victim was highly exposed on his right chest and the dose estimation by means of biodosimtry and clinical observation were carried out. However, dose reconstruction by means of physical dosimetry was not completely made. In this study, a series of Monte Carlo (MC) calculations employing the PHITS 3.24 incorporated with the Adult male Mesh-type Reference Computational Phantom was performed to estimate organ doses with reference to an actual radiation accident involved in the $$^{192}$$Ir sealed source, and to investigate issues on reconstruction of organ doses of victims who are highly exposed to radiation under non-homogeneous exposure accident. Calculated organ doses for the lungs, the red born marrow, and the small intestine by MC calculation were compared with experimental values taken from the literature and were within 23% in terms of mGy h$$^{-1}$$ /Ci for the Gilan case. The averaged whole body dose was estimated to be 0.31 Gy, which are less than one-tenth than that estimated by biodosimetry (3.1-4.1 Gy). In the IAEA Gilan report, the average whole body dose was assumed to be 2 Gy for rough estimation of physical dose, having a large discrepancy with those estimated by the MC calculation.

論文

Construction of new polygon mesh-type phantoms based on adult Japanese voxel phantoms

佐藤 薫; 古田 琢哉; 佐藤 大樹; 津田 修一

PLOS ONE (Internet), 19(10), p.e0309753_1 - e0309753_26, 2024/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)

これまでに、放射線事故や医療被ばくの線量評価を目的とした数値ファントムとして、標準日本人体型の成人男性(JM-103)及び成人女性(JF-103)のボクセルファントムを開発した。しかし、JM-103及びJF-103は記述形式や解像度の制約により、被ばく時の姿勢を考慮した線量評価に対応できない課題があった。そこで本研究では、JM-103及びJF-103をベースとして、柔軟な変形が可能なポリゴンメッシュ形式の成人日本人ファントム(男性:JPM、女性:JPF)を開発した。JPM及びJPFには、1mm厚以下の微小な放射性感受性領域を有する皮膚及び水晶体の詳細モデルが組み込まれている。光子または電子を外部から前方照射する場合について、実効線量、皮膚及び水晶体(全領域及び放射性感受性領域)の線量を計算した結果、皮膚及び水晶体の全領域の計算結果について、JPM及びJPFはJM-103及びJF-103及びICRP等の文献値と矛盾しないことを確認した。さらに、これまで計算できなかった放射線感受性の高い微小な部位における線量を計算するとともに、その入射エネルギー依存性評価が可能となった。今後、構築したJPM及びJPFに現在開発中の姿勢変形技術を適用することによって、被ばく時の姿勢を考慮した、個人に対する詳細な線量評価手法を開発する予定である。

論文

Study on public exposure risk assessment for dismantling of radioactive components in decommissioning phase of nuclear reactor facilities

島田 太郎; 椛田 和彦*; 高井 静霞; 武田 聖司

Proceedings of Probabilistic Safety Assessment and Management & Asian Symposium on Risk Assessment and Management (PSAM17 & ASRAM2024) (Internet), 10 Pages, 2024/10

原子力発電所の廃止措置段階における原子力規制検査は、リスク情報に基づいて実施される必要があるが、このリスクを定量的に評価する手法は開発されていない。そこで本研究では、廃止措置段階で発生する可能性のある事故事象のイベントツリーを作成し、解体対象機器ごとに事故シーケンスに応じた被ばく線量と発生確率の積で表される被ばくリスクを評価するコードDecAssess-Rを開発した。特に、事故時にHEPAフィルターに蓄積し、一気に放出される可能性のある移動放射能量は、解体作業の進捗に伴い時間的・空間的に変化することを考慮した。イベントツリーは、廃止措置段階及び類似の解体・交換作業における国内外のトラブル情報の調査結果をもとに構築した。事象頻度は一般産業界の情報に基づいており、事象進展確率は運転段階における機器故障確率に基づいている。また、廃止措置の進捗に伴い低減する安全機能については、解体作業のスケジュールに基づき考慮した。我が国におけるBWR及びPWRの解体作業の被ばくリスク評価の結果、火災事象の被ばくリスクが最も大きかった。特に、原子炉建屋内機器の気中切断による解体作業では、水中解体作業で最も放射能が大きい炉内構造物の解体作業よりも被ばくリスクが大きかった。

報告書

福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合理的な処分概念の構築・安全評価(委託研究); 令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*

JAEA-Review 2024-012, 122 Pages, 2024/09

JAEA-Review-2024-012.pdf:6.31MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島原子力発電所事故由来の難固定核種の新規ハイブリッド固化への挑戦と合理的な処分概念の構築・安全評価」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F事故で発生した多様な廃棄物を対象とし、固定化が難しく長期被ばく線量を支配するヨウ素(I)、$$alpha$$核種のマイナーアクチノイド(MA)に注目し、これらのセラミクス1次固化体を、更に特性評価モデルに実績を有するSUSやジルカロイといったマトリクス材料中に熱間等方圧加圧法(HIP)等で固定化した"ハイブリッド固化体"とすることを提案する。核種閉じ込めの多重化、長期評価モデルの信頼性の向上により実効性・実用性のある廃棄体とし、処分概念を具体化する。潜在的有害度及び核種移行の観点から処分後の被ばく線量評価を行い、安全かつ合理的な廃棄体化法、処分方法の構築を目的としている。2年目の令和4年度は、1F模擬廃棄物の合成実験、各種放射線照射実験、浸出試験、ハイブリッド固化体の構造解析、固化元素の電子状態変化の放射光分析を行った。種々の計算でI固化体の固溶エネルギー、マトリクスと1次固化体との相互作用を解明した。実験と計算検討により、ヨウ素廃棄物にはマトリクスとしてSUSが適すると結論付けた。ハイブリッド固化体からの核種移行、被ばく線量に対する人工バリア、天然バリア機能の感度解析により、廃棄体寿命を長くすることが長半減期かつ難固定性のI-129には効果的であることが明らかとなった。以上により、廃棄物合成から廃棄物処分時の安全評価までの結節が達成された。

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