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芝野 幸也; 阿部 勝男; 政 和男*; 細金 達哉; 茅野 雅志; 角 美香; 藤原 英城*; 山口 和哉*; 本木 知佳*
第41回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2020/11
LSDスパイクは、同位体希釈質量分析法によるU, Puの計量分析に使用する標準物質である。LSDスパイクはU, Puの混合溶液を調製後、バイアル瓶に分取し、乾固して調製される。LSDスパイクは、乾固直後、バイアル瓶の底に張付いた状態であるが、保管期間の経過に伴いバイアル瓶の底から剥がれるなど徐々に劣化し、分析結果に影響を与える恐れがある。本研究では、日本原燃から委託を受け調製したLSDスパイクを用いて、約2年間静置状態で保管し、LSDスパイクの経時変化を評価した。
太田 雅和; 寺田 宏明; 長谷川 英尚*; 柿内 秀樹*
Science of the Total Environment, 704, p.135319_1 - 135319_15, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:35.95(Environmental Sciences)Iの陸面移行をモデル化し、陸面モデル(SOLVEG-II)に組み込んだ。各
I移行過程の重要度を調べることを目的として、本モデルを2007年の六ケ所再処理工場からの
I大気放出影響下で観測された野外での
I移行に適用した。モデル計算結果から、対象としたササの葉の
I汚染が、主に降雨による
I湿性沈着に起因した
Iの葉面吸着によって引き起こされたことが示された。土壌への
I移行においては、
Iの湿性沈着が主であり、
I
の乾性沈着の10倍の値であった。一方、2007年の土壌への
I沈着量は、モデルが仮定した土壌中
I量の僅か2%であり、土壌中での長期に渡る
I蓄積の重要性が示された。更に、計算結果から、長期に渡る土壌中
Iの消失が、従前から考えられてきたメチル化ではなく経根吸収によって引き起こされる可能性が示された。
中山 卓也; 野村 光生; 美田 豊; 米川 仁*; 分枝 美沙子*; 矢板 由美*; 村田 栄一*; 保坂 克美*; 杉杖 典岳
Proceedings of 2019 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2019) (Internet), 8 Pages, 2019/05
金属廃棄物は、放射性廃棄物量最小化の観点から、クリアランスして資源化することが重要である。適用可能な除染技術の中で、金属廃棄物のように、形状・材質が多様であるものに対しては、湿式除染が有効な手法と考えられる。一方、一般的には、湿式除染は、廃液処理から生ずる二次廃棄物量が多くなる傾向がある。本件では、六フッ化ウランで汚染した鋼材をクリアランスするための目標レベル(0.04Bq/cm)以下まで除染し、かつ二次廃棄物発生量を最小化することを目標とする。本試験では、除染液の液性に着目し、酸性電解水,塩酸,硫酸,オゾン水を試験した。その結果、酸性電解水は六フッ化ウランで汚染した鋼材の除染液として有効であることがわかった。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 狩野 茂; 姫野 晴行*; 小林 大志*; 中谷 三喜雄*
JAEA-Research 2018-013, 18 Pages, 2019/03
模擬廃液を利用したガラス固化体モックアップ試験のうち、高レベル模擬廃液供給20バッチ分の流下ガラス試料中の元素の化学状態および局所構造を、放射光XAFS分析によって調べた。セリウム元素の分析の結果、バッチが進むにつれて、緩やかに酸化が進む傾向が確認された。マンガン, 鉄, 亜鉛については、バッチ間の違いはほとんど認められず、ガラスの骨格構造に入り込んで安定化しているものとみられた。EXAFS解析の結果では、白金族元素を除き、明らかに結晶性と思われる元素は無かった。イメージング分析の結果、ジルコニウムやモリブデンでは、目立った析出はほとんど観察されなかった。白金族元素では、筋状の析出が認められたが、いずれも小さなものであった。
山根 祐一; 天野 祐希; 田代 信介; 阿部 仁; 内山 軍蔵; 吉田 一雄; 石川 淳
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(6), p.783 - 789, 2016/06
被引用回数:3 パーセンタイル:57.46(Nuclear Science & Technology)高レベル放射性廃液(HALW)から放出される放射性物質の放出挙動について、沸騰事故条件での実験研究を行った。実験室規模の再処理で得られたHALWを用いた実験で、Ru, Tc, Cs, Sr, Nd, Mo, RhなどのFP核種と
Cm及び
Amなどのアクチニドの放出割合を測定した。結果として、Ruの放出割合は0.20、FP核種やアクチニドの放出割合は1
であった。Ruは気相中にミスト及びガスとして放出された。Ruの放出量の、試料溶液中のRuの初期濃度に対する依存性は弱かった。FP核種とアクチニドは非揮発性で、気相中にミストとして放出された。その放出量は、試料溶液中の初期濃度が大きいほど多かった。Ruの放出割合とNOx濃度は試料溶液の温度の上昇に合わせて増加した。RuとNOxの多くは200から300
Cの間の、互いにほぼ同じ温度において放出された。ミストその他の粒子状物質の粒径分布を測定したところ、150
C以下と200
C以上で、互いに異なった分布が得られた。
衣旗 広志*; 山本 昌彦; 田口 茂郎; 駿河谷 直樹; 佐藤 宗一; 小玉 貴司*; 玉内 義一*; 柴田 勇木*; 安齋 喜代志*; 松岡 伸吾*
Nuclear Technology, 192(2), p.155 - 159, 2015/11
被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)東海再処理施設より採取した高放射性廃液を30mL使用して試験を実施した結果、掃気停止状態において、気相部の水素濃度は、水素の爆発下限界である4%よりも低い濃度で平衡状態となっていることが分かった。また、平衡値について、模擬廃液実験から得られたパラメータを用いて計算される予測値と比較した。その結果、平衡値と予測値は同程度のオーダーであり、パラジウムイオンによる水素消費反応が実廃液にも起きていることを確認した。
山本 昌彦; 駿河谷 直樹; 森 英人; 田口 茂郎; 佐藤 宗一
JAEA-Research 2015-013, 27 Pages, 2015/10
再処理施設の高レベル放射性廃液及び高レベル放射性廃液を希釈した試料から発生する水素濃度を、換気及び掃気を考慮しない密閉系において測定した。水素濃度は、試験開始から徐々に増加するが、その後、時間の経過に伴い、試料中に含まれるPdによる水素消費に係る反応により、一定値を示し、平衡状態へ到達することが分かった。また、23C, 28
Cの温度条件で実施した試験の結果、水素濃度は最も高い場合でも約1200ppm(0.1%)であり、水素の燃焼下限界である4%よりも一桁以上低い濃度で平衡になっていることが明らかとなり、高レベル放射性廃液貯槽において、水素掃気用の空気供給が停止した場合でも水素爆発が起こる可能性は極めて低いことが分かった。また、試料中に含まれる水の放射線分解とPdによる水素消費に係る反応を考慮したモデルを構築し、水素濃度の経時変化及び平衡時の水素濃度の評価を試みた。その結果、モデルにより求めた水素濃度の計算値は、実験値と概ね良い一致を示し、本モデルを用いて、密閉系において高レベル放射性廃液から発生する水素の挙動を定量的に評価できることが分かった。
内山 軍蔵; 田代 信介; 天野 祐希; 阿部 仁; 山根 祐一; 吉田 一雄; 石川 淳
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1056 - 1063, 2015/09
再処理施設高レベル廃液の沸騰事故時における放射性物質の放出量評価データ取得に関する実験研究を行っている。本研究では、コールド基礎実験、コールド工学実験及びホット実験を行っている。これまでの実験の結果、高レベル模擬廃液の沸騰事故条件ではRu及びTcは揮発性を有し、ガス状及びミスト状で放出され、その他のFP元素は非揮発性であり、ミスト状で放出されることがわかった。高レベル摸擬廃液からの非揮発性FP元素の放出率は、10程度であった。Amなどのアクチニド元素の放出率は、非揮発性FP元素とほぼ同程度であった。
山岸 功; 小田倉 誠美; 市毛 良明; 黒羽 光彦; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 吉岡 正弘*
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1113 - 1119, 2015/09
六ヶ所再処理工場で発生した不溶解残渣の化学組成を分析した。XRD分析では、Mo-Tc-Ru-Rh-Pdからなる白金族合金、モリブデン酸ジルコニウム等の複合Mo酸化物、ジルコニアの存在を確認した。定量した12元素(Ca, Cr, Fe, Ni, Zr, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Te, U)重量の90%以上は、白金族合金が占めた。シュウ酸溶液で複合Mo酸化物を選択的に洗浄溶解する手法を開発し、白金族合金と複合Mo酸化物の形態で存在するMoの割合を明らかにした。
向 泰宣; 中村 仁宣; 中道 英男; 栗田 勉; 野口 佳彦*; 田村 崇之*; 池亀 功*; 清水 純治*
Proceedings of INMM 56th Annual Meeting (Internet), 9 Pages, 2015/07
六ヶ所再処理工場に設置されているPIMSはグローブボックス内機器のPu量を全中性子測定により定量する装置である。PIMSは同時中性子法を用いていないため、現状のプロセス状態と校正時に決定したPu量へ変換するパラメータが一致していることが非常に重要である。PIMSは、2006年に校正され、以後、計量管理目的でグローブボックス内のPu量の直接測定を実施している。しかしながら、インターキャンペーンの長期間、工程内に新たなMOX粉末が工程内に投入されていないにもかかわらずPIMSの計数値が予期せず継続的に上昇していることがわかった。当該事象の主たる原因を突き止めるため、原子力機構とJNFLは共同で複数の調査を実施した。その調査において、装置のシステムパラメータの設定値、MOX粉末貯蔵時のO/Mや含水率変化に伴う中性子発生挙動、及びグローブボックス内で使用されている軽元素(パッキン等で使用されるテフロン)とMOX粉末との相互作用に着目した試験をPCDFにおいてMOX粉末を用いて実施した。その結果、MOX粉末とテフロンを共存させた試験においてPIMSで確認された継続的な計数値上昇と類似した挙動が確認された。このことから、PIMSの継続的な計数値上昇の主たる原因は、テフロンとMOX粉末の接触で生じる(,
)反応に伴うものであると結論付けた。
天野 祐希; 渡邉 浩二; 田代 信介; 山根 祐一; 石川 淳; 吉田 一雄; 内山 軍蔵; 阿部 仁
日本原子力学会和文論文誌, 14(2), p.86 - 94, 2015/06
再処理施設における高レベル濃縮廃液(HALW)の蒸発乾固事故により放射性物質が放出されるおそれがある。特に、揮発性の高いルテニウム(Ru)はHALW貯槽から外部へ放出される可能性がある。また、放射性物質の放出とともに、HALW中の硝酸塩の熱分解によって窒素酸化物(NOx)も発生する。発生したNOxは揮発性Ruの放出に対する物理的な駆動力として作用するだけでなく、揮発性Ruとの酸化還元反応による揮発性Ruの分解及び生成に影響を与える可能性もある。本研究では、600Cまで模擬廃液を加熱し、NOxの発生に関するデータを取得した。模擬廃液乾固物からのNOxの発生は、200
C以上で顕著となり約600
Cまで継続し、約340
C付近で最大となることが分かった。さらに、各ランタノイド元素の硝酸塩は模擬廃液中の様にそれらが共存する場合にはほぼ同じ温度にて同時に熱分解を生じること、Ruの硝酸塩が熱分解することで生じるRu酸化物はランタノイド元素の硝酸塩の熱分解温度を低温側に遷移させることを示唆する結果を得た。
内山 軍蔵; 田代 信介; 天野 祐希; 阿部 仁; 山根 祐一; 吉田 一雄; 石川 淳
Proceedings of International Waste Management Symposia 2014 (WM 2014) (Internet), 9 Pages, 2014/05
再処理施設高レベル廃液の沸騰事故時における放射性物質の放出量評価データ取得試験研究を行っている。これまでの試験の結果、非放射性模擬廃液を用いたコールド基礎試験では、様々な試験条件における放出挙動データを取得し、Ruは揮発性を有し、ガス状及びミスト状で放出され、その他のFP元素は非揮発性であり、ミスト状で放出されることを示した。コールド工学試験では、FP元素の放出に及ぼす廃液貯槽の空間的な影響データを取得し、気相に放出された非揮発性FP元素の大部分は廃液貯槽内壁に付着することを示した。放射性廃液を用いたホット試験では、放射性物質の放出挙動データを取得し、コールド基礎試験の結果とほぼ同程度の放出割合であるこことを示した。
天野 祐希; 田代 信介; 内山 軍蔵; 阿部 仁; 山根 祐一; 吉田 一雄
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference; Nuclear Energy at a Crossroads (GLOBAL 2013) (CD-ROM), p.1411 - 1417, 2013/09
The release and transport characteristics of radioactive materials at a boiling accident of the high active liquid waste (HALW) in a reprocessing plant have been studied for improving experimental data of source terms of the boiling accident. In the study, a heating test and a thermogravimetry and differential thermal analysis (TG-DTA) test were conducted. In the heating test using a simulated HALW, it was found that ruthenium was mainly released into the air in the form of gas and that non-volatile elements were released into the air in the form of mist. In the TG-DTA test, the rate constants and reaction heat of thermal decomposition of ruthenium nitrosyl nitrate were obtained from TG and DTA curves.
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
電気化学及び工業物理化学, 81(7), p.543 - 546, 2013/07
被引用回数:3 パーセンタイル:90.16(Electrochemistry)高温溶融状態の高レベル模擬ガラス中のルテニウム元素の挙動と化学状態を、放射光X線イメージング技術を使用して分析した。溶融から気泡発生、ルテニウムの凝集と沈殿までを、12ビットCCDカメラで動的に観察した。X線強度は、画像の濃淡を数値化することによって得た。また、ルテニウムの存在は、そのK吸収端直後のエネルギーにおいては、図中にて黒く強調されて観測される。位置分解能を備えたイメージングXAFS分析技術を駆使して、溶融状態のルテニウムの化学状態についても調べた。
石島 暖大; 加藤 千明; 本岡 隆文; 山本 正弘; 加納 洋一*; 蝦名 哲成*
Materials Transactions, 54(6), p.1001 - 1005, 2013/06
被引用回数:4 パーセンタイル:65.99(Materials Science, Multidisciplinary)ジルコニウムは硝酸中において優れた耐食性を有するため核燃料再処理機器材料として使用されている。しかしながら、ジルコニウムは不働態破壊電位下において沸騰硝酸中でSCC感受性を示すことが報告されている。一方、ジルコニウムのSCC発生及び進展挙動は明らかになっていない。本研究では、ジルコニムのSCCにおける発生及び進展挙動を明らかにするため、沸騰硝酸中にて定荷重引張試験を実施した。その結果、不働態破壊電位より貴な電位で生成する酸化皮膜下に発生するき裂が成長して破断することが明らかとなった。これは、酸化皮膜の生成が沸騰硝酸中におけるジルコニウムのSCCを引き起こすことを示している。またこのことは、沸騰硝酸中におけるジルコニウムのSCCはTarnish Ruptureモデルで説明できることを示唆している。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
Proceedings of 4th Asian Conference on Molten Salt Chemistry and Technology & 44th Symposium on Molten Salt Chemistry, Japan, p.47 - 52, 2012/09
模擬ガラスの溶融状態と融体中のルテニウムの挙動を、放射光イメージング分析によって調べた。溶融,気泡の発生と成長、ルテニウムの凝集と沈降を、高感度CCDカメラの12ビットグレースケール連続画像として動的に観察した。ルテニウムの存在は、画像中に黒色で強調される。また、透過X線強度は、画像のグレースケールを数値化することによって得た。さらに、位置分解能を備えたイメージングXAFS測定を行い、高温融体中のルテニウムの化学状態を明らかにする試みを実施した。
岡本 芳浩; 中田 正美; 赤堀 光雄; 塩飽 秀啓; 駒嶺 哲*; 福井 寿樹*; 越智 英治*; 仁谷 浩明*; 野村 昌治*
日本原子力学会和文論文誌, 11(2), p.127 - 132, 2012/06
模擬ガラス中のルテニウム元素の分布とその化学状態を、放射光イメージング測定技術を使い分析した。この方法では、ダイレクトX線CCDカメラを、イオンチェンバーの代わりに使用している。X線CCDカメラによる画像の濃淡を数値化解析することにより、位置分解能を備えたX線吸収スペクトルが取得可能である。本研究では最初に、ルテニウム金属と酸化物が混在したテスト試料の測定を実施した。その結果、ルテニウム元素の分布情報を取得できたうえに、さらにルテニウムリッチの微小領域における化学状態、すなわちそれが金属か酸化物かの評価が可能であることを示すことができた。この手法を模擬ガラス試料へ適用し、ガラス中のルテニウム元素が酸化物の状態でいることを明らかにした。
向 泰宣; 中村 仁宣; 吉元 勝起; 田村 崇之*; 岩本 友則*
核物質管理学会(INMM)日本支部第32回年次大会論文集(インターネット), 9 Pages, 2011/11
先進型溶液監視・測定装置(ASMS)は、貯槽内の硝酸Pu溶液に含まれるPu量を直接NDAにより測定する装置であり、現行の保障措置上の課題を改善し、次世代の保障措置ツールとして確立するために日本原燃と原子力機構が共同で2007年より開発を実施してきた。目標とする測定の不確かさは、中間在庫検認時のNDAにおける部分欠損探知レベルに相当する6%とし、MCNPX解析コード結果を踏まえ中性子検出器の設計・製作を行った。実証試験では、プルトニウム転換技術開発施設の貯槽に検出器を設置後、硝酸Pu溶液を用いた校正試験を実施した。この結果、低液位領域を除き、約3.4%の不確かさでPu定量にかかわる校正を行うことができ、目標の不確かさを満足することができた。さらに各種運転状態におけるモニタリング能力を確認した。この結果、計数値(Singles)のトレンドデータを解析することにより、従来型の液位監視装置と同様に槽間移送等の主要な運転履歴をリアルタイムで把握できることがわかった。
中村 仁宣; 向 泰宣; 吉元 勝起; 田村 崇之*; 岩本 友則*
Proceedings of INMM 52nd Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2011/07
原子力機構と日本原燃は保障措置課題解決及び次世代保障措置機器開発のため、大型再処理工場における精製工程以降の高濃度プルトニウム溶液中のPu量の直接測定技術として、共同で先進溶液測定・監視システム(ASMS)を開発している。本発表では、ASMS開発の第一段階として、プルトニウムの定量に関する技術及び方法論をまとめた。詳細なMCNPXのモデル化と計算並びに硝酸プルトニウム溶液を用いた校正実施により、Pu実効質量と計数率に関する校正定数を得ることができ、その測定不確かさは約3%(2時間測定かつ低液位領域を除く)であった。この値は当初の開発目標である6%(保障措置機器達成目標)を達成するものである。本発表では、ASMSを用いた保障措置設計概念とSMMSとのASMSの協調によるメリットについても併せて示した。
上野 文義; 内山 洋平*; 加藤 千明; 山本 正弘; 蝦名 哲成*; 下川原 茂*; 加納 洋一*
日本原子力学会和文論文誌, 9(3), p.279 - 287, 2010/09
ステンレス鋼製再処理用機器への外部電源方式によるカソード防食法の適用可能性を示すことを目的に、基礎的な検討を行った。極低炭素304ステンレス鋼(SUS304ULC)小型試験片及び電気化学測定装置を用い、沸騰硝酸溶液中での不働態域及び過不働態域の電位や、種々の電位での腐食速度を調べたのち、カソード防食の有無による腐食速度の違いを調べた。また、実際の濃縮缶の構造を想定し、SUS304ULC製管材の外面を対象としたカソード防食試験を行った。その結果、過不働態域から0.1V程度電位を卑とするカソード防食により、1/10以上の腐食速度低減効果が得られた。また、管材外面では平均24mの減肉量が、カソード防食により陽極との位置に関係なく3
mまで均一に低減できた。これらの結果と、過不働態域の腐食はおもに電位の影響を受けること、沸騰硝酸の電気伝導率が高く均一な防食効果が期待できることと、腐食がおもに電位による影響を受けると考えられることから、カソード防食法がステンレス鋼製再処理用機器の耐食性改善のために適用可能と考えられる。