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仲野谷 孝充; 松田 誠; 藤井 義雄*
Proceedings of 2nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 30th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.729 - 730, 2005/07
原研ではKEKと共同でTRIAC(Tokai Radioactive Ion Accelerator Complex)の建設を行ってきた。TRIACとは安定核ビーム及び短寿命核ビームを1MeV/uまで加速することができる複合型加速器である。安定核ビームはECRイオン源により生成され、おもに短寿命核を効率よく加速するためにパイロットビームとして用いられる。また、将来計画では大強度の安定核ビーム用のイオン源としても期待されている。これまでに、同イオン源から窒素やネオン等の気体元素のイオン化,加速は多くの実績がある。しかし、多様な短寿命核種のパイロットビームや大強度安定核ビームとして利用するために生成イオン種の拡大が求められている。そこでオーブン法により各種の金属イオンの生成を試みた。オーブン法では金属蒸気を生成するためのオーブンをイオン源内に直接導入する。そのためオーブンには坩堝容積を確保しながら本体の縮小化や、少ない熱輻射で高い到達温度等の相反する性能が求められる。これらの点を踏まえオーブンの開発を行った。結果、これまでにFeやAu等の17種類の金属イオンを生成することができた。
鈴木 勝男; 鍋島 邦彦; 山根 剛; 藤井 義雄*
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.408 - 417, 2003/12
原子炉の安全運転や反応度異常の早期検知のためには、オンライン連続的な炉心反応度の監視が必要である。日本原子力研究所の高温ガス炉臨界実験装置(VHTRC)において、デジタル非線形H推定器を用いた反応度推定実験を行った。実験方法について、反応度の投入方法,サンプリング周期とアンチエリアシングフィルタ仕様,実験回路やデジタル非線形H反応度推定器の設計を述べた。次に、種々の反応度投入に対する出力応答試験の核計装信号のサンプリングデータを入力とするデジタル非線形H推定器の反応度推定結果について議論した。その結果、VHTRCの高出力運転及び低出力運転における動的反応度が、真値からほとんど遅れることなく、精度0.05¢0.1¢の範囲で良好に推定された。また、デジタル非線形H推定器により、周期Ts=10msのデータサンプリングの実時間推定が実現できることを確認した。本実験の結果から、実機のオンライン実時間反応度計として、デジタル非線形H反応度推定器が適用可能である見通しを得た。
松田 誠; 藤井 義雄*; 竹内 末広; 吉田 忠
第15回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.62 - 64, 2003/03
原研タンデム加速器では得られるビームのエネルギー,強度,イオン種の拡大を目的に高電圧端子内にECRイオン源を設置する計画を進めてきた。第1段階では基本的な技術の取得及び機器の開発のため、加速器本体に大きく手を加えることなく設置が可能な小型の永久磁石型ECRイオン源(RF周波数10GHz、出力200W)を搭載した。主に水素,酸素及び希ガスイオンの加速に利用され、利用実績も上がってきている。しかし現在のイオン源は性能的にはまだ十分ではないので、計画の第2段階として、より高性能なイオン源を設置する計画を進めている。イオン源には14.5GHz,200Wの永久磁石型ECRイオン源(SUPERNANOGAN)を採用する。このイオン源はかなり大きなものであるため、現在のイオン源位置には設置せず、ガスストリッパー装置を撤去しそこにTECRIS用の入射90度電磁石を配置しイオン源を接続する。この配置だと180度電磁石をビームの分析電磁石として使用することができるため、現在より広範な電荷領域にわたってイオンを選択することが可能となる。これによりSUPERNANOGANからの加速が実現すれば現在の加速器の性能を凌駕し、高質量のイオンについては引き出されるイオンの電荷が倍増、つまりエネルギーの倍増が期待できる。
松田 誠; 竹内 末広; 吉田 忠; 花島 進; 藤井 義雄*
第14回加速器科学研究発表会報告集, p.170 - 172, 2003/00
原研タンデム加速器では得られるビームのエネルギー,強度,イオン種の拡大を目的に高電圧端子内にECRイオン源を設置している。計画の第1段階で、基本的な技術の取得及び機器の開発のため、加速器本体に大きく手を加えることなく搭載することが可能な小型のイオン源を設置した。現在、高電圧端子内ECRイオン源により、ヘリウムを除く希ガス及び水素,窒素,酸素の加速が行われている。今回は計画の第2段階として14.5GHz, 200Wの永久磁石型ECRイオン源を設置する予定である。これによりさらに高多荷イオンの生成が可能となりビームエネルギー・強度ともに現状以上に増強することができる。これまでに試験台にてビーム生成試験及び動作特性の測定を行った。また特殊な環境下である端子内に設置される機器に対する新たな制御方式の開発を行っている。
松田 誠; 藤井 義雄*; 田山 豪一; 石崎 暢洋; 阿部 信市; 花島 進; 月橋 芳廣; 堀江 活三; 大内 勲; 神田 将; et al.
JNC TN7200 2001-001, p.166 - 168, 2002/01
原研タンデムから得られるイオンビームの電流・エネルギーの増強及び加速イオン種の拡大のため、1998年にECRイオン源をタンデム加速器の高電圧端子に搭載した。その後、定期整備のたびに改良を加え、現在は安定動作を実現している。主な改良点はターボ分子ポンプを排気系に追加したことと、搭載ガスを8ボンベまで可能にしたことである。これまでに水素,窒素,酸素及び希ガスの加速を行い、ビーム電流は約1桁、エネルギーはXeで300MeVに達している。イオン源の動作もきわめて安定しており、最長4日間の連続運転にわたってイオン源を再調整する必要はなかった。本件では現在の運転状況と装置の現状について報告する。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 岸本 牧; 藤井 義雄
Reactor Dosimetry: Radiation Metrology and Assessment (ASTM STP 1398), p.775 - 780, 2001/00
原子炉施設内あるいは加速器施設内において広範囲な放射線強度を監視できる放射線モニタとして、イメージングプレートと波長シフトファイバ及び側面発光型ファイバを用いたセンサを開発した。波長シフトファイバはイメージングプレートからの発光(輝尽性発光及び即発発光)を490nmに変換して信号伝送用に、側面発光型ファイバはイメージングプレートにレーザーを照射するのに用いられる。本センサによって測定された輝尽発光及び即発発光とも放射線照射量に比例しており、本センサが実時間ドジメトリ用検出器として使用できる見通しが得られた。
坂佐井 馨; 片桐 政樹; 岸本 牧; 藤井 義雄
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 6 Pages, 1999/04
原子炉又は加速器施設における中性子モニタ法としてイメージングプレート(IP)を用いた方法を検討した。中性子IP(NIP)が中性子によって照射されたときに生ずる輝尽性発光(PSL)及び即発発光(PL)を用いた新しい中性子検出方法を考案し、半導体レーザー及び光電子増倍管からなる読みとりシステムを試作した。試作したシステムはPSL及びPLの両方の測定モードで作動することが確認された。したがって、通常はPL測定モードで、そしてPL測定モードでは測定不可能な強い中性子パルスの場合にはPSL測定モードで中性子をモニタすることにより、新しい中性子用広域モニタを構築することが可能となった。
藤井 義雄; 鈴木 勝男
JAERI-Tech 98-054, 65 Pages, 1998/12
原子力施設の高放射線区域における作業員の放射線被曝を低減する観点から、種々の不定型作業を能率的に遂行するための遠隔ロボット技術の開発が求められている。このため、環境知覚システムと冗長マニピュレータを製作し、不定型環境下で複雑な作業に適用可能なロボットシステムを開発した。本システムは、冗長マニピュレータに環境を知覚するための各種センサを搭載し、センサから得られる信号に基づいて、自律的に作業を遂行する機能を備えている。本報告書は、一次元X軸駆動機構に本ロボットシステムを搭載し、狭隘な壁孔を通して壁の裏側にあるバルブ・ハンドルを回転させる実験とその評価結果をまとめたものである。この実験を通して、本ロボットシステムは、非冗長マニピュレータでは操作不可能な狭い空間における作業を障害物を回避しながら自律的に遂行できる機能を備えていることを確認した。
藤井 義雄; 鈴木 勝男
JAERI-Tech 97-071, 42 Pages, 1998/01
原子力施設の高放射線区域における作業員の放射線被曝を低減する観点から、種々の不定型作業を能率的に遂行するための遠隔ロボット技術の開発が求められている。このため、制御知能工学研究室では、高度な作業機能を有する遠隔ロボット開発のため、環境知覚システムを開発するとともに冗長マニピュレータを製作した。本報告書は、冗長マニピュレータの作業性を試験するために実施したプログラム制御方式による障害物回避実験の結果をまとめたものである。実施した実験は、一次元X軸駆動機構に冗長マニピュレータを搭載し、狭隘な壁穴を通して壁の裏側に位置するバルブ・ハンドルを回転させる作業である。この実験により、冗長マニピュレータの使用によって、非冗長マニピュレータでは実現不可能な作業を実施できることを確認した。
藤井 義雄; 鈴木 勝男; 秋濃 藤義; 山根 剛; 藤崎 伸吾; 竹内 素允; 小野 俊彦
JAERI-Data/Code 96-001, 102 Pages, 1996/02
この実験は、H反応度推定法を実証するためVHTRCにおいてデータ収集を行ったものである。本報告書では、実験の方法、測定回路およびデータ処理ソフトウエアの詳細について述べる。
石川 信行; 鈴木 勝男; 藤井 義雄; 臼井 甫積
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering (ICONE),Vol. 1, 0, p.449 - 454, 1995/00
TVカメラによる視覚情報フィードバック制御の一手法として、画像によるビジュアルサーボ制御法(IBVS)がWeissらにより提案されている。本手法の特徴は画像上の量(例えば物体の画像上での重心位置)を直接に制御量として用いて動的制御を実現している点にある。Weissらはこの手法の有効性を数値シミュレーションで示している。本稿ではIBVSを実際に実現する上で必要となる事項の実験的な考察をしている。第1点として、制御系を設計する上で必要となるモデルの検討及びこのモデルに含まれるパラメータ推定実験を行った。第2点目として、画像装置における演算遅れ時間の測定及びこの遅れによる制御系の安定性への影響を制御則としてPI制御を用いた場合について実験的に検討した。
石川 信行; 藤井 義雄; 篠原 慶邦
計測自動制御学会論文集, 30(8), p.984 - 986, 1994/00
開口合成法を用いた超音波映像法では、理想的な分解能を得るためには時間幅が十分に短いインパルス状音波の送受信が必要である。本稿では、実際の超音波トランスデューサが十分に広帯域な電気音響変換特性をもっていないために生じる送受信の際の超音波信号のひずみを信号処理において補償するため、トランスデューサの電気音響変換特性を考慮したデコンボリューション信号処理を開口合成映像法の前処理として適用して、分解能向上を図っている。本方法の有効性を検証するために、市販の共振型トランスデューサを用いた空中超音波による物体位置推定実験を行い、分解能を向上させることができることを確認した。
石川 信行; 藤井 義雄; 篠原 慶邦
JAERI-M 92-171, 24 Pages, 1992/11
超音波を用いた開口合成法により物体位置計測を行なう場合の問題のひとつは、超音波センサの電気音響変換特性の影響により位置計測の分解能が低下することである。本研究では、この影響を補償することにより分解能の向上を図る目的で、開口合成法の前処理のために逆フィルタリーグ技法を適用した。本報告では、超音波センサの電気音響変換特性の測定、ならびに逆フィルタリング技法の有効性に関する実験結果について報告する。
藤井 義雄; 猪俣 新次; 鈴木 勝男; 鈴土 知明; 篠原 慶邦
JAERI-M 92-112, 64 Pages, 1992/08
本報告は、ビデオカメラが機能できないような原子力施設内の極めて強い放射線環境や、濃い煙のような不透明媒質が充満した室内で作業を行う移動ロボットの位置決めのための、超音波を応用した位置同定方法に関する基礎実験結果について述べている。また、使用した超音波センサの基本的特性・センサ信号処理に使用したシステムの概要、構造化したプログラムの並列処理の方法等についても述べている。本実験の結果、超音波センサの使い方や信号処理の方法によっては十分に高精度な位置同定が可能であることや、高精度で安定数の優れた測定系を構成するためには、それなりの対策が必要であることなどが明らかとなった。今回用いたプロセス並列処理の方法は構造化された複数のプロセス間の同期をとって通信を行う有効な方法であり、他のセンサ信号処理システムを構築する際にも大いに活用できる。
臼井 甫積; 藤井 義雄; 篠原 慶邦
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(8), p.767 - 776, 1991/08
本報告は、動力試験炉(JPDR)の放射化された炉内構造物の解体実地試験計画に沿って原子炉デコミッショニング用遠隔ロボットシステムの一つとして製作した実地試験用システムについて述べている。システム構成は取扱重量25daNを持つ水中・気中両用の多関節形電動スレーブマニピュレータ、チェーンによる支持移動システム、計算機支援形モニタシステムおよび計算機制御システムから成る。JPDRの解体実地試験に先立ち、性能確認のため遠隔ロボットシステムとプラズマトーチを組合わせ、実寸大の模擬炉内構造物を用いて水中切断のコールドモックアップ試験を実施した。十分な性能が得られたので、JPDRの高度に放射化された複雑な形状の炉内構造物について解体実地試験計画に沿った水中遠隔解体を実施し十分な成果が得られたことにより、原子炉解体における遠隔ロボット技術の有用性が実証された。
藤井 義雄; 臼井 甫積; 篠原 慶邦
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(7), p.670 - 677, 1991/07
本報告は原子炉解体用の遠隔操作ロボットシステム技術開発計画における開発試験装置として製作した重作業用遠隔ロボットシステムについて述べている。この全体システムは多機能の電動式マニピュレータシステム、3脚式支持機構を備えたマニピュレータ移送システム、3次元TVモニタを含む監視システム及び全体制御用の計算機制御システムから成っている。マニピュレータシステムは2つのマスタマニピュレータと可搬重量がそれぞれ100daNと25daNであるメインとサブの2つの水中・気中両用スレーブマニピュレータを含んでいる。このシステムの設計・製作及び各種の試験をとおして、より進んだ重作業用遠隔ロボットシステムを開発するために有用な技術的経験を得ることができた。
篠原 慶邦; 臼井 甫積; 藤井 義雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(6), p.547 - 554, 1991/06
本報告は、原研で行なった原子炉解体技術開発における遠隔操作技術開発で、技術開発試験用に製作した軽作業用遠隔ロボット・システムについて概要をまとめたものである。全体システムは多機能型電動マニピュレータ・システム、伸縮管型の移送システム、数台のテレビモニタを含む監視システム及びシステム全体の運転を行うための制御システムから構成されている。スレーブ・マニピュレータは10daNの取扱重量をもち、水中でも気中でも使用することができる。システムの性能の技術的改善を図るために、種々の基本的試験や遠隔操作試験を行なった。このシステムの設計、製作、試験を通じて、その後のシステムの開発にとって有益な経験が得られた。
篠原 慶邦; 臼井 甫積; 藤井 義雄
日本ロボット学会誌, 9(3), p.323 - 334, 1991/06
本報告は、原研で行なった原子炉解体技術開発の一環としての遠隔操作技術開発において製作した水中・気中両用の電導式ロボット・マニピュレータJARM-10、JART-100、JART-25、及びJARM-25について概要を述べている。これらは多機能型の軽作業用及び重作業用遠隔ロボット・マニピュレータであり、高放射線、水中、強電気雑音等の悪環境下で使用することができる。各マニピュレータは、バイラテラル方式マスタースレーブ、ティーチアンドプレイバックあるいはプログラム制御で操作することができ、これらを適当に組み合わせて使用することにより、複雑な遠隔操作作業を能率的に遂行することができる。動力試験炉の炉内構造物の水中遠隔解体にJARM-25を首尾よく適用したことにより、原子炉解体における遠隔ロボット技術の有用性が実証された。
塚田 亮; 鈴木 勝男; 藤井 義雄; 篠原 慶邦
JAERI-M 89-191, 25 Pages, 1989/11
本研究では、制御目標として指定した走行曲線に沿って自律的に移動ロボットを走行させる制御問題を設定し、その制御に必要なファジィ制御則を適応学習機能により自動的に学習生成する制御器を設計した。さらに、この適応学習ファジィ制御器の制御特性を移動ロボットを用いた走行実験により明らかにし、良好な制御結果をえることができた。
臼井 甫積; 藤井 義雄; 佐々木 忍; 島崎 潤也; 篠原 慶邦
JPDR Workshop,Vol. 1, 16 Pages, 1988/02
昭和56年度から進めてきた原子炉解体技術開発の一環として解体用遠隔操作技術の開発を行っている。これまでに軽作業用として10kg及び25kgの取扱重量をもつ作業ロボット、重作業用として100kgの取扱重量をもつ化学ロボットのシステム開発を行った。