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論文

First observation of $$^{28}$$O

近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.

Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:93.26(Multidisciplinary Sciences)

非常に中性子が過剰な原子核$$^{28}$$Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核$$^{24}$$Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて$$^{29}$$Fからの1陽子ノックアウト反応によって$$^{28}$$Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、$$^{28}$$Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。

論文

Level structures of $$^{56,58}$$Ca cast doubt on a doubly magic $$^{60}$$Ca

Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.

Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:64.66(Astronomy & Astrophysics)

$$^{57,59}$$Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、$$^{56}$$Caと$$^{58}$$Caのガンマ崩壊を観測した。$$^{56}$$Caでは1456(12)keVの$$gamma$$線遷移が、$$^{58}$$Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に$$2^{+}_{1} rightarrow 0^{+}_{gs}$$と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、$$2^{+}_{1}$$準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である$$0_{f5/2}$$$$0_{g9/2}$$軌道はほぼ縮退しており、これは$$^{60}$$Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを$$^{70}$$Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。

論文

Study of the $$N=32$$ and $$N=34$$ shell gap for Ti and V by the first high-precision multireflection time-of-flight mass measurements at BigRIPS-SLOWRI

飯村 俊*; Rosenbusch, M.*; 高峰 愛子*; 角田 佑介*; 和田 道治*; Chen, S.*; Hou, D. S.*; Xian, W.*; 石山 博恒*; Yan, S.*; et al.

Physical Review Letters, 130(1), p.012501_1 - 012501_6, 2023/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:93.15(Physics, Multidisciplinary)

The atomic masses of $$^{55}$$Sc, $$^{56,58}$$Ti, and $$^{56-59}$$V have been determined using the high-precision multireflection time-of-flight technique. The radioisotopes have been produced at RIKEN's Radioactive Isotope Beam Factory (RIBF) and delivered to the novel designed gas cell and multireflection system, which has been recently commissioned downstream of the ZeroDegree spectrometer following the BigRIPS separator. For $$^{56,58}$$Ti and $$^{56-59}$$V, the mass uncertainties have been reduced down to the order of 10 keV, shedding new light on the $$N=34$$ shell effect in Ti and V isotopes by the first high-precision mass measurements of the critical species $$^{58}$$Ti and $$^{59}$$V. With the new precision achieved, we reveal the nonexistence of the $$N=34$$ empirical two-neutron shell gaps for Ti and V, and the enhanced energy gap above the occupied $$nu$$p$$_{3/2}$$ orbit is identified as a feature unique to Ca. We perform new Monte Carlo shell model calculations including the $$nu$$d$$_{5/2}$$ and $$nu$$g$$_{9/2}$$ orbits and compare the results with conventional shell model calculations, which exclude the $$nu$$g$$_{9/2}$$ and the $$nu$$d$$_{5/2}$$ orbits. The comparison indicates that the shell gap reduction in Ti is related to a partial occupation of the higher orbitals for the outer two valence neutrons at $$N = 34$$.

論文

$$alpha$$-clustering in atomic nuclei from first principles with statistical learning and the Hoyle state character

大塚 孝治; 阿部 喬*; 吉田 亨*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 板垣 直之*; 宇都野 穣; Vary, J. P.*; Maris, P.*; 上野 秀樹*

Nature Communications (Internet), 13, p.2234_1 - 2234_10, 2022/04

 被引用回数:18 パーセンタイル:94.51(Multidisciplinary Sciences)

多くの原子核では核子の独立粒子模型がよい近似であり、それが原子核構造の出発点となっているが、一部の軽い原子核では陽子2個と中性子2個からなるアルファ粒子が局在しているアルファクラスターを構成要素としてもよいと考えられている。しかしながら、アルファクラスターそのものを観測することは困難であり、それがどの程度よい近似なのかは軽い核を理解する上で重要である。本研究では、核力から出発した第一原理モンテカルロ殻模型計算により、ベリリウム同位体および炭素12の多体波動関数を得た。物体固定系での密度分布の計算結果から、ベリリウム同位体では2個のアルファクラスターが局在していることを示した。また、炭素12では基底状態は比較的液滴模型に近く、ホイル状態として知られる第一励起$$0^+$$状態はアルファクラスターと液滴状態が混合したクロスオーバーとしてとらえられることがわかった。これらの解析に、デンドログラムという統計的学習手法が有効であることもわかった。

論文

Lifetime measurements of excited states in $$^{55}$$Cr

Kleis, H.*; Seidlitz, M.*; Blazhev, A.*; Kaya, L.*; Reiter, P.*; Arnswald, K.*; Dewald, A.*; Droste, M.*; Fransen, C.*; M$"o$ller, O.*; et al.

Physical Review C, 104(3), p.034310_1 - 034310_9, 2021/09

AA2021-0426.pdf:0.73MB

 被引用回数:2 パーセンタイル:33.7(Physics, Nuclear)

ケルン大学のタンデム加速器にて、$$^{48}$$Ca($$^{11}$$B, $$p3n$$)$$^{55}$$Cr反応によって$$^{55}$$Crの励起状態を生成し、そこから脱励起する励起状態の寿命をドップラーシフト反跳距離法を用いて測定した。$$9/2^-_1$$状態から$$5/2^-_1$$状態へ脱励起する$$E2$$遷移の寿命が6.33(46)ps, $$5/2^-_1$$状態から$$3/2^-_1$$状態へ脱励起する$$M1$$励起の寿命が5.61(28)psであることが決定された。その値から$$B(E2)$$, $$B(M1)$$値を引き出し、これらが殻模型計算の値とよく一致することがわかった。小さな$$B(M1)$$値は、$$5/2^-_1$$状態と$$3/2^-_1$$状態が異なる回転バンドに属しているためであると解釈された。

論文

Variational approach with the superposition of the symmetry-restored quasiparticle vacua for nuclear shell-model calculations

清水 則孝*; 角田 佑介*; 宇都野 穣; 大塚 孝治*

Physical Review C, 103(1), p.014312_1 - 014312_11, 2021/01

AA2020-0764.pdf:0.89MB

 被引用回数:17 パーセンタイル:93.46(Physics, Nuclear)

配位混合殻模型は、核子間相関をよく取り込むことができるため、原子核構造を記述する有力な模型の一つである。核子数の多い原子核を殻模型で計算するには、極めて大きな次元数をもつハミルトニアン行列の対角化が必要なため、現実的には不可能である。このような系に対しては、変形したスレーター行列式の重ね合わせによる変分法に基づいた、モンテカルロ殻模型と呼ばれる手法が用いられてきたが、質量数が大きな原子核では精度に課題があった。この論文では、基底をスレーター行列式から準粒子真空に置き換える、新しい手法を提案した。それにより、中重核の二重ベータ行列要素に対し、より信頼できる値を得ることが可能となった。

論文

The Impact of nuclear shape on the emergence of the neutron dripline

角田 直文*; 大塚 孝治; 高柳 和雄*; 清水 則孝*; 鈴木 俊夫*; 宇都野 穣; 吉田 聡太*; 上野 秀樹*

Nature, 587, p.66 - 71, 2020/11

 被引用回数:42 パーセンタイル:93.06(Multidisciplinary Sciences)

与えられた陽子数に対し、どれだけの中性子数の原子核が存在可能であるかという問いは、原子核物理における最も基本的な問題の一つである。原子核は独立粒子描像がよく成り立つため、従来は陽子数で決まるポテンシャルが作る束縛状態の個数で決まると考えられてきた。この研究では、最近実験で確定した、フッ素からナトリウムに対する中性子ドリップ線(最も中性子数の多い同位体)を、核力から出発した第一原理的な大規模殻模型計算によって再現し、そのメカニズムを理論的に解析した。ハミルトニアンを単極相互作用と多重極相互作用に分解し、さらに多重極相互作用を対相互作用と残りの部分に分け、基底状態におけるそれぞれの項の寄与を調べた。その結果、多重極相互作用の変形エネルギーに相当する部分が中性子ドリップ線を決めるのに非常に重要な役割を果たしていることがわかった。すなわち、中性子数が増えていくと徐々に変形エネルギーが増大するものの、ある中性子数でそれが飽和し、その後は減少していくが、その減少過程で中性子ドリップ線が決まるというシナリオである。本研究は、ドリップ線に対する新しい見方を与え、天体中の元素合成過程の理解に重要な貢献をすることが期待される。

論文

Structure of $$^{30}$$Mg explored via in-beam $$gamma$$-ray spectroscopy

北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 清水 則孝*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; Bazin, D.*; Berryman, J. S.*; Bildstein, V.*; et al.

Physical Review C, 102(5), p.054318_1 - 054318_13, 2020/11

AA2020-0765.pdf:4.4MB

 被引用回数:4 パーセンタイル:44.35(Physics, Nuclear)

$$^{30}$$Mgは中性子数20の魔法数が消滅する原子核としてよく知られている$$^{32}$$Mgの2中性子少ない系であり、魔法数消滅のメカニズムを解明する重要な情報を与える原子核である。この研究では、ミシガン州立大学のサイクロトロンを用いて$$^{31}$$Mgからの中性子ノックアウト反応によって$$^{30}$$Mgを生成し、そのガンマ線分光から構造を探求した。変形の小さなバンドと変形の大きなバンドの他に負パリティ状態と見られるエネルギー準位が得られ、それらの分光学的因子が導かれた。その結果を大規模殻模型計算と比較したところ、エネルギー準位はよく再現するものの、分光学的因子の一部に不一致があり、より正確な記述という観点からは理論に課題があることがわかった。

論文

Preparation, characterization, and dilute solution properties of four-branched cage-shaped poly(ethylene oxide)

野田 昂志*; 土肥 侑也*; 太田 豊*; 高田 慎一; 高野 敦志*; 松下 裕秀*

Journal of Polymer Science, 58(15), p.2098 - 2107, 2020/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:36.57(Polymer Science)

A four-branched cage-shaped poly(ethylene oxide) (4C-PEO) was prepared by a coupling reaction at very dilute condition between two kinds of end-functional four-armed star-shaped PEOs having amino and $$N$$-hydroxysuccinimide groups on their four ends, followed by purification using $$alpha$$-cyclodextrin ($$alpha$$-CD). The raw coupling reaction product shows multiple peaks including various high molecular weight multimeric products in size-exclusion chromatography measurements, while the product after $$alpha$$-CD purification shows a single peak eluted slightly earlier than the precursor star PEOs. These results suggest that the targeted 4C-PEO polymer was successfully isolated through the $$alpha$$-CD purification. Small-angle neutron scattering (SANS) measurements of the final product in dilute solution were conducted, and its chain conformation was evaluated from the scattering profile in comparison with linear and star polymers.

論文

Thick-restart block Lanczos method for large-scale shell-model calculations

清水 則孝*; 水崎 高浩*; 宇都野 穣; 角田 佑介*

Computer Physics Communications, 244, p.372 - 384, 2019/11

 被引用回数:175 パーセンタイル:99.88(Computer Science, Interdisciplinary Applications)

大規模殻模型計算において、ハミルトニアン行列を対角化するため、ランチョス法は広く用いられている。しかし、必要な固有状態の数が増えるにつれ、保存すべきランチョスベクトルの数が増大し、メモリを圧迫するとともに再直交化に要する計算時間が増えるという数値計算上の問題点があった。この研究では、必要な固有状態の数が多い場合において、シック・リスタート法とブロックアルゴリズムを取り入れたランチョス法によって、より効率的な計算が可能になったことを示した。

論文

Spectroscopy of strongly deformed $$^{32}$$Ne by proton knockout reactions

Murray, I.*; MacCormick, M.*; Bazin, D.*; Doornenbal, P.*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Crawford, H. L.*; Fallon, P.*; Li, K.*; Lee, J.*; et al.

Physical Review C, 99(1), p.011302_1 - 011302_7, 2019/01

AA2018-0517.pdf:0.8MB

 被引用回数:17 パーセンタイル:85.25(Physics, Nuclear)

理化学研究所のRI Beam Factory(RIBF)にて中性子過剰核$$^{32}$$Neの低励起状態を1陽子あるいは2陽子ノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起ガンマ線の測定によって、エネルギー準位を構築した。1410(15)keVのガンマ線を初めて測定し、反応断面積の系統性などから$$4^+_1$$から$$2^+_1$$への遷移に対応すると提案した。既に知られている$$2^+_1$$準位を用いて、$$4^+_1$$$$2^+_1$$の励起エネルギー比2.99(6)が得られた。この値は、回転スペクトルの値に近く、$$^{32}$$Neは強く変形していることがわかった。この実験結果は、大規模殻模型計算の結果とよく一致した。

論文

Nuclear moments of the low-lying isomeric $$1^+$$ state of $$^{34}$$Al; Investigation on the neutron $$1p1h$$ excitation across $$N=20$$ in the island of inversion

Xu, Z. Y.*; Heylen, H.*; 旭 耕一郎*; Boulay, F.*; Daugas, J. M.*; de Groote, R. P.*; Gins, W.*; Kamalou, O.*; Koszor$'u$s, $'A$.*; Lykiardopoupou, M.*; et al.

Physics Letters B, 782, p.619 - 626, 2018/07

AA2018-0159.pdf:0.5MB

 被引用回数:7 パーセンタイル:53.13(Astronomy & Astrophysics)

GANIL研究所において、$$^{36}$$Sからのフラグメンテーション反応によって中性子過剰核$$^{34}$$Alにおける核異性体である$$1^+$$状態を生成し、その磁気双極子モーメントと電気的四重極モーメント(Qモーメント)をそれぞれ$$beta$$-NMR法および$$beta$$-NQR法を用いて測定した。この状態は中性子数20の殻ギャップを越えて励起したものであり、その性質を実験的に押さえることは、この原子核の周辺で知られている逆転の島(基底状態で既に殻ギャップを越えた励起が起こるとされる原子核の一団)の発現のメカニズムを解明するための有益な情報を与える。測定されたg因子の絶対値は$$1.757pm 0.014$$、Qモーメントの絶対値は38(5)mbとなった。これらの値は、大規模殻模型計算による予言値に近く、模型の高い記述能力を確かめることができた。

論文

Monte Carlo shell model studies with massively parallel supercomputers

清水 則孝*; 阿部 喬*; 本間 道雄*; 大塚 孝治*; 富樫 智章*; 角田 佑介*; 宇都野 穣; 吉田 亨*

Physica Scripta, 92(6), p.063001_1 - 063001_19, 2017/06

 被引用回数:28 パーセンタイル:81.9(Physics, Multidisciplinary)

モンテカルロ殻模型の手法およびその応用について概説する。モンテカルロ殻模型は、効率的に多体基底を生成することによって、従来の直接対角化では計算不可能だった物理系に対する殻模型計算を目指した手法である。このレビュー論文では、モンテカルロ殻模型のここ10年以内の発展をまとめた。手法面では、エネルギー分散を用いた外挿による厳密解の推定法や共役勾配法の導入による効率的な基底生成など、数値計算面では、より効率的な並列化や計算機の実効性能を高める数値計算アルゴリズムなどについて概説する。最近の応用としては、非常に大きな模型空間が必要な第一原理計算および中性子過剰なニッケル領域とジルコニウム領域の計算結果を紹介する。後者の中性子過剰核領域では、変形共存に興味が集まっているが、モンテカルロ殻模型では、変形の分布を解析するT-plotと呼ぶ新しい手法を開発することによって、これらの原子核の変形を直感的に理解することが可能となった。この手法は、軽い原子核のクラスター状態を調べるのにも有用である。

論文

Large-scale shell-model studies for exotic nuclei; Probing shell evolution

宇都野 穣; 大塚 孝治*; 清水 則孝*; 角田 佑介*; 本間 道雄*; 阿部 喬*; 水崎 高浩*; 富樫 智章*; Brown, B. A.*

Proceedings of International Conference on Nuclear Theory in the Supercomputing Era 2014 (NTSE 2014), p.29 - 34, 2016/00

スーパーコンピュータを用いた大規模数値計算による原子核理論研究の進展を議論する本国際会議において、大規模殻模型計算の発展に関する招待講演を行う。現在、非常に軽い核では生の核力に基づく第一原理計算が行われているが、質量数20程度以上の核に対して第一原理計算を行うのは当面の間困難である。そこで、質量数100程度までの中重核構造は、殻模型が有力な手法である。殻模型計算を行うには、有効相互作用が必要となるが、未だにそれを正確に得ることは難しく、特に殻構造に関わる部分に大きな不定性が残されている。本講演では、発表者らによって提唱された統一的に殻構造を記述する有効相互作用によって、様々な領域の不安定核構造が非常によく理解されるようになったことを示す。その例として、軽い核から中重核までの魔法数領域、カルシウム、ニッケル、スズ同位体を採り上げ、中心力とテンソル力による殻構造変化およびそれに伴う変形共存現象などについてのいくつかの話題を紹介する。

論文

Comparison between Monte Carlo simulation and measurement with a 3D polymer gel dosimeter for dose distributions in biological samples

古田 琢哉; 前山 拓哉*; 石川 顕一*; 福西 暢尚*; 深作 和明*; 高木 周*; 野田 茂穂*; 姫野 龍太郎*; 林 慎一郎*

Physics in Medicine & Biology, 60(16), p.6531 - 6546, 2015/08

 被引用回数:19 パーセンタイル:62.37(Engineering, Biomedical)

現在の粒子線がん治療の治療計画に用いられている簡易的な線量解析では、軟組織と骨の境界等の不均質な領域で線量分布の再現性が低いことが知られており、より高精度なモンテカルロ計算による治療計画の実現が求められている。そこで、現状のモンテカルロ計算による線量解析で、治療に即した状況での精度を検証することを目的として、生体物質中での線量分布を実験により比較検証した。具体的には、生体物質として骨付き鶏肉を用意し、これを挿入した容器の背後にPAGATゲル線量計を配置し、炭素線ビームを前方から照射することで、不均質な生体物質を通り抜けた炭素線によってゲル線量計内に形成される複雑な線量分布の比較を行った。シミュレーションではCTイメージから再構成された生体物質を含む実験環境を模擬し、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて炭素線の輸送を計算することで、ゲル線量計内の線量分布を導出した。その結果、実験での炭素線の飛程端が作る複雑な線量分布の構造について、シミュレーションにより2mm程度の違いの範囲でよく再現できることを示した。

論文

Recent advances in shell evolution with shell-model calculations

宇都野 穣; 大塚 孝治*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 本間 道雄*; 富樫 智章*; 水崎 高浩*

JPS Conference Proceedings (Internet), 6, p.010007_1 - 010007_8, 2015/06

不安定核物理のフラッグシップ国際会議ARIS2014にて、不安定核における殻構造変化に関する最近の知見についての招待講演を行う。特に、有効相互作用による殻構造変化が最近の実験および理論研究によってどう明らかになったかについて議論する。まず、最近測定された、カリウム51の基底状態スピンから、従来あまり重要視されてこなかった中心力の重要性を強調する。その結果、中心力とテンソル力が協調的に働く軌道に関しては特に大きな殻構造変化が生じることを示し、2013年発見されたカルシウム54における新魔法数34の出現はそこから理解されることを説明する。さらに、カルシウムよりも陽子数が減っても魔法数34は保たれるという予言を示す。中性子数28魔法数の消滅もやはり中心力が重要であり、その結果、硫黄44にて球形起源および変形起源の軌道が近くに現れ、Kアイソマーに類する現象が起こることを示す。

論文

Identification of deformed intruder states in semi-magic $$^{70}$$Ni

Chiara, C. J.*; Weisshaar, D.*; Janssens, R. V. F.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; Harker, J. L.*; Walters, W. B.*; Recchia, F.*; Albers, M.*; Alcorta, M.*; et al.

Physical Review C, 91(4), p.044309_1 - 044309_10, 2015/04

 被引用回数:39 パーセンタイル:91.78(Physics, Nuclear)

アルゴンヌ国立研究所にて中性子過剰核$$^{70}$$Niを$$^{70}$$Znの多核子移行反応によって生成し、$$gamma$$線検出器GRETINAを用いて$$gamma$$線分光を行った。その結果、$$2^+_2$$, $$4^+_2$$準位を初めて観測した。これらの準位は小さな模型空間を採用した殻模型計算では再現されないため、陽子の$$f_{7/2}$$軌道からの励起を伴った大きな変形状態であると考えられる。本論文の理論グループが2014年に発表した大規模殻模型計算によって$$^{70}$$Niの励起状態を解析した結果、これらの状態は大きなプロレート変形を持つ状態とよく対応することがわかった。この結果は、中性子過剰ニッケル同位体における変形共存が$$^{68}$$Ni以外にも存在することを実証するとともに、中性子過剰核における大規模殻模型計算の予言能力を確かめるものである。

論文

Parallel computing with Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS)

古田 琢哉; 佐藤 達彦; 小川 達彦; 仁井田 浩二*; 石川 顕一*; 野田 茂穂*; 高木 周*; 前山 拓哉*; 福西 暢尚*; 深作 和明*; et al.

Proceedings of Joint International Conference on Mathematics and Computation, Supercomputing in Nuclear Applications and the Monte Carlo Method (M&C + SNA + MC 2015) (CD-ROM), 9 Pages, 2015/04

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSには計算時間短縮のために、二種類の並列計算機能が組み込まれている。一つはメッセージパッシングインターフェイス(MPI)を利用した分散メモリ型並列計算機能であり、もう一つはOpenMP指示文を利用した共有メモリ型並列計算機能である。それぞれの機能には利点と欠点があり、PHITSでは両方の機能を組み込むことで、利用者のニーズに合わせた並列計算が可能である。また、最大並列数が8から16程度のノードを一つの単位として、数千から数万というノード数で構成されるスーパーコンピュータでは、同一ノード内ではOpenMP、ノード間ではMPIの並列機能を使用するハイブリッド型での並列計算も可能である。それぞれの並列機能の動作について解説するとともにワークステーションや京コンピュータを使用した適用例について示す。

論文

Radiological characteristics of MRI-based VIP polymer gel under carbon beam irradiation

前山 拓哉*; 福西 暢尚*; 石川 顕一*; 古田 琢哉; 深作 和明*; 高木 周*; 野田 茂穂*; 姫野 龍太郎*; 福田 茂一*

Radiation Physics and Chemistry, 107, p.7 - 11, 2015/02

 被引用回数:12 パーセンタイル:70.16(Chemistry, Physical)

粒子線治療で正常組織への不要な照射を避けるため、照射による三次元線量分布の正確な測定の重要性が増している。そこで、代表的なゲル線量計であるVIPポリマーゲル線量計について、炭素線照射による三次元線量分布の測定への適用性を調べた。ゲル線量計は放射線照射後のMRI分析で線量分布を読み出すことができるが、線量とMRIシグナルの比例関係は線量に寄与する放射線の線エネルギー付与(LET)により変化する。本研究でも、炭素線のLETのエネルギー依存性から、ブラッグピークのようにエネルギーが大きく変化する場合、MRI分析の結果から線量分布へ単純に変換できないことを確認した。さらに、入射エネルギーが違う場合、同じ線量平均LETを持つブラッグピークの深さでも、線量とMRIシグナルとの関係が異なることが分かった。これは核反応で生じる二次粒子の寄与によるものであり、本研究により、線量とMRIシグナルの関係付けにおいて、先行研究で示された線量平均LETを指標とするのではなく、線量に寄与する各粒子のLETに着目する必要があることを解明した。また、この関係を用いることで、実測で得られるMRIシグナル分布をPHITSコードにより、再現できることを示した。

論文

Nature of isomerism in exotic sulfur isotopes

宇都野 穣; 清水 則孝*; 大塚 孝治*; 吉田 亨*; 角田 佑介*

Physical Review Letters, 114(3), p.032501_1 - 032501_5, 2015/01

AA2014-0621.pdf:0.23MB

 被引用回数:37 パーセンタイル:85.32(Physics, Multidisciplinary)

通常の偶偶核では、$$0^+_1$$, $$2^+_1$$, $$4^+_1cdots$$状態が強い$$E2$$遷移で結ばれていることがよく知られている。最近、中性子過剰核$$^{44}$$Sの$$4^+_1$$状態が観測され、$$4^+_1$$から$$2^+_1$$への$$E2$$遷移が非常に抑制されているという新しい現象が見つかった。この論文では、その起源を理論的に解明した結果を報告する。この強く抑制された$$E2$$遷移は殻模型計算によって得られるが、殻模型の多体波動関数は非常に複雑なため、$$E2$$遷移の抑制が起こる起源がこれまで理解されてこなかった。ここでは、角運動量射影後の変分法によって物体固定座標系における多体波動関数を得るという新規な手法を導入した。その波動関数を解析した結果、$$0^+_1$$, $$2^+_1$$では$$K$$量子数(物体固定座標系における角運動量の第3軸成分)が0となる通常の回転状態が主であるのに対し、$$4^+$$については$$K=4$$が主の状態が$$K=0$$が主の状態よりも低いエネルギーに出現し、それによって$$E2$$遷移が抑制されることがわかった。この解釈は$$^{43}$$Sの励起スペクトルも説明可能なことから妥当性が高い。これは、$$K$$核異性体の一種であり、これまで発見されたもので最も軽い核で出現するものである。

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