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Orlandi, R.; 牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 伊藤 由太; 洲嵜 ふみ; 永目 諭一郎*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064301_1 - 064301_11, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)The nuclear structure of Cf produced by the
O+
Cf multinucleon transfer reaction was investigated using
-ray spectroscopy. Analysis of the
-ray spectrum of
Cf revealed the presence of multiple long-lived (isomeric) excited states at low excitation energies. The energies and half-lives of the isomers contain information on the proton and neutron orbits in the heavy-element region and the deformation of atomic nuclei, and are important data to predict the properties of nuclei in the "island of stability".
井手口 栄治*; Kibdi, T.*; Dowie, J. T. H.*; Hoang, T. H.*; Kumar Raju, M.*; 青井 考*; Mitchell, A. J.*; Stuchbery, A. E.*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; et al.
Physical Review Letters, 128(25), p.252501_1 - 252501_6, 2022/06
被引用回数:1 パーセンタイル:63.35(Physics, Multidisciplinary)始状態と終状態のスピンパリティが間の遷移は、電気単極遷移と呼ばれるガンマ線放出が禁止されている特殊な電磁遷移しか起こらない。
状態は偶偶核の変形バンドのバンドヘッドであることから、電気単極遷移は古くから原子核の変形を知るための重要な手がかりとされてきた。その遷移の行列要素は通常、2準位模型によって始状態と終状態間の変形度の差と両者の混合の程度という2つの量で理解される。本研究では、
Caの
から
へ遷移する寿命をオーストラリア国立大学にて測定した。これによって得られた電気単極遷移行列要素は比較的軽い原子核で知られている値よりも著しく小さいことがわかった。その電気単極遷移行列要素が抑制されるメカニズムとして、3つの変形した状態が混合することに伴う波動関数の打ち消しという、これまで考慮されてこなかった要因が重要であることが大規模殻模型計算の結果からわかった。
郷 慎太郎*; 井手口 栄治*; 横山 輪*; 青井 考*; Azaiez, F.*; 古高 和禎; 初川 雄一; 木村 敦; 木佐森 慶一*; 小林 幹*; et al.
Physical Review C, 103(3), p.034327_1 - 034327_8, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:67.04(Physics, Nuclear)Excited states in S were investigated by in-beam
-ray spectroscopy using the
Mg(
O, 2
1
) fusion-evaporation reaction. The de-exciting
-rays were measured with germanium detector arrays along with the measurement of evaporated charged particles in a
segmented Si detector array. The level scheme was extended up to 12470 keV. The obtained level structure is compared with the large-scale shell-model calculations. The possibility of isoscalar-pair excited states is discussed for
states with comparison between the experimental and theoretical results.
Murray, I.*; MacCormick, M.*; Bazin, D.*; Doornenbal, P.*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Crawford, H. L.*; Fallon, P.*; Li, K.*; Lee, J.*; et al.
Physical Review C, 99(1), p.011302_1 - 011302_7, 2019/01
被引用回数:14 パーセンタイル:86.81(Physics, Nuclear)理化学研究所のRI Beam Factory(RIBF)にて中性子過剰核Neの低励起状態を1陽子あるいは2陽子ノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起ガンマ線の測定によって、エネルギー準位を構築した。1410(15)keVのガンマ線を初めて測定し、反応断面積の系統性などから
から
への遷移に対応すると提案した。既に知られている
準位を用いて、
と
の励起エネルギー比2.99(6)が得られた。この値は、回転スペクトルの値に近く、
Neは強く変形していることがわかった。この実験結果は、大規模殻模型計算の結果とよく一致した。
Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 郷 慎太郎*; Holt, J. D.*; Lee, J.*; et al.
Physical Review C, 96(6), p.064310_1 - 064310_10, 2017/12
被引用回数:15 パーセンタイル:79.8(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIBFにて、中性子過剰核Scの励起状態を
Tiからの1陽子ノックアウト反応および
Scの非弾性散乱によって生成し、そこからの脱励起
線を観測することによってエネルギー準位を得た。その結果、第一励起状態が695keVと低く現れることがわかった。
Caで知られているように中性子数34の閉殻構造が成り立っているとすると、第一励起状態は約2MeVと高く現れるはずであり、この結果は
Scでは中性子数34の新魔法数が消滅していることを示している。殻模型計算でもこの結果は得られ、中性子数34の殻ギャップが陽子数に応じて強く変化していることがその原因であることがわかった。
籾山 悟至*; Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 新倉 潤*; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; et al.
Physical Review C, 96(3), p.034328_1 - 034328_8, 2017/09
被引用回数:6 パーセンタイル:51.05(Physics, Nuclear)理化学研究所の不安定核実験施設RIBFにて、中性子過剰核Mgの励起状態を
Mgおよび
Alからのノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起
線を観測した。
Mgは中性子数20魔法数が消滅するとされる「逆転の島」と呼ばれる領域に含まれると考えられており、また、奇核であることから、一粒子状態と集団的状態が結合した興味深い核構造が出現すると期待されている。この実験によって、206keV, 443keV, 616keV, 670keVの4本の
線を観測し、これらを全て基底状態へ脱励起する
線であると仮定して励起準位を構成した。この準位構造、ノックアウト反応の断面積、移行運動量分布を殻模型計算および反対称化分子動力学計算と比較した。二つの計算は、基底状態近傍の高い準位密度などいくつかの特徴的な核構造を再現することに成功し、
Mgは「逆転の島」に含まれるという描像と無矛盾であることがわかった。
野呂 尚子; 中村 陽; 平井 瑞記; 小林 直樹; 川太 徳夫; 直井 洋介
Modern Environmental Science and Engineering, 3(5), p.309 - 313, 2017/05
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の核セキュリティ・トレーニングのカリキュラム開発手法を紹介する。なかでも、2015年にIAEAの輸送セキュリティに関する国際コースをホストしたが、その際のISCNによるコース開発への貢献について紹介する。
Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 宇都野 穣; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 95(4), p.041301_1 - 041301_5, 2017/04
被引用回数:28 パーセンタイル:92.05(Physics, Nuclear)中性子数20の魔法数はMg近傍の中性子過剰核領域で消失することが知られており、その一群の原子核は核図表における「反転の島」と呼ばれている。陽子数が10よりも小さな原子核が反転の島に含まれるかどうかを示す実験的証拠はこれまでなかった。この研究では、理化学研究所RIビームファクトリー(理研RIBF)にて生成された中性子過剰核
Fのインビーム
線分光から、
Fの第一励起状態を初めて観測することに成功した。その励起エネルギーは1080(80)keVであり、中性子数20魔法数を仮定した計算による励起エネルギーの値である約3MeVよりも著しく小さいことから、この魔法数が消滅していることが明らかとなった。大規模殻模型計算によって励起エネルギーの実験値を再現することに成功するとともに、
Fの基底状態および第一励起状態は中性子が2個殻ギャップから励起した状態によって支配されることがわかった。この第一励起状態は
Oの第一励起状態に
軌道を占める陽子を結合させた状態が主であり、そのエネルギーが低いことから、
Oは二重閉殻構造をもたないと考えられる。
Liu, H. N.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 青井 考*; Li, K. A.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; et al.
Physics Letters B, 767, p.58 - 62, 2017/04
被引用回数:18 パーセンタイル:84.05(Astronomy & Astrophysics)理化学研究所のRIBFにて、中性子過剰核Neビームを生成し、それを用いた
C(
Ne,
Ne+
)
陽子ノックアウト反応にて
Neの励起状態を調べた。また、運動量分布も調べることにより、生成された状態のスピン・パリティを推定した。得られた励起準位の構造は、中性子数20が魔法数であると仮定したものとは大きく異なり、この原子核で侵入者配位(殻ギャップを超えて励起した状態)が基底状態および低励起状態が支配的となっていることがわかった。
殻と
殻の下半分の軌道を取り入れた大規模殻模型計算はこうした準位構造の性質自体は再現するものの、より定量的な一致を得るには
殻を完全に取り入れた計算が必要であることがわかった。
野呂 尚子; 中村 陽; 平井 瑞記; 小林 直樹; 川太 徳夫; 直井 洋介
Proceedings of 18th International Symposium on the Packaging and Transport of Radioactive Materials (PATRAM 2016) (DVD-ROM), 7 Pages, 2016/09
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の核セキュリティトレーニングカリキュラム開発手法を紹介する。ISCNは、米サンディア国立研究所等の国際的なパートナー機関との協力で自身のトレーニング実施能力構築を行ってきた。2015年にはIAEAの輸送セキュリティに関する国際コースをホストしたが、その際のISCNによるコース開発への貢献について紹介する。
Lee, J.*; Liu, H.*; Doornenbal, P.*; 木村 真明*; 蓑茂 工将*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2016(8), p.083D01_1 - 083D01_7, 2016/08
被引用回数:6 パーセンタイル:47.34(Physics, Multidisciplinary)高速不安定核ビームのノックアウト反応は、不安定核の一粒子状態を調べるのによく用いられている反応である。しかし、ノックアウト反応から反応理論を通じて得られた分光学的因子は、殻模型などの核構造模型から得られるものに比べて一様に減少しており、その減少因子は核子の分離エネルギーに強く依存するという不思議な性質があることが知られている。そのメカニズムはまだ完全には理解されていない。従来の研究では、核子あたり約120MeV程度のビームを使って減少因子が測定されてきた。本研究では、理化学研究所にて、核子あたり200MeV以上のより高速なビームを用いて、Neからの一中性子および一陽子ノックアウト反応を調べた。そこで得られた減少因子を殻模型や反対性分子動力学による核構造計算を用いて導いたところ、従来研究と同様の減少因子があることがわかった。
Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 宇都野 穣; 馬場 秀忠*; 郷 慎太郎*; Lee, J.*; et al.
Physical Review Letters, 114(25), p.252501_1 - 252501_6, 2015/06
被引用回数:43 パーセンタイル:88.82(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所の不安定核施設RIBFにて、中性子過剰核Arを
Ca,
Sc,
Tiからの核破砕反応によって生成し、その脱励起
線を初めて観測した。最も強度の強い
線エネルギーから、
Arの第一励起
状態の励起エネルギーが1178(18)keVであることがわかった。この実験結果および周辺核の
状態の励起エネルギーを大規模殻模型計算と比較した結果、
Arでは中性子数32のサブシェルギャップが
Caと同じくらい大きくなることによってその第一励起エネルギーが
Arよりも高くなることがわかった。また、殻模型計算によって、中性子数34のサブシェルギャップがCaからArにかけて増大することを予言し、その影響は今後行われるであろう
Arの励起状態の測定で確かめ得ることを示した。
小林 信之*; 中村 隆司*; 近藤 洋介*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Barthelemy, R.*; Famiano, M. A.*; 福田 直樹*; et al.
Physical Review Letters, 112(24), p.242501_1 - 242501_5, 2014/06
被引用回数:79 パーセンタイル:94.26(Physics, Multidisciplinary)軽い中性子過剰核では束縛線限界近くにハローと呼ばれる1あるいは2中性子が空間的に非常に広がった構造を持つことが知られているが、重くなってくると一般に軌道角運動量が大きくなり、変形も発達するためハローが存在するかどうかは不明だった。本論文では、非常に中性子過剰なマグネシウム同位体Mgの核力およびクーロン分解反応実験を理化学研究所RIBFにて行い、マグネシウム同位体でも
波と考えられるハローを持つことを初めて明らかにした。本実験では、炭素標的と鉛標的の断面積の差から、ハロー構造に敏感なクーロン力による分解反応の断面積を引き出すとともに、脱励起
線の測定によって、
Mgの基底状態へ遷移する断面積も引き出した。実験値を大規模殻模型計算の結果と比較したところ、
Mgの基底状態は
Mgの基底状態に
波中性子が付いた波動関数が40%程度占め、その
波成分がハロー構造を生み出していることがわかった。
Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 宇都野 穣; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2014(5), p.053D01_1 - 053D01_9, 2014/05
被引用回数:12 パーセンタイル:63.98(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIBFにて、中性子過剰ナトリウム同位体Naのエネルギー準位を測定した。中性子数20領域の中性子過剰核は、中性子数20の魔法数が消滅し、大きく変形することが知られているが、その領域がどの程度の中性子数まで続くのかは明らかになっていない。本実験によって、
Naの励起準位を初めて測定し、
Naに近いエネルギー準位を持つことを明らかにした。また、
殻に
軌道および
軌道を加えた大きな模型空間を用いて計算した殻模型計算によって、これらの中性子過剰核のエネルギー準位をよく再現することができた。これらの準位の電磁行列要素の計算から、
Naも大きく変形していることがわかり、「逆転の島」と呼ばれる中性子数20の魔法数が消滅する領域に含まれることが明らかになった。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; et al.
Physical Review Letters, 112(14), p.142501_1 - 142501_5, 2014/04
被引用回数:56 パーセンタイル:90.96(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIBFを用いて中性子過剰核Neの1中性子分離反応実験を行い、理論計算との比較から、
Neが
波ハロー(一部の中性子が核内に局在せず、空間的に極めて広がっていること)を持つことを明らかにした。この実験では、ターゲットとしてクーロン分離反応が優位な鉛と核力分離反応が優位な炭素の両方を用いるとともに、脱励起
線も測定することによって、包括的な断面積のみならず、
Neの基底状態への直接遷移のクーロン分解断面積を決めることに成功した。その実験結果を殻模型計算と比較した結果、
Neの基底状態は、
Neの基底状態に
波の中性子が付加されている確率が大きく、その中性子はハローになるという特異な構造を持つことがわかった。それは、変形による
波と
波の配位混合と、
Neが極めて弱く束縛されていることの両面によるものであると考えられる。
Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; 郷 慎太郎*; 本間 道雄*; et al.
Nature, 502(7470), p.207 - 210, 2013/10
被引用回数:261 パーセンタイル:99.79(Multidisciplinary Sciences)中性子数34の新しい魔法数が中性子過剰核で存在することが10年ほど前に東京大学と発表代表者らのグループによって指摘されて以来、世界各地の不安定核研究施設にてその実験的検証の試みがなされてきた。しかし、中性子数34の魔法数はカルシウムのみに見られる極めて局所的なものであり、カルシウム54を十分に生成するのが困難なことから、これまで実験的な証拠が得られてこなかった。この研究では、理化学研究所のRIBFにてカルシウム54の励起状態を線分光によって初めて観測し、第一励起状態が約2MeVにあることを見つけた。この励起エネルギーは、カルシウム42,44,46,50などの非中性子魔法数のものに比べかなり高いものであり、中性子数34の魔法数の存在が確立された。発表代表者らによる理論解析の結果、中性子数34の殻ギャップは、既に魔法数として知られている中性子数32のものと同程度の大きさであることがわかった。
鈴木 美寿; 和泉 圭紀; 木本 徹; 直井 洋介; 井上 猛; Hoffheins, B.
IAEA-CN-184/64 (Internet), 8 Pages, 2010/11
2008年のG8洞爺湖サミットにおいて我が国によって提案された3Sイニシアチブを支援するために、原子力機構では各々の3S分野の文化と研究開発計画の詳細な検討の実施、現在の3Sの現状と目標に対するギャップ分析、他の国内外関係機関と連携した貢献について検討している。我が国で培われたIAEA保障措置に対する経験や教訓が、より効果的・効率的な3Sシナジーを実現するためのインフラストラクチャー整備、設計段階から取り込む保障措置方法論検討に活かされる。本発表では、3S統合型リスクインフォームドアプローチを提案する。初期の検討として、安全分野の解析としてよく知られた、事象の生起確率と仮想被害解析手法が、核不拡散及びセキュリティリスクの固有な不確実性を予想・評価するために適用される。パフォーマンスベースの評価手法が、効果的・効率的な3S実施を追及するために提案される。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 出口 茂樹*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; 稲辺 尚人*; et al.
Physical Review Letters, 103(26), p.262501_1 - 262501_4, 2009/12
被引用回数:185 パーセンタイル:97.48(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所のRIBFにて中性子過剰核Neの1中性子分離反応の断面積を測定した。鉛ターゲットと炭素ターゲットの断面積を比較することにより、
Neのクーロン分解反応断面積が540(70)mbと導出された。その断面積は通常の原子核の断面積と比べ非常に大きく、中性子が非常に弱く束縛されているハロー構造を示唆している。この原子核のクーロン分解断面積を直接ブレークアップ模型と殻模型で求めた波動関数の重なり(分光学的因子)を組合せることにより定量的に計算した結果、
Ne核の最後の1個の中性子は、普通の軌道の順序である
ではなく
軌道を主に占め、
軌道の小さな軌道角運動量により一粒子ハローを形成していることが明らかとなった。
浅井 啓輔*; 湯川 恭平*; 井口 哲夫*; 直井 紀拓*; 渡辺 賢一*; 河原林 順*; 山内 通則*; 今野 力
Fusion Engineering and Design, 83(10-12), p.1818 - 1821, 2008/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)DTプラズマ中のD/T比は、DD/DT反応によって発生するDD中性子(2.45MeV)とDT中性子(14.1MeV)の測定によりそれらの中性子強度比から求めることができ、測定にはDT中性子中の微量なDD中性子の検出が鍵となる。本研究では、TOF法をベースに、飛行時間を測定するシンチレータ対の前に中性子散乱体(水)を挿入した多重散乱飛行時間中性子スペクトロメータ(MS-TOF)の開発を行っている。本システムは、ビームライン上にアクティブな検出器を持たないことと中性子散乱体中の水素原子核がDT中性子よりもDD中性子に対して大きな弾性散乱断面積を有することを利用して、シンチレータ対に入射する中性子束のDD/DT中性子強度比を向上させることができ、微量DD中性子の検出に有利である。今回は、日本原子力研究開発機構核融合中性子源施設FNSの加速器DT中性子源を用いて、本システムによるDT中性子ビーム中の微量DD中性子検出を試みた。その結果、DT中性子ピークとともにDD中性子ピークも観測できた。また予備的ながら、使用した中性子ビーム中のDD/DT中性子強度比を評価し、妥当な結果を得た。
浅井 啓輔*; 直井 紀拓*; 井口 哲夫*; 渡辺 賢一*; 河原林 順*; 西谷 健夫
Review of Scientific Instruments, 77(10), p.10E721_1 - 10E721_3, 2006/10
被引用回数:3 パーセンタイル:20.58(Instruments & Instrumentation)中性子スペクトロスコピーは、プラズマ中の核融合反応で発生するDD中性子,DT中性子の強度比の計測から燃焼に寄与したD/T比(燃料比)の評価に利用できる。本研究では、ITERプラズマ中心付近燃料比(D/T比)測定用に、飛行時間を測定する結晶対の前にDT中性子よりもDD中性子に対して大きな弾性散乱断面積を有する中性子散乱体(ラジエータ)を挿入することにより結晶対に入射する中性子のDD/DT強度比を上げ、DD中性子検出のS/N比向上を図る新しいシステム概念の中性子飛行時間スペクトロメータを提案した。このシステムでは飛行時間測定のトリガー信号を生成する検出器を入射ビームに直接曝すことがないため、飛行時間法の問題点であるアクシデンタルカウントを大幅に低減でき、微量のDD中性子検出に有利でもある。中性子散乱体として水(2cm,5cm厚)を採用したプロトタイプシステムを作製し、日本原子力研究開発機構FNSの加速器DT中性子源を用いた本概念の原理実証実験とモンテカルロシミュレーションを通して、本システムが中性子スペクトロメータとして成立することを示した。