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池田 修悟*; 土屋 優*; Zhang, X.-W.*; 岸本 俊二*; 亀卦川 卓美*; 依田 芳卓*; 中村 博樹; 町田 昌彦; Glasbrenner, J.*; 小林 寿夫*
Physical Review B, 98(10), p.100502_1 - 100502_6, 2018/09
被引用回数:6 パーセンタイル:29.80(Materials Science, Multidisciplinary)新規超伝導物質の発現機構を解明するためには磁性と超伝導性の関係を理解することが重要である。我々は鉄ヒ素超伝導体の一つであるEuFeAsに対してFe核共鳴前方散乱(NFS)を用い、2.4から3.0GPaの圧力範囲で、Fe副格子での反強磁性と超伝導の共存を発見した。Fe副格子の磁性状態は2.7GPaでストライプ型反強磁性から超伝導を伴う新しい反強磁性秩序へと変化した。超伝導転移温度以下で、超伝導とともに新しい反強磁性が発展しているのが、NFSの温度依存性から明らかになった。この2種類の秩序の非自明な相関は鉄系超伝導体における磁性と超伝導の新しく興味深い関係性を証明するものである。
山内 邦仁; 岡野 潤; 島田 勝弘; 大森 栄和; 寺門 恒久; 松川 誠; 小出 芳彦; 小林 和容; 池田 佳隆; 福本 雅弘; et al.
JAEA-Technology 2015-053, 36 Pages, 2016/03
JT-60SA計画は、日本の実施機関である原子力機構と欧州の実施機関であるFusion for Energy(F4E)が物納貢献により共同で進める国際事業である。欧州側では超伝導トロイダル磁場コイルの他、磁場コイル用電源の主要機器や極低温システム等を分担するが、F4Eの総括のもとで各国の指定研究機関が欧州のメーカーと契約し、その欧州のメーカーが那珂研での現地据付・調整試験までを行う。このため、原子力機構にとっては直接の契約がないにも係らず、欧州の作業員に対する作業管理や安全管理を行わなければならないという非常に難しい課題があった。本報告は、JT-60SA計画において、欧州の作業員による最初の那珂研での現地作業であるクエンチ保護回路の据付・調整試験を遂行するにあたって、欧州側との事前の密な交渉の結果として合意し、構築・実施した作業管理や安全管理の取組み、およびそれらをもとに完遂した欧州作業についてまとめたものである。これらの取組みの結果、欧州作業員によるクエンチ保護回路の現地据付調整作業を無事故で完遂させることができ、日欧双方にとって非常に大きな成果となった。
鈴木 秀俊*; 仲田 侑加*; 高橋 正光; 池田 和磨*; 大下 祥雄*; 諸原 理*; 外賀 寛崇*; 森安 嘉貴*
AIP Advances (Internet), 6(3), p.035303_1 - 035303_6, 2016/03
被引用回数:4 パーセンタイル:19.68(Nanoscience & Nanotechnology)The formation and evolution of rotational twin (TW) domains introduced by a stacking fault during molecular-beam epitaxial growth of GaAs on Si (111) substrates were studied by in situ X-ray diffraction. To modify the volume ratio of TW to total GaAs domains, GaAs was deposited under high and low group V/group III (V/III) flux ratios. For low V/III, there was less nucleation of TW than normal growth (NG) domains, although the NG and TW growth rates were similar. For high V/III, the NG and TW growth rates varied until a few GaAs monolayers were deposited; the mean TW domain size was smaller for all film thicknesses.
助川 篤彦; 村上 陽之; 松永 剛; 櫻井 真治; 武智 学; 吉田 清; 池田 佳隆
Fusion Engineering and Design, 98-99, p.2076 - 2079, 2015/10
被引用回数:2 パーセンタイル:17.42(Nuclear Science & Technology)JT-60SA計画は、ITER計画の幅広いアプローチ計画の日欧協力で進められている。JT-60SA容器内コイルは日本で設計・製作を行う。容器内コイル用の樹脂絶縁材には、真空容器のベーキング温度条件(200C, 40000時間)に沿った耐熱性能が要求される。今回、容器内コイル設計に向け、耐熱耐久性の調査を実施し、220C環境で、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂を母材とする7種類の候補樹脂絶縁材の寿命評価を実施した。高温環境下における化学反応速度はアレニウス法で評価する。耐熱耐久試験では、180C, 200C, 220Cの恒温槽で一定期間保持し、その後、絶縁材の重量減少を測定する。樹脂絶縁材の重量減少率の結果を入力にワイブル解析を実施し、その後、アレニウスプロットにより候補樹脂絶縁材の寿命評価を初めて実施した。この結果、容器内コイルの適用温度は169Cであることが分かった。
小出 芳彦; 吉田 清; Wanner, M.*; Barabaschi, P.*; Cucchiaro, A.*; Davis, S.*; Decool, P.*; Di Pietro, E.*; Disset, G.*; Genini, L.*; et al.
Nuclear Fusion, 55(8), p.086001_1 - 086001_7, 2015/08
被引用回数:32 パーセンタイル:83.75(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SAの超伝導マグネットシステムの最大の特徴は、スペース利用の観点から最適化されたコイル構造と高いコイル製作精度の実現をとおして、定常トカマク研究を先導する先進的な実験装置となっている。具体的には、新しい概念であるトロイダルコイルケーシングから分離した外側支持構造の採用により細身のトロイダルコイル形状を可能とした。これにより、詳細なプラズマ測定や柔軟な加熱分布を可能とする大口径ポートの確保を可能とした。また、平衡磁場コイルの製造誤差を最小にする方法を確立し、正確なプラズマ形状/位置制御も可能とした。更に、コンパクトバットジョイントを開発することで中心ソレノイドの占有領域を拡大し、長時間放電の実現に大きく貢献できる設計とした。
小林 和容; 鳥養 祐二*; 齋藤 真貴子; Alimov, V. Kh.*; 宮 直之; 池田 佳隆
Fusion Science and Technology, 67(2), p.428 - 431, 2015/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JT-60Uは、20年間の重水素実験の後、解体が開始された。解体では、真空容器中のトリチウムの保持量が安全上重要な問題の一つである。そこで、真空容器として用いられたインコネル625中のトリチウムの挙動を把握することは、非常に重要である。本報告では、室温中でインコネル625からトリチウムは、1年間連続的に放出されることを明らかにした。また、約1年間でほとんどのトリチウムが放出され、その化学形は、HTOであることを明らかにした。これらデータをもとに今後は、JT-60Uで用いられた真空容器を使用し、トリチウムの挙動に関する研究を進める。
池田 佳隆; 岡野 文範; 逆井 章; 花田 磨砂也; 秋野 昇; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 清野 公広; 久保 博孝; 小林 和容; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 13(4), p.167 - 178, 2014/12
JT-60Uを超伝導トカマクJT-60SAに改造するため、JT-60U本体を解体した。JT-60Uは18年間の重水素運転により放射化されており、このJT-60Uの解体は、放射化した核融合装置の解体として我が国初の解体であった。全ての解体品は、将来のクリアランスの適用を考慮し、線量当量率や材料、重量などのデータを記録した。切断技術や保管技術などは、効率的に解体を行うための鍵であった。解体に要した人工数や解体品の放射化レベルなど、他の核融合装置で解体を行う際に有用となる情報を報告する。
岡野 文範; 池田 佳隆; 逆井 章; 花田 磨砂也
第27回原子力施設デコミッショニング技術講座テキスト, p.73 - 102, 2014/10
臨界プラズマ試験装置(JT-60)は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した最初のケースである。具体的な解体作業では、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割が、工程的,技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見出して作業を進め、平成24年10月に3年に亘る解体を無事故・無災害で完遂することができた。
池田 佳隆; 岡野 文範; 花田 磨砂也; 逆井 章; 久保 博孝; 秋野 昇; 千葉 真一; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 清野 公広; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(9-10), p.2018 - 2023, 2014/10
被引用回数:2 パーセンタイル:16.31(Nuclear Science & Technology)JT-60U本体の解体は、18年間の重水素運転の後、2009年から開始し、2012年10月に終了した。JT-60本体は電磁力に耐えるため複雑で溶接構造を有しており、機器は放射化している。本解体作業は、日本で初めての放射化した核融合装置の解体であり、注意深く実施された。約3年間で、約41,000人日の作業を行い、解体品総数は約13000個、総重量は5400トンに達した。全ての解体品は線量当量率等の測定を行っており、ほとんどの解体品は、将来、クリアランス検認を行えば、非放射化物となると期待できる。この解体が終了し、JT-60SAの組立が2013年1月から開始した。
岡野 文範; 池田 佳隆; 逆井 章; 花田 磨砂也; JT-60チーム
プラズマ・核融合学会誌, 90(10), p.630 - 639, 2014/10
臨界プラズマ試験装置(JT-60)の本体解体に平成21年度から着手し、平成24年度(平成24年10月)に完遂した。JT-60は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した最初のケースである。具体的な解体作業では、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割が、工程的、技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見出して作業を進め、平成24年10月に3年にわたる解体を無事故・無災害で完遂することができた。本報告では、JT-60トカマク解体の概要を紹介する。
西山 友和; 三代 康彦; 岡野 文範; 笹島 唯之; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 宮 直之; 助川 篤彦; 池田 佳隆; 逆井 章
JAEA-Technology 2014-006, 30 Pages, 2014/03
臨界プラズマ試験装置(JT-60)では、超伝導コイルを用いるJT-60SAに改修するため、JT-60本体装置及び周辺設備を解体した。JT-60の解体品のほとんどが放射化物であり、大型構造物を除いた約1,100トン、約11,500点の解体品については、輸送用コンテナを利用した保管容器及び密閉容器と呼ばれる専用容器に収納し放射化物保管設備に保管した。これらの放射化物の運搬及び保管においては、1点毎に放射線障害防止法に定められた測定や記録などの管理が必要である。約11,500点にも及ぶ大量の放射化物の管理を確実に実施し、効率よく保管容器等に収納保管するために、バーコードタグ等を用いた管理方法や収納作業手順等を構築し収納保管作業を実施した。本報告書では、放射化物としてJT-60解体品を保管容器及び密閉容器に収納し、放射化物保管設備に保管する、一連の収納保管管理作業について報告する。
岡野 文範; 市毛 尚志; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; 西山 友和; 柳生 純一; 石毛 洋一; 鈴木 宏章; 小室 健一; et al.
JAEA-Technology 2014-003, 125 Pages, 2014/03
臨界プラズマ試験装置(JT-60)のトカマク本体及び周辺設備の解体(総重量として約5,400トン)は、平成21年度から着手し平成24年度(平成24年10月)に完遂した。JT-60は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した唯一のものである。解体にあたり、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割は、工程的,技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見出して作業を進め、平成24年10月に3年にわたる解体を無事故・無災害で完遂することができた。本報告書は、JT-60本体装置及び本体付帯設備の解体について詳細をまとめたものである。
岡野 文範; 池田 佳隆; 逆井 章; 花田 磨砂也; JT-60チーム
NIFS-MEMO-67, p.344 - 352, 2014/02
臨界プラズマ試験装置(JT-60)は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60は、18年間の重水素実験で発生した中性子により放射化している。そのため、解体作業は放射線障害防止法に基づいて実施した。実際のJT-60本体解体においては、トロイダル磁場コイル(TFC)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割が工程的,技術的に大きな課題であった。これらの課題をR&Dを実施して、解決し、解体を進めた。平成21年度に開始した、長期間に亘る解体作業を平成24年10月に完遂した。
岡野 文範; 池田 佳隆; 逆井 章; 花田 磨砂也; 市毛 尚志; 三代 康彦; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; 西山 友和; 柳生 純一; et al.
JAEA-Technology 2013-031, 42 Pages, 2013/11
臨界プラズマ試験装置(JT-60)の本体解体(総重量として約6200トン)に平成21年度から着手し、平成24年度(平成24年10月)に完遂した。JT-60は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した最初のケースである。具体的な解体作業では、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割が、工程的、技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見いだして作業を進め、平成24年10月に3年にわたる解体を無事故・無災害で完遂することができた。本報告書は、JT-60解体の概要を本体装置中心に解体全般についてまとめたものである。
岡野 文範; 池田 佳隆; 逆井 章; 花田 磨砂也; JT-60チーム
デコミッショニング技報, (48), p.10 - 23, 2013/09
臨界プラズマ試験装置(JT-60)の本体解体に平成21年度から着手し、平成24年度(平成24年10月)に完遂した。JT-60は、日欧共同で進めるサテライト・トカマク計画として、長パルス化と高圧力プラズマを目指した超伝導核融合実験装置JT-60SAに改修するため、JT-60トカマク本体及び周辺設備を解体・撤去する必要があった。JT-60解体は、核融合実験装置として放射線障害防止法に基づいて実施した最初のケースである。具体的な解体作業では、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の補強溶接部の切断と真空容器の2分割が、工程的,技術的に大きな課題であったが、それぞれの解決策を見いだして作業を進め、平成24年10月に3年にわたる解体を無事故・無災害で完遂することができた。本報告では、JT-60トカマク解体の概要を紹介する。
小林 寿夫*; 池田 修悟*; 阪口 友唯*; 依田 芳卓*; 中村 博樹; 町田 昌彦
Journal of Physics; Condensed Matter, 25(2), p.022201_1 - 022201_6, 2013/01
被引用回数:9 パーセンタイル:40.16(Physics, Condensed Matter)銅酸化物に次いで高い超伝導転移温度を示す鉄系超伝導体の転位温度は、その結晶構造の変化に敏感であることが知られている。本論文では、圧力により結晶構造を変化させ、それに伴う電子状態,格子振動,超伝導性の変化をSPring-8で観測した。その結果、As-Asの混成が超伝導発現に深く関与することを発見した。なお、実験結果の解析にあたっては数値シミュレーションによる格子振動との比較が重要な役割を果たした。得られた知見をもとに、鉄系超伝導体の超伝導発現機構の解明に貢献する一方、広く物質材料の構造と機能との関係解明に寄与することが期待される。
小林 寿夫*; 池田 修悟*; 依田 芳卓*; 中村 博樹; 町田 昌彦
Physical Review B, 84(18), p.184304_1 - 184304_7, 2011/11
被引用回数:9 パーセンタイル:39.15(Materials Science, Multidisciplinary)高い超伝導転移温度を示す鉄系超伝導体の母物質は、低温で反強磁性秩序相への転移とともに、正方晶から斜方晶への構造相転移を起こすことが知られている。このような構造相転移の原因を探るには格子振動が有力な手がかりとなる。そこで本研究では、SPring-8のビームラインを用いた核共鳴非弾性散乱によって、結晶中での鉄原子の格子振動を測定し、構造相転移との関係を調査した。さらに、第一原理計算によって格子振動を推算し、比較することによって、測定結果の解析を行った。結果として、構造相転移の付近で不連続な格子振動の変化は観測されず、構造相転移より高い温度から転移温度に向けて、徐々に変化していく様子が観測された。この結果から、構造相転移より高い温度のときから正方晶の中で斜方晶の揺らぎが存在していると結論することができる。この発見は、鉄系超伝導の超伝導発現機構の解明に向けて重要な知見を与えたと言える一方、原子力分野の材料研究の高度化に資する技術開発に繋がる成果でもある。
池田 佳隆; JT-60SAチーム
Plasma Science and Technology, 13(3), p.367 - 375, 2011/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Fluids & Plasmas)2007年から日欧共同計画として開始したJT-60SA計画の現状を報告する。すべての科学的な目標をITERやデモ炉に貢献するようにしたトカマクの主要機器の設計は、2008年に完了した。日本の原子力機構と欧州の「Fusion for Energy」との間の調達取決めに基づき、超電導コイル,真空容器,容器内機器などの調達活動を伴うJT-60SA建設が開始した。総入力41MW,100秒を供給するJT-60SAに向けた加熱装置の設計と開発も原子力機構において進展している。
田中 豊; 池田 佳隆; 花田 磨砂也; 小林 薫; 鎌田 正輝; 木崎 雅志; 秋野 昇; 山納 康*; 小林 信一*; Grisham, L. R.*
IEEE Transactions on Plasma Science, 37(8), p.1495 - 1498, 2009/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.23(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60負イオン源の耐電圧は、FRP絶縁体の真空沿面放電により制限されていることが示唆されており、耐電圧改善には真空沿面放電の理解が必要である。真空沿面放電では、電子エネルギーが重要なパラメータであるものの、計測が困難なために、電子のエネルギーはほとんど実測されていなかった。そこで、本研究では、FRP沿面から放射された制動放射X線のエネルギー分布を測定し、それから電子のエネルギーを評価し、電子の挙動を明らかにした。FRP沿面からのX線のエネルギースペクトルを、3か所の視線において計測し、電極間放電のスペクトルと比較した。アノード付近のX線スペクトルは、電極間の場合と似ており、単一エネルギー電子によるものであることが判明した。カソード付近のX線スペクトルは、アノード付近と比べ、ピーク位置が低エネルギー側にシフトしていた。これは、カソード近傍における低エネルギー電子の生成を示すものである。
小林 薫; 花田 磨砂也; 秋野 昇; 佐々木 駿一; 池田 佳隆; 高橋 昌宏*; 山納 康*; 小林 信一*; Grisham, L. R.*
IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 16(3), p.871 - 875, 2009/06
被引用回数:1 パーセンタイル:12.08(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60U負イオン源の耐電圧研究の一環として、3段静電加速器(500kV, 22A)の絶縁破壊位置について実験的に検討した。この加速器の特徴は、大型加速電極(面積: 0.28m)と大型FRP絶縁体(直径: 1.8m)を用いている点にある。各加速段に高電圧を印加して耐電圧を調べた。その結果、すべての加速段で130kVの耐電圧であり、各加速段で耐電圧特性に有意な差は見られなかった。そこで、絶縁破壊位置が加速電極かFRP絶縁体のどちらであるかを絞り込むために、加速器から加速電極を取り外してFRP絶縁体のみにして高電圧を印加した。FRP絶縁体の耐電圧は、すべての加速段で設計値である170kVに到達した。これらの結果より、加速器の絶縁破壊は、大型加速電極のギャップ間でおもに発生していることが明らかになった。さらに、非均一電場や多段加速電極が耐電圧に及ぼす影響についても検討した。