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森岡 千晴*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武; 岐部 公一*
Proceedings of the 8th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-8), p.215 - 218, 2008/12
宇宙用三接合太陽電池のトップセルである(Al)InGaP太陽電池の放射線耐性について調べた。GaAs基板上にエピタキシャル成長させたAlInGaPの膜厚は1mで固定し、アルミニウムの組成比とベース層キャリア濃度を変えた試料(セル)を作製し、3MeV陽子線を110/cm照射した。その結果、短絡電流と開放電圧の保存率は組成式がAlInGaPの場合とInGaPの場合のセルとの間に違いが見られなかった。また、ベース層のキャリア濃度に勾配をつけても耐放射線性に変化がなかったことから、(Al)InGaP太陽電池の放射線劣化は少数キャリア拡散長の減少に強く起因するものではないことが推測された。
島崎 一紀*; 今泉 充*; 川北 史朗*; 森岡 千晴*; 大島 武; 伊藤 久義; 岐部 公一*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 5, 2007/02
次世代の宇宙応用が期待されるアモルファス(a-Si)/アモルファスシリコンゲルマ(a-SiGe)のタンデム太陽電池に50keV3MeV陽子線を照射し発電特性の変化を調べた。陽子線照射により発電特性が減少することが観測された。短絡電流(I)の劣化とNon Ionizing Energy Loss(NIEL)に基づく弾き出し損傷量(Dd)の関係を求めたところ、陽子線のエネルギーによらず単一の関係となることが見いだされ、a-Si/a-SiGe太陽電池においても従来の結晶太陽電池と同様にDdが劣化量を決める重要な指標となることが判明した。また、照射後130Cでの熱処理を行ったところ発電特性の回復が観測され、6時間の熱処理により特性が未照射値まで回復することが判明した。
大島 武; 宮本 晴基; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 岐部 公一*; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 6, 2007/02
宇宙用太陽電池の主流となりつつあるInGaP/GaAs/Ge三接合(3J)太陽電池へ50keV及び10MeV陽子線を照射して発電特性を劣化させた後、室温にて0.030.25A/cmの範囲で電流注入を行った。その結果、電流注入量時間の増加とともに短絡電流が回復すること,短絡電流の回復量と注入した電流量(電荷)の関係は10MeV陽子線照射した3J太陽電池も50keV陽子線照射したのも同様な関係があることが見いだされた。さらに、電流注入による回復の振る舞いから欠陥のアニール率を求めたところ10MeVも50keV陽子線照射したものも同様の値であることが見積もられた。このことより、特性回復に寄与する欠陥の種類は10MeV, 50keV陽子線照射試料ともに同じものであることが示唆された。
川北 史朗*; 今泉 充*; 岐部 公一*; 大島 武; 伊藤 久義; 依田 真一*; 中村 友哉*; 中須賀 真一*
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.61 - 64, 2006/10
次世代の高効率薄膜太陽電池として有望なCu(In,Ga)Se(CIGS)太陽電池の宇宙実証を行った。CIGS太陽電池は地上での照射試験及び宇宙実証試験衛星つばさ(MDS-1)での宇宙実証の結果、非常に優れた耐放射線性を有することが判明している。今回は、宇宙に大量に存在する低エネルギー電子線や陽子線の遮蔽に用いるカバーガラスを取り付けないCIGS太陽電池を用いて実証を行った。カバーガラス無しCIGS太陽電池は人工衛星「ナノマイクロサットXI-V」に搭載され2005年の10月27日にLEO(Low Earth Orbit)軌道に打ち上げられた。250日間の運用期間中、CIGS太陽電池の発電特性の劣化は全く観測されなかった。軌道での太陽電池の温度及び放射線(電子線・陽子線)量を考慮して解析をしたところ、放射線により発電特性は劣化するが、同時に温度による特性回復が起こるため結果として劣化が生じないと結論できた。
島崎 一紀*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 岐部 公一*
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.49 - 52, 2006/10
タンデム型のアモルファスシリコン太陽電池へ50keV10MeVの陽子線,500keV2MeVの電子線を照射し、発電特性の劣化を調べた。劣化挙動をMott-Rutherford断面積及びZiegler-Biersack-Littmark遮蔽ポテンシャルを考慮したNIEL(Non Ionizing Energy Loss)により解析したところ、すべてのエネルギーでの照射結果が「はじき出し損傷線量(Displacement Damage Dose: Dd)」で統一的に表現できることが見いだされ、アモルファスシリコン太陽電池の放射線劣化も単結晶半導体を用いた太陽電池と同様にDdが劣化を表す良い指標であることが判明した。また、照射後70及び130Cでの熱処理を行ったところ、劣化した特性が未照射時と同じ値まで回復することが観測された。
森岡 千晴*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 岐部 公一*
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.169 - 172, 2006/10
InGaPより優れた耐放射線性を有することから次期の宇宙用三接合太陽電池のトップセルに期待されているAlInGaP太陽電池の基板キャリア濃度や膜厚と耐放射線性の関係を調べた。有機金属化学気相成長(MOCVD)法によりGaAs基板上に作製した膜厚(5001500nm)やキャリア濃度(310310/cm)の異なるAlInGaP太陽電池へ3MeV陽子線を照射し発電特性の劣化を調べた。その結果、膜厚によらず開放電圧(V)の初期特性及び劣化量は同じであること、短絡電流(I)は膜厚が厚いものほど初期値が高いが110/cm照射後には膜厚によらず同じ値になることが見いだされた。一方、キャリア濃度が低いものほどIの初期特性は高く劣化が少ないこと、Vはキャリア濃度が高いものほど初期値は高いが、劣化も大きいことが判明した。以上の結果を総合的に判断することで、今回の範囲での最適な膜厚及びキャリア濃度は、それぞれ1250nm及び310/cmであると結論できた。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 伊藤 久義; 岐部 公一*; 河野 勝泰*
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1815 - 1817, 2006/05
次期宇宙用高効率太陽電池である三接合(3J)太陽電池の放射線による特性劣化の非熱的な回復現象を明らかにするために、熱的な回復効果がないことが確認されている210Kでの陽子線照射及び電流注入を行った。実験には変換効率が27%(AM0)の宇宙用3J(InGaP/GaAs/Ge)太陽電池を用い、210Kで10MeV陽子線を310/cm照射した。照射により短絡電流は初期値の94%まで劣化した。照射後、210Kを保持したまま太陽電池への電流注入(0.25A/cm)を行い短絡電流(I)の変化を調べた。その結果、Iは電流注入時間の増加とともに増加し、3000秒後には初期値の98%まで回復するが、それ以上電流注入しても飽和を示すことが見いだされた。さらに、Iの回復と電流注入時間の関係から欠陥アニール率を求めたところ、0.0050.01/sという値が導出できた。
大島 武; 宮本 晴基; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 岐部 公一*; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1818 - 1821, 2006/05
次期の宇宙用太陽電池の主力である三接合(3J)太陽電池の劣化特性の電流注入による回復現象を明らかにするために、照射陽子線のエネルギーと劣化の回復特性の関係を調べた。試料にはInGaP/GaAs/Geの3J太陽電池を用い、室温にて50keV又は10MeVの陽子線を照射した。発電による電流注入効果を避けるために、照射中は暗状態、回路は開放状態とした。50keV陽子線では、1.210/cm照射により短絡電流(I)の保存率は81%となった。一方、10MeV陽子線の場合は、Iが80%となる照射量は50keVに比べ一桁多い3.010/cmであったが、このことは10MeV陽子線が3J太陽電池を通過するのに対し50keV陽子線が3J太陽電池のトップセルであるInGaPの接合付近に飛程を持つため損傷が大きいことによる。照射後、0.030.25A/cmで電流注入を行ったところ、劣化した特性は両方の3J太陽電池ともに同様の回復を示し、照射エネルギーの違いにより回復の大きさに差異はないことを見いだし、Iの回復量から欠陥のアニール率を見積もったところ、510110/sが決定された。
島崎 一紀*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 岐部 公一*
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1797 - 1800, 2006/05
次世代の軽量,フレキシブル太陽電池として期待されているアモルファスシリコン(a-Si)太陽電池の放射線劣化挙動及び熱アニールによる特性の回復現象を調べた。実験にはa-Si/a-Si及びs-Si/a-SiGeのタンデム太陽電池を用い、0.0510MeVエネルギーの陽子線を室温にて照射した。太陽電池の照射劣化を非イオン化エネルギー損失(NIEL)に基づいた損傷ドーズ(Dd)及びイオン化エネルギー損失に基づいたLETで解析した。その結果、Ddを用いると照射エネルギーに関係なく同様の劣化挙動を示し、劣化を統一的に表せるが、LETの場合は低エネルギーのものほど劣化が大きくなり統一的に表せないことが見いだされた。また、照射した試料を70130Cで熱処理したところ特性の回復現象が見られ、130Cで1時間,70Cで10時間の熱処理で特性が未照射の状態まで回復することを見いだした。
森岡 千晴*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 岐部 公一*
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1846 - 1849, 2006/05
宇宙用多接合太陽電池のさらなる高効率化に期待されているAlInGaPトップセルの耐放射線性に関する研究の一環として、AlInGaP太陽電池の放射線照射効果を調べた。試料にはGaAs基板上に化学気相成長法を用いて作製したキャリア濃度の異なるAlInGaP太陽電池(310310/cm)を用い、3MeV陽子線を室温にて110/cmまで照射した。初期特性に関しては、短絡電流(I)はキャリア濃度が低い試料ほど大きく、開放電圧(V)はキャリア濃度が高いものほど大きな値を示した。3MeV陽子線を照射したところ、Iはどのキャリア濃度の試料も同様に劣化するが、Vはキャリア濃度が高い試料ほど劣化が大きいことが判明した。このことから、宇宙用太陽電池のトップセルとしてはキャリア濃度の低い方が耐久性が高いと判断できる。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 岐部 公一*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
no journal, ,
宇宙用太陽電池の放射線照射試験方法の国際標準策定へ貢献するために、電子線の大気によるエネルギー減衰が太陽電池特性劣化に及ぼす影響を調べた。試料は宇宙用シリコン太陽電池を用い、電子線の加速エネルギーは世界的に標準な値である1MeVとした。加速器照射窓から試料までの距離を20cm50cmとすることで試料表面での電子線エネルギーを0.930.87MeVと変化させ、フルエンス率は一定(1.010e/cm/s)で最大フルエンス2.010e/cmまでの照射を行った。発電特性(AM0, 1sun)及び分光感度特性を測定しエネルギー減衰との関係を調べた結果、実施エネルギー範囲内では劣化特性に差異はなく試験範囲としては妥当であることが検証された。さらに、弾き出し損傷の指標である(NIEL)解析を行い、0.930.87MeVでのダメージドーズ(D)量を比較したところ、0.93MeVと0.87MeVではDの値が5%異なることが見いだされた。この結果より、Dが5%程度の差異がある場合でも太陽電池の劣化特性には大きな違いは見られず試験範囲としては妥当であるという結論を得た。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 岐部 公一*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
no journal, ,
太陽電池への放射線照射試験方法の国際標準の策定に必要な基礎データの取得を目的に、太陽電池の発電特性劣化量と電子線の入射エネルギーの関係を検討した。実験は、電子線加速器の加速電圧(0.8, 1.0MV)及び加速器の照射窓試料間距離(2050cm)を調整することで、0.930.71MeVの範囲でエネルギーを変化させ、宇宙用シリコン太陽電池へフルエンス率一定(110/cm/s)で電子線を照射した。同量の照射量で太陽電池特性の劣化量を比較したところ、エネルギーが0.73MeVより小さくなると特性劣化に差異が生じていることが確認できた。この線量域での太陽電池の特性劣化は、結晶損傷による少数キャリアの拡散長減少が主原因であるため、弾き出し損傷線量(Displacement Damage Dose: Dd)を見積もることで損傷に関する考察を行った。その結果、0.87MeVは0.93MeVの91%のDdであるのに対し、0.73MeVでは67%程度であることが判明した。このことより、9%程度の損傷量の差である0.87MeV程度までのエネルギー減衰は太陽電池特性に大きな影響を与えず試験範囲として妥当であると帰結できた。
宮本 晴基; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 岐部 公一*; 河野 勝泰*
no journal, ,
InGaP/(In)GaAs/Ge3接合(3J)太陽電池の放射線劣化モデル構築を目的に、InGaPトップセルの劣化特性が電流注入により回復する現象を熱アニール効果を抑制できる低温で評価した。まず、宇宙用の3J太陽電池に対し、210Kにて10MeV陽子線を310/cm照射することで短絡電流(I)を照射前の94%まで低下させた。その後、温度を保ったまま、暗状態にて外部電流源を用いた順方向電流注入(0.25A/cm)を行い特性の変化を調べた。その結果、電流注入時間の増加とともにIの回復が見られること,1000秒以上では回復が飽和傾向を示すことが明らかとなった。また、このIの飽和値は未照射の値に対して98%であった。このことは、電流注入により照射欠陥がアニールされ太陽電池出力特性の回復が見られるが、一部にはアニールされない種類の欠陥も存在することを示唆する結果といえる。さらに、回復量と電流注入時間の関係より欠陥アニール率を見積もったところ、0.0050.01程度が妥当であることが見いだされた。
森岡 千晴*; 島崎 一紀*; 川北 史朗*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 岐部 公一*
no journal, ,
次世代の3接合(3J)太陽電池のトップセル材料として有望なAlInGaPの耐放射線性を明らかにするため、ベース層のキャリア濃度と耐放射線性の関係を調べた。実験では、GaAs基板上に有機金属化学気相成長(MOCVD)法により、ベース層の厚さ1m,キャリア濃度310, 610, 910及び310cmのAlInGaP太陽電池を作製した。これら太陽電池に、1MeV電子線を照射し特性劣化を評価した結果、照射量が310cmまでの領域ではキャリア濃度が高いほど開放電圧(V)が高いが、それ以上の照射量では傾向が逆転し、キャリア濃度が高いほどVが低いことが見いだされた。一方、短絡電流(I)の劣化に関しては、キャリア濃度の違いによる差はほとんど見られなかった。Iの劣化はおもに少数キャリア拡散長の低下に起因し、Vの劣化は多数キャリア濃度の減少による拡散電位の低下やリーク電流の増加に起因することを考慮すると、AlInGaPでは、拡散長の損傷係数はベース層のキャリア濃度には依存しないが、キャリア濃度減少率はベースのキャリア濃度に依存すると結論できる。
大島 武; 宮本 晴基; 今泉 充*; 花屋 博秋; 川北 史朗*; 森岡 千晴*; 佐藤 真一郎; 金子 広久; 金沢 孝夫; 岐部 公一*; et al.
no journal, ,
原子力機構と宇宙航空研究開発機構が共同研究で進めている宇宙用太陽電池の放射線劣化評価に関して、特に、電子線照射試験法に焦点を当てて紹介する。まず、評価試験に使用している加速器の仕様とチャージコレクタを用いた電子線の線量測定方法を述べる。次に、本共同研究で行っている、二種類の照射試験法(逐次法及び同時計測法)に関しての説明を行う。逐次法とは、太陽電池を水冷板上に置き大気中で照射し、その後、別の施設で発電特性を測定するものであり、世界的に見て一般的な方法である。一方、同時計測法は、原子力機構と宇宙航空研究開発機構との共同研究により開発した独自の試験法であり、電子線照射容器に模擬太陽光を導入することで照射試験中に太陽電池発電特性を測定することが可能である。
森岡 千晴*; 今泉 充*; 岐部 公一*; 大島 武; 佐藤 真一郎
no journal, ,
3接合太陽電池(3Jセル)は高い変換効率と優れた耐放射線性を併せ持つことから宇宙用太陽電池として注目され、人工衛星の太陽電池に採用されるまでに至っているが、変換効率をはじめとした太陽電池特性のさらなる向上は、近年の人工衛星の大電力化、ミッションの長期化に伴い重要な課題とされている。そこで今回は変換効率と耐放射線性の向上を目指して、トップ層であるAlInGaPサブセルの耐放射線性について検討した。GaAs基板上にベース層(p型AlInGaP層)のキャリア濃度を変化させたAlInGaP単一接合太陽電池を作製し、3MeV陽子線をcmの範囲で照射し、照射前後に電流-電圧測定(AM0, 1-Sun条件下),分光感度特性,容量-電圧測定等を行った。その結果、陽子線照射前では短絡電流scがキャリア濃度の増加とともに減少し、逆に開放電圧ocが増加した。陽子線照射後においては、キャリア濃度の違いによってscの劣化量の差は見られなかったが、ocはキャリア濃度が高いセルほど劣化量が大きかった。
森岡 千晴*; 杉本 広紀*; 佐藤 真一郎; 今泉 充*; 大島 武; 田島 道夫*; 岐部 公一*
no journal, ,
高い変換効率と耐放射線性を有する三接合太陽電池(InGaP/GaAs/Ge)は宇宙用太陽電池の主流となりつつあるが、本研究ではこの三接合太陽電池のさらなる性能向上を目指し、InGaPトップ層へのAl添加について検討した。InGaPにAlを加えると、バンドギャップの増大に伴う出力電圧や耐放射線性の向上などが期待される。GaAs基板上にAlInGaPをMOCVDにより積層して、1cm1cmの太陽電池を作製し、1MeV電子線及び3MeV陽子線を照射することによってその耐放射線性を調べた。また、未照射のAlInGaP結晶の光学的評価を室温フォトルミネッセンス測定により行ったところ、1.9eVと2.0eV付近に発光ピークが確認された。これらはAlInGaPとInGaPのバンドギャップに相当していることから、結晶成長中に層内で相分離が起きていると考えられるため、今後の課題といえる。
今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武; 川北 史朗*; 岐部 公一*
no journal, ,
高効率と軽量を同時に実現させるべく、InGaP/GaAs 2接合薄膜太陽電池の開発を行っている。その試作品の耐放射線性を、現在実用化されているInGaP/GaAs/Ge 3接合太陽電池と比較した。その結果、GaAsサブセルの放射線劣化が3接合太陽電池の場合に比べて大きいことが見いだされた。この理由として、2接合薄膜太陽電池の場合は積層構造を逆向きに成長しているため、GaAsサブセルの光吸収層のキャリア濃度プロファイルが設計通りとなっておらず、陽子線照射による少数キャリア拡散長の低下の影響がより大きく現れたことが考えられる。
今泉 充*; 島崎 一紀*; 小林 祐希*; 高橋 眞人*; 岐部 公一*; 佐藤 真一郎; 大島 武
no journal, ,
III-V族化合物系の薄膜太陽電池は、高効率・超軽量・フレキシブルといった利点から次世代宇宙用太陽電池として開発が進められており、そのような薄膜太陽電池を宇宙応用するためには、従来のカバーガラスに取って代わる柔軟な高分子透明フィルムが必要となる。そこで、実宇宙空間での放射線の吸収線量分布を模擬するように、1MeV(8.510cm)の電子線を、そして、表面近傍の損傷は3種類の低エネルギー陽子線(50keV: 1.0cm, 200keV: 8.410cm, 380keV: 4.210cm)を複合照射し、照射後透明フィルムの分光透過率を測定した。その結果、短波長側にわずかな劣化は見られるものの透過率の減少はほとんどなく、太陽電池の出力に与える影響は非常に小さいものと予想されることから、この透明フィルムが低軌道5年間の放射線環境に対して十分な耐性を有することが確認された。