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論文

Detection and temporal variation of $$^{60}$$Co in the digestive glands of the common octopus, ${it Octopus vulgaris}$, in the East China Sea

森田 貴己*; 乙坂 重嘉; 藤本 賢*; 西内 耕*; 木元 克則*; 山田 東也*; 葛西 広海*; 皆川 昌幸*; 吉田 勝彦*

Marine Pollution Bulletin, 60(8), p.1193 - 1199, 2010/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:8.41(Environmental Sciences)

1989年代から2000年代にかけての2期間(1986年から1989年と1996から2005年)に東シナ海で採取したマダコ(${it Octopus vulgaris}$)を採取し、消化腺及び筋肉中の放射性核種濃度を測定した結果、周辺海域のそれに比べてわずかに高い人為起源放射性核種(コバルト60,セシウム137及び銀108m)濃度が検出された。その濃度と濃度比から、1980年代の高濃度は、全球フォールアウトによるものと推定された。コバルト60の濃度(試料採取時に減衰補正)は、1996年から2005年にかけて指数関数的に減少したが、その実効半減期は物理的半減期に比べて短かった。この傾向から、1990年代に見られた高いコバルト60の濃度は、単一の供給源によるもので、かつ、一時的に供給されたものであると推測された。同時期に他の海域で採取されたマダコの分析結果と比較したところ、コバルトの供給源は、日本列島の沿岸ではなく、東シナ海に限定できることが示唆された。

論文

ヨウ素129から推定した日本海の海水循環

鈴木 崇史; 皆川 昌幸*; 甲 昭二; 外川 織彦

第12回AMSシンポジウム報告集, p.69 - 72, 2010/05

原子力利用によって放出された$$^{129}$$Iは、日本海の海水循環を考察するうえで有効なトレーサーであると考えられる。そこで、日本海における$$^{129}$$I濃度の水平及び鉛直分布を明らかにした。表面海水中の濃度レベルは核実験による濃度レベルより高かった。これは欧州及び米国の再処理工場から放出された$$^{129}$$Iが飛来してきたものだと考えられる。日本海底層水(JSBW)では人為起源$$^{129}$$Iが観測された。この観測された人為起源$$^{129}$$Iの濃度レベルからJSBWのturnover timeとpotential formation rateを見積もった。結果はそれぞれ180$$sim$$210年と(3.9$$sim$$4.6)$$times$$10$$^{12}$$ m$$^{3}$$/yrであった。また本発表では国際原子力機関海洋環境研究所で行われた海水中の$$^{129}$$I相互比較検定において青森研究開発センターで測定した結果が推奨値の範囲内に入っており、良い精度及び正確さを持って測定したことも併せて報告する。

論文

The Vertical profiles of iodine-129 in the Pacific Ocean and the Japan Sea before the routine operation of new nuclear fuel reprocessing plant

鈴木 崇史; 皆川 昌幸*; 天野 光; 外川 織彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 268, p.1229 - 1231, 2010/04

 被引用回数:24 パーセンタイル:86.24(Instruments & Instrumentation)

ヨウ素129($$^{129}$$I)は半減期1570万年の長寿命放射性核種であり、核実験や核燃料再処理工場の稼動により人為起源$$^{129}$$Iが環境中に放出される。六ヶ所村に新たに使用済核燃料再処理工場が定常運転を開始予定であり$$^{129}$$Iの放出が予想される。そこで再処理工場の定常運転前における海水中の$$^{129}$$Iの分布を把握することは長期的な環境影響評価の観点から重要である。また人為起源$$^{129}$$Iは海水循環のトレーサーとして利用できる可能性がある。そこで本研究では太平洋,日本海における$$^{129}$$Iの鉛直分布を明らかにした。太平洋及び日本海における$$^{129}$$Iの濃度は表層及び亜表層で最も高く水深とともに減少した。太平洋においては水深1500m以下において人為起源$$^{129}$$Iは観測されなかった。この結果は従来トレーサーとして利用されている$$^{14}$$Cや$$^{137}$$Csと同様の結果を示した。$$^{129}$$Iは放出源及び放出量がより明確であることや分析に使用する供試量が少ないことから海水循環を解明する有用なトレーサーになり得ると考えられる。また日本海における$$^{129}$$Iの水柱における総量は太平洋に比べて3倍高かった。これは日本海固有の海底地形及び海水循環によるものと考えている。

論文

$$^{14}$$C同位体比からみた日本海における粒子状物質の輸送過程

乙坂 重嘉; 田中 孝幸; 皆川 昌幸*

JAEA-Conf 2010-001, p.113 - 117, 2010/03

日本海東部とそこに流入する河川で採取した粒子試料(懸濁粒子,沈降粒子,堆積物)について、有機物を構成する安定炭素($$^{13}$$C)及び放射性炭素($$^{14}$$C)の同位体比を測定し、同海域における粒子状物質の動態を議論した。得られた結果から、(1)沈降粒子中の$$^{13}$$C同位体比と$$^{14}$$C同位体比の関係は、海水柱内での有機物の変質の程度(数日から数年)を示すこと、(2)懸濁物や堆積物中のそれは、海水中での移動時間(数年から数千年)を示すことがわかった。日本列島に近い4観測点の堆積物中の$$^{14}$$C同位体比は、陸棚縁辺(観測点に至近の200m等深線)からの水平距離とともに減少しており、この$$^{14}$$C同位体比の減少を粒子輸送時の$$^{14}$$Cの放射性壊変によるものと仮定すると、同海域の底層における沿岸-海盆間での物質の水平輸送速度は約200m/年であると見積もられた。

論文

ヨウ素129から推定した日本海底層水のturnover time

鈴木 崇史; 皆川 昌幸*; 外川 織彦

JAEA-Conf 2010-001, p.15 - 18, 2010/03

$$^{129}$$Iの海水循環トレーサーとしての可能性及び日本海底層水のturnover timeを評価するために、太平洋及び日本海における$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iの鉛直分布を青森研究開発センターに設置してある加速器質量分析装置を用いて測定した。太平洋及び日本海の$$^{129}$$I/$$^{127}$$I鉛直分布はともに、表層が高く水深とともに減少して行く傾向が見られた。また太平洋では1500m以深で、日本海では2000m以深で$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは一定値を示した。太平洋の深層水における$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは(1.5$$pm$$0.4)$$times$$10$$^{-12}$$が得られ、天然レベルの$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iを示した。一方、日本海底層水の$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは(6.7-9.6)$$times$$10$$^{-12}$$が得られ、天然レベルの$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iより高かった。この上昇分は$$^{129}$$I濃度の高い表面海水が沈み込んだためだと考えられ、この上昇分から日本海底層水のturnover timeを見積もると約200年と推定された。

報告書

Establishment of database for Japan Sea parameters on marine environment and radioactivity (JASPER), 2; Radiocarbon and oceanographic properties

乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 田中 孝幸; 伊藤 集通; 小林 卓也; 川村 英之; 皆川 昌幸*; 荒巻 能史*; 千手 智晴*; 外川 織彦

JAEA-Data/Code 2009-020, 27 Pages, 2010/02

JAEA-Data-Code-2009-020.pdf:2.45MB

原子力機構が実施した日本海海洋調査の最終成果物のひとつとして、日本海の海洋環境パラメータと放射性核種に関するデータベース(JASPER)の第1巻が2007年に公開された。第1巻では、代表的な人工放射性核種(ストロンチウム-90,セシウム-137及びプルトニウム-239,240)について、海水及び海底土中の濃度データが収録された。今回はその第2巻として、海水中の放射性炭素同位体比データと、栄養塩濃度(ケイ酸,リン酸,硝酸及び亜硝酸)を含む海洋学的指標(塩分,水温,溶存酸素濃度)のデータが公開される。この第2巻には、現時点で20,398データレコードの登録があり、その内訳は、放射性炭素が1,660データ,水温が2,695データ,塩分が2,883データ,溶存酸素濃度が2,109データ,栄養塩濃度が11,051データである。このデータベースは、人工放射性核種による日本海の汚染状況の継続的な監視,日本海内の生物地球化学的循環,数値シミュレーションモデルの開発検証の各分野において強力なツールとなることが期待される。

論文

東部日本海盆における$$^{129}$$I及び$$^{14}$$Cの鉛直分布

鈴木 崇史; 皆川 昌幸*; 外川 織彦

第11回AMSシンポジウム報告集, p.31 - 34, 2009/01

日本海の東部日本海盆における海水試料中の$$^{129}$$I及び$$^{14}$$Cの濃度を表層から底層まで加速器質量分析装置で測定した。$$^{129}$$I, $$^{14}$$Cともに表層で濃度極大を示し、水深とともに減少していた。底層水中の$$^{129}$$I及び$$^{14}$$Cは一定値を示した。2007年7月及び11月に採取した海水中の$$^{129}$$I /$$^{127}$$Iはそれぞれ(7.1$$pm$$0.8)$$times$$10$$^{-12}$$及び(6.7$$pm$$0.3)$$times$$10$$^{-12}$$であり誤差範囲内で一致した。また2007年7月に同時に採取した海水中の$$Delta$$$$^{14}$$Cは-58$$pm$$7‰であった。本研究で得られた底層水中の$$^{129}$$I及び$$^{14}$$Cから日本海底層水turnover timeを見積もった。$$^{129}$$Iの場合、核実験以前の$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iレベルが1.5$$times$$10$$^{-12}$$から約60年間で現在のレベルに到達したことから見積もった。$$^{14}$$Cの場合Gamo et al. 1983で観測された東部日本海盆における$$Delta$$$$^{14}$$C値-80$$pm$$8‰から30年間で$$Delta$$$$^{14}$$Cが22‰増加したことから推定した。$$^{129}$$I及び$$^{14}$$Cから見積もられたturnover timeはそれぞれ300年と270年であった。

論文

Deep sea circulation of particulate organic carbon in the Japan Sea

乙坂 重嘉; 田中 孝幸; 外川 織彦; 天野 光; Karasev, E. V.*; 皆川 昌幸*; 乗木 新一郎*

Journal of Oceanography, 64(6), p.911 - 923, 2008/12

 被引用回数:19 パーセンタイル:45.18(Oceanography)

日本海の3海域(北東部,北西部,南東部)やその周辺地域で得た粒子状有機物(POC)について、放射性炭素($$^{14}$$C)同位体比分析を行い、その時空間変化から、日本海におけるPOCの輸送過程を解析した。日本海における沈降POC中の$$^{14}$$C同位体比の変動範囲は、POCの沈降速度から予想されるそれに比べて極めて大きかった。沈降粒子中の陸起源成分の濃度と有機態$$^{14}$$C同位体比との間には直線関係が見られ、その関係は海盆ごとに異なっていた。これらのことから、日本海におけるPOCは、表層の生物活動で生産された新鮮なPOCと、陸域などからの供給による難分解性のPOCの2成分の混合であると説明された。それぞれのPOCの成分について粒子束の変化を解析した結果、(1)新鮮なPOCと難分解性POCの両方が日本海北西部で春季に沈降する、(2)北西部の深層で分解を間逃れた難分解性POCが「POCプール」を形成し、難分解性POCは東方へ輸送される、(3)日本海南部では、北西部とは別の経路で難分解性POCが供給され、比較的素早く海底に蓄積されるといったPOCの輸送過程が示唆された。

論文

日本海における放射性炭素の分布と深層循環

荒巻 能史*; 外川 織彦; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 天野 光; 田中 孝幸; 千手 智晴*; 皆川 昌幸*

JAEA-Conf 2008-005, p.149 - 152, 2008/03

原子力機構では、1990年代後半より日本海全域における人工放射性核種濃度の現状把握、及び日本海深層の物質循環について観測研究を実施してきた。本報告では、これらの観測によって得られた、海水流動のトレーサとして有効な放射性炭素($$^{14}$$C)の広範な分布をもとに、深層水の特性やその循環について議論した。1999$$sim$$2002年及び2005年に実施した調査で得られた海水試料中の$$^{14}$$Cを、むつ事務所の加速器質量分析装置で測定した。その結果、各海域の$$Delta$$$$^{14}$$Cは表層の+70‰程度から深度とともに指数関数的に減少する傾向にあるが、日本海盆などの水深2000m以深では-65‰前後でほぼ一定の値となった。また、日本海盆西部域やウツリョウ海盆の底層水における$$Delta$$$$^{14}$$Cにばらつきが顕著であるのに対して、日本海盆東部域では誤差範囲内で一定の値を示した。以上のように、日本海の各海域における底層水の特性を明らかにすることができ、その要因や底層水の循環について考察した。

論文

Iron in the Japan Sea and its implications for the physical processes in deep water

高田 兵衛*; 久万 健志*; 磯田 豊*; 乙坂 重嘉; 千手 智晴*; 皆川 昌幸*

Geophysical Research Letters, 35(2), p.L02606_1 - L02606_5, 2008/01

日本海の2つの海盆(大和海盆及び日本海盆)で採取した海水中の鉄(溶存鉄と可溶性鉄)濃度から、両海盆での鉄の挙動について考察した。孔径0.22$$mu$$mのフィルターで濾過し、緩衝液でpH=3.2に調整した海水に含まれる鉄を溶存鉄、濾過せずにpH調整のみを行った海水に含まれる鉄を可溶性鉄とした。表層(0$$sim$$200m深)における可溶性鉄存在量は、いずれの海域でも300$$sim$$350$$mu$$mol m$$^{-2}$$で、北太平洋の外洋域に比べて5$$sim$$9倍大きく、アジア大陸から日本海への大気経由での物質輸送が鉄の存在量に大きく影響していると推測された。日本海における溶存鉄濃度は、水深1$$sim$$2kmで極大を示した。この結果は、表層で生物に取り込まれた鉄が、中・深層で分解され滞留したためであると考えられる。鉄は、海洋における生物生産を制限する重要な因子であることが指摘されているが、日本海における鉄濃度分布から、海洋における鉄の供給源と挙動について理解することが可能となった。

論文

太平洋及び日本海におけるヨウ素129の鉛直分布

鈴木 崇史; 皆川 昌幸*; 天野 光; 外川 織彦

第10回AMSシンポジウム報告集, p.147 - 150, 2008/00

ヨウ素129は半減期1570万年の長寿命放射性核種である。大気核実験や核燃料再処理工場の稼動により環境中に$$^{129}$$Iが放出されるため、環境中での$$^{129}$$Iの移行挙動が注目されている。そこで本研究では海水中の$$^{129}$$I濃度を測定することにより、海水中の$$^{129}$$Iの移行挙動を考察した。海水試料は太平洋の1地点(釧路沖)と日本海の2地点(日本海盆及び大和海盆)で採取した。試料中の$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは原子力機構むつ事務所のAMSで測定した。表面海水中(水深5m)の$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは釧路沖、日本海盆及び大和海盆でそれぞれ(7.1$$pm$$0.5)$$times$$10$$^{-11}$$, (5.8$$pm$$0.2)$$times$$10$$^{-11}$$及び(4.6$$pm$$0.6)$$times$$10$$^{-11}$$であった。釧路沖の$$^{129}$$I鉛直分布は水深とともに減少した。水深1500mから5000mまでの$$^{129}$$I濃度は一定となり、$$^{129}$$I/$$^{127}$$I=(1.4$$pm$$0.6)$$times$$10$$^{-12}$$を得た。人為起源$$^{129}$$Iを含まない天然レベルの$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iが(1.5$$pm$$0.15)$$times$$10$$^{-12}$$であることから太平洋の1500m深まで人為起源の$$^{129}$$Iが沈み込んでいることがわかった。一方、日本海の日本海盆と大和海盆では$$^{129}$$I濃度は太平洋と同様に水深とともに減少し、2000m以深で一定値となり、その$$^{129}$$I/$$^{127}$$Iは日本海盆と大和海盆でそれぞれ(8.3$$pm$$0.6)$$times$$10$$^{-12}$$及び(9.8$$pm$$0.8)$$times$$10$$^{-12}$$であった。天然レベルの$$^{129}$$I/$$^{127}$$I値から考えると、人為起源$$^{129}$$Iが日本海の深部まで沈み込んでいるためだと考えられる。

口頭

Deep sea circulation of particulate materials in the Japan Sea

乙坂 重嘉; 外川 織彦; 田中 孝幸; 天野 光; 皆川 昌幸*

no journal, , 

日本海深海域における粒子状物質の生物地球化学循環を明らかにするため、西部日本海盆(WJB),東部日本海盆(EJB)及び大和海盆(YB)の3海域で得られた沈降粒子中の鉛-210(Pb-210)濃度と有機態放射性炭素(C-14)同位体比を測定結果から、粒子の輸送過程とその時間スケールについて検討した。水深1km層における沈降粒子中のデルタ14C値は、-13$$pm$$22パーミルで、海域による差は見られなかった。底層(海底上200m)で得られた沈降粒子中のデルタ14C値は、YBでは水深1km層のそれと同程度であったが、WJB及びEJBでは、浅層の値に比べて55パーミル程度低かった。このことから、日本海北部(WJB and EJB)の深海域では、南東部(YB)に比べて長い時間スケールでのPOC循環を持つことが示唆された。海水柱内の鉛-210(Pb-210)の収支をWJBとEJB間で比較した結果、WJBに供給されるPb-210の60%は東部に輸送されていると見積もられた。

口頭

西部北太平洋及び日本海における粒子輸送と微量元素サイクル

乙坂 重嘉; 皆川 昌幸*; 乗木 新一郎*

no journal, , 

日本海におけるセジメントトラップ実験を行うことにより、海洋全体における粒子輸送過程の傾向や、全球的な環境変動に対する深海への粒子輸送の応答についての情報を効率的に得ることができる。本講演では、原子力機構,北海道大学,中央水研が1999年代後半から2000年代前半にかけて日本海で行ったセジメントトラップ実験の成果を紹介する。日本海における全粒子束は東部に比べて栄養塩の表層への供給が活発な北西部で大きかった。希土類元素等を指標とすることにより、日本海への陸起源粒子の供給経路を3つに分類できた。鉛の放射性同位体であるPb-210の収支から、西部日本海盆の深層に鉛直的に運ばれた粒子状物質の約6割が日本海盆深層を通って東方に運ばれていると推測された。日本海のような「モデル海域」で明らかにされる粒子の循環像と、1980年代より西部北太平洋域で連続的に行われている連続観測の結果を組合せることにより、より包括的な物質循環像を明らかにすることが期待される。

口頭

日本海における粒子状有機物の輸送・循環過程

乙坂 重嘉; 天野 光; 田中 孝幸; 外川 織彦; 乗木 新一郎*; 蒲 正人*; 皆川 昌幸*

no journal, , 

日本海深海域における粒子状親生物元素の循環を明らかにするため、1999年代後半から2000年代前半にかけて日本海の3海域(北東部,北西部,南東部)で実施したセジメントトラップ実験で得た沈降粒子と、2海域(北東部,南東部)での現場濾過実験で得た懸濁粒子中の有機態放射性炭素(C-14)同位体比分析を行い、その時空間変化から、親生物元素の粒子化や海水中での粒子の輸送過程について解析した。水深1km層における沈降粒子中のC-14同位体比には、その変動範囲に大きな海域差が見られなかった。深層(海底の500m上)で得られた沈降粒子中のC-14同位体比は、日本海南東部では水深1km層における値と比べて大きな差が見られなかったが、その一方で北東部及び北西部では、上層に比べて有意に小さかった。これらの結果から、日本海北部では、南部に比べて時空間的に大きな粒子状有機物の循環・蓄積機構が働いているか、有機物の供給源・供給過程が南北で大きく異なることが示唆された。

口頭

日本海における放射性炭素の分布と深層循環

荒巻 能史*; 外川 織彦; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 千手 智晴*; 皆川 昌幸*

no journal, , 

原子力機構では、1990年代後半より日本海全域における人工放射性核種濃度の現状把握、及び日本海深層の物質循環について観測研究を実施してきた。本報告では、これらの観測によって得られた海水流動のトレーサとして有効な放射性炭素($$^{14}$$C)の広範な分布をもとに、深層水の特性やその循環について議論した。1999$$sim$$2002年及び2005年に実施した調査で得られた海水試料中の$$^{14}$$Cを、むつ事業所の加速器質量分析装置で測定した。その結果、各海域の$$Delta$$$$^{14}$$Cは表層の+70‰程度から深度とともに指数関数的に減少する傾向にあるが、日本海盆及び大和海盆の水深2000m以深では-50$$sim$$-70‰でほぼ一定の値となった。また、大和海盆と日本海盆西部の底層水における$$Delta$$$$^{14}$$Cにばらつきが顕著であるのに対して、日本海盆東部では水深2500m以深において、誤差範囲内で一定の値を示した。以上のように、日本海の各海域における底層水の特性を明らかにすることができた。

口頭

日本海におけるヨウ素129の鉛直分布

鈴木 崇史; 天野 光; 外川 織彦; 皆川 昌幸*

no journal, , 

日本海における大和海盆及び富山湾のヨウ素129の鉛直分布を加速器質量分析装置を用いることにより明らかにした。濃度は表面で高く水深1000m付近まで減少し、それ以深ではほぼ一定となった。天然起源のヨウ素129は一定値(0.04$$times$$10$$^{8}$$atoms/L)になっていると考えられる。日本海固有水の占める水深1000mから3000mまでもこの値よりも有意に大きい。日本海固有水が入れ替わるのに約100年かかることを考慮すると、ヨウ素の移行挙動の一部には早い鉛直方向の移行過程が存在するのではないかと考えられる。これには、冬季に表層水の深層への貫入、もしくはエアロゾルや海藻などの粒子に吸着もしくは取り込まれたヨウ素が海水中を沈降し深層中で溶解する過程が考えられる。

口頭

粒子状有機物の「見かけの年齢」の変動因子

乙坂 重嘉; 田中 孝幸; 天野 光; 外川 織彦; 乗木 新一郎*; 皆川 昌幸*

no journal, , 

海洋における粒子状有機物(POM: Particulate Organic Matter)中の放射性炭素(C-14)同位体比から得られるPOMの「見かけの年齢」は、POMの輸送過程を追跡するための指標として有効である。しかしながら、POM中C-14の同位体比は、海洋表層でのPOM生産時からの経過時間ばかりではなく、海底や陸域からのPOMの供給や、海水中に溶存する有機物の粒子化の程度をも反映して変化することが指摘されている。そこで本講演では、北海道西方沖,日高沖の2海域と、その周辺地域で得られたPOM試料の分析結果から、POM中の「見かけの年齢」を変化させる因子について議論する。いずれの海域でも、デルタC-14値は深さとともに減少し、試料を採取した水深から海底までの距離と、デルタC-14値との間には、有意な関係は見られなかった。この結果から、海水柱内には「古い」POMが確かに存在するが、その「古さ」は海底からの物質供給のみでは決定付けられないことがわかった。沈降POMと懸濁POMではデルタC-14値とデルタC-13値(安定炭素同位体比)との関係が異なり、懸濁POMは微生物等による海水中での再食の結果を、沈降POMは陸起源POMの混入をそれぞれ反映することが示唆された。

口頭

Time-scale of POC cycle in the Japan Sea

乙坂 重嘉; 田中 孝幸; 外川 織彦; 天野 光; 皆川 昌幸*; Khim, B.-K.*; 乗木 新一郎*

no journal, , 

日本海北東部で得られた粒子状有機物(POC)試料中の放射性炭素及び安定炭素同位体比から、同海域におけるPOC循環の年齢について議論する。POCの「見かけの年齢」の指標であるDelta C-14値は懸濁POCに比べて沈降POCで大きく、いずれも深さとともに減少した。安定炭素同位体比dC13値は沈降POCに比べて懸濁POCで大きかった。沈降POCのC-14同位体比と元素組成との関係から、沈降POCのDelta C-14値は陸起源POCと表層の生物活動で生産されるPOCの混合比を表していることと、その混合比は沈降過程で変化することが示唆された。さらに、沈降POC中の陸起源成分と懸濁POC間のDelta C-14値の差は、海水中でのPOC移行に伴う経過時間を示していると考えられた。これらのことから、沈降粒子と懸濁粒子のC-14年代の差が海水柱内での懸濁POCの年齢であるとみなすことができ、日本海の深層(3km層)でのPOCの年齢は、約300年と見積もられた。

口頭

Decadal change of particulate flux in the Japan Sea/East Sea

乙坂 重嘉; 奥 俊輔*; 南 秀樹*; 皆川 昌幸*; 乗木 新一郎*

no journal, , 

世界で最大の縁辺海である日本海は、独自に深層循環を形成することなどから「ミニチュア大洋」としての特徴を持つことが知られている。また、近年の研究では、日本海における物質循環過程が、全球的な環境変動に応答して変化していることが指摘されている。本研究では、日本海における、沈降粒子束や沈降粒子中の元素組成の経年変化を評価するために、1984年に行われたセジメントトラップ実験の結果を、1999-2001年の結果と比較した。全粒子束は、この15年間で目立った経年変化は見られなかったが、表層での生物種の指標となる沈降粒子中の生物起源オパール/炭酸カルシウム比が減少していた。さらに、マンガンやコバルトといった粒子輸送経路の指標元素についても濃度減少が見られた。これらの結果から、日本海表層での生態系の変化や、深層での粒子状物質の輸送経路が経年変化していることが示唆された。

口頭

日本海東部における沈降粒子の元素組成の経年変化

乙坂 重嘉; 奥 俊輔*; 南 秀樹*; 皆川 昌幸*; 乗木 新一郎*

no journal, , 

日本海における深層循環の経年変化は全球的な温暖化と密接に関係していることが示唆されている。一方で、粒子状物質の鉛直輸送は、海洋における物質循環を議論するうえで不可欠な過程であるにもかかわらず、日本海での沈降粒子について、その元素組成の経年変化を論じた研究は皆無である。本研究では、1984年に日本海東部で実施したセジメントトラップ実験の結果を、1999年から2001年にかけて同海域で行った観測結果と比較することにより、物質循環の指標となる10元素について、沈降粒子の元素組成の経年変化を解析した。結果として、(1)生物起源粒子の特徴の変化に比べ、陸起源成分の組成の変化がより顕著であること,(2)陸起源粒子のうち、アジア大陸起源粒子の構成比が減少した可能性があること,(3)沿岸域から海盆内部への粒子輸送量が減少したこと、及び沈降粒子による人為起源微量元素の輸送量には有意な増加がないことが示唆された。

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