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nucleiKumar, A.*; 清水 則孝*; 宮城 宇志*; 角田 佑介*; 宇都野 穣
Physics Letters B, 874, p.140184_1 - 140184_7, 2026/03
被引用回数:0中性子数50の原子核は、ニッケル以上の陽子数(
)では低励起状態が知られており、そこでは中性子魔法数50が保たれていることが知られている。本研究では、Valence Space In-Medium Similarity Renormalization Group (VS-IMSRG)法に使って構築された、第一原理的な有効相互作用を用いた大規模殻模型計算によって中性子過剰な中性子数50同位体の低励起状態の構造を調べた。計算の1粒子エネルギーを適切な値に設定するだけでこれまで知られてきた準位構造をよく再現した。さらに、ニッケルよりも陽子数の小さな不安定核では、中性子魔法数50が消滅し、変形するという予言が与えられた。
大塚 孝治*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 宇都野 穣; 阿部 喬*; 上野 秀樹*
European Physical Journal A, 61(5), p.126_1 - 126_45, 2025/05
被引用回数:11 パーセンタイル:98.77(Physics, Nuclear)準粒子真空殻模型計算とよばれる大規模殻模型計算によって、質量数160領域の原子核の核構造計算を行い、その形状を得た。従来、この領域の原子核は軸対称変形した回転楕円体であるとされてきたが、軸対称姓が破れ、三軸非対称であることがわかった。この描像によって、ガンマバンドからの
値を系統的によく再現することに成功した。また、量子論に基づいて、変形した物体が回転バンドを生じるメカニズムを与えた。
Gd
Mn
O
石井 裕太*; 坂倉 輝俊*; 石川 喜久*; 鬼柳 亮嗣; Lustikova, J.*; 青山 拓也*; 大串 研也*; 若林 裕助*; 木村 宏之*; 野田 幸男*
Physical Review B, 110(18), p.184404_1 - 184404_7, 2024/11
被引用回数:1 パーセンタイル:2.99(Materials Science, Multidisciplinary)Neutron-scattering measurements were employed to investigate the magnetic ordering in Tb
Gd
Mn
O
(x = 0.485) enriched with the
Gd isotope, a member of multiferroic RMn
O
(R = rare-earth element) compounds. This material, at low temperatures, exhibits commensurate magnetic (CM) ordering, which drives electric polarization. Notably, electric polarization diminishes as the temperature decreases further, while the CM ordering persists. Magnetic structure analyses revealed that a cycloidal magnetic structure along the c axis transforms into a sinusoidal-like structure, resulting in the nonferroelectric phase, whereas a collinear magnetic structure in the ab plane exhibits no significant change. The findings suggest that the cycloidal magnetic structure plays a key role in inducing electric polarization in the CM ordering of the present material.
O近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.
Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08
被引用回数:40 パーセンタイル:94.82(Multidisciplinary Sciences)非常に中性子が過剰な原子核
Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核
Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて
Fからの1陽子ノックアウト反応によって
Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、
Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。
Ca cast doubt on a doubly magic
CaChen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:10 パーセンタイル:84.44(Astronomy & Astrophysics)
Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
and
shell gap for Ti and V by the first high-precision multireflection time-of-flight mass measurements at BigRIPS-SLOWRI飯村 俊*; Rosenbusch, M.*; 高峰 愛子*; 角田 佑介*; 和田 道治*; Chen, S.*; Hou, D. S.*; Xian, W.*; 石山 博恒*; Yan, S.*; et al.
Physical Review Letters, 130(1), p.012501_1 - 012501_6, 2023/01
被引用回数:18 パーセンタイル:88.55(Physics, Multidisciplinary)The atomic masses of
Sc,
Ti, and
V have been determined using the high-precision multireflection time-of-flight technique. The radioisotopes have been produced at RIKEN's Radioactive Isotope Beam Factory (RIBF) and delivered to the novel designed gas cell and multireflection system, which has been recently commissioned downstream of the ZeroDegree spectrometer following the BigRIPS separator. For
Ti and
V, the mass uncertainties have been reduced down to the order of 10 keV, shedding new light on the
shell effect in Ti and V isotopes by the first high-precision mass measurements of the critical species
Ti and
V. With the new precision achieved, we reveal the nonexistence of the
empirical two-neutron shell gaps for Ti and V, and the enhanced energy gap above the occupied
p
orbit is identified as a feature unique to Ca. We perform new Monte Carlo shell model calculations including the
d
and
g
orbits and compare the results with conventional shell model calculations, which exclude the
g
and the
d
orbits. The comparison indicates that the shell gap reduction in Ti is related to a partial occupation of the higher orbitals for the outer two valence neutrons at
.
-clustering in atomic nuclei from first principles with statistical learning and the Hoyle state character大塚 孝治; 阿部 喬*; 吉田 亨*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 板垣 直之*; 宇都野 穣; Vary, J. P.*; Maris, P.*; 上野 秀樹*
Nature Communications (Internet), 13, p.2234_1 - 2234_10, 2022/04
被引用回数:75 パーセンタイル:98.10(Multidisciplinary Sciences)多くの原子核では核子の独立粒子模型がよい近似であり、それが原子核構造の出発点となっているが、一部の軽い原子核では陽子2個と中性子2個からなるアルファ粒子が局在しているアルファクラスターを構成要素としてもよいと考えられている。しかしながら、アルファクラスターそのものを観測することは困難であり、それがどの程度よい近似なのかは軽い核を理解する上で重要である。本研究では、核力から出発した第一原理モンテカルロ殻模型計算により、ベリリウム同位体および炭素12の多体波動関数を得た。物体固定系での密度分布の計算結果から、ベリリウム同位体では2個のアルファクラスターが局在していることを示した。また、炭素12では基底状態は比較的液滴模型に近く、ホイル状態として知られる第一励起
状態はアルファクラスターと液滴状態が混合したクロスオーバーとしてとらえられることがわかった。これらの解析に、デンドログラムという統計的学習手法が有効であることもわかった。
CrKleis, H.*; Seidlitz, M.*; Blazhev, A.*; Kaya, L.*; Reiter, P.*; Arnswald, K.*; Dewald, A.*; Droste, M.*; Fransen, C.*; M
ller, O.*; et al.
Physical Review C, 104(3), p.034310_1 - 034310_9, 2021/09
被引用回数:4 パーセンタイル:39.45(Physics, Nuclear)ケルン大学のタンデム加速器にて、
Ca(
B,
)
Cr反応によって
Crの励起状態を生成し、そこから脱励起する励起状態の寿命をドップラーシフト反跳距離法を用いて測定した。
状態から
状態へ脱励起する
遷移の寿命が6.33(46)ps,
状態から
状態へ脱励起する
励起の寿命が5.61(28)psであることが決定された。その値から
,
値を引き出し、これらが殻模型計算の値とよく一致することがわかった。小さな
値は、
状態と
状態が異なる回転バンドに属しているためであると解釈された。
清水 則孝*; 角田 佑介*; 宇都野 穣; 大塚 孝治*
Physical Review C, 103(1), p.014312_1 - 014312_11, 2021/01
被引用回数:31 パーセンタイル:94.14(Physics, Nuclear)配位混合殻模型は、核子間相関をよく取り込むことができるため、原子核構造を記述する有力な模型の一つである。核子数の多い原子核を殻模型で計算するには、極めて大きな次元数をもつハミルトニアン行列の対角化が必要なため、現実的には不可能である。このような系に対しては、変形したスレーター行列式の重ね合わせによる変分法に基づいた、モンテカルロ殻模型と呼ばれる手法が用いられてきたが、質量数が大きな原子核では精度に課題があった。この論文では、基底をスレーター行列式から準粒子真空に置き換える、新しい手法を提案した。それにより、中重核の二重ベータ行列要素に対し、より信頼できる値を得ることが可能となった。
角田 直文*; 大塚 孝治; 高柳 和雄*; 清水 則孝*; 鈴木 俊夫*; 宇都野 穣; 吉田 聡太*; 上野 秀樹*
Nature, 587, p.66 - 71, 2020/11
被引用回数:80 パーセンタイル:95.03(Multidisciplinary Sciences)与えられた陽子数に対し、どれだけの中性子数の原子核が存在可能であるかという問いは、原子核物理における最も基本的な問題の一つである。原子核は独立粒子描像がよく成り立つため、従来は陽子数で決まるポテンシャルが作る束縛状態の個数で決まると考えられてきた。この研究では、最近実験で確定した、フッ素からナトリウムに対する中性子ドリップ線(最も中性子数の多い同位体)を、核力から出発した第一原理的な大規模殻模型計算によって再現し、そのメカニズムを理論的に解析した。ハミルトニアンを単極相互作用と多重極相互作用に分解し、さらに多重極相互作用を対相互作用と残りの部分に分け、基底状態におけるそれぞれの項の寄与を調べた。その結果、多重極相互作用の変形エネルギーに相当する部分が中性子ドリップ線を決めるのに非常に重要な役割を果たしていることがわかった。すなわち、中性子数が増えていくと徐々に変形エネルギーが増大するものの、ある中性子数でそれが飽和し、その後は減少していくが、その減少過程で中性子ドリップ線が決まるというシナリオである。本研究は、ドリップ線に対する新しい見方を与え、天体中の元素合成過程の理解に重要な貢献をすることが期待される。
Mg explored via in-beam
-ray spectroscopy北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 清水 則孝*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; Bazin, D.*; Berryman, J. S.*; Bildstein, V.*; et al.
Physical Review C, 102(5), p.054318_1 - 054318_13, 2020/11
被引用回数:6 パーセンタイル:46.06(Physics, Nuclear)
Mgは中性子数20の魔法数が消滅する原子核としてよく知られている
Mgの2中性子少ない系であり、魔法数消滅のメカニズムを解明する重要な情報を与える原子核である。この研究では、ミシガン州立大学のサイクロトロンを用いて
Mgからの中性子ノックアウト反応によって
Mgを生成し、そのガンマ線分光から構造を探求した。変形の小さなバンドと変形の大きなバンドの他に負パリティ状態と見られるエネルギー準位が得られ、それらの分光学的因子が導かれた。その結果を大規模殻模型計算と比較したところ、エネルギー準位はよく再現するものの、分光学的因子の一部に不一致があり、より正確な記述という観点からは理論に課題があることがわかった。
野田 昂志*; 土肥 侑也*; 太田 豊*; 高田 慎一; 高野 敦志*; 松下 裕秀*
Journal of Polymer Science, 58(15), p.2098 - 2107, 2020/08
被引用回数:11 パーセンタイル:33.82(Polymer Science)A four-branched cage-shaped poly(ethylene oxide) (4C-PEO) was prepared by a coupling reaction at very dilute condition between two kinds of end-functional four-armed star-shaped PEOs having amino and
-hydroxysuccinimide groups on their four ends, followed by purification using
-cyclodextrin (
-CD). The raw coupling reaction product shows multiple peaks including various high molecular weight multimeric products in size-exclusion chromatography measurements, while the product after
-CD purification shows a single peak eluted slightly earlier than the precursor star PEOs. These results suggest that the targeted 4C-PEO polymer was successfully isolated through the
-CD purification. Small-angle neutron scattering (SANS) measurements of the final product in dilute solution were conducted, and its chain conformation was evaluated from the scattering profile in comparison with linear and star polymers.
清水 則孝*; 水崎 高浩*; 宇都野 穣; 角田 佑介*
Computer Physics Communications, 244, p.372 - 384, 2019/11
被引用回数:311 パーセンタイル:99.88(Computer Science, Interdisciplinary Applications)大規模殻模型計算において、ハミルトニアン行列を対角化するため、ランチョス法は広く用いられている。しかし、必要な固有状態の数が増えるにつれ、保存すべきランチョスベクトルの数が増大し、メモリを圧迫するとともに再直交化に要する計算時間が増えるという数値計算上の問題点があった。この研究では、必要な固有状態の数が多い場合において、シック・リスタート法とブロックアルゴリズムを取り入れたランチョス法によって、より効率的な計算が可能になったことを示した。
Ne by proton knockout reactionsMurray, I.*; MacCormick, M.*; Bazin, D.*; Doornenbal, P.*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Crawford, H. L.*; Fallon, P.*; Li, K.*; Lee, J.*; et al.
Physical Review C, 99(1), p.011302_1 - 011302_7, 2019/01
被引用回数:21 パーセンタイル:83.50(Physics, Nuclear)理化学研究所のRI Beam Factory(RIBF)にて中性子過剰核
Neの低励起状態を1陽子あるいは2陽子ノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起ガンマ線の測定によって、エネルギー準位を構築した。1410(15)keVのガンマ線を初めて測定し、反応断面積の系統性などから
から
への遷移に対応すると提案した。既に知られている
準位を用いて、
と
の励起エネルギー比2.99(6)が得られた。この値は、回転スペクトルの値に近く、
Neは強く変形していることがわかった。この実験結果は、大規模殻模型計算の結果とよく一致した。
state of
Al; Investigation on the neutron
excitation across
in the island of inversionXu, Z. Y.*; Heylen, H.*; 旭 耕一郎*; Boulay, F.*; Daugas, J. M.*; de Groote, R. P.*; Gins, W.*; Kamalou, O.*; Koszor
s,
.*; Lykiardopoupou, M.*; et al.
Physics Letters B, 782, p.619 - 626, 2018/07
被引用回数:8 パーセンタイル:50.53(Astronomy & Astrophysics)GANIL研究所において、
Sからのフラグメンテーション反応によって中性子過剰核
Alにおける核異性体である
状態を生成し、その磁気双極子モーメントと電気的四重極モーメント(Qモーメント)をそれぞれ
-NMR法および
-NQR法を用いて測定した。この状態は中性子数20の殻ギャップを越えて励起したものであり、その性質を実験的に押さえることは、この原子核の周辺で知られている逆転の島(基底状態で既に殻ギャップを越えた励起が起こるとされる原子核の一団)の発現のメカニズムを解明するための有益な情報を与える。測定されたg因子の絶対値は
、Qモーメントの絶対値は38(5)mbとなった。これらの値は、大規模殻模型計算による予言値に近く、模型の高い記述能力を確かめることができた。
清水 則孝*; 阿部 喬*; 本間 道雄*; 大塚 孝治*; 富樫 智章*; 角田 佑介*; 宇都野 穣; 吉田 亨*
Physica Scripta, 92(6), p.063001_1 - 063001_19, 2017/06
被引用回数:39 パーセンタイル:83.90(Physics, Multidisciplinary)モンテカルロ殻模型の手法およびその応用について概説する。モンテカルロ殻模型は、効率的に多体基底を生成することによって、従来の直接対角化では計算不可能だった物理系に対する殻模型計算を目指した手法である。このレビュー論文では、モンテカルロ殻模型のここ10年以内の発展をまとめた。手法面では、エネルギー分散を用いた外挿による厳密解の推定法や共役勾配法の導入による効率的な基底生成など、数値計算面では、より効率的な並列化や計算機の実効性能を高める数値計算アルゴリズムなどについて概説する。最近の応用としては、非常に大きな模型空間が必要な第一原理計算および中性子過剰なニッケル領域とジルコニウム領域の計算結果を紹介する。後者の中性子過剰核領域では、変形共存に興味が集まっているが、モンテカルロ殻模型では、変形の分布を解析するT-plotと呼ぶ新しい手法を開発することによって、これらの原子核の変形を直感的に理解することが可能となった。この手法は、軽い原子核のクラスター状態を調べるのにも有用である。
宇都野 穣; 大塚 孝治*; 清水 則孝*; 角田 佑介*; 本間 道雄*; 阿部 喬*; 水崎 高浩*; 富樫 智章*; Brown, B. A.*
Proceedings of International Conference on Nuclear Theory in the Supercomputing Era 2014 (NTSE 2014), p.29 - 34, 2016/00
スーパーコンピュータを用いた大規模数値計算による原子核理論研究の進展を議論する本国際会議において、大規模殻模型計算の発展に関する招待講演を行う。現在、非常に軽い核では生の核力に基づく第一原理計算が行われているが、質量数20程度以上の核に対して第一原理計算を行うのは当面の間困難である。そこで、質量数100程度までの中重核構造は、殻模型が有力な手法である。殻模型計算を行うには、有効相互作用が必要となるが、未だにそれを正確に得ることは難しく、特に殻構造に関わる部分に大きな不定性が残されている。本講演では、発表者らによって提唱された統一的に殻構造を記述する有効相互作用によって、様々な領域の不安定核構造が非常によく理解されるようになったことを示す。その例として、軽い核から中重核までの魔法数領域、カルシウム、ニッケル、スズ同位体を採り上げ、中心力とテンソル力による殻構造変化およびそれに伴う変形共存現象などについてのいくつかの話題を紹介する。
古田 琢哉; 前山 拓哉*; 石川 顕一*; 福西 暢尚*; 深作 和明*; 高木 周*; 野田 茂穂*; 姫野 龍太郎*; 林 慎一郎*
Physics in Medicine & Biology, 60(16), p.6531 - 6546, 2015/08
被引用回数:24 パーセンタイル:67.47(Engineering, Biomedical)現在の粒子線がん治療の治療計画に用いられている簡易的な線量解析では、軟組織と骨の境界等の不均質な領域で線量分布の再現性が低いことが知られており、より高精度なモンテカルロ計算による治療計画の実現が求められている。そこで、現状のモンテカルロ計算による線量解析で、治療に即した状況での精度を検証することを目的として、生体物質中での線量分布を実験により比較検証した。具体的には、生体物質として骨付き鶏肉を用意し、これを挿入した容器の背後にPAGATゲル線量計を配置し、炭素線ビームを前方から照射することで、不均質な生体物質を通り抜けた炭素線によってゲル線量計内に形成される複雑な線量分布の比較を行った。シミュレーションではCTイメージから再構成された生体物質を含む実験環境を模擬し、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて炭素線の輸送を計算することで、ゲル線量計内の線量分布を導出した。その結果、実験での炭素線の飛程端が作る複雑な線量分布の構造について、シミュレーションにより2mm程度の違いの範囲でよく再現できることを示した。
宇都野 穣; 大塚 孝治*; 角田 佑介*; 清水 則孝*; 本間 道雄*; 富樫 智章*; 水崎 高浩*
JPS Conference Proceedings (Internet), 6, p.010007_1 - 010007_8, 2015/06
不安定核物理のフラッグシップ国際会議ARIS2014にて、不安定核における殻構造変化に関する最近の知見についての招待講演を行う。特に、有効相互作用による殻構造変化が最近の実験および理論研究によってどう明らかになったかについて議論する。まず、最近測定された、カリウム51の基底状態スピンから、従来あまり重要視されてこなかった中心力の重要性を強調する。その結果、中心力とテンソル力が協調的に働く軌道に関しては特に大きな殻構造変化が生じることを示し、2013年発見されたカルシウム54における新魔法数34の出現はそこから理解されることを説明する。さらに、カルシウムよりも陽子数が減っても魔法数34は保たれるという予言を示す。中性子数28魔法数の消滅もやはり中心力が重要であり、その結果、硫黄44にて球形起源および変形起源の軌道が近くに現れ、Kアイソマーに類する現象が起こることを示す。
NiChiara, C. J.*; Weisshaar, D.*; Janssens, R. V. F.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; Harker, J. L.*; Walters, W. B.*; Recchia, F.*; Albers, M.*; Alcorta, M.*; et al.
Physical Review C, 91(4), p.044309_1 - 044309_10, 2015/04
被引用回数:40 パーセンタイル:89.63(Physics, Nuclear)アルゴンヌ国立研究所にて中性子過剰核
Niを
Znの多核子移行反応によって生成し、
線検出器GRETINAを用いて
線分光を行った。その結果、
,
準位を初めて観測した。これらの準位は小さな模型空間を採用した殻模型計算では再現されないため、陽子の
軌道からの励起を伴った大きな変形状態であると考えられる。本論文の理論グループが2014年に発表した大規模殻模型計算によって
Niの励起状態を解析した結果、これらの状態は大きなプロレート変形を持つ状態とよく対応することがわかった。この結果は、中性子過剰ニッケル同位体における変形共存が
Ni以外にも存在することを実証するとともに、中性子過剰核における大規模殻模型計算の予言能力を確かめるものである。