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深沢 剛司*; 岡村 茂樹*; 山本 智彦; 川崎 信史; 廣谷 勉*; 森泉 瑛里子*; 櫻井 祐*; 正木 信男*
Proceedings of 2016 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2016) (Internet), 10 Pages, 2016/07
ナトリウム冷却型高速炉で用いられる免震用厚肉積層ゴムの終局特性を1/2スケールモデルを用い取得した。厚肉積層ゴムの基礎復元特性は、既に取得されており、本検討では、ばらつき分布を含む復元特性及び終局特性に着目した試験を実施した。その結果、剛性と減衰率及び破断ひずみに関するデータが取得できた。
大内 伸夫; 赤岡 伸雄*; 浅野 博之*; 千代 悦司; 滑川 裕矢*; 鈴木 浩幸*; 植野 智晶*; 野口 修一*; 加古 永治*; 大内 徳人*; et al.
Proceedings of 4th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators, p.175 - 183, 2005/11
加速器駆動核変換システム(ADS)ではエネルギー約1GeV,ビームパワー20-30MWの大強度陽子加速器が要求される。原研,KEK,三菱重工業,三菱電機は共同でADS用超伝導陽子リニアックの開発を2002年から実施している。本技術開発では、J-PARC計画用超伝導陽子リニアックの設計をベースに、972MHzクライオモジュールの開発並びに超伝導陽子リニアックのシステム設計を行っている。クライオモジュールの開発においては、最大表面電界30MV/mの達成を目標としてクライオモジュールの試作,試験を実施している。空洞単体試験においては、2台の空洞について最大表面電界32, 34MV/mを達成した。2004年にはクライオモジュールの本格的な試験を実施し、最終目標値の達成を目指す。超伝導陽子リニアックのシステム設計では、エネルギー1001500MeV領域のビーム軌道解析を実施した。その結果、超伝導リニアックの構成は、10種類の超伝導空洞,クライオモジュール総数106台,全長565mとなった。低エネルギー部では高エネルギー部と比較して加速効率がかなり低下していることが判明した。
伊藤 慶文*; 遠藤 伸之*; 大谷 暢夫*
JNC TJ4440 2004-005, 430 Pages, 2005/03
原始力施設に於ける臨界事故においては、立ち上がりが早く持続時間が1ms1sのバースト状パルス放射線が発生する。緊急時に於ける線量評価手法の確立に資する事を目的として、高線量バースト状放射線測定システムを検討すると共に、高線量放射線が測定可能な直流電流方式の中性子検出系を試作し、タンデム加速器で得られる9-15MeV He2+がBeを衝撃する時に発生する放射線を用いて検出器応答実験を実施した。本実験により以下のことが明らかにされた。1)n-
分別方による放射線測定により、10cm幅の鉛ブロックをNE213前面に設置することにより、中性子の個数割合が0,63から077となることが分かった。2)実験配置を考慮した計算機シミュレーションにより、検出系に入射する中性子は、エネルギーが7-8MeVの範囲の中性子圧倒的に多いことが分かった。3)直流モードで観測されたパルス1個の波形の半値全幅は
16.4nsであり、最大カウントレートは
60Mcps評価された。4)カウントレートが
5Mkcpsの範囲で、放射線強度はHe電流に対し良好な比例関係が確認された。 電子スピン共鳴法を用いた放射線線量計測法の確立を目指し、基礎的な研究としてカルシウム塩粉末にガンマ線を照射することで生成する安定ラジカルをESR装置で測定し、精密な信号解析を行い、高感度化を目指した線量評価特性の調査を実施した。また、これらの安定ラジカルが化学反応によって生体分子への影響を及ぼすかを検討した。
久米 恭*; 大谷 暢夫*
JNC TJ4440 2004-003, 287 Pages, 2005/03
現在、放射線利用は原子力分野をはじめ幅広い産業分野での応用が進んでいる。放射線測定技術の開発はそれらの分野において一定の波及効果が見込める課題である。 本研究では、前年度に引続き、検出技術の困難さから開発余地の大きく残る中性子測定技術の開発を行った。 本年度は、前年度に引続き、熱中性子測定に使用した液体シンチレーション検出器を速中性子測定に応用する技術開発を行った。特に、簡便な測定回路系の構築および同時測定システム構築のための回路の最適化の検討、シミュレーション計算による検出効率評価の妥当性の検証を実施した。 これに並行して、中性子測定について取り扱いの簡便なプラスチックシンチレーション検出器の応用の可能性を検証した。本年度は、速中性子に対する応答特性の評価、中性子に対する検出効率の評価、広範囲なエネルギー領域の中性子同時測定のための検出器構成条件の調査を実施した。 更に、液体シンチレータ使用時に発生する設置場所や容器等の問題をクリアするため、前年度に引続き中性子束測定器としての無機シンチレータの性能評価も実施した。本年度は、NaI検出器による速中性子に対する感度評価、種々の無機シンチレータによる中性子測定への応用可能性の調査を実施した。
久米 恭*; 大谷 暢夫*; 玉川 洋一*
平成16年度財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究成果報告集,7, p.29 - 32, 2005/00
熱から速領域にわたる広範なエネルギー領域を測定可能な中性子検出器を開発した。検出器の主要部分は10Bを混入させた液体あるいはプラスチックシンチレータで構成されている。熱中性子に対しては(n, )反応により測定感度が高く、速中性子に対しては検出器自身が減速材としての役割を持つため、減速信号と捕獲信号を分離して検出可能である。また同時に、
線検出器として使用される無機シンチレータについて、中性子検出器としての性能評価も継続して実施した。
久米 恭*; 大谷 暢夫*
JNC TJ4440 2003-007, 312 Pages, 2004/03
現在、放射線利用は原子力分野をはじめ幅広い産業分野での応用が進んでいる。放射線測定技術の開発はそれらの分野において一定の波及効果が見込める課題である。 本研究では、前年度に引続き、検出技術の困難さから開発余地の大きく残る中性子測定技術の開発を行った。 本年度は、前年度に引続き、熱中性子測定に使用した液体シンチレーション検出器を速中性子測定に応用する技術開発を行った。特に、速中性子に対する感度の検証を、シミュレーション計算やビーム試験データ、中性子線源を使用することにより、実施した。 並行して、中性子測定について取り扱いの簡便なプラスチックシンチレーション検出器の応用の可能性を検証した。 更に、液体シンチレータ使用時に発生する設置場所や容器等の問題をクリアするため、前年度に引続き中性子線束測定器としての無機シンチレータの性能評価も実施した。特に、BGO、GSO、Nal検出器について、中性子測定の応用の可能性を研究した。
伊藤 慶文*; 遠藤 伸之*; 大谷 暢夫*
JNC TJ4440 2003-006, 408 Pages, 2004/03
原子力施設における臨界事故等に発生する、立ち上がりが早く持続時間が1ms1sのバースト状パルス放射線に対する放射線計測器の応答特性を調査し、緊急時における線量評価手法の確立に資する事を目的として、液体シンチレータ NE213・光電子増倍管・プリアンプから構成される直流電流方式の中性子検出系を試作し、200MeV プロトンビームがCuを衝撃する時に発生する放射線を用いて検出器応答実験を実施し、以下のことが明らかにされた。(1)Cuターゲットより10m 離れた位置でn-
分別法による中性子計測では、NE213前面の鉛シールドの有無は計測された中性子事象による波高分布に殆ど影響されなかった。(2)試作した検出系では、1個の高エネルギー中性子がNE213に入射することによるプリアンプ出力波形は、半値全巾
40ns程度のガウス型に近いパルス波形であった。(3)NE213前面にガンマ線遮蔽を行ったDC電流方式の計測において、プロトンビーム電流に対する中性子程度の応答は良好な直線関係を示した。ここで用いた中性子検出系では、飛来する中性子が25Mcps以上でも、十分な時間変化計測が可能であった。電子スピン共鳴法を用いた放射線染料計測法を確立を目指し、基礎的な研究としてガンマ線照射で生成する歯エナメル質中の安定ラジカルをESR装置で測定し、精密な信号解析を行い、高感度化を目指した線量評価特性の調査を実施した。また、歯エナメル質類似の無機化合物7種にX線を照射し、安定なラジカルを生成した3種について、生成したラジカルによる信号と線量の相関および減衰特性を評価した。
大内 伸夫; 赤岡 伸雄*; 浅野 博之*; 千代 悦司; 長谷川 和男; 竹田 修; 吉川 博; 松岡 雅則*; 大谷 利宏*; 加古 永治*; et al.
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 6 Pages, 2003/04
加速器駆動核変換システム(ADS)ではエネルギー約1GeV,ビームパワー数十MWの大強度陽子ビームが要求される。超伝導陽子線型加速器は大強度陽子ビームを発生させる最も有望なオプションである。原研では、超伝導陽子線型加速器のR&Dを1995年にKEKと共同で開始した。R&Dの第1ステップとして、単セル及び5セルの(ビームの速度と光速の比)=0.5, 0.6, 0.9の空洞の試作を行った。試験の結果は良好であり、大強度陽子加速器に適用可能であることが示された。次のステップとして、クライオモジュール内での空洞性能を実証するために、クライオモジュール試作器を製作し、予備試験において設計電場強度を実現した。大強度陽子加速器計画(J-PARC)では、エネルギー領域400
600MeVにおいて超伝導陽子線型加速器を計画しており、そのシステム設計を実施した。
伊藤 慶文*; 久米 恭*; 大谷 暢夫*
JNC TJ4440 2003-002, 284 Pages, 2003/03
原子力施設に於ける臨界事故時等に発生する高強度放射線に対する放射線用計測器の応答特性を調査し、緊急時における線量評価手法の確立に資することを目的として、タンデム加速器で得られるヘリウムビーム照射によるベリリウムターゲットから放射される高強度中性子をレムカウンター、AU箔・IN箔放射化、およびTLD積分線量計を用いて計測した。又、モンテカルロシミュレーションコード(NRESP)を用いてレムカウンターの感度特性を調査した。これらより、以下のことが明らかにされた。1)ビームエネルギーが15MEV、電流が0.8ミュウAの場合、ターゲットより100CM離れた位置での中性子線量等量は、熱中性子1627ミュウSV/H、中束中性子
大内 伸夫; 赤岡 伸雄*; 浅野 博之*; 千代 悦司; 長谷川 和男; 竹田 修*; 吉川 博; 松岡 雅則*; 大谷 利宏*; 加古 永治*; et al.
Proceedings of 21st International Linear Accelerator Conference, p.488 - 490, 2003/00
原研では、KEKと共同で超伝導陽子リニアックの開発を進めている。空洞性能とパルス運転時の安定な加速電界を実証するために、600MHz超伝導クライオモジュールを製作した。クライオモジュールは=0.6の超伝導5セル空洞を2台実装しており、運転温度2Kで設計されている。クライオモジュールの低温試験は液体ヘリウム冷却により4Kと2Kで実施し、空洞への熱侵入,負荷Q値,チューニング感度,ヘリウム容器の圧力に対する周波数変化及びローレンツ力デチューニングの測定を行った。測定結果はおおむね設計計算値と良好な一致を示したが、熱侵入量に関しては設計値1.7Wに対して測定値10Wとかなり大きな値を示した。また、ローレンツ力デチューニング量については、1つの空洞は設計値と一致したが、もう一方の空洞は設計値よりも高めの結果となった。また、予備的な横測定として大電力高周波試験を実施し、CW運転で最大表面電界10MV/m、パルス運転で16MV/m(定格電界強度)まで達成した。現在、パルス運転時の安定な加速電界を実証するために、高周波制御系の最適化を行っている。
伊藤 慶文*; 大谷 暢夫*
JNC TJ4400 2002-001, 150 Pages, 2002/03
原子力施設に於ける臨界事故時等に発生するバースト状の放射線に対する放射線用計測器の応答特性を調査し、緊急時における線量評価手法の確立に資することを目的として、タンデム/シンクロトロン加速器より放射されるバースト状のガンマ線をNAI検出器及びTLD積分線量計を用いて計測し、以下のことが明らかにされた。(1)PILE UP REJECTIONを併用したガンマ線計測を行った結果、COUNT RATEが7KC/S以下のであればPILE UPが問題とならないスペクトラムが得られることが分かった。100MEVプロトンビームが鉄ブロックを衝撃する際に放出されるガンマ線エネルギースペクトルをEEXP(-E/T EFF)と仮定し、非線形最小2乗法を用いたデータ解析により、実効的な温度T EFFを見積もった。その結果、T EFF=0.80.9MEVと推定された。本実験においては、電気ノイズの混入は観測されなかった。(2)種々の厚みの鉛でTLDを覆い、厚さの関数としての積分線量値を測定した。同様にガンマ線エネルギースペクトルをE EXP(-E/T EFF)と仮定しえt、実効的な温度T EFFを見積もった。上記と同じ条件下でT EFF=0.6
3MEVと推定された。原子力災害発生時の放射線状況を把握するための遠隔操作による野外モニタリング手法の確立のために、自律型無人ヘリコプターによるガンマ線計測を行い、以下の事が明らかにされた。(1)緊急時支援組織のグループ・アントラ(GROUPE INTRA)、及びCAC SYSTEMS社への海外調査行い、遠隔操作式ヘリコプターを用いた手法により緊急時の放射線モニタリング機能が強化されることが確認された。(2)塩化カリ肥料を試験用放射線源とした無人ヘリコプターのパターンフライトによって、明確に塩化カリ肥料位置が特定された。又、海岸線での自然界の微量な放射線量の変化が計測された。これらの計測試験により、放射線測定器を掲載した自律航行型無人ヘリコプターシステムは遠隔モニタリングシステムとして十分な機能を発揮することが分かった。
Nishihara, Kenji*; 小林 啓祐*; 大谷 暢夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(3), p.265 - 272, 1999/00
被引用回数:1 パーセンタイル:12.90(Nuclear Science & Technology)None
毛利 智聡; 大谷 暢夫
PNC TN9410 97-095, 44 Pages, 1997/11
核燃料施設の未臨界度モニターにおける測定手法のひとつとして、炉雑音解析法のひとつであるファインマン-法の開発を進めている。中性子計数の単位時間内の統計的変動を評価するファインマン-
法は、統計変動を平滑化した平均中性子束が、時間的に変化する様な過渡状態の体系には適用が困難である。時間的に変化する体系にファインマン-
法を適用する手法として、中性子計数データを階差フィルターで処理し、中性子束の平均的な変化の成分を除去する方法が提案されている。本研究では、階差フィルターによる処理が、ファインマン-
法において遅発中性子の影響を除去するためにも同等の効果があることに着目し、遅発中性子の影響が顕著に現れ、即発中性子減衰定数の評価が困難となる臨界近傍の炉雑音データに階差フィルターを適用した。階差フィルターを通した実効増倍率0.999から0.994までの炉雑音データに対して、ファインマン-
法による評価を行う事によって、即発中性子減衰定数が正しく求められる事を明らかにした。階差フィルターがファインマン-
法による即発中性子減衰定数の評価に有効である事が確認された事によって、ファインマン-
法を過渡状態の体系に適用できる見通しが得られた。
相原 永史; 大谷 暢夫; 八木 昭; 羽様 平
動燃技報, (99), p.81 - 86, 1996/09
未臨界度測定技術の開発を目的として、重水臨界実験装置(DCA)に未臨界度測定試験機能を備えた未臨界度測定炉心は、試験体領域とドライバー領域から成る2領域炉心を構成し、非均質性の強い特異な炉心体系を形成している。DCA2領域炉心について、臨界特性測定を実施し、試験体領域の減速材水位の上昇に伴ってドライバー領域重水水位が低下する2領域炉心特有の基本特性を確認するとともに試験体単独では臨界に成り得ない安全な運転法を確立した。輸送コードTWOTRANとモンテカルロ法を用いたコードシステムCSALEにより臨界特性データの解析を行った結果、両コードとも測定値の傾向を良く再現した。特にSCALEは、臨界重水水位の測定値を非常に高精度で評価することが明らかとなり、複雑な2領域炉心に対してモンテカルロ法による計算手法が良く適合することを確認した。
相原 永史; 福村 信男; 角谷 浩亨*; 八谷 雄喜
Nuclear Science and Engineering, 109, p.158 - 170, 1991/00
被引用回数:4 パーセンタイル:47.57(Nuclear Science & Technology)圧力管型原子炉の軸方向冷却材ボイド率分布の変化が、反応度に及ぼす影響を実験及び解析を通じて解明した。軸方向冷却材ボイド率の変化は、重水臨界実験装置を用い、圧力管内の冷却材(軽水)水位をステップ状に変化させることによって模擬した。実験体系には、ボイド反応度が正の25.0cm格子ピッチからなる炉心であり、反応度の部分的な冷却材水位変化に伴う変化を臨界重水水位の変化として測定した。この実験から、臨界重水水位は極大値と極小値を有する曲線的振舞いを示し、部分的な冷却材水位の領域で0%及び100%一様ボイド率の両炉心よりも正の反応度が投入されることが判明した。この特異な現象は、冷却材水位の変化に伴い炉内の中性子吸収量がゆるやかなS字状曲線で増大し、中性子漏洩量の線形的な減少に比べて異なることに起因することが解明された。
大谷 暢夫*
PNC TN9410 90-083, 70 Pages, 1990/07
水素製造を目的とする高温高速炉の炉心の核特性に係る検討を行った。本炉心は、窒化物或いは酸化物燃料を用いており、熱出力は実用炉クラスとして300400MWtの小型炉を想定している。本報告書では、安全性を念頭において、負或いは正の小さい値のボイド係数をもつ炉心の設計を目標に解析を行った。ナトリウム・ボイド反応度の低減化の方策としては、少しパンケーキ型(炉心高さ/炉心直径=1/2
1/3)をした炉心形状を用いて炉心表面積を増大させる方法を採用した。解析の結果、U燃料の場合はすべてのケースについて全炉心ボイド係数を負にする事が出来た。しかし、MOX燃料の場合は、ほとんどの場合が正の値となった。又、U燃料炉心については燃焼計算をも行ったが、解析の結果1年間の燃焼期間を確保するためには、5%程度の燃焼反応度を補償するだけの余剰反応度が必要である事がわかった。以上の解析計算はCITATIONコードを用いて行った。
大谷 暢夫*
PNC TN9410 90-030, 35 Pages, 1990/03
動力炉・核燃料開発事業団で整備され、高速炉の遮蔽特性および遮蔽実験の解析に使用されている高速炉遮蔽解析システムの概要がまとめられている。高速炉遮蔽解析システムには、放射線と物質との相互作用を表わす核定数ファイルと、放射線分布を計算する計算コードとが含まれる。各々の定数ファイルと計算コードは、動燃事業団を含む国内および国外の関係機関で開発されたものであり、動燃事業団ではシステムを整備するとともに、本システムを高速炉の解析、設計および実験解析に適用し評価してきた。本システムは、高速実験炉「常陽」の遮蔽測定データ解析を出発点として整備・開発され、各種の遮蔽ベンチマーク実験解析に適用されるとともに、高速増殖原型炉「もんじゅ」、高速実証炉、実用炉等の遮蔽設計解析に統一的に使用されている。本編には高速炉遮蔽解析システムのシステム構成と適用経験および今後の開発項目が示されている。
大谷 暢夫*; 神戸 満*; 角田 弘和*; 羽賀 一男*
PNC TN9410 89-145, 98 Pages, 1989/10
可搬型炉の一応用である宇宙用のものにつき、その小型炉心の核特性に係わる検討を行った。本炉心は、窒化物燃料を用いた高速炉で、冷却材としてリチウムを採用する。まず、簡単な球モデルの1次元計算によって、典型的なウラン炉心およびプルトニウム炉心の核特性を検討した。炉心サイズを等しく取った組成での計算結果の比較から、つぎのことが明らかになった。(1)炉心寿命の観点からは、ウラン炉心の方がプルトニウム炉心よりも同一燃焼期間(10年)での反応度欠損が小さく、優れている。(2)プルトニウム炉心の反応度欠損が大きい理由は、Pu-241の崩壊による現象によるものである。したがって、プルトニウムを燃料とする炉心は、比較的大きな燃焼度反応度欠損をカバーし得る炉心構成をとる必要がある。(3)炉心寿命を延ばす方法としては、炉心と反射体との間に熱中性子吸収体を設置することが、ある程度有効である。つぎに、設定された濃縮ウランを燃料とする炉心設計案を基とし、反応度調整のための炉心構成及び炉心組成、さらに炉心サイズの変更等を行い、この解析範囲で適当な炉心を提示した。基本的な核特性量としては、クリーン炉心の臨界性、燃焼反応度欠損量、水没時の未臨界性確保、炉停止マージン等を取り上げた。その結果、水没時の未臨界性確保と炉停止マージンについては、当初設定した目標値に到達したかったものの、ある程度の安全余裕が確保できる見通しが得られた。以上の解析では3次元モンテカルロコードを一部使用したが、この過程でより形状模擬性の優れた計算コードが必要なことが明らかとなった。
若林 利男*; 池田 真輝典*; 大谷 暢夫*; 鳥居 建男; 根本 昌明*; 野村 茂雄*; 小野瀬 庄二*
PNC TN9410 89-144, 132 Pages, 1989/10
フライシュマンとポンズ及びジョーンズの低温核融合実験の追試実験を行うことにより、低温核融合の可能性について評価した。また、今後の課題についての検討した。今回の追試実験は大洗工学センター各部よりそれぞれの分野の専門家が集まり実施した。追試実験における測定項目は、重水の電気分解方式では、中性子、重水電解液中のトリチウム(T)量、パラジウム(Pd)電極中のT量等,重水素ガスを吸蔵させ冷却する方式では中性子である。今回の追試実験結果をまとめると以下のようになる。(1)電気分解方式におけるTの測定結果については、Pd電極中に濃縮又は分離効果以上のTが生成された可能性がある。(70時間電気分解で約10pCi(2108個T))(2)電気分解方式における中性子測定結果については、一部バックグランドと優位な差(1.2倍、3
以上)と見とめられる結果が得られたが、その後未だ再現したデータは得られていない。(3)重水素ガス方式における中性子測定結果については、40気圧の場合、冷却停止約40分後、温度上昇時にバックグランドより多い計測が数度得られた。これらの追試実験結果より低温核融合の可能性について、次のような推察ができる。(イ)Tの生成から考えて、フライシュマンとポンズの実験のような大量の発熱生はないにしても低温核融合の可能性はあると思われる。(ロ)T生成量と比べる中性子発生数は非常に少ないため、D(d,p)T反応とD(d,n)He反応の分枝比(p/n)が大幅にかたよっている可能性がある。
大谷 暢夫*; 中島 文明*; 佐藤 理*
PNC TN241 84-13, 679 Pages, 1984/12
本報告書は、昭和54年度の高速増殖原型炉「もんじゅ」製作設計準備において実施された2次元SN輸送計算をまとめたものである。ここにまとめられた計算の結果を使用しても、「もんじゅ」の炉体まわり遮蔽の詳細設計及び評価が行なわれた。但し、「もんじゅ」では、本報告書の解析計算後に設計の変更があり、ここに記された体系は最新の設計とは異なっている。又、遮蔽設計値としては、計算値に設計者の判断を含むバイアスや余裕を見込んだ値が採られるが、本報告書に記載された図や数値はすべて計算コードが出したそのままの値であり、設計値ではない。高速炉の遮蔽設計及び解析には、現在2次元SNコードが主として使用され成果をあげているが炉体まわりの遮蔽設計で問題となる様な複雑な体系に対する2次元SN計算は、計算の為のデータ作成に膨大な労力を要し、かつ、多大の計算時間を必要とする。そのため、数多くの遮蔽体系について2次元SN計算を実施する事は困難であるが、既に実施された計算の結果は高速炉の遮蔽を検討するための貴重なデータとして利用することができる。本報告書は、今後高速実証炉等の遮蔽特性を評価する為のデータとして利用される事を目的としてまとめられている。