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市丸 智*; 竹中 久貴*; 並河 一道*; Gullikson, E. M.*; 圓山 桃子; 奥 哲*
Review of Scientific Instruments, 86(9), p.093106_1 - 093106_7, 2015/09
被引用回数:3 パーセンタイル:14.00(Instruments & Instrumentation)EUV分光のための広帯域Mo/Siグレーディッド多層膜ミラーを製作した。このミラーは、波長15nm17nm、有効エリア1100
1500mm
において平均16%という、直径1インチの標準的なMo/Si多層鏡より約4倍大きい反射率を有しており、この波長領域でのEUV蛍光計測に使用可能であることを示している。
小池 雅人; 石野 雅彦; 今園 孝志; 佐野 一雄*; 笹井 浩行*; 畑山 雅俊*; 竹中 久貴*; Heimann, P. A.*; Gullikson, E. M.*
Spectrochimica Acta, Part B, 64(8), p.756 - 760, 2009/08
被引用回数:9 パーセンタイル:42.26(Spectroscopy)18keV領域で高回折効率を呈するW/CとCo/SiO
多層膜ラミナー型平面回折格子(刻線密度1200本/mm)を開発した。Co/SiO
回折格子においては4,6keVでそれぞれ0.41, 0.47、W/C回折格子においては8keVで0.38の高い回折効率を観測した。この特長を利用して1.7keV領域で用いることができる平面結像型分光器用としてMoSiO
多層膜を蒸着したラミナー型不等間隔溝球面回折格子を開発した。0.9
1.8keVでの回折効率は0.05
0.20であった。また、Hf-M
(1644.6eV), Si-K
(1740.0eV), W-M
(1775.4eV)の半値全幅は13.7eV, 8.0eV, 8.7eVであった。このことにより、1
8keV領域での多層膜ラミナー型回折格子の高回折効率性を実証したのみならず数keVでの平面結像型回折格子分光器の利用を可能とした。
小池 雅人; 石野 雅彦; Heimann, P. A.*; 今園 孝志; 竹中 久貴*; 畑山 雅俊*; 笹井 浩行*; Gullikson, E. M.*; 佐野 一雄*
AIP Conference Proceedings 879, p.647 - 650, 2007/01
ホログラフィック法と反応性イオンビームエッチング法により作成されたラミナー型回折格子は少なくとも溝の凸部において初期研磨面の良い面粗さが保存されるため波長と面粗さがほぼ同等のスケールとなる軟X線回折格子として適している。また、この回折格子面上にマグネトロンやイオンビームスパッタリング法により多層膜を蒸着すると回折効率の高い多層膜回折格子が作成できる。幾つかの多層膜材料を用いて多層膜ラミナー型ホログラフィック回折格子を作成し、その回折効率を米国ローレンスバークレー研究所先進光源施設(Advanced Light Source, ALS)BL-5.3.1とBL6.3.2及び立命館大学SRセンタ-BL-11で0.66keVの範囲で回折効率を測定した。回折格子の刻線密度は1200本/mm、溝深さは3
4nm、デューティ比(凸部の幅/格子定数)は0.4
0.5、多層膜の周期は6-7nm、総膜層数は60
100、有効面積は36
36mm
である。その結果W/C多層膜を付加した場合、8keVで38.1%、CoSiO
多層膜を付加した場合、4keVで40.9%の回折効率を示した。さらに。これらの高回折効率回折格子の利用として、1-8keV領域を測定領域とする可変偏角不等間隔溝平面回折格子分光器の設計例を示し、実験的に得られた回折効率を取り入れた分光器としてのスループットの見積計算,光線追跡によるシミュレーションの結果から予測される分解能についても議論を行う。
石野 雅彦; Heimann, P. A.*; 笹井 浩行*; 畑山 雅俊*; 竹中 久貴*; 佐野 一雄*; Gullikson, E. M.*; 小池 雅人
Applied Optics, 45(26), p.6741 - 6745, 2006/09
被引用回数:12 パーセンタイル:49.38(Optics)1-8keVのエネルギー領域のX線には、元素の吸収端が数多く存在することから元素分析や物質の構造解析等の分野で広く利用されている。しかし、回折格子分光器は2keVよりも高エネルギーでは効率が極端に減少することから実用上問題が多い。われわれは1-8keVのX線領域において高い効率を実現する回折格子として、多層膜をコーティングしたラミナー型多層膜回折格子の生成と評価を行った。多層膜としては1-8keVで高い反射率が期待できるW/C多層膜及びCo/SiO多層膜を選択し、マグネトロンスパッタリング法及びイオンビームスパッタリング法により回折格子基板上に成膜を行った。そして、回折効率を米国ローレンスバークレー国立研究所の放射光施設であるAdvanced Light SourceのBL5.3.1, BL6.3.2, 立命館大学SRセンターのBL-11、そしてX線回折装置を用いて測定した。その結果、Co/SiO
多層膜回折格子が6.0keVにおいて47%の回折効率を、W/C多層膜回折格子が8.0keVにおいて38%の回折効率を示した。このことから、開発した多層膜回折格子は1-8keV領域において十分実用となることを見いだした。これらの測定結果は今まで報告されている効率の中で最も高い値である。そして粗さを考慮した理論計算からCo/SiO
多層膜回折格子の粗さを
=0.7-1.3nm, W/C多層膜回折格子の粗さを
=0.8-1.0nmと評価した。これは回折格子基板の持つ表面粗さから考えて、妥当な値である。
石野 雅彦; 依田 修; 竹中 久貴*; 佐野 一雄*; 小池 雅人
Surface & Coatings Technology, 169-170(1-3), p.628 - 631, 2003/06
Mo/Si多層膜は、波長13nm近傍の軟X線領域において、高い直入射反射率を示すが、300以上の温度においては、多層膜界面での原子拡散やSi化合物の生成により、多層膜構造が劣化し、反射率が減少する。そこで我々は、熱による原子の拡散と化合物の生成を抑制し、Mo/Si多層膜の耐熱性を向上させることを目的として、イオンビームスパッタ法を用いて、界面にSiO
層を挿入したMo/Si多層膜を成膜した。耐熱性評価のため、多層膜試料に対して、真空加熱炉を用いて600
までの加熱処理を行った。そして、CuK
線を用いたX線反射率測定を行い、Mo/Si多層膜の構造評価を行った。その結果、従来のMo/Si多層膜は、350
以上の温度で周期構造が大きく劣化したのに対して、SiO
層を挿入したMo/Si多層膜の構造変化は小さく、耐熱性の向上が確認された。また、軟X線反射率測定の結果からも、SiO
層の挿入は、Mo/Si多層膜の耐熱性に有効であることを確認した。
Tang, H.; 大道 博行; 岸本 牧; 助川 鋼太*; Tai, R.; Mesesson, S.*; 田中 桃子; Lu, P.; 河内 哲哉; 永島 圭介; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 42(2A), p.443 - 448, 2003/02
被引用回数:14 パーセンタイル:49.90(Physics, Applied)本論文では、過渡衝突励起方式のニッケル様Ag X線レーザーの空間コヒーレンスを報告する。X線レーザー励起のために、波長1.053mの1psレーザーパルスが銀のターゲットを照射すると、波長13.9nmニッケル様Ag軟X射線レーザーが発生する。X線レーザービームが、銀ターゲットから距離1mに取り付けたスリット-アレイに伝播すると、出力のX線回折パターンが、X線CCDに記録される。この回折パターンに基づく、ターゲットから距離1mの位置における、X線レーザーの空間コヒーレンスが計算された。このX線ビームのコヒーレンス分布特性も評価された。
村松 康司; 竹中 久貴*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 41(6B), p.4250 - 4252, 2002/06
被引用回数:9 パーセンタイル:37.56(Physics, Applied)X線多層膜ミラーの層構造及び界面粗さの情報を得ることを目的として、全電子収量法を用いたX線定在波スペクトルを測定した。Mo/SiC/Si多層膜ではブラッグ反射に対応した定在波ピークが観測され、アニールによる層構造の乱れが示唆された。また、本法はその簡便な測定原理のため、反射率との同時測定が可能であり、かつ二次元マッピングによる層構造の均一性について可視化できることを示した。以上から、X線多層膜ミラーの評価手法として本法が有効であることを明らかにした。
小池 雅人; 佐野 一雄*; 依田 修; 原田 善寿*; 石野 雅彦; 森谷 直司*; 笹井 浩行*; 竹中 久貴*; Gullikson, E. M.*; Mrowka, S.*; et al.
Review of Scientific Instruments, 73(3), p.1541 - 1544, 2002/03
被引用回数:20 パーセンタイル:67.90(Instruments & Instrumentation)軟X線光学素子の波長依存性,角度依存性絶対効率を測定するために開発した装置について述べる。この装置は立命館大学にある超電導コンパクトリングAURORAのBL-11に設置された。0.5nm25nmの広い波長領域をカバーするために2種類のMonk-Gillieson型分光器を装備している。一台は二偏角を持つ不等間隔溝回折格子を用いる従来型で、他方は表面垂直回転(SNR)の波長走査を用いる新型である。このシステムの紹介と、軟X線多層膜,同回折格子,フィルターについての測定結果について述べる。測定値はローレンス・バークレー研究所ALSにおける測定値とよい一致を見せ、システムの信頼性が確認できた。またSNRを用いた分光器ではALS'の同等の従来型分光器では測定不可能な1.5keV(~0.8nm)にあるアルミニウムのK端が測定でき、シミュレーションによる透過率とよく一致した。
田中 桃子; 河内 哲哉; 加道 雅孝; 長谷川 登; 助川 鋼太*; Lu, P.; 永島 圭介; 加藤 義章; 竹中 久貴*
Surface Review and Letters, 9(1), p.641 - 644, 2002/02
被引用回数:12 パーセンタイル:52.50(Chemistry, Physical)X線レーザーの近視野像をとることは、X線レーザーを集光して用いる利用実験を行ううえで不可欠であり、X線レーザーの高度化を行ううえで必要なゲイン領域の形状などについての情報を与える。X線レーザー研究グループでは過渡利得型電子衝突励起方式により、ネオン様チタン,ニッケル様銀,ニッケル様スズなどの発振に成功している。この会議では、X線多層膜ミラーを用いてニッケル様銀レーザー(波長13.9nm)の近視野像を観測した結果について報告する。ターゲット長を変えてイメージをとった結果、ターゲット表面から30~50mでX線が増幅されていく様子が観測された。利得領域は数10
m程度の大きさで、内部に局所的にX線の強い領域がいくつか存在した。また、進行波励起を導入した実験でも同様の結果が得られた。
村松 康司; 竹中 久貴*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
X線分析の進歩,33, p.145 - 154, 2002/00
X線多層膜ミラーの層構造及び界面粗さの情報を得ることを目的として、全電子収量法を用いたX線定在波スペクトル測定法を提案した。本法を用いたMo/SiC/Si多層膜の測定では、ブラッグ反射に対応した定在波ピークが観測され、そのスペクトル形状変化からアニール処理による層構造の乱れが示唆された。また、本法はその簡便な測定原理から反射率と定在波の同時スペクトル測定が可能であり、かつ二次元マッピング測定から層構造の面内分布情報を可視化して表示することも可能である。以上から、X線多層膜ミラーの層構造評価方法として本法が有効であることを示した。
村松 康司; 竹中 久貴*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Advanced Light Source Compendium of User Abstracts 2000, 10 Pages, 2001/07
X線多層膜ミラーの層構造及び界面粗さの情報を得ることを目的として、全電子収量法を用いたX線定在波スペクトルを測定した。Mo/SiC/Si多層膜ではブラッグ反射に対応した定在波ピークが明瞭に観測され、アニールによる層構造の乱れが示唆された。また、本法はその簡便な測定原理のため、(1)反射率との同時測定が可能であり、(2)二次元マッピングによる層構造の均一性について可視化できるという特長を有することを示した。そのほか、酸素置換基を有する多環芳香族分子の吸収スペクトル測定,多孔質カーボン中の酸素のX線発光吸収スペクトル測定,キュービックシリコンの電子構造解析,DNA関連分子のX線発光吸収スペクトル,発光過程を識別した蛍光収量X線吸収スペクトル測定方法について解説した。
田中 桃子; 河内 哲哉; 加道 雅孝; 長谷川 登; 助川 鋼太*; 長島 章; 加藤 義章; 竹中 久貴*
Journal de Physique, IV, 11(Pr.2), p.55 - 57, 2001/07
X線レーザー研究グループではX線顕微鏡や微細加工に利用できる小型X線レーザーの研究を行っている。これらの利用を行うには、X線レーザーの強度や利得の分布の情報が不可欠である。当グループでは、プリパルスの発生機構を備えたピコ秒CPAガラスレーザーを用いて、ネオン様チタン、ニッケル様銀、ニッケル様スズなどのX線レーザー発振に成功した。本会議では、ニッケル様銀(13.9nm)を中心として、X線レーザー光のキャラクタリゼーションを行った結果を報告する。X線レーザー光の強度分布の観察には多層膜ミラーを用いた10倍の結像光学系を使用した。
竹中 久貴*; 伊東 恒*; 永井 宏明*; 村松 康司; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.341 - 344, 2001/07
被引用回数:24 パーセンタイル:82.72(Instruments & Instrumentation)水窓領域における軟X線マイクロスペクトロスコピーに利用され得る高反射率の多層膜X線ミラーを設計・開発した。具体的には、層間のインターミキシングを抑えるためにカーボン層を間にはさんだNi/C/Ti/C多層膜を作製した。この多層膜の反射率を放射光を用いて測ったところ、9.5°の入射角に対して40%(=2.76nm)であった。この値はC層をはさまないNi/Ti多層膜のものとほぼ同等以上であった。さらにNi/C/Ti/C多層膜の方がNi/Ti多層膜よりも耐熱性が向上することもわかった。
竹中 久貴*; 永井 宏明*; 伊東 恒*; 村松 康司; 川村 朋晃*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.337 - 340, 2001/07
被引用回数:8 パーセンタイル:51.75(Instruments & Instrumentation)6nm領域における軟X線マイクロスペクトロスコピーに利用され得る高反射率の多層膜X線ミラーを設計・開発した。具体的にはマグネトロンスパッタ法を用いて、直入射条件下で高反射率が得られるCoCr/C多層膜ミラーを作製した。この多層膜ミラーの反射率を測ったところ、88°の入射角において、11.5%(=6nm)であった。この膜をアニール処理すると、反射率は13%に向上し、高反射率の多層膜を開発するうえで、アニール処理が重要であることを示した。
村松 康司; 竹中 久貴*; 上野 祐子*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Applied Physics Letters, 77(17), p.2653 - 2655, 2000/10
被引用回数:13 パーセンタイル:51.08(Physics, Applied)高輝度放射光に代表される大強度軟X線の分光・集光素子として不可欠な耐熱性多層膜ミラーの開発に資することを目的として、耐熱特性を支配する化合物バリア層の化学結合状態を解明するため、Mo/SiC/Si多層膜におけるシリコンカーバイド層のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。得られたX線スペクトルをDV-X分子軌道法により解析した結果、このシリコンカーバイド層はh-またはc-SiCの基本構造において一部のシリコン原子を炭素原子で置き換えた炭素過剰な状態にあることが示唆された。併せて、多層膜における化合物層の非破壊状態分析に軟X線発光吸収分光法が有効であることを示した。
石野 雅彦; 小池 雅人; Heimann, P. A.*; 笹井 浩行*; 畑山 雅俊*; 竹中 久貴*; 佐野 一雄*; Gullikson, E. M.*
no journal, ,
1-8keVのX線領域は物性研究や生命科学等の広い分野で利用されつつある。しかし、回折格子分光器は2keVよりも高エネルギーで効率が極端に減少し、結晶分光器では構成元素による吸収構造や熱耐性など実用上問題が多い。そこで、1-8keVのX線領域で機能する回折格子、そして回折格子分光器の開発を目的として、多層膜をラミナー型回折格子基板上に成膜した多層膜平面回折格子の生成と評価を行った。多層膜としてW/C多層膜とCo/SiO多層膜をそれぞれマグネトロンスパッタリング法及びイオンビームスパッタリング法により成膜した。そして、回折効率を米国ローレンスバークレー国立研究所の放射光施設Advanced Light SourceのBL5.3.1及びBL6.3.2,立命館大学SRセンターのBL-11、そしてX線回折装置を用いて測定した。その結果、W/C多層膜が8keVにおいて38%, Co/SiO
多層膜回折格子は6keVにおいて47%と、これまで報告されている中で最も高いと考えられる回折効率を得た。理論的に得られる回折効率と実験値との差は面粗さや多層膜構造の不完全性によるものと考えられるが、粗さの指標となるDebye-Waller係数で評価した場合、約1nmに相当しAFMや干渉計などほかの方法で得られた値とほぼ一致した。
小池 雅人; 石野 雅彦; 佐野 一雄*; 笹井 浩行*; 竹中 久貴*; 畑山 雅俊*; Heimann, P. A.*; Gullikson, E. M.*
no journal, ,
ホログラフィック法と反応性イオンビームエッチング法により作成されたラミナー型回折格子は面粗さが波長とほぼ同等のスケールとなる軟X線回折格子として適している。この回折格子面上に多層膜を蒸着し多層膜回折格子を作成した。米国ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)Advanced Light Source(ALS)などでの測定により8keVで38.1%、CoSiO多層膜を付加した場合、4keVで40.9%のきわめて高い回折効率が得られた。多層膜回折格子の一応用として放射光ビームラインに適した1
8keVの領域を対象とする不等間隔溝多層膜平面回折格子を用いた高分解能可変偏角型分光器の設計について述べる。この分光器は結像凹面鏡(固定),多層膜平面回折格子(回転),多層膜平面鏡(移動,回転)の3点の光学素子から構成される(括弧内は波長走査に必要な運動を示す)。分解能と回折効率を実用上の限界まで高めるため1
8keVの領域を3分割し、それぞれの領域で最適な多層膜,不等間隔溝様式を持つ3枚の多層膜回折格子を用いると仮定した。講演では高輝度放射光源に設置されたアンジュレータを光源とした場合の分解能,スループットの数値計算結果について報告する。
小池 雅人; 石野 雅彦; 今園 孝志; 佐野 一雄*; 笹井 浩行*; 畑山 雅俊*; 竹中 久貴*; Heimann, P. A.*; Gullikson, E. M.*
no journal, ,
0.75-0.75nmを対象とする平面結像型分光器に用いる平均刻線密度2400本/mmの多層膜ラミナー型球面回折格子の設計製作評価を行った。不等間隔溝パターンは非球面波露光法で作成され、反応性イオンビームエッチング法によりラミナー型の溝形状に加工された。その上にMo/SiO多層膜を蒸着した。多層膜の周期長はHf-M, Si-K, W-Mバンドの発光スペクトルのエネルギーに合わせて回折格子面上を3分割したそれぞれの部分に最適化された。各部分での1次回折光の回折効率は18-20パーセントで、スペクトル分解は8-14eVであった。
小池 雅人; 石野 雅彦; Heimann, P. A.*; Gullikson, E. M.*; 竹中 久貴*; 畑山 雅俊*; 笹井 浩行*; 佐野 一雄*
no journal, ,
ホログラフィック法と反応性イオンビームエッチング法により作成されたラミナー型回折格子は少なくとも溝の凸部において初期研磨面のよい面粗さが保存されるため波長と面粗さがほぼ同等のスケールとなる軟X線回折格子として適している。この回折格子面上にマグネトロンやイオンビームスパッタリング法により多層膜を蒸着し多層膜回折格子を作成した。幾つかの多層膜材料を用いて多層膜ラミナー型ホログラフィック回折格子を作成し、その回折効率を米国ローレンスバークレー研究所先進光源施設(Advanced Light Source,ALS)BL-5.3.1とBL-6.3.2及び立命館大学SRセンターBL-11で0.68keVの範囲で回折効率を測定した。回折格子の刻線密度は1200本/mm,溝深さは3
4nm,デューティ比(凸部の幅8格子定数)は0.4
0.5,多層膜の周期長は6
7nm,総膜層数は60
100である。測定の結果W/C多層膜を付加した場合、8keVで38.1%,CoSiO
多層膜を付加した場合、4keVで40.9%の回折効率が得られた。さらに。これらの高回折効率回折格子の利用として、1
8keV領域を測定領域とする可変偏角不等間隔溝平面回折格子分光器の設計例を示し、実験的に得られた回折効率を取り入れた分光器としてのスループットの見積計算,光線追跡によるシミュレーションの結果から予測される分解能についても議論を行う。
小池 雅人; 石野 雅彦; 佐野 一雄*; 竹中 久貴*; 畑山 雅俊*; 笹井 浩行*; Heimann, P. A.*; Gullikson, E. M.*
no journal, ,
ホログラフィック法と反応性イオンビームエッチング法により作成されたラミナー型回折格子にマグネトロンマグネトロンスパッタリング法によりタングステンと炭素からなる多層膜を蒸着した多層膜回折格子を作成した。回折格子の刻線密度は1200本/mm,溝深さは3nm,デューティ比(山部の幅/格子定数)は0.45,多層膜の周期は6.66nm,タングステンと炭素の膜厚比は4:6,総膜層数は100,有効面積は36mm36mmである。この回折格子をX線回折装置でCu-Ka線(0.154nm),3箇所の放射光を利用光学素子評価装置(立命館大学SRセンターBL-11,米国ローレンスバークレー研究所先進光源施設(Advanced Light Source, ALS) BL-5.3.1及びBL6.3.2)で0.6
6keVの範囲で回折効率を測定した。その結果CuKa線において回折角88.815度(m=p=+1次光)に対して36.7%の回折効率を示した。この値はこれまで報告されている同じ物質対を用いた多層膜回折格子(多層膜鏡をエッチングして作成されたラミナー型回折格子、有効面積1.5
30mm
)の回折効率34%を上回っており、他の物質対を用いた多層膜回折格子を含めても著者の知る限りこれまで実験的に示された最も高い回折効率である。なお、実験的に得られた回折効率,理論的に計算される理想条件の回折効率55.8%などから多層膜層に起因する面粗さは約0.3nmと見積もられる。